今日の一曲!Bonobo「Samurai」
「今日の一曲!」は、Bonoboの「Samurai」(2017)です。『Bambro Koyo Ganda EP』のc/w曲。
ボノボの単独記事を立てるのは今回が初ですが、その存在には過去にお気に入りMV紹介記事(2018.8.20追記分~)で初めて、その後に書いたお知らせ記事の中で二度目の言及を行っています。後者の記事にも記している通り、つい最近にお気に入りとなったばかりのアーティストです。ここ最近の更新が「UK電子音楽」に傾倒しているため、紹介するならば今がグッドタイミングだと判断しました。
…とは言っても所詮はニワカなので、詳細なアーティスト評は元より無理だと諦め、早速楽曲のレビューへと入ろうと思います。しかし一応簡単な紹介だけはしておきますと(上掲記事からセルフ引用した手抜きですみません)、「クラブ音楽とワールドミュージックの融合(中略)クロスオーバーの心地好さが光る音楽性」と、「日本的エッセンスで(中略)妙に親近感を覚える」点で、僕にとっては非常に魅力的です。
主観的過ぎる感想で恐縮ですが、本曲の魅力は「とにかく美しい」ことであると主張します。ボノボの楽曲はどれもある種の美しさをデフォルトで備えているとの認識で、それはおそらくワールドミュージックらしい要素の挿入/サンプリングによるところが大きいとは思うのですが、本曲はその妙が群を抜いていると絶賛したいです。シンプルでミニマルな最低限の要素だけで構築されているのが素晴らしく、匠の手に成る工芸品に宿るような静謐な趣が感じられる点を気に入っています。
ボーカルトラックは大別すれば三種類しかなく、実質的に意味のある言葉になっていないので表現に困りますが、曲の冒頭から繰り返されているものと(0:20からの"fu"もここに含む)、0:17からひとり独特のリズムを刻み出す抑揚に乏しいものと、1:20からのメインフレーズと言っていいものに分けたとして、それぞれのオン/オフが巧みに切り替わることで、実際の数以上に多彩な質感をトラックに与えているところが素敵です。
これらのボーカルトラックを均一化して考えると、【国籍は欧州からアジア、性別は女性から中性、年齢は中年から子供まで】の幅があるように僕には聴こえるのですが、これで曲名を「Samurai」としたことにまで思いを巡らせると、日本人には出てこないであろう発想の組み合わせに一層不思議な心持ちになります。それでもこれらの諸要素に敢えて共通項を見出そうとするならば、「凛としたイメージ」でしょうかね?
バックトラックの観点では、2:08から幾度か登場する、元々エッジィだった音をフィルターでくぐもらせてからうねらせたようなものと、曲後半の肝となっている、2:56からのグルーヴィーなフレーズが非常に好みです。どちらもミニマルなリピートですが、それゆえにずっと聴いていられる中毒性があります。
前者は他のダンスミュージックでも時たま聴くサウンドな気がするので(e.g. SIMIAN MOBILE DISCO「Hustler」のバッキング)、きちんとした名称があるのかもしれませんがよくわかりません。DTMerとしての自分の中では、このようなサウンドを構築するのに使うエフェクター/モジュレーターのプリセット名だったからか、この手のものは'swirl'(「渦巻く」「ふらふらする」の意)で通じるのですが、検索してもあまり多くの情報を拾えなかったため、独学から来る謎の表現かもしれないと言い訳をしておきます。
ビートメイキングに関してはよく聴くと結構細かいと言えるものの、ここまでに記しているように「要素要素はシンプルながら、アウトプットに奥深さが出ている点」こそが魅力的であるとまとめ、記事を終えます。
![]() | Bambro Koyo Ganda (feat. Innov Gnawa) 600円 Amazon |
ボノボの単独記事を立てるのは今回が初ですが、その存在には過去にお気に入りMV紹介記事(2018.8.20追記分~)で初めて、その後に書いたお知らせ記事の中で二度目の言及を行っています。後者の記事にも記している通り、つい最近にお気に入りとなったばかりのアーティストです。ここ最近の更新が「UK電子音楽」に傾倒しているため、紹介するならば今がグッドタイミングだと判断しました。
…とは言っても所詮はニワカなので、詳細なアーティスト評は元より無理だと諦め、早速楽曲のレビューへと入ろうと思います。しかし一応簡単な紹介だけはしておきますと(上掲記事からセルフ引用した手抜きですみません)、「クラブ音楽とワールドミュージックの融合(中略)クロスオーバーの心地好さが光る音楽性」と、「日本的エッセンスで(中略)妙に親近感を覚える」点で、僕にとっては非常に魅力的です。
主観的過ぎる感想で恐縮ですが、本曲の魅力は「とにかく美しい」ことであると主張します。ボノボの楽曲はどれもある種の美しさをデフォルトで備えているとの認識で、それはおそらくワールドミュージックらしい要素の挿入/サンプリングによるところが大きいとは思うのですが、本曲はその妙が群を抜いていると絶賛したいです。シンプルでミニマルな最低限の要素だけで構築されているのが素晴らしく、匠の手に成る工芸品に宿るような静謐な趣が感じられる点を気に入っています。
ボーカルトラックは大別すれば三種類しかなく、実質的に意味のある言葉になっていないので表現に困りますが、曲の冒頭から繰り返されているものと(0:20からの"fu"もここに含む)、0:17からひとり独特のリズムを刻み出す抑揚に乏しいものと、1:20からのメインフレーズと言っていいものに分けたとして、それぞれのオン/オフが巧みに切り替わることで、実際の数以上に多彩な質感をトラックに与えているところが素敵です。
これらのボーカルトラックを均一化して考えると、【国籍は欧州からアジア、性別は女性から中性、年齢は中年から子供まで】の幅があるように僕には聴こえるのですが、これで曲名を「Samurai」としたことにまで思いを巡らせると、日本人には出てこないであろう発想の組み合わせに一層不思議な心持ちになります。それでもこれらの諸要素に敢えて共通項を見出そうとするならば、「凛としたイメージ」でしょうかね?
バックトラックの観点では、2:08から幾度か登場する、元々エッジィだった音をフィルターでくぐもらせてからうねらせたようなものと、曲後半の肝となっている、2:56からのグルーヴィーなフレーズが非常に好みです。どちらもミニマルなリピートですが、それゆえにずっと聴いていられる中毒性があります。
前者は他のダンスミュージックでも時たま聴くサウンドな気がするので(e.g. SIMIAN MOBILE DISCO「Hustler」のバッキング)、きちんとした名称があるのかもしれませんがよくわかりません。DTMerとしての自分の中では、このようなサウンドを構築するのに使うエフェクター/モジュレーターのプリセット名だったからか、この手のものは'swirl'(「渦巻く」「ふらふらする」の意)で通じるのですが、検索してもあまり多くの情報を拾えなかったため、独学から来る謎の表現かもしれないと言い訳をしておきます。
ビートメイキングに関してはよく聴くと結構細かいと言えるものの、ここまでに記しているように「要素要素はシンプルながら、アウトプットに奥深さが出ている点」こそが魅力的であるとまとめ、記事を終えます。