米国ミネソタ州ミネアポリスは96年から98年まで住んだ思い入れのある街です。それ以来、隣のウィスコンシン州やイリノイ州は仕事で訪問したことがありますが、ミネソタ州には一度も行っていません。それでもネットで、その後の出来事はフォローしています。今年は警官による黒人男性拘束、死亡事件で注目を集めてしまいました。事件は街の南部でした。
ツインズのスタジアムの有る川沿いエリアは、街の北部に住んでいた私は、たまにクルマや自転車で通り過ぎていました。住んでいたエリアは、アフリカか東欧からの移民の人達が多い、比較的静か、落ち着いた雰囲気でした。いつか再訪をと思いながら、はや20年です。
日本企業の労働生産性の低い要因として、終身雇用制度あり。日本企業の採用はメンバーシップ型、人間性、地頭の良さ重視。海外は個々の仕事ごとに適性、実務能力重視のジョブ型。事業環境変化でその仕事への需要がなくなれば解雇も可能。その代わり、国を挙げて、需要のある仕事に対して必要なスキルを身につけての再就職支援をするのが北欧。人口減に転換後の日本企業は、需要のなくなった仕事のスキルしかない社員を抱え続け、選択と集中が進まず、生産性が低迷。
本の中盤までの主張。
昨日が母の命日、それに合わせて家族4人で新潟に来て墓参りをしました。大人4人なのでレンタカーを借りての移動が効率的。お盆の時は一人で高速バスで帰省して、墓参りは電車とジョギングでした。真夏の山登りジョグで疲れました。今回はクルマって何て楽なの!と感激。
松元崇 2019 年3月
著者は安倍内閣の元内閣府事務次官
本の中で、国別の生産性のデータについてデビッドアトキンソンさんの本を引用しています。
一方、アトキンソンさんは著書にて、安倍政権の政策はどちらかと言えばポジティブ評価、批判の矛先は、政策を利用して生産性改善に取り組まない企業経営者に向いていました。松元さんも日本の生産性低迷を問題視。日本企業の生産性改善、拡大投資が海外に向いていることを要因の一つとしています。
2018年発刊
クリスティアン モンテス
パスカル ネデレク
120点以上の地図とグラフで描く
アメリカのポートレート
人口、経済、人種、宗教、食と多岐に渡る面白い内容です。アメリカは生産性で日本の1.5倍ほど、人口は2倍で、かつまだ増えているのでGDPも成長しています。日本の生産性は、米国の州別では最下位水準のアイダホ、ミシシッピ州並。
むむむ!
アトキンソンさんは著者で、経済停滞の要因として人口減を上げている点で、藻谷浩介さんの デフレの正体 に似ていると感じます。ただし人口減イコールデフレ、経済停滞とは限らない。人口減をカバーする、生産性改善の取り組みが弱いことを強く批判しています。藻谷さんのデフレの正体は、人口減なので経済規模縮小はやむを得ないもの、それに合わせた国づくりを、という内容だったような気がします。だいぶ前に読んだので読み直しが必要かな。
GDP=人口✖️生産性
一人当たりGDP=生産性
日本は戦後55年間、人口増でGDPの総額、絶対値は増やして世界第2位まで登りつめた。しかし過程では、生産性の向上は一時期を除いて進まず、対価の取れない無駄な仕事、過剰なサービスが増えた。人口が減り始めても生産性は改善せず、GDP絶対値も減少、世界での順位も低下。
生産性は先進国では最低水準。
それだけに生産性改善で、GDP増の余地はあり、取り組まないと。
生産性改善は企業、特に上場企業の経営者責任。株主が市場を通じて、経営者にもっとプレッシャーをかけるべし。