早朝のSMN駅。



列車の運行具合をチェック。予定通りみたいだ。


乗るはずの電車のホームの掲示板は何も表示されていないようだったので、


まだ電車は来てないのかなと思い、売店付近でしばらく待つことにする。


朝は、ちょっと冷える。



しばらくして、お目当ての8番ホームにぶらっと近づいてみたら、


掲示板は表示されていないんじゃなくて、ランプが切れてるだけだった。



電車はちゃんと来てる。


それならこの中で待ってたら良かった。




ESIに乗り込み、出発を待つ。


席はローマから来た時と同じ、6号車の11番だ。ひとりがけシート。



やがて列車は走り出した。


そしてやっぱり後ろ向き。。


なんで進行方向と逆にシートが向いてるんだろう。


別に僕だけじゃない。ざっと見た感じすべてのシートは進行方向と逆向きだ。




とにかく、売店で買ったサンドイッチを朝ごはんにする。


サンドイッチと水だけという質素な食事。


日本の新幹線に乗るんだったら、駅弁とか買っちゃったりするんだろうけど、


こっちではこれだけでも満足できるようになってきた。



ここからミラノまでは3時間の旅。大阪-東京の新幹線みたいなもんか。


車窓の風景を眺めーの、「地球の歩き方」を読みーの、DSで「世界樹の迷宮2」しーので時間を潰す。




やがて列車はミラノ中央駅のホームに入る。


テルミニ駅でも、SMN駅でも感じたけど、大きな駅に入っていくときにわくわくしてくるのは何でだろう。


さっきまで田舎の風景だったのが、だんだん市街地になり、


やがて都会じみてくるのを見てるのが楽しい。


そしてそこにこれから降り立つんだという、なんというか高揚感。


やみつきになりそう。列車の旅。




ミラノ・チェントラーレ駅(歩き方でいう中央駅のこと。現地的にはチェントラーレと呼ぶ。)に着く。


朝10:00。




まずホテルに行って、荷物預けてからフィエラに向かおう。


チェックインはできるかな。




駅を出るとだだっぴろい広場に出た。


何もない。


ホテルのある東側へ向かうも、人気はないし、なんか裏通りの雰囲気。


ここはホントにミラノの中央駅なのか。


朝なのに、怖い。


大丈夫かミラノ。



結局ホテルも寂れた感じのところにあった。


ホテルソペルガ(SOPERGA)。ソペルガ通りにあるからこの名前。



でも中は、今まで泊まったとこの中では一番まともっぽい。


入り口奥にバーみたいなのもあるし。



で、チェックインをお願いしたらあっさりできた。


朝食の説明と共に、テレビの説明も。


ふーん、ペイパービューの映画も見れるのね。



部屋も、こぎれいな感じで、ミニバーもあって、ランドリーサービスもあって、


なんとなくほっとした。


ここで4泊なら悪くない。


早速、お出かけの準備。




軽装になって、ホテルを出る。


ここからは地下鉄だ。


チェントラーレ駅で黄色線にのって、ドゥオモで赤線に乗換えね。


歩き方に書いてたとおり、1日券を買うことにする。



ドキドキしながら自動券売機へ。


あ、なんか言葉を選べるっぽい。


英語を選択して、ワンデイってあるのを購入。


3ユーロ。これで24時間、地下鉄、バス、トラムが乗り放題らしい。



さて、どこへ向かったらいいものか、


観光地は英語表記も多かったけど、さすがにここまでくるとそれが無いことも多い。


最悪、出口=uscita は知っとかないと死ぬな。


乗り換えたいときは、uscitaじゃ無い所へいったらいいし、


道が分からなくなったらとりあえず uscita へいったらいいんだから。



案内板の色で何線かを確認、


そしてその色の行きたい方向の終着駅を確認して、そっち方面のホームに行く。



無事、ドゥオモでの乗換えから赤線でフィエラ方面への電車に乗ることができた。




ここでありえない疑問がわいてきた。


さて、僕はどこで降りたらいいんでしょうか?



1年前からサローネ行きの準備して、入場券も買って、フィエラの構造まで調べたのに、


その最寄り駅が分からないなんて!



うかつにも程がある。



でも、でも、心配には及ばない。


この地下鉄車内はほぼ満員。


そして、おそらく皆サローネに向かっている。


イベントに行こうとする、なんだかそんなオーラが漂っている。


だから皆について降りればいいんだ。



でも一応地球の歩き方を見てみようか。


基本、旅行者然とした振る舞いがなんか嫌なので、ふだん人ごみでガイドブックを開かないのだが、


ここで背に腹はかえられない。



歩き方の地図を見ると、大きな見本市会場があって、そばにフィエラのつく名前の駅がある。


アメンドラ・フィエラという駅だ。


しかも、展示場へはここで降りろとある。



じゃあアメンドラ・フィエラで降りたらいいのね。



ちょうど、近くにいたおばあさんの会話に、「アメンドラ・フィエラ」という単語が登場。


やっぱりそれでいいんだ、一安心。



しかし、アメンドラ・フィエラの駅が近づいてきても誰も降りる気配を見せない。


まさか駅が違う?それとも誰もサローネなんかに行かない?



疑問渦巻くうちにも、扉が開いてしまった。


やっぱり誰も降りない。


くそお、しょうがない、いっぺん降りてみるかと、


混雑した車内でペルメッソ、と声をかけ降ろしてもらう。



ホームに降りてみて、駅を見渡してみて、これは違うなと確信。


売店のシャッターも閉まってるわ、改札もほとんど閉まってるわで、明らかに廃駅だ。



近くに地図があったので見てみたら、さっきの赤線の終着駅がRHOフィエラで、


その近くにかなりでかい展示場がある。RHOフィエラという名前の。


地球の歩き方にはここまでの地図は載ってなかった。




そこで思い出した。


そういや、06年に新しいフィエラができたんだっけ。


アメンドラが旧フィエラで、RHOってのが新しいところか。



そういうわけで、次に来た列車に乗る。


案の定だ、みんな仲良く揃って、終点のRHOフィエラで降りた。



駅からフィエラへの道はすごい人だ。


スーツケースを転がした人も向かっている。ご苦労様です。





そして、ようやく会場に到着。





これで高まるテンション。


よし、行くぜよ!



印刷してあるバーコード付きのチケットを、イージーアクセスってポイントに持っていく。



ここで、リーダーでバーコードを読ませると、入場券が発行された。





チケット自体は、ネットでの購入ができ、あとはそれを印刷してきて自分で入場券を出すだけだ。


業界関係者だけ入場可能とはいうものの、


結局、自分がデザイナーとかバイヤーとか名乗りさえすれば、誰でも入ることはできる仕組みだ。



でも、今日は一般開放日で、その日は相当混むと聞いていたけれど、


中に入ってしまえば、それほどでもない。


むしろ勝手に写真を撮ったり、ブース内を自由に見るにはこれくらいの人手がちょうどいい。


だから入場券購入で並ばないよう事前にチケットを買って、一般開放日に来るのが良いのかも。



もちろん、買い付けの商談や、展示品について詳しい話がしたい人は空いてる時が良いでしょうが。





入り口の案内板を見て、どうやってまわるか考える。



広大な展示場、効率よく行こう。全部見てまわるのは無理だろうけど。


ちなみに、このマップは入場券の裏にものってるので、


入場券はしょっちゅう取り出すことになった。




フィエラの入り口。イタリアではこの回転バーをわりと見る。




一番近い「Classic」というエリアは飛ばして、「Design」というエリアへ。


そもそもデザインっていうくくりが、ワケわかんないと思った。他のエリアはデザインと違うのか。




RHOフィエラで開かれているのは基本的にはインテリアの展示会だ。


直接仕事に影響するのは、インテリアの中でも一部のジャンルだが、


とりあえず新しい、面白いデザインが見たい。そんな気持ちで、くまなく見てまわる。




樹脂製、カンティレバー構造のイス。


全体の有機的なフォルムに、パンチングメタルのような規則正しい穴が印象的だ。



すわった瞬間少ししなる感じで、それなりに身体へのフィット感もある。


型の抜き方向が、数多い穴の形状にどう影響してるのかを見たくて、どアップでじーっと見てしまう。




アルミフレームの収納棚?


六角形を積み上げた形。微妙に正六角形じゃない部分もあり。



いわゆる収納棚の展示も数多かったが、これはけっこうとんがってて面白い。


しかし棚としては使い勝手悪いだろうと心配する。オシャレだけど。




何だこのヒゲは。シリコンゴムっぽい紐が背中と座面の裏にぶら下がってる。






今度はしなる棒を束ねて背もたれにしたイス。



これは意外と、背もたれが身体にフィットした。


でもあんまりのけぞったら、割れ目から落ちるかも。




ソファ。色がかわいい。形がかわいい。金属の丸い留めがねがついてるのもかわいい。



こういうのを置ける部屋に住みたいなあ。




背もたれの裏に、毛糸の縒ったものを薄布で挟み込んで、絵のように表現してる。


桜か?



なんかイスばっかりだ。





エーロ・アールニオのバブルチェアだ。生で見るのは初めてな気がする。



ここはいわゆる有名デザイナーの手がけたものを扱ってるみたい。アイリーン・グレイとか。




時計だらけのブースもある。



こういうアイデアを考えるのは楽しいだろうな。しかも実際に作っちゃうんだから。





ご家庭向けのインテリアショップな趣。



宙に吊るす展示が結構多かった。


イスなんかでも壁に吊るしちゃうし。




白、オレンジ、イエローグリーン、これが今のカラーリングの大勢なのかな。


実際、自分でもグラフィックには使いやすいし。


さすがに立体でこの色は、日本ではきつそうだけど。見せ色には使える?


そういえば au のオレンジと、その Lismo のグリーンがつぼを押さえてる。


比較的おしゃれとされるキャリアのゆえんかしらん。




次は、「Bagno」のエリアへ。


バーニョというからにはトイレ関係か。




水栓を水色のパイプの上に並べちゃいました。



でも良いかもこれ。インパクトあるし。


展示会は、商品自体のよさもさることながら、展示方法も大事だよね。



普段はこの状態だけど…




曲がったパイプを前に倒すと水が出ます。



攻めるなあ。


参考出品であることを祈る。





水栓にタイトルをつけるところも。一番左は、「ZEN」らしい。






うねうねした洗面台。






石の洗面台。



興味深いのは、わざわざ大きい角Rをつけたりして、丸みを帯びさせてるところ。


いっけん石でできてるように見えない。


高級感と親しみやすさが同居するようになって、かつインパクトもあって、素敵だ。




色とりどりの洗面台。おそらく人工大理石。



ありがちだけど、こうやって並べると圧倒されるというか、説得力があるというか。


在庫持つのが大変そうだ。





ここまでくるとなんだかわからん水栓。



でも、こういう需要はあるとこにはあるんだわなあ。


このブースのキャンペーンガール?のお姉さん2人が超ゴージャスで、無意味に長居してしまった。




このエリアで、水栓だけでも何百、何千と見た気がする。


水栓を探しに来た人は、きっと、どれを選んだら良いのか分からなくなるに違いない。






ここで一旦休憩。


各地に設置されたカフェで昼食をとることに。


すごい人で、注文するにも一苦労。


なんせ誰も並んだりしないから、じわじわとレジに近づいていって我先にと注文しないといけない。



というわけで、ようやくでかいパニーニと水を手にし、一休み。





このところろくなもん食べてないなあ。



ウフィツィ美術館の予約が15:15だったので、


14:50にチケット売り場へと向かった。


予約はアーモ・イタリア でお願いした。


そこからもらったメールをプリントアウトして持ってきてある。



で、3番の入り口、予約者切符売り場へ行く。



15:15の人はまだ入っちゃダメと言われて待つ。


ストライプのセーターのおじさんも待つ。



しばらく待ち、3時ちょうどに入れてもらう。


中に入って窓口でプリントアウトしたメールを見せると、チケットを売ってくれた。


わーい、あっさり入場券げっとだぜ!




でも、また並ばなきゃいけない。


1番の予約者専用入り口に行って待つ。


確かに入り口には15:15には入れたけど、中でも結構並んだ。


セキュリティチェックがあるのだ。



相変わらず、適当に列に並ぶ人がいて、


チケット持ってないのに並んでる人が係員に注意されて、列を外れていく光景がしょっちゅうだ。


予約チケットのない人は1番の一般入り口ですよ。お忘れなく。




さて中に入ると、まず素描の展示室があった。


そこはさらっと見ていく。


そして上の階へ。




この美術館は、長い廊下があって、その廊下に沿って展示室が並んでいる。


なので、すべての展示を見てまわる必要は無く、


興味のある展示室だけに入ってまわることができる。




さておき、まずは数多いビザンチン様式の聖母子像に圧倒された。


金色のバックが艶やかで、サイズも大きいものが多い。


ほぼ類型化されてるとはいえ、マリア様の顔も優雅で神々しく見える。


長い時を経てもキラキラと輝く美術品たちに言葉を失った。


でも、ここまできてふとおもう。



ばかでかい建築に、ど派手な装飾の絵画。


キリスト教は、いやイエスキリスト、ひいては神は、これでいいのかなあ、と。




僕は幼児洗礼を受けさせられたカトリックの信者であるが、ろくに教会に顔を出さないダメ信者だ。



クリスマスくらいは教会に行きますけどね。


までも、信者でなくてもクリスマスの教会のミサは行ってみたら良いと思う。


街に蔓延したデコレーションとはちょっと違った、本当のクリスマスの意味が分かると思うのだ。


キャンドルサービスなんかはけっこう幻想的だし。聖歌隊のコーラスなんかもある。


一般人も全然出入り自由なので、クリスマスのデートスポットとしてわりとオススメだ。




閑話休題。


ひととおりキリスト教の教育も受けてきてはいるが、でも初詣にも行くし、お寺めぐりも好きだ。


日本人として、「もったいない」の言葉にも共感する。


その僕の感性からいくと、


今まで見てきたキリスト教遺物はなにか行き過ぎた感を受けてしまうのだ。




ともあれ、千年以上も前からこれだけの人間を動かしてきたキリスト教に、


恐れに近いものを感じてしまうのは気のせいか。



きっと彼らはただ絵を描いたり、建物を建てたり、彫刻を彫ったりしてしてきたわけじゃない。


ただ盲目的に信じるものの為に心血を注いできたのだろう。


でも今、だれがそんなことできる?キリスト教信者だってダーウィンの進化論を認めてる時代で。



信じるものは変わってきた。


もちろんそれはルネサンスの時代にも現れてるんだけど。



そんなわけで、ダヴィンチの『受胎告知』。


散々教科書や図版で見てきたものが目の前にある。


もう手の届く位置まで近寄ってしげしげと見つめた。


細かな筆致。


ダヴィンチが心血を注いだのは宗教画としての神聖さを出すことよりも、現実的な描写にあるのだろう。



彼が信じるのは、自然界。なのかなあ。




しまった、順序が逆転。


この美術館でこれが一番!と言えるのが、


ボッティチェリの『ヴィーナス誕生』だ。



思っていたより色あせていて、鮮やかさは無い。


でも、なんだろうこの斬新さは。



同時代のほかの作品と比べて明らかに違う。


それはラインの描き方とかグラデーションの付け方とか、そんな感じもするけど、


なんというか全体的にイラストレーションちっくなのだ。


それでいて懐古的。


不思議な絵だ。



このヴィーナスの顔はアドビイラストレーターの起動時に出てくるけど、


CSからは出てこないって本当かしらん。それなら9を使っとこう。




しばらくこの絵の前で立ってたら、


20人くらいの日本の団体旅行客が後ろに来て囲まれた。



ガイドさんがひとしきり説明して、次の絵に行く。


お客さんたちも一緒に移動。



え、もう見るのおしまいなの?



せっかく日本から来てるのに、


もう少しゆっくりしていかれたらどうでっしゃろ。



説明はとりあえず聞いて、最後に自由に見てまわる時間があったらいいのにね。




同じ部屋に、ボッティチェリの『春』もある。


ゼイタクな部屋だ。


でもやっぱりヴィーナスかなあ。




それにしても、この美術館も以上に広い。


それぞれにいちいち足を止めてたら文字通り日が暮れる。



よってめぼしいものだけ見て、あとはスルーしていく。



でもちょっと油断してると、突然よさげな絵が出てくるから注意が必要だ。



パルミジャニーノの『首の長い聖母』。


カラバッジョの『イサクの犠牲』。


などなど…



しだいにおなかいっぱいになってきた。



そういやクラナッハのアダムとイブがあるはずなんだけど、どこだろう。



そうそう、上野で見た『ウルビーノのヴィーナス』もほんとはここにあったんだね。




などとぶらぶらしてると、団体旅行のグループから離れたであろう2人の日本人の姿をみかけた。





外の景色を見ていると、2人の会話が聞こえてきた。


60~70歳くらいの男性と、もうちょっと若いかぐらいの女性。


お互い敬語を使っているので、旅の間に知り合ったのかな。


つかず離れずの距離で、景色についてあれこれ話している。


グループから2人で抜け出してきたってことは、お互いに好意があったりするのかしらん。


なんかいいなあ。



聞き耳をたてたあげくこんな勝手な妄想を抱いてたら、5時を過ぎていた。




そろそろ出よう。


出口のお土産コーナーがけっこう充実していた。


でも買いたいものは無し。



外に出てもまだまだ明るい。


イタリアの日の長さはこういうときに嬉しくなる。




さっきあいてなかったお店へ行ってみることに。




気になってたネイチャーショップ。

今はあいてた。



自然グッズとか、アウトドアグッズとか、実験グッズとか、おもちゃとか、なんかそんな感じの。


そういえば京都は河原町通りのBAL付近にもこんな店があったなあ。


 

でもここではどれがイタリア土産に良いのかよくわからない。多国籍な商品群だ。



ちょっと戻って、リナシェンテという百貨店みたいなとこに行ってみる。


みたいなというか、まんま百貨店だ。日本よりちょっと小さいかな。



だいたいのものは揃ってるが、高い。



でも上の階のインテリアショップは面白い。


こっちきてトラディショナルな風景しか見てなかったから、


こういう現代的な空間はちょっとほっとする。




駅に戻る途中の道沿いにある店を覗くもなんだかな、という感じ。




するとわりと大きめの衣料品のお店を発見。


OVSインダストリーというところ。


ここはなかなかいい。店内は人で溢れていた。


ここでネクタイを2本買う。


値段のわりにはいい生地とデザインだった。


お土産にも、自分用にもいいかなと。




おなかも空いてきたので、どっかで晩御飯にしようかなと思ってたら駅前について、


マクドが見えたので、ついつい吸い込まれるように入っていってしまった。


結局ハンバーガーか。。



歩きつかれたので、ホテルに戻ることにする。


なんせ明日は早起きだし、一番歩かなきゃいけない日だ。



昨日暑くて寝苦しかったのを思い出して、フロントで、


エアコン使いたいんですけど、と聞いてみる。


どうぞ。というので、


リモコンも操作パネルも見当たらなかったんだけど。とたずねたら、



ライトのスイッチのうえにあるとおっしゃる。



あれ、そんなのあったっけ?と思いながら鍵を受け取って部屋へ戻る。


どうでもいいけど、毎回毎回部屋の鍵を預けたり受け取ったりがめんどくさいな。


カードキーだったらいいのに。



ライトのスイッチの上を見る。


何も無い。


もっと上を見る。


なんかつまみみたいなのがあった。


でも上にありすぎて手が届かない。


イスを持ってきてようやく手が届く。


ちょっといじってみるも風が出てきたのかどうなのか微妙なところだ。



シャワーをあびて、裸に近い格好でベットにねっころがった。


昨日よりはまだ涼しいかも。




これでフィレンツェ滞在もおしまい。


荷物をまとめて、明日の朝一番に発てるように準備をする。


なんたって朝6時すぎにはチェックアウトしなきゃ。




DSアラームをセットし、早めの就寝。


ついに明日はミラノサローネだ。





朝の6:30。


DSのアラームが鳴る前に目が覚めた。


小鳥の鳴き声につられて窓を開けると、外は快晴。


昨日の重苦しい天気はウソのようだ。





いつものように、顔を洗って、ひげを剃って、頭を整えて、着替える。


そしてベットに寝転がってテレビをつけ、今日はどこへ行こうかなと思案。



まずドゥオモ行くでしょ、でミケランジェロ広場行くでしょ、


でフィレンツェのお土産も買って、


あと忘れちゃいけない、15:15に予約してるウフィッツィ美術館。




そのうちに朝食が始まる時間になったので、下に降りていく。


そこそこ広い食堂があった。


コンチネンタルとはいえ、バイキング的な朝食だ。


パンとヨーグルトなんかを取ってくる。




お腹も満たって、さあ行こうか。


グラッツェ~ と給仕さんに声かけたら、


かぎ忘れてるよ!と。


しまった、部屋の鍵テーブルの上に置きっぱだった。。




気を取り直して、街へ出る。


まずはドゥオモ。


駅からまっすぐの道で行ける。


すぐにその姿が見えてきた。





やっぱでかいわ。


こんなにでかくて、しかも目を凝らせば精緻な装飾が施されている。


あらためてこっちの建築の手の凝りように舌を巻く。



ぐるーっとドゥオモのまわりを時計回りにまわってみる。


すると左手にカメラショップを発見。


そうだ電池買わなきゃ。


開店したてな臭いのする店内へ。



ボンジョルノ!


イタリアではお店に入ったら挨拶するんだって。


実際どの店に入っても店員がすぐに声を掛けてくるので、


僕もいいかげんこの習慣に慣れてきた。



ラテン系な美女の店員さんがなにやらまくし立てるので、


ソーリー?とたずねると、何探してるの?と英語で返してくれた。



単3乾電池欲しいッス。


単3ってなんて言うんだっけ。AAとかそんな感じだったような。。


ちょうどかばんの中に使った後の電池が入っていたので、それを見せたらすぐに出してくれた。



普通のと、スペシャルのがあるけど?



スペシャルのはなんと7ユーロ。


ぜんぜん普通でいいよ。これください。


それでも4ユーロ。600円か。高いな。




よし、これで携帯復活。



レッツドゥオモだ。



クーポラ登るのに6ユーロだって。


ずんずんとお金が減っていくなあ。



ここもまたバチカンの大聖堂に負けないくらいの距離を登らされる。


永遠と続くかと思われる狭い階段。。



でも、時々見える外の風景がすがすがしい。


なんといっても今は早朝。


人も少ないし、ズンズン登っていける。



なんせここは途中から行きと帰りが同じ道になる。


降りてくる人がいたら、こっちは壁にはりついて待ってなきゃいけないのだ。


朝に来てほんとよかった。




頂上についたら、やっぱり喜びもひとしお。


ローマではいそいそと降りてきてしまったので、今回はてっぺんでのんびりしてみた。





100均で買った方位磁針を手に、あっちが北で、こっちが東で、みたいな。


そしてさっき買った電池を開けて、充電器に装着。そんなこと、ここでせんでもいいだろ。



ジョットの鐘楼も眼下に見える。





でもこんな落書きも。。





裸天如って。。



十分フィレンツェの朝の風を満喫したので降りることに。



たまたまクーポラの掃除が終った兄ちゃんの後をついて降りることになったが、


彼の背が高すぎて、僕の足元に照明の光が落ちなくて、階段が見えなくて、焦った。





ウフィッツィ美術館の方に向かってみる。


場所の下調べをしとこうと思った。



道すがら、両脇にはお土産やさんがいっぱい。


観光客もずいぶん往来している。


素敵なネクタイ屋があってしばらく見入ってしまった。



やがて、なんだかおおきな広場に到着。


馬車が何台?も止まっている。



観光客も大勢集まってきている。


ここがシニョリーア広場という所みたいだ。





かわいい車と、かわいい女の子達。


奥にはためいている旗には、「ヒューマン ライト イン チベット」とある。




この広場に接する形でウフィツィ美術館があった。


3時に来るべき場所を確かめて、川の方へ向かってみた。




川へ出て、右を見ると、なんだか知ってる風景だ。



これがヴェッキオ橋か。


よし、行ってみよう。



ヴェッキオ橋に着き、渡ってみると、ここが橋の上とは思えない光景。


両側にびっしりと宝飾品を扱った店が並んでいた。





橋を渡って向こう岸へ。


ここまで来ると、ミケランジェロ広場に行くなら直接向かった方が早そうだ。


バスの切符はあるけど、歩いていくことにする。



ぶらぶらとアルノ川沿いを進んでいく。


こっち側からはウフィツィ美術館とヴェッキオ橋が一緒に見えた。




それからしばらく歩くと、ミケランジェロ広場へ続く坂道。


また登るのかと思いながら、えっちらおっちらと登っていく。




階段一つとっても風情がありますな。


日差しは強いけど、木陰は涼しい。


でもちょっと道を間違えて遠回りした。




お、あと少し。。



で、やっとてっぺんに着く。


ここからならさっき登ったクーポラも見える。





ちょうど鐘が鳴ってる。お昼になったみたいだ。



フィレンツェでは一定のタイミングで街に鐘が鳴り響く。


それもいろんな所からいっせいに鳴るのだ。


それがなんか気持ちよくて、ここでも立ちつくして聞き入ってしまった。




下の広場がオープンテラスレストランみたいになってる。


天気もいいし、行ってみよう。



下の広場に降りたら、すぐにトイレを見つけた。


ここもチップ制らしいので、小銭を出してトイレにはいると、そこに立っていたおじさんが手を差し出した。


あ、おじさんに払うのね。


どうぞどうぞ。


でもうしろで見られながら用を足すのは落ち着かんな。



手を洗い終わったら、親切にもおじさんがペーパータオルを渡してくれた。


おお、グラッツェ、グラッツェ。




さっき見えた野外のレストランに席を取り、ビールとサラダを注文する。


注文をとったお姉さんが、これサラダだけどいいのって聞くけど、


いいの。


パンとか肉しか食べてないから、野菜が欲しいの。



ビールと、つまみのポテチ。


それにサラダもすぐにきた。



あーうまい。


青空の下で、高台から街を眺めながらのビールは最高だ。


サラダも、オリーブとかモツアレラチーズとか、盛りだくさんで満足な美味しさ。





メールを打ったり、周りの観光客を観察したり、地図を確かめたりしながらのんびりして、


そろそろ次に行こうと思って、給仕のおじさんを呼び止める。


ぎりぎり知ってるイタリア語だ。


スクージィ、イル コント、ペルファボーレ。



伝票を持って戻ってきたおじさんは、


イタリア語がしゃべれるのか?と聞く。なぜか英語で。


ちょっとね。と応えると、


おれもちょっと日本語が分かるよ、と言う。


本で勉強していくつか覚えたらしい。



どんな言葉を知ってるの?と聞いたら、


「いかがですか?」


「おいしい?」


「いち、にい、さん、しい、ごお、ろく、しち、…あー」


…8、9、10?


おーそれそれ、と。




‘ゆっくりゆっくり’ は ‘ピアットピアット’ だよ。


とひとつイタリア語を教えてくれた。



なぜ今 ゆっくりゆっくり を教えたかったんだろう。



で、‘またね’ は ‘アリヴェデルチ’ だというので、


うーん、アリヴェデルチは丁寧な別れの挨拶って覚えたけどな。


と思って、‘アリヴェデルチ’ は ‘さようなら’で、


‘チャオ’ が ‘またね’ だよと伝えてみる。



間違ってるかもしれないけど、あとのことは知らないよ。


チャオ~


といっておじさんと別れた。


ちなみに会計は14.5ユーロ。




さらに上があるっぽいので登ってみると、けっこう大きな教会があった。


そこで2組のカップルが結婚式の姿で写真の撮影をしていた。



けっこう立派な撮影陣だったよ。


日本にもちゃんとした写真を残すっていう習慣があるけど、野外ってのはあんまりないかも。


どうぞお幸せに。




ぐるっと教会を見て、さっきの広場あたりまで降りてくると、ちょうどバスが来ていた。


12番とある。


待って待って、とばかりに飛び乗る。


これでSMN駅までつれてってもらえるなと思い、


地図を開いて、どこを走ってるのか見ながらバスに揺られていく。



「歩き方」の地図からバスがはみ出した所で現在地を見失ったが、


最後は無事にSMN駅に着いた。




さあ、ウフィツィ美術館だ。


でも予約時間までに1時間ほどある。


それまでお土産を探してみようか。



ネイチャーショップや雑貨屋、本屋などめぼしい所は、


あらかた昨日と今日の朝にチェックしていたので、まずはそれらに向かってみた。



でも、どこもあいてない。


よくみると、3時まで休みです。みたいな。



なんだ、これが昼休みってやつか。


まんまとはめられた。


こうなれば美術館帰りに寄るしかないな。




でも他にも面白い店があるのがこの街のいいところ。


なんか派手な石けん屋を見つけた。


色とりどりの商品。これはお風呂に入れるものっぽい。




店員さんが、何をお探し?ときたので、


つい口から、石けんかシャンプーみたいなのが欲しい、と答えてしまった。


ほんとはもっとこのオフロに入れるやつを見てたかったのに。


残念ながらそれは単語のボキャにないのだ。



いろんなシャンプーがあるけど、どんな髪質?オイリー?ハード?と言うので、


僕じゃなくて、お土産、プレゼントにしたい。と返す。



じゃあその人の髪質は?とさらに聞いてくるので、


そんな他人の髪質まで知るかよって思いつつ、


多分ノーマルだ、とついつい応える。




なんかかわいいボトルのシャンプーを見つけたので、手に取ったら、


一生懸命説明してくれようとするお姉さん。


この人もボキャになかったのか、僕がなかなか理解しないからなのか、


他の店員さんも呼んできてくれて、


なんとか説明を試みようとしてくれる。


頭の上で大きくモコモコさせた手の動きは、どうも「アフロ」っぽい。


まさかヒツジではないよな。ヒツジ用シャンプー。


しかしアフロ専用のシャンプーまで扱ってるとは恐るべし。




でも申し訳ないけど、そこまでシャンプーに興味ないし、


サンキュー、グラッツェと店を後にした。




歩き疲れたので、シニョリーア広場の屋根があるところで座って時間を潰すことに。


ここから広場が見渡せる。




団体の観光客が増えてきたみたいだ。


見るからに様々な国籍の人たちがひしめき合ってる。




2時50分。


ウフィツィ美術館に向かうことにした。