笑顔とありがとうを~大切な人たちへ~ -63ページ目

第13話 迷い

妹は主治医から聞いてきた母の病状を、父に話すことになり

二人で話し合った次の日に

両親が入院している病院へ行って

父に話をしてくれた。





母の病状を聞いた父は

何も言わず黙って妹の話を聞いていたそうだ。

そして妹が

母に告知するかどうか家族で話し合うように

先生から言われた・・・と、切り出すと

少しの沈黙のあと

「お母さんに話そう・・・」

そう言ってまた黙ってしまった。




「お姉ちゃん・・・どうする?

お父さんはそう言ってたけど・・・話した方がいいのかな・・・?」




逆に妹から質問されて

私も答えに困った・・・・

母の気持ちを知る術もない。

自分の余命を宣告されたら

母はどんな気持ちになるのだろうか・・・?

想像もつかなかった。


「お父さんがお母さんに話そうって・・・

そう言ってるから話そうか・・・・・」


答えに窮している私に妹が言った。



「そうだね・・・

言った方がいいかも知れないね・・」









そう妹と話し合ってから2,3日後に

母と私たちは主治医の説明を聞きに行った・・・



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第12話 親の存在

家族と暮らしていくこと。

それは至極当たり前の事なのに

違和感ばかり感じていた私は

逃げ出すことばかり考えていた。


高校を卒業して数年経ってから

現在の夫とバイト先で知り合った。

当時夫は一人暮らしをしていて

付き合うようになってからは

また以前のように、家を飛び出して

一緒に住むようになった。





また同じ事を繰り返し、

そして親に心配ばかりかけていた私。

今思い返しても、本当に親不孝な娘だった。




現在の夫と結婚するまでも

私は同棲を続けて

最初は同棲を反対していた父も母も

夫の人柄と、どうしても帰ってこない私に根負けしたのか

二人の事を認めてくれて

結婚するまで温かく見守ってくれた。



結婚する時に実家から遠く離れて住むことになった私に

寂しい思いをしているのでは・・・と、

いつも心配してくれた母。

私が長男を出産した時も

一番喜んでくれた母。

あんなに心配ばかりかけて

家にいることが嫌で

母を憎んでいた親不孝な娘を

突き放すことなく見守ってくれた母。




母の有り難味が結婚して子を持ってみて

初めて理解できた。

そしてこれから

母に沢山の親孝行をしよう。

そう思っていた矢先の母の発病だった。

なんという皮肉なんだろう。




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フタリ





クラムボンは笑ったよ
 笑ったね 二人でさ

 小さなことに
  
 へんなの


 
 きっと他の人は笑わない

 そんなことで 笑ったね



 よく笑っていた
  
 何をしても 何も見ても

 二人でさ  笑ったね

            クラムボンは笑ったよ







第11話 孤独感

初めて家出したのは、高校1年の秋。

遅くに帰宅した私を、母は鍵をかけて家に入れてくれなかった。

それは以前からよくあることだったが、

その日は私の中で何かがプツリと音を立てて切れた。




家に入れてくれないならもういい!

こんな家出て行ってやる・・・




今考えると余りにも幼稚な動機・・・・

まだ子供だったんだなぁ・・・と、思う。



そのまま当時付き合っていた彼氏の家に転がり込み

その間学校も行かずにフラフラしていた。

家族には当然行き先なんか知らせていなかったので

後から妹に聞いたら、血眼になって私を探していたらしい。

なんてひどい子供だろうと思う。

書きながら当時を思い出しても、胸が痛む・・・



初めての家出は1週間足らずで居場所を突き止められ

当然だが家に帰らされた。

帰ってくればまた母の罵倒の言葉の数々・・・

私が悪いことをしたのだから、当然のことなのに

自分の中では何も納得できていなかった。



その家出から数年は

私の気持ちも友達のお陰で随分と落ち着き

穏やかな日々が続いたが

ココロの中で孤独感は消えなかった・・・



私を認めてほしい

私のココロを本当に包み込んでくれる人に会いたい




相変わらず家には居場所がなく

寂しくて寂しくて仕方なかった。

本当なら母にこの気持ちを話したいと

ココロの奥底で思っていたが

どうしても母には話したくない気持ちが強く

そして母になんか私の気持ちがわかる訳ないと思っていた。

母の存在が本当に疎ましくて、大嫌いだった。



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エガオ

寒っ 
 君が好きといった
 
 ボクの笑顔

 ずっと見ていたいと



 その笑顔でいられるのは

 君がいるから   

        寒っ