育成の方法(4)
その人に適した教え方を見つけることができたら、あとは「やらせてみる」わけですが、その時に「褒める」ことが重要になります。仮にうまくいかなかったとしても「やってみたこと」自体が本人には勇気が要ることでもあり、教える側にも一歩前進です。ところが、この「褒める」という行動ができない人が多いのには閉口します。 日本の学校教育の問題点、とさえ思います。およそ「注意する=指導」ですからね。褒める=指導、でもあるのですが。どこの企業であれ、部下を褒めるのが得意な管理職に出会うことはんどありませんでした。これは研修を通して数万名の管理職と相対して実感したことです。誰かが変えていかなければ、組織風土は変わっていきません。褒める敷居を自分で上げないで下さい。「○○さんの△△はとても素晴らしい!」と大仰に構えなくて良いのです。「よく気がついたね」とか「さすがですね」とか「助かったよ」といったちょっとした声掛けで良いのです。第二次大戦時、連合艦隊司令長官だった山本五十六が残した有名な言葉です。「やってみせ、言って聞かせてさせてみて、ほめてやらねば人は動かじ。話し合い、耳を傾け承認し、任せてやらねば人は育たず。やている姿を感謝で見守って、信頼せねば人は実らず」至言の育成論でしょう。私自身は平和主義なので軍人の言葉をここで持ち出すことには抵抗があります。ただ、山本五十六はこんな言葉も残しています。「内乱では国は滅びない。が、戦争では国が滅びる。内乱を避けるために、戦争に賭けるとは、主客転倒も甚だしい。」視点は異なれども、目指すところは同じだったのではないかと考えています。