2冊目:掲載禁止 撮影現場 | 【読書感想文Blog】ネタバレ注意⚠

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読んだ本の感想とたまーに日常( ᐛ )

掲載禁止 撮影現場

長江俊和

2024/01/19




★ひとことまとめ★

犭の王った人々のお話

 

 

 

↓以下ネタバレ含みます↓

作品読みたい方は見ないほうがいいかも

 

 

 

【Amazon内容紹介】

不気味な廃墟で言い合いをする二人の男の衝撃的結末「例の支店」、自分が犯人だと自首してきた男と、問い詰める側の間で進行する奇妙な議論「哲学的ゾンビの殺人」、カリスマ映画監督の作品に出演した役者が見た、とんでもない光景「撮影現場」、仕掛けが冴える著者の真骨頂特別書下ろし「カガヤワタルの恋人」。その他「ルレの風に吹かれて」「この閉塞感漂う世界で起きた」「イップスの殺し屋」「リヨンとリヲン」など、怖いのに読むのが止められない全八編。心臓の弱い方は、ご注意ください。

 

 

 

【感想】

放送禁止、出版禁止、撮影禁止シリーズの最新作です本

調べて見たら、来月の2/28に出版禁止シリーズの最新作が出るみたいですオエー

 

短編が8編収録されているのですが、そのうちの「例の支店」は「あなたの後ろにいるだれか」で読みましたひらめき電球

 


・ルレの風に吹かれて

大学時代の友人・國野が失踪したことを知り、彼の捜索に乗り出した主人公。

様々な関係者から情報を得た結果、國野が暮らしているという"ある国"にあるタイタの森に辿り着く。

國野と無事再会するも、すっかりこの国の虜になってしまった彼は、もう日本には帰らないという。

この国では、日本では決して得ることができない、人生の深遠にたどり着くことが出来るかもしれない。

そこまで言われると、この国のどこがそんなに魅力的なのかを確かめてみたくなった主人公は、この国にしばらく滞在することを決めた。


そのうち主人公は農夫の娘・デウタと結ばれ、子供も生まれた。

2人目の子が生まれた頃、國野とその妻レラの婚姻の儀式が行われた。

年に一度、選ばれた男女が神の許しを得て、正式な夫婦となる。

この国では夫婦同然だとしても、神の許しがなければ本当の夫婦とは言えなかった。


儀式を終え國野たちが正式な夫婦となり、主人公たちに3人目の子が生まれた頃、レラが亡くなった。最愛の妻が亡くなったにも関わらず、國野はピンピンしている。

違和感を感じた主人公が國野に質問すると、國野は主人公の知らないこの国の由縁について話し始める…。



その土地だけの風習、儀式…ミッドサマーを思い出しました真顔


この国では、儀式で選ばれることで、食人を許されるわけです。

夫が妻を…かと思いきや、どちらでもいいんだ…。

主人公は自分を切ったのかな?

あんな食べ方していたら、医療も発達していない場所ではすぐに死んでしまうのでは…と思いましたがそうでもないのだろうか。。 



あれ?もしや?ではなく、ちゃんと最後に答えを載せてくれているところが優しいですよね。

わかりやすく"天地が返った"=逆さから読めよーと書いてくれています。




・哲学的ゾンビの殺人

最後まで読んでもう一度読み返しました。


哲学的ゾンビを殺したという容疑者・森数馬。

哲学的ゾンビとは、人間と同じように生きているが、クオリア―その個人しか経験することのできない特有の感覚、感覚質―が抜け落ちた存在を指す。

哲学的ゾンビは思考実験における仮定の存在のはずだか、実は哲学的ゾンビは人間にまぎれてこの世界で生活している。

森は、被害者が哲学的ゾンビかどうかを見分けるテストを行い、哲学的ゾンビであることが証明されたため被害者を殺したという。

哲学的ゾンビを信じる森と、埒が明かないと業を煮やす警察のやりとりなのですが…



はじめに死んでた男性こそが森ってことですかね?

森は、相手が哲学的ゾンビかを見破るテストをまさにしている最中だった。警察と思われた2人はテストを受けさせられている哲学的ゾンビだった…ということかしら。




・この閉塞感漂う世界で起きた

結構無理あるよね〜?!と思いながら読みました。


体を壊し、職も住居も家族も失った隅田肇。

かつて運送会社で働いていた際に担当していた高級住宅地をあてもなく彷徨っていた。


自分の境遇やこれからについて考えながら歩いていると、一軒の古めかしい立派な2階建ての留守宅を見つけた。

このままでは寒空の下自分は野垂れ死ぬのではないか。

生き残るためには方法など選んでいられない。

追い詰められた隅田は留守宅に侵入した。

しかし家探しをしている最中、家主の老夫婦が戻ってきてしまい…



老夫婦の娘は失踪中。昔この住宅地で起きた通り魔に殺されてしまったのでは?と隅田は思っていましたが、実は通り魔はこの老夫婦の娘でした。

老婦人は善人に見せかけて、隅田を通り魔の犯人に仕立て上げようとしていたのでした…。

娘の存在が周囲にバレないよう、娘に犬のフリ?をさせていたのは無理があるのではないか…。

犬の鳴き真似や犬の格好させて散歩って、さすがにバレるだろう…。




・イップスの殺し屋

起業家・丹羽の殺しを依頼された殺し屋。しかし丹羽を前にイップス(プレッシャーなどが原因で今まで可能だった動作ができなくなること)を発症し、殺すことができなかった。

にもかかわらず、丹羽は殺された。それも、自分が殺そうとしていた方法で。

果たして誰が丹羽を殺したのか?


登場人物のうち、誰が殺し屋なのか?と推理するも、ほぼみんなグルだったという。

丹羽…囮にさせられて可哀想だな…




撮影現場

三十半ばを過ぎても花開かず、飯島和人はそろそろ役者を辞めようかと考えていた。

しかしそんなとき、なんと鬼才・アザマコレヤ監督の新作映画オーディションに合格し、無人島での撮影に参加することとなった。

島にたどり着いた難破船の乗客たちの人間模様を描いた作品だというが、台本もシナリオもない。ありのままのリアルな感情をぶつけてほしいのだとアザマは言う。


アザマの映画では誤魔化しは一切許されず、暴力も飲酒も食虫も実際に行われた。

そして、殺人も…。



監督かと思っていた人物は監督ではなく、本当の監督は一番近くで和人を見ていた…。

最初からずっと騙されていた。そして、殺人まで犯してしまった和人の行く先は…。

役者、辞めていたほうがよかったですね。




リヨンとリヲン

生き別れた双子が再び再会させられる村。

双子のリヨンとリヲンは村で再会。平和な日々を過ごすが、少しずつ関係は変化していく。

そんなある日、リヲンの恋人が殺される事件が起きる。


人間は遺伝と環境、人格形成においてどちらがどんな作用を及ぼしているのか。

一卵性の双子を別々の家庭に預け、時期が来たら村に集める。

そして、その双子たちにどんな違いがあるのかを観察し、人間性の解明に役立てる。

村人たちは言わば実験台だったのだ。


結局、村での殺人事件の犯人はリヲンでした。

リヨンとリヲンはお互い殺人衝動があり、村に来る以前も多くの殺人を犯していた。


うーん。。

殺人衝動は置いておいて、実際人間は遺伝と環境どちらの影響を強く受けるんですかねうさぎ

調べたらいろんな記事が出てきましたが、一概にどっち、というのはなさそうですね。




カガヤワタルの恋人

殺人の容疑をかけられた加賀谷亘と、その弁護を引き受けようとして面会中の芹沢との会話。


亘の交際相手・理緒が失踪した。

犯人は自身のストーカーである乾まどかの仕業だと考えた亘は、まどかの家に乗り込む。

まどかの家を探すも交際相手はいない。

さらにまどかが言うには、本当のストーカーは理緒なのだと言う。突然のことに混乱しつつも家探しをしている最中、亘はまどかにスタンガンで襲われ気絶してしまう。

目を覚ますと、まどかが血を流して事切れていた…。



音声も映像もない小説だからこその引っ掛けですね。

先日読んだ澤村伊智さんの作品の「笛を吹く家」と似たような感じです。

話し方から男だと勘違いして読み進めていくと、え、あんた女だったのか…と。

まあただ現実でなかなかこんな喋り方する人いないから、無理やり感はありますが。




最後の解説が真梨幸子さんなのがいいですね!

あの真梨さんの小説のスタイルは長江さんから来てるのかあ…なるほどね!


"犭の王"って何?って思いましたが、"狂"かな?

たしかに真梨さんも長江さんも狂った人書くのがお上手ですよね…。




久しぶりに放送禁止シリーズ見たいなあキョロキョロ