おはようございます。
女子兵法部、部長の本橋です。
私にとって3月は難しい月です。
まず、冬から春になるプロセスがとても苦手
日本に帰ってきて、花粉症の症状が出るようになり、この3年は西洋薬を使わずに対処してきたのですが、薬を使うにしても使わないにしても体調管理で消耗する季節
以前、ラジオを聴いていたら「花粉症やアレルギーも自分の心の状態を反映しているものであって、理由があって出ているもの。症状と対話するとその理由がわかりますよ」という言葉がふと耳にとまりました。
それで私も対話してみたことがあります。
一種の瞑想であり、自己催眠でもありますが、自分自身の中に潜っていく作業を私はウオーキングしながらやってみました。
なんと周りは杉だらけの場所だったのですが(笑)、出てきた答えは「自分自身をよくみせたい」というものでした
さらに掘り下げると、素の自分というものがあり、その素の自分を否定する自分がいて、さらに自分を飾り立ててよく見せたいという虚栄心や世の中に認められたいという承認欲求がせめぎ合っていました。
承認欲求というのも二重構造になっており、自分の能力を相応にまっとうに評価されたい自己存在誇示欲求と、世間に自分という存在を認めさせて圧倒したいという征服欲の二つがあると感じました。
不思議だったのは、自分の中にある色々な気持ちをひとつひとつ感じていくことで花粉症の症状が和らいだことです。
その作業から3年たって、自分の内側が騒がしくなっているのを感じます。
今また、自分と向き合うことを求められる時が来たのでしょう。
そんな私だからこそ、兵法があっているのだろうと思いつつ、今日選んだ兵法書は『司馬法』。
兵法七書のうちの一つです。
司馬とは、軍務大臣といったような役職になるかと思います。
周の時代までにすでに存在していた兵法に、戦国時代に斉(せい)の国で整理が加えらえたもの。
『司馬法』には、戦いに勝つ三条件についての一節があります。
三条件といえば、『孟子』公孫丑章句下』の「天時不如地利、地利不如人和」から引用された「天の時、地の利、人の和」が有名ですが、ここでは、
・天
・財
・善
の三つが挙げられています。
原文は以下の通り。
凡戦有天、有財、有善。時日不遷、亀勝微行。是謂有天。衆有有、因生美。是謂有財。人習陣利、極物以予。是謂有善。人勉及任。是謂楽人。
超訳いきます。
戦の前に整えるべきものが3つある。これを天、財、善の三条件という。
「絶好のチャンス」とみたら必ず時宜をつかみ、亀甲で勝利を占い敵国に知られないよう秘密裏に動く。これが「天」である。
国民には持つべきもの=衣・食・住において必要なものが隅々まで行き渡るようにはからう。充足していれば、いざというときに自ら喜んで戦地に向かう。これが「財」である。
最後に「善」とは、普段から訓練をし、万が一のために十分な物資を備蓄しておくことだ。
これらの三条件を満たした上で、人々が自らの責務を果たすならば、労せずして勝利することができるだろう。
なかなか面白いです。
「天」に関しては想像しやすいですが、「財」や「善」は現代の定義とは随分違っています。
もうひとつ興味深いのは、「美」に関して。
実はこの文字、当初の意味は「いけにえの羊」です。
つまり、尊いものの前に自らを差し出すの意味。
これが時代を下り、形や精神の美しさなどを表す意味になったと考えられます。
『司馬法』読んで花粉症乗り切ったら、またご報告しますね