ミラノ3日目。


この日は、ミラノから少し足を伸ばして、


スイスのロカルノという街に行く予定にしていた。



まずミラノからドモドッソラというところへ行き、そこからロカルノへ。


なんでそんな所に行くことにしたのかといえば、


ドモドッソラとロカルノを結ぶ鉄道、『チェントバリ渓谷鉄道』。


これがイタリアとスイスの国境付近のアルプスを縫って走っていて、


車窓からの眺めが絶景らしいということなのだ。




そういうわけで、ミラノからドモドッソラへの電車の予約はFSのホームページから済ましておいた。


そして、メールで送られてきた予約票を印刷して持ってきた。


帰りは何時になるかわからないし、その場で買おうと判断。




席をとった電車は、朝8時半頃出発のEC。


朝食もそこそこに、チェントラーレ駅へ向かう。



そういえば朝食の席で、隣のテーブルに日本からきたおばさん2人組が座っていた。


ボローニャに行ってきて、今日日本に帰るらしい。


そのボローニャをとても勧められた。


昨日までここでミラノサローネってのがやってたんですけど、どこか立ち寄りました?


と聞いたら、何それって感じだ。


確かにチェントラーレ付近にはそんな気配が一切なかったものね。




さあ、また列車の旅だ。


ホームは1番線。


見当たらなくて焦る。4番からしかないじゃん。


そしたらすんごい奥のほうにあった。乗り込んだのはギリギリの時間だ。




このECも後ろ向きに走るが、もう慣れたわ。


やがて進行方向右手、自分から向かって左手に湖が見えてきた。




マッジョーレ湖だ。


大きな湖の中に、島がいくつも散らばっているのが見える。


ここも有名な観光地になっているらしい。


そしてこの旅の目的地、ロカルノはこの湖の北端に面した街だ。




電車はだんだんと高度をあげて走っているみたい。


気付いたら周りは山に囲まれ、そこに見えるのは雲か?



曇っていた天気も、徐々に青空に変わりはじめる。


朝の日差しが山を照らし始めた。




そして1時間半で電車はドモドッソラに着いた。



降りたら、めちゃくちゃ寒い。


そりゃ、みんなコートを着てるわけだわ。




チェントバリっていう標識を発見。


あっちへ行くんだな。




しばし歩いて、なぜか地下へ。


ホームは地下にあるらしい。




地下におりてすぐにチケット売り場を見つけた。


おじさんが、なんか話しかけてくる。


いつものとおり、ソーリー?と聞き返したが、それでもイタリア語でしゃべってくる。


む、英語ダメか。


ロカルノ行って、帰ってくるチケットが欲しい。ということを単語と身振りで伝える。


理解してもらえたのか、時刻表とパンフレットをくれた。


時刻表を指差し、次は11時何分の電車だと教えてくれる。


げ、あと2時間近くあんじゃん。



切符代は往復で21ユーロ。


でも電卓を出して、22.5ユーロ払えと言う。


そして窓口にある表記の英語部分を指差す。


どうも、旅程ごとに1.50ユーロ必要とのこと。


ふーん。良くわからんが、払いますとも。



とにかく切符もゲットして、出発時間も分かった。


おじさんありがと、グラツェ ミッレ!




時間もあるので、ドモドッソラの街へ繰り出す。


というか本気で寒くなってきたので、防寒着を探したい。


ここでこの寒さなら、ロカルノはスイスだぞ。もっと冬のように寒いに違いない。



でもドモドッソラは意外と普通の街で安心した。


何も無いとこだったらどうしようかと思った。




広場的なとこもある。




でも旅行者は少ないのか、カメラを構えてたら不思議そうな顔をされた。


そして、ローマでもフィレンツェでもミラノでも感じたことの無い視線を感じる。



東洋人が珍しいのか?


通り過ぎる人がじろじろ見ていく。




ぶらぶらしてると、割と大きめな雑貨屋を発見。


衣料品もあり、日用雑貨もあり、インテリアもあり、おもちゃもありの素敵な店だ。


おもちゃ売り場の色彩がまぶしい。





ここで大きいマフラーを購入。首が暖かかったらなんとかならあな。


このマフラーけっこう渋くていい色柄だ。イタリアではこういうのすぐ見つかる所がいいな。


ついでに下着も買った。


ついでに単3乾電池も買った。


電池は地下の階に売ってたんだけど、レジに人がいなくて焦る。


どうも1階でまとめて精算らしい。


言葉がわからないとこういうローカルルールが厄介だなあ。




いい時間になったので、チェントバリ鉄道の駅へ。


ちょっと早めに着いたが、列車はすでに止まっていた。



扉が閉まっていてひるむが、扉付近のボタンをおしたら開いた。



けっこう近代的な車両でびっくり。



もっと古臭いがたがたの鉄道かと思ってた。



しかも乗ってくる人が結構多くてそれにもびっくり。


もうちょっと遅かったら窓際に座れなかったわ。



この鉄道は観光のスポットととしてわりと知られてるのかもしんない。


そりゃ、日本人がわざわざ来るくらいだから当然か。




そして走り出した。


窓の外に広がるのは想像以上の光景。


なんですか、この緑は、山は、空は。




文字通りアルプスって雰囲気。


ハイジでも呼ぼうか。




たまに遭遇する教会もいいね。





下を見ると目がくらむような橋の上を渡ったりもする。





やがて国境を越え、イタリアからスイスへ。


ここでパスポートのチェックがあった。見せるだけだけど。





ここまで来るとさっきまでの牧歌的な風景は無くなり、わりと開けた感じ。




そして終点ロカルノに到着。


90分の車中、ずっと窓にかじり付いてて、おなかいっぱいになりました。




ロカルノ。ん、寒くないぞ。



むしろ暑い。


夏かここは。


あのマフラーどうしてくれる。




にしても、ロカルノはもっと寂れた所かと思ってたら、意外に人が多い。



まさに観光地って感じで、バカンス満喫の人たちで溢れてる。



へー、ロープウェーもあるんだ。面白そう、いくらだろ?



と思ってみたら、お金の単位が違ってた。


スイスフランだ。


げ、持ってないや。


でもユーロくらい使えるだろうな。


でもせっかくだしスイスフランおろしてみよう。


ということで銀行を探す。




駅からすぐに湖畔に着いた。


そして、船着場も発見。



事前の調べでは、ここから南のイタリア領ストレーザまで船で行って、


そこからミラノに行くルートもあるみたいで、帰りはそれも考えたけど、


船酔いする方だし、さっきの景色をもう一回見たかったので船はやめた。




マッジョーレ湖。なんだか吸い込まれそうな湖だ。





山に囲まれた湖は日本でも見るけど、やっぱり違う。





湖畔を散歩してる人たちにつられてぶらぶらしてみる。





そして、グランデ広場へ。



ここは夏になると映画祭が開かれる場所らしい。


こんなとこで映画見れるって贅沢だなあ。




この広場をさまざまなお店がぐるっととり囲んでいる。


銀行も発見し、50フランをカードでキャッシング。


物の値段みてると、1フラン100円くらいなのかな。


よし、きっちり50フラン使ったるぞ。


小遣いをもらった子供みたいに、がぜん楽しくなってきた。




スーパーみたいなとこで、トーキョースタイルって特集してた。



何のことは無い。


売ってるのは日本だか中国だか、とにかくアジア製らしきものばかり。


どこがトーキョーなんだ!と抗議したいところだが、


言葉が分からないのでやめた。




でもここらで使われてるのイタリア語っぽい。




芝生で遊ぶ女の子とおじいちゃんおばあちゃん。



いい絵だなあ。




教会。



普通に地元の人に利用されてるってとこがいいね。


サンピエトロ大聖堂とかドゥオモとか、観光地になっちゃってるから。




もういっちょ。教会。



坂の上にある。見上げた空がきれい。



坂から降りる道。



この道を下ってたら、


イチリンシャに乗った男があらわれ、


通りかかったお姉ちゃんをナンパしはじめた。


お姉ちゃんも迷惑そうだ。



しかしなぜイチリンシャに乗ってる?


坂道をイチリンシャで登れるんだぜみたいなことで気を引こうってか?


そんなんでいいのか?スイスは。




ちなみに50スイスフランは、


自部署へのお土産の文房具×6。


弟へのお土産のノート。


おかんへのお土産のハンカチ。


ジェラート(リモーネ味)。


に消えた。



ノートは、今年サッカーの欧州選手権がスイスとオーストリアであるらしくて、


その記念的なデザインのものだ。


トーキョースタイルのノート(大きく「努力」って書いてある。「氣」もあった。)と迷う。



ジェラートは、イタリアに来て初めて食べた。


ちがう、ここスイスだった。


とにかくなぜかそれまで食べようという気になれなかったが、


この日ばかりはさすがに暑いので、鉄道駅までの帰り道ジェラート舐め舐め歩いた。


そしてジェラート屋のお姉ちゃんの笑顔が可愛くて惚れた。




ロカルノ4時過ぎ発の列車にてドモドッソラに戻る。



行きは左側に座ってたので、今回も左側に座って違う景色を楽しむことに。





うへえ、高い。



影が長くなってきた。山の影も辺りを暗くする。



それにしても地面の緑がきれいだ。


ちらほらと咲く黄色い小さい花も彩りを添える。



雑草て生えないのかな。


ススキとか。シロツメクサとか。


どこも見事な芝生?だ。




そしてチェントバリ鉄道の旅も終わりに近づく。





この数日間、人間と人間のつくったものばっか見てきたけど、


この雄大な自然はまた全然違う世界だ。



僕自身、長野の山育ちだから山は見慣れてたつもりだけど、


こんなスケールのでかいのは初めてだ。




なんか、デザインとか、どうでもよくなったな。




いや違う。



僕は日本の大阪に住んで、仕事をして、生活を送っている。


ただその事実が分かった気がする。


いままで日本にいるときはそれであたりまえだったけど、


選択の結果、もしくは何かの縁のおかげでそういう状況にいる。


世の中のあらゆることがらの中で、自分はそういう状況にいる。



そういう視点ができた。




だからなんなんだ、っていうのはこれから分かるのかな。


それとも一生わからないかも。




でも少なくとも、デザインだけを見るのは違うってことは分かった。


そしてもちろん、自然だけを見るのも違うってことも。





なんてーことを考えてみたりしながら、


ドモドッソラからミラノへは普通列車で帰る。




自動券売機で買った細長い切符をどうやって刻印したらいいか分からなくて、


しばらく悩んだら、横からも切符を差し込めることに気付いてようやく刻印できた。



とおもったら一回も検札に来なかったので、


なんだ切符買わなくてもいいじゃんとふてくされる。



しかも普通列車の車内はひどいもんで、


イスのシートの座面にはいたずら書き、


前に座ったカップルはラジカセを音量いっぱいで鳴らすし、


駅到着のアナウンスは何一つなし。


照明も暗くて怖いし。




ミラノについてほっとする。


この日もスーパーで食糧を買い込み、ホテルでの夕食にした。







雨のチェントラーレ駅。


この日は朝から雨が降っていた。


昼の12時にY子さんカップルとチェントラーレ駅前のマクドで待ち合わせをしていた。



待ち合わせ場所に行く前に駅のスーパーで幹電池をまとめ買いした。


イタリアでどれだけの単3乾電池を買っただろ。


ホテルの部屋のテーブルの上に、使い終わった乾電池をずらーっと並べてるサマを見て、


ルームメイクの人は驚いてるに違いない。




ちと早めに着いたので、コーラを買って2階の外が見える席に着き、


ホテルのフロントからもらってきた日本語の新聞をめくる。



そしたらすごい太いおばちゃんが同じ席に着いて焦った。


出口を完全にふさぐんだもの。




12時にめでたく2人と合流。


あんまりこの辺で東洋人を見かけないので初対面でも大丈夫かと思ってたけど、


Y子さんは確かにおねえさんに似ていて、すぐわかった。


いやあ、久しぶりに日本語を発した。




で、まずはトルトーナ通りに行くことにする。


その周辺にサローネ関係の展示が集まってるみたい。


緑線でポルタ・ジェノバ駅へ。




彼氏さんはもう3年近くミラノにいるということで、安心してついていく。


この街なかを何も考えずに歩けるってのは不思議な感じだ。




駅前からのびるトルトーナ通り沿いに展示が集中している。



各地に散らばる展示のうち、一括で見てまわるにはここが都合が良さそうだ。




インテリアやファッション関係のショップも相乗りして盛り上げている。





そしてここは金物工場なのかな、工場そのものを展示スペースに使っている。





金属製の馬。馬車を引っ張ってちゃんと動く。



それがどうした。


でもみんな楽しそうだ。


面白いものを見つけると、偶然居合わせたもの同士で笑いあえる。


話はできないけど。


そんなのが時々あって、嬉しくなる。




サムソンのブース。



期待したのに冷蔵庫ばっかだった。。




エプソンのブース。



日本にいる出発前から目をつけていた。


はためく薄布にプロジェクターで映像を写しこんだ部屋はきれいだった。


が、ちょっとあっけない気もする。




近未来的な、不思議なスペース。





不思議なスペース その2



ここでカンパリソーダを配ってたので、


一休みしながら、彼氏さんと話しこんだ。


美容師さんなのだが、なんでミラノに来たのかとか。


こっちへ来てどうだとか。


なんだか久しぶりに熱い話をしたぞ。


すこし酔いがまわったかしらん。




これは。ソファか。だんだんアートの領域になってきたな。





飛行機の形をしたイス。



むしろ飛行機にイスがついてるというべきか。


すでにアートかどうかも怪しくなってきた。




なんか気持ち悪いのにでもクオリティの高い空間を、さらっと作ってくれるのね。



こういう感性ってどっからくるんだろう。




蛍光灯を使ったシャンデリア。なのか。



これ、ぐっときた。




よくわかんないけど、ガラスの器たち。





携帯電話で話しながら歩く日本人ととおりすがって、


彼は「何が良くて何が悪いのかわからんわ」って言ってた。


たしかにそうですな。


でもイイとかワルイとかどうでもよくない?


噴出する新しいアイデアのシャワーとか、


ちょっとかわったスタイルの提案とか、


ついでに商品のアピールなんかもあったりして、


なんか混沌としてるんだけど、


すげえだろ、見てよコレ。みたいな一方的なエネルギーが充満してる。


それを楽しめるかどうかなんじゃないかな。




でもそんなのに少し疲れてきた。


Y子さんが美味しいっていうピザ的な料理のお店に行って、


遅いお昼を取りながら、次の目的地を思案する。




雨が降ってなければよかったのに。


3人の靴はびちゃびちゃで、気温も低くて本当に寒い。



次はドゥオモ周辺へ。と決めたところで移動する。


ここからはトラムだ。



いくつか乗り継いで、ドゥオモの前に着いた。


じつはこの辺りの道のりをまったく覚えてない。


やっぱり誰かにおんぶにだっこだとだめだな。




はあ~これがミラノのドゥオモか。



ぱしぱし写真を撮ってると、2人においてかれた。


そりゃここに住んでれば見飽きるでしょうけどね、


初めての人間にはけっこうあれな光景なんですよ。




ここで、今から学校へ行くという彼氏さんと別れる。



とりあえずドゥオモ見てもいいですかってことで、中に入ってみた。


やっぱ天井高いわー。


壁にはステンドガラスもはめられて、けっこうきれい。


晴れた日にはもっときれいに見えるということで、ちと残念。




INTERNIの案内マップをみながら、ドゥオモの南方面へ。


ここからは点在する感じになる。


そしてさっそく迷子に。


2人で地図をにらみながら、あっちがこうでこっちがあっちじゃないの?


僕もそうだが、Y子さんも方向音痴みたいだ。



うろうろしながら、ようやくそれらしき場所にたどりつく。


大学の構内に構えられたスペースで、エコや緑に関する展示がされている。



カブの頭?の先っぽにソーラーパネル。



ビニールハウスみたいな空間の中には、


雨水が流れ込むお風呂みたいなのが。



ここを出てからも相当迷った。



ようやくたどり着いたお目当ての通りにはインテリアショップがたくさん。



ラグジュアリーなチェア。

なんでこんな写真撮ったのか。


相当疲れてたんだろう。




深澤直人の名前があった。


その中。


このほかにも喜多俊之とか日本人とコラボ的なところも。



ぐるーっとまわってドゥオモに帰ってきた。


ここからは旅行者宣言。


ガッレリアをくぐって、


スカラ座へ。



ガッレリアではちゃんと牛の上で1回転もしましたとも。


みんな見てるからちょっと恥ずかしいけど。




ここで8時になろうとしてることに気付く。


晩ご飯行きますかってことで、オススメのお店に行くことに。


地下鉄乗って行ったが、駅の名前は忘れた。


ミラノに来てからというもの、交通1日券は大活躍だ。


『アッボナメント ジョルナリエーロ』の名はけして忘れないだろう。



で、ここかなあ、あってるかなあといいながらも目的の店に着いた。


が、閉まっていた。



ブレラというところに食べるところが集まってるらしいので、


そこへ向かってトラムに乗る。



トラムを降り、うろうろするもどこも開いてない。


月曜は閉まってるところが多いんだと。



人通りもなく、真っ暗な道を歩くのはさすがに肝が冷える。


しかも今どこにいるのかすらも不明だ。



結構歩いて、2箇所開いてるレストランを発見。


わりとお高い感じだが、コレを逃したら次はないなということで、


日本人がチラッと見えた店に決めた。




席に着くとほっとした。


ずっと天気の悪い中歩きっぱなしだったしね。


付き合ってくれたY子さんと彼氏さんに感謝だ。




何が素晴らしいって、イタリア語のメニューを見て選べるってのが素晴らしい。


Y子さんにどんなのがあるのか教えてもらって選ぶ。


頼んだ料理は、生ハムメロン、パスタとリゾットをそれぞれ頼んで、白ワイン。


計100ユーロ。なかなかのもんですな。



でもおいしかった。特に生ハムと、ワイン。



イタリアきてろくなもの食べてなかったから、


本当に幸せになった。



食べ終わって店を出たのが10時過ぎ。


あらら。すっかり遅くなってしまった。




夜遅くなると、地下鉄の入り口は一箇所だけになるらしい。


うろうろと開いてる入り口探しをする。




日本から持ってきたお土産を渡し、Y子さんと別れる。


どーぞ気をつけて。




そこで気付いた。


あ、レストランに傘忘れた。


明日も降ってたら最悪やなあ。




結局ホテルにたどり着いたのが11時。


ミニバーのミネラルウォーターをあけ、


シャワーを浴びたら何もする気がなくなってベットにぶっ倒れた。




おなかを満たして再び展示会探訪。


この時点で足は棒になってたけど、それも気にならない。



「Design」エリアの見残しがあったので、そこへ行く。




インテリアのトータルコーディネートが増えてきた。


こういう遊び心は嫌いじゃない。でも現実的にはどうかな。



ピンクなんだけど、シックな雰囲気もかもしだす。



小鳥が小窓から顔を出す時計。針が枝になってる。


ここの商品デザインが一番ヒット。


ナチュラル、ミニマム、ユーモア、これが揃ってる。


控えめなんだけど、どうだ!っていう自信も感じられる逸品達です。




すっとばしてきた「Classic」エリアへ。


3番の建物に足を踏みいれると、路地に立ち並ぶお店のようにブースが並んでいる。


ブース内は高級そうなアイテムばかりで、はっきり言って、入りずらい。


結局外から眺めるだけになってしまった。


ここは人も少なく、歩くのは年配のお金持ちそうな人ばかり。


僕は明らかに場違いな存在だった。


イタリアではお店に入っても、すぐ何が欲しいのか聞かれるし、


やはり、ここでは目的も無くぶらぶらするなんて習慣はないんだろうか。



イメージどおりのクラシック。値段なんて想像したくも無い。



1番の建物に移ると、すこしカジュアルになってきてほっとした。



外壁がディスプレーになっている変わったブース。



トラディショナルな要素もありつつ現代的なスタイル。

こういうのにちょっと憧れる。




お姫様なスタイルも健在。

日本だとこういうのは敬遠されがちなのかもしれないけど、


ここのエリアの盛り上がりを見ていると、まだまだ人気なのかなという印象。


実際、商談コーナーみたいなところではお得意様らしき人がゆったりと商品の説明を受けている。


きっと本当にこのスタイルを愛してるんだろう。


日本で目にするとうそ臭く見えるものが、ここでは本来の輝きを取り戻したかのように感じられた。




シマウマの屏風。これはうそ臭い。

やはり他人の文化は簡単には真似できないのだね。




次は「Ufficio」エリアへ。オフィスってことかな。



打って変わってなかなかモダーンな風景に。



ハーマンミラーもある。

こんな職場、ほんとにあるの?





ここで、6時をまわって閉館まで時間もなくなってきたので、


いったん外に出て、サローネサテリテに行ってみる。



サテリテと、FTKの入り口。ここは入場無料。


サテリテは若いデザイナーの実験的作品が展示されている。


で、中では写真撮影おことわりのところが多かった。



メイン会場でも、写真撮らないでって言ってくるブースもあったけど、


写真撮られたらまずいことでもあんのか?


デザインを盗用されたくないなら、展示会に出品する時点で意匠出願とかしとくでしょ。


日本なら最悪「意匠の新規性の喪失の例外」の利用もできるけど、イタリアはどうなんだろ。




というわけで、軽くイタリアの意匠法を調べてみる。


無審査、


新規性判断の基準は内外国公知、内外国刊行物より、


権利期間は出願から5年ごとに更新して25年まで。



また、欧州共同体意匠制度というものがあって、


それを利用すればEU加盟国内に一括で権利を取得できるらしい。



欧州共同体意匠制度には2種類あって、


1.登録手続きを必要としない意匠(権利保護の範囲が狭い、期間も3年のみ。出願費用不要。)


2.登録手続きに基づく意匠(最大25年間、当該意匠の独占的使用が可。こちらが一般的。)


みたいな。



はあ、こんなことになってるのか。少々ややこしや。


でも、欧州共同体意匠では、ちゃんと新規性喪失の例外規定がある。


しかも開示から12ヵ月までOKって、どんだけ余裕あんねん。



意匠制度の利用状況はどんなんだろ。


そこまではわからなんだけど、デザイン先進国イタリア、しっかり活用してるんだとは思うんだけど。





それはさておき、サテリテのなかはさながら卒業制作発表の雰囲気。


宙に浮くベッドとか。




カラフルなモビール。切り絵のような手法。



パズルのようなカーぺット。



日本人の出品者も結構多そうだ。



ブースにちゃんと作った人がいるって雰囲気、なんかこそばゆい。


もうちょっと、その人たちに話を聞ければと思ったんだけど、


皆がブースを遠巻きに見守ってて、そこに入っていくのもなあという微妙な空気。


もちろん盛況のところもあり、身体を使って楽しめるモノのブースは人気があるみたいだ。



とにかく、次から次へとノンジャンルでいろんなアイデアを見れたのは面白かった。




サテリテを出て、隣のFTKというエリアへ。


ここはキッチン関係のショースペース。


中は閑散として、あまり関心もわかなかったのですぐに出てきてしまった。



やがていい時間になり、フィエラ内は帰りのムードになってきた。


アレッシイの単独エリアなんかを覗きながら出口へ向かう。


平面エスカレーターがあるとはいえ、巨大なフィエラ内の移動は一苦労だ。






この展示会で感じたこと。




まずは規模の大きさに驚く。


微妙に異なるが、東京で開かれるインテリアライフスタイルショーに展示の内容が近い。


でも、その何十倍もの、これでもかという商品数の多さは圧倒的だ。


しかもそれぞれに何かしら人をひきつける力があるという、そんな質の高さ。




また、来場者がバラエティに富んでる。


見るからにその筋っぽい人がいたかと思えば、


ベビーカーを押した家族連れだったり、


まるで散歩に来たかのような老夫婦だったり、


子供達の集団だったり。


入場料は20ユーロ、およそ3千円はするんだけど、そこは払っちゃうんだろうか。


このイベントへの関心の高さが伺えて、なんだか興味深い。




これはたまたまだけど、


ローマでは古代から残る遺物に圧倒されて、


フィレンツェでもルネサンスの美に打たれて、


そしてここで最先端のものづくりとデザインを見て、


ここまでに人間が作ってきたものを駆け足で体験してきた。



そして、本当に、人間の能力に感心する。


環境問題とか、格差とか、そういうことは今は置いておいて、


次々とモノを作り出す人間のエネルギーはけして恥じるものではないと思う。



そしてものづくりのいしずえに感謝。


これまでの技術の積み重ねがあるからこそ、デザイナーの考えたことが形になるのだから。


そんなことをふと思った。





ああ腹減った。さすがに歩き過ぎた。


晩ご飯は駅のスーパーでなんか買って、ホテルの部屋でゆっくり食べよう。


そう考えながら、地下鉄の駅に着き、一日券を改札に通す。


ブブーッと赤いランプがついて、通してくれない。


再度試してもダメなので、近くにいた係員のおばさんに切符を見せる。


なんかもう一枚切符を買えと言ってる。


え、だってこれ一日券だよ?


なんか腑に落ちないまま、ミラノ方面への切符を購入した。



そんなこんなでチェントラーレ駅に到着。


駅1階のスーパーで、生ハムと、パンと、サラダと、ビールと、プリングルスを買う。


イタリアのスーパーはベルトコンベアに買うものを乗せていくと歩き方に書いてあったが、


ここのコンベアは止まっていた。



袋いるかと聞かれ、手持ちのかばんに入りそうだったので断る。




ホテルで、ビール片手に生ハムをつまむ。


ビールはちょっとぬるいが、このコンビネーションはまあまあだ。


プリングルスまではさすがに多くて途中で残した。




さてと、サローネはこれで終わりじゃない。


明日は市内各地の展示をみてまわるぞ。



疲れを最小限に抑えるため、足に湿布を貼り、


就寝。