{12} ウェディング・パーティー(大阪・京都・神戸;関西の婚活小説『あなたへのドルチェ』)
第4回『あなたへのドルチェ』
この小説は、大阪・京都・神戸;関西の婚活に創業18年、約5,000組の成婚実績のある結婚紹介所エムロード
のサイト上で、連載している婚活
小説(大阪・京都・神戸;関西)『マリッジ・コンサルタント優子の結婚(婚活)物語』
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年末年始の休みを利用して、二人は旅立つことになった。
クリスマスの忙しさを乗り越え、謙治はくたくたになりながらも、心躍らせていた。
絵梨子は大きな箱に入れたシルクタフタのシンプルなウェディングドレスを何度も開けて見つめた。
ピエモンテの教会は、年季の入った美しい建物だった。
石造りで、床はウェディングドレスのようなミルク色の大理石が敷き詰められている。
高いところにある古いステンドグラスの窓から、日の光が差し込む。
挙式する二人とそれを見守る絵梨子の両親だけだと、もったいないほどの広さで、寒かった。
しかし謙治が以前バンカーとして働いていたときの職場の人々、
修行していたレストランの人々、
その村の人たちまでが集まってきて、
いつのまにやらあっという間に人が増えた。
人が増えると、北イタリアの冬の寒さも少し和らいだ。
みんな思い思いに声をかけてくれる。
謙治はどんな場所でも愛されていたんだろう。
6人だけの挙式かもしれないと思っていた絵梨子は、その様子だけで胸がいっぱいになった。
そんなに流暢ではないが、
面倒くさがらずきちんとイタリア語を通訳してくれる謙治に、
今までにない「頼もしさ」という感情も湧いてきた。
挙式の後は、謙治のいたレストランでのパーティだった。
豪快な肉料理、果実味たっぷりの赤ワイン。
陽気に歌う人々。踊る人々。
言葉が通じなくても、パフォーマンスで十分に楽しめた。
銀行時代の元同僚だったというイギリス人らしい男性が、絵梨子に英語で話しかけてきた。
「ケンジはとても銀行マンとして有能だった。
でもその前に人として男として素晴らしかった。
そのことが今日もっとわかった。
だって貴女のような美しい人と結婚するというのだから」
絵梨子はその言葉を宝物のようにおし頂いた。
全員が心から祝福してくれる人たちと、ウエディングドレスで一日を過ごす。
絵梨子はまさかこんな素晴らしい結婚式になろうとは夢にも思っていなかった。
それは絵梨子の母親も同じだった。
少し宴席を離れると「絵梨子」と、母親が追いかけてきた。
「お母さん、疲れたでしょ。大丈夫?」
絵梨子は気遣いの言葉をかけた。
紺色のカシミアのスーツを着た母親の、ピンク色の口紅が少しひび割れていた。
ずいぶんシワも目立つ。
朝からのことできっと疲れたのだろう。時差もある。
母親は「ううん」と首を振った。
「私、今日やっと安心したわ」
「なにが」
「この結婚のこと。
お母さんね、ずっと心配だったの。
謙治さんはいい方だと思ったけれど、
今はあなたのほうが収入もいいし、
そういう二人がうまくやっていけるのかしら、って。
でもね、今日、安心した。
あんなに人から愛されてる人だもの。
きっと絵梨子のことも大事にしてくれる、って」
「お母さん...」
「いろいろ言ってごめんなさい...」
「ううん。ありがとう。今までほんとにありがとう」
絵梨子はそう言うのが精一杯だった。
二人は肩を揺すりあって涙ぐんだ。
その様子を金髪の小さな子どもが、不思議そうに見つめていた。
まるで、天使のように。
結婚式の夜はまだ始まったばかりだった。
おしまい
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※この小説は、大阪・京都・神戸;関西の婚活に創業18年、約5,000組の成婚実績のある結婚紹介所エムロード のサイト上で、連載している婚活 小説(大阪・京都・神戸;関西)『マリッジ・コンサルタント優子の結婚(婚活)物語』 のアメブロ版として、連載しています。
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