笑顔とありがとうを~大切な人たちへ~ -64ページ目

ココロノモヨウ

雪の結晶冬の海  灰色の海

 アワ立つ波だけが白い

 あとはすべて灰色




 空は厚い灰色の雲に覆われ

 そこに立ち尽くす 私が見える

 私しかいない  誰もいない

 誰にも会えない




 そこはまるで  死の世界のよう

 こわい  こわい  こわい


 入り込んでしまった私は

 もうずっと逃げることができない雪の結晶



第10話 母への反抗

祖母が家を出てからは

学校から帰ると、当然のように家には誰もいない。

その事がとても寂しくて辛かった。

そんな生活も何年か続くと慣れてきて

誰もいないことが当然になっていったが

心の奥深くでは、母への反抗心は無くなっていなかった。


私が中学2年の時に

父の転勤に伴い、母も転勤することになり

生まれ故郷の北海道から

関東地方へ引っ越すことになった。



初めての転校。

それもまったく知らない土地。

そして14歳という多感な時期。

転校してしばらくは慣れるまでに時間がかかり

色んなことで母と喧嘩することも多くなってきた。


母と喧嘩するたびに、私は自分の部屋にこもり

だんだん家族から孤立するようになってきた。


こんな家に居たくない。

こんなの本当の家族じゃない。

誰も私の気持ちなんて分かってくれない。



思春期に有りがちな感情だが

当時私は真剣にそう考えていた。



当然母にはそんな気持ちを話せるわけもなく

母から出てくる言葉は、罵倒や存在を否定する言葉ばかり。

私はただ親の存在が疎ましく、自分の存在を否定されてまで

この家族と一緒にいる意味が分からなくて

自分自身の存在を認めてもらいたくて

それを外に求めるしかなかった。




高校1年の時に

知り合って間もない彼氏がいた。

私は家での寂しさをほとんど全部その人に向けて

少しでもそばにいたくて

家を飛び出した。

それがはじめての家出だった。


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第9話 母と私

母と私。

母と私はどんな親子だっただろうと常々考える。

自分自身も子を持ち、子育てをする日々の中で

こんな時、母だったらどうしただろうか?

私にどんな風に接してくれただろうか?

と、自然に考えてしまう。






私は、母が25歳の時に生まれた。

当時父の両親と同居していて

大変な事もあったらしいが

母は仕事もしていたので、育児では助けられた部分もあるようだ。


赤ちゃんの頃から祖父母と暮らしていた私は

大のおばあちゃん子だった。

記憶の中では、いつも甘えていたのは祖母だった。

母に甘えた記憶はほとんどない。

子供の頃は祖母がそばにいてくれたらそれでよかった。

母は怖い存在でしかなかった。

フルタイムで働く母は、家に帰ると苛々するばかりで

何気ない会話さえも、交わした記憶が余り無い。



母と祖母。

二人の関係も良いわけでは無かった。

父は単身赴任が多い。

母は仕事のストレスと父の居ない家での祖母との同居で

いつも苛々していたのかもしれない。

でも当時は私も子供・・・そんな母の心も理解できる訳が無く

怖い母より祖母が大好きだった。




私には妹が一人いる

妹は甘え上手で、祖母にも母にも

普通の子供のように甘えていた。

母もどちらかというと祖母になつく私より

妹を可愛がっていた。







私が小学4年生の時

突然祖母が家を出て行くことになった。

子供心に母と祖母の仲が悪いとは薄々感じていたが

まさか家を出て行くなんて考えてもいなかったので

祖母が居なくなる事はかなりショックだった。



おばあちゃんが出て行くのは

お母さんのせいだ!お母さんが悪いんだ!!



その時の、母への恨みにも似た感情が

母への反抗心になっていった。




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あの頃

ただ なんとなく

流れるままに

ただ なんとなく



あなたは あの時

何を 思っていたのか 考えてみた



悲しかったの?


楽しかったの?


それとも


寂しかった?



答えは 

永遠に 見つからないけれど


ただ なんとなく

考えてみた

第8話 弱い心

母の余命宣告・・・

母の病状・・・・


残酷な宣告を聞いた夜。

食べかけていたコンビニのお弁当の

箸を置いてから

私の体は食べ物を受け付けなくなっていた。



丸3日間、何も食べられなかった。



以前から何か自分にとって

苦しい事や、悲しい事が起きると

体が食べ物を受け付けなくなる。


その時もそうだった。






私は弱い。

とても弱い。

そして卑怯だ。




逃げ出したい。

この現実から目を逸らして

逃げ出してしまいたい。

誰になんと言われようとも

逃げ出してしまいたい。



神様。

嘘だと言ってください。

夢だと言ってください。

お願いです・・・・



心が悲痛にそう叫んでいた。






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