WBSを使って通信教育のテキストを執筆する
日本ファシリテーション協会の堀さんとのご縁で、産業能率大学総合研究所が社会人向けの通信講座にファシリテーションを加えたいので、テキストの執筆をお願いしたいと訪ねてこられました。後に聞いた話では、堀さんは2社以上の通信教育テキストは書かないと決めていたそうです。すでに堀さんは1社のテキストを引き受けた後で、私に産能大の方が訪ねてこられたのは、実は堀さんが断ったからなのです。他にも1社やはり堀さんの紹介でテキスト執筆された方もいて、堀さんは日本ファ入りテーション協会の会員で3大通信教育を制覇したと喜んでおられました。こんなふうに一つの出会いから次々に仕事が拡がっていきました。通信教育のテキストも、ファシリテーションを執筆した後には、判断力のテキスト、そして仮説思考のテキストと次々と依頼が来ました。ちなみに通信教育のテキストには印税は発生せず、原稿料だけになります。通信教育のテキストを執筆する要領は、書籍の執筆と似ています。ただ、ターゲットが明確な分、編集担当の宮内さんとは頻繁に連絡を取りました。その際、WBSを作成して、テキストの大項目→中項目→小項目と全体構成を時系列で分解した手法は役立ちました。本の目次と同じような構成になるので、お互いに内容の検討がつけやすいといったメリットがあります。また、通信教育の場合は書籍と違って、テキストの他に受講生に宿題を課して、その回答を添削して返却するというやり取りが発生します。この双方向性が、通信教材とは言えやはり教育の特徴です。「その宿題と添削はどうするのですか?」とお聞きすると「専門の部隊がいます」とおっしゃる。しかし、オリジナルゆえに著者にしかわからないような内容の教材で、課題を作成し、回答を作るなんてできるのだろうか?その時は内心疑問に思ってました。しかしそれが杞憂であることは、後々判明します。講座が始まってしばらくして、受講生の反応を教えていただく機会があり、その際に実際の答案を見ることができました。添削された内容を見て「まるで自分が添削しているようだ」と思わず自分の目を疑いました。本当に100%テキストの意図を掴んでいるんだな、と感心しきりでした。今にして思えば、私にしか出題と回答ができないようであれば、世の中の誰も理解できない内容ってことになります。著者としての思い込みは、こんなところにもあったのでした。