短期集中連載「流線形'14セルフライナーノーツ 完全版④ ~銀河鉄道 編~」
こんにちは、こいしです。
最近、ボーカルのグミとギターのけんたろうが立て続けにギターを購入しまして、なんか嬉しそうでムカついている僕ですが、実は僕のベースにもひそかに大きな変化があったんです。
現在ライブやレコーディングでもすっかりメインの楽器となっているベースなんですが、実は長ーーーーーーいあいだ、先輩からお借りしていたものなんです。
それがなんとこのたび、正式に頂く事になりました。
7月のワンマンライブを観に来てくれた持ち主が「おまえ頑張ってるから、あのベースあげるよ」と、男気(または酒の勢い?)を見せてくれました。
やったー!嬉しい!あれ買ったらかなり高いやつだし、音すごく好きだし!
という事で、楽器は変わらずとも借り物から自分の楽器に昇格したベースを、今後も大事に使って行きたいと思っています。
(とりあえず、ステッカー貼ったりとか、、、)
さて、前回からちょっと時間が空いてしまいましたが、「セルフライナーノーツ 完全版」第四回は、M-4「銀河鉄道」をお送りします。
・・・・・・・・・・・・・・・・
■銀河鉄道
作詞/作曲:岸田小石
流線形の今日が スピードを上げて 空回りを始めてる
苦し紛れの嘘で
錆びついたメガネ橋を渡る 争う声も置き去りに
宇宙の裏側まで
あの日の憧れを あの日の面影を
探してしまうのは何故だろう
少しの幸せを 奇跡と名付けよう
行き場の無い 風がざわめく夜に
パタパタ走り去る野良猫 深い闇に紛れこむ
眠りに就いた街並み
誘蛾灯の瞬きは激しく 不可解なリズム刻んで
静けさをあざ笑う
連なる悲しみの 窪みを見つけては
やり過ごした日々も引き連れて
静かな足取りで 夜空に駆け出そう
報われない 旅を続ける人よ
あの日の憧れを あの日の黄昏を
探してしまうのは 何故だろう
少しの切なさを 夜空に浮かべよう
答えの無い 旅を続ける日々よ
あの日の憧れよ あの日の面影よ
Thank you!調子はどうだい?
・・・・・・・・・・・・・・・・
僕が子供の頃に住んでいた田舎の家は、隣に大きな川が流れていて、二階の僕の部屋からは電車の鉄橋が見えました。
夜になると静寂と真っ暗闇の中、ガタゴトと川を渡る電車を見ているのが僕はとても好きでした。
当時好きだった漫画「銀河鉄道999」で、999号が宇宙の暗闇の中を走る風景とリンクして、そのままその電車が宇宙空間へと走り去っていく姿を想像したりしていました。けっこう根暗だったんですね、少年時代の僕は。
「銀河鉄道999」って、読んだことがある人は分かると思うんですが、すごーく切なくて孤独でモヤモヤ感の残る漫画なんですよね。
主人公の鉄郎が宇宙を旅する中で色んな星に立ち寄り、色んな悲しみを抱えた星の住人たちに出会い、人生の目的みたいな事を考えながら成長していくストーリーなんですが、子供時代の僕にとってはトラウマになるほどの切なさを感じた事を覚えています。
そんな僕も大人になり、一人で田舎から東京に出てきて、ずいぶんと時間が流れました。
片道切符で宇宙の果てへと旅を続ける鉄郎と同じように、色んなものを置き去りにしながら流れていく時間の中で、いい事も悪い事もいっぱいありましたが、ふと子供時代に見たあの景色、あの頃の友達、幼い恋なんかを思い出し、あの頃に戻れたらなぁなんて考えたりもします。
そんなことをテーマに、この曲を作りました。
なので、メロディやアレンジも、鉄道がゆっくりと宇宙空間を走っていくような、流れるようなイメージで作ってみました。そのあたりのフィーリングがうまく伝わってくれたら嬉しいです。
ちなみに余談ですが、僕があの頃いつも部屋の窓から見ていた電車「コトデン」は、電車マニアの間ではけっこう伝説的な電車だったらしく、くるりのライブDVDの特典映像で、電車マニアの岸田繁さんが香川でライブをするついでにわざわざコトデンを見に行くという映像が出てきて、びっくりしつつもちょっと誇らしい気持ちになったものです。
以上、銀河鉄道でした。
最近、ボーカルのグミとギターのけんたろうが立て続けにギターを購入しまして、なんか嬉しそうでムカついている僕ですが、実は僕のベースにもひそかに大きな変化があったんです。
現在ライブやレコーディングでもすっかりメインの楽器となっているベースなんですが、実は長ーーーーーーいあいだ、先輩からお借りしていたものなんです。
それがなんとこのたび、正式に頂く事になりました。
7月のワンマンライブを観に来てくれた持ち主が「おまえ頑張ってるから、あのベースあげるよ」と、男気(または酒の勢い?)を見せてくれました。
やったー!嬉しい!あれ買ったらかなり高いやつだし、音すごく好きだし!
という事で、楽器は変わらずとも借り物から自分の楽器に昇格したベースを、今後も大事に使って行きたいと思っています。
(とりあえず、ステッカー貼ったりとか、、、)
さて、前回からちょっと時間が空いてしまいましたが、「セルフライナーノーツ 完全版」第四回は、M-4「銀河鉄道」をお送りします。
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■銀河鉄道
作詞/作曲:岸田小石
流線形の今日が スピードを上げて 空回りを始めてる
苦し紛れの嘘で
錆びついたメガネ橋を渡る 争う声も置き去りに
宇宙の裏側まで
あの日の憧れを あの日の面影を
探してしまうのは何故だろう
少しの幸せを 奇跡と名付けよう
行き場の無い 風がざわめく夜に
パタパタ走り去る野良猫 深い闇に紛れこむ
眠りに就いた街並み
誘蛾灯の瞬きは激しく 不可解なリズム刻んで
静けさをあざ笑う
連なる悲しみの 窪みを見つけては
やり過ごした日々も引き連れて
静かな足取りで 夜空に駆け出そう
報われない 旅を続ける人よ
あの日の憧れを あの日の黄昏を
探してしまうのは 何故だろう
少しの切なさを 夜空に浮かべよう
答えの無い 旅を続ける日々よ
あの日の憧れよ あの日の面影よ
Thank you!調子はどうだい?
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僕が子供の頃に住んでいた田舎の家は、隣に大きな川が流れていて、二階の僕の部屋からは電車の鉄橋が見えました。
夜になると静寂と真っ暗闇の中、ガタゴトと川を渡る電車を見ているのが僕はとても好きでした。
当時好きだった漫画「銀河鉄道999」で、999号が宇宙の暗闇の中を走る風景とリンクして、そのままその電車が宇宙空間へと走り去っていく姿を想像したりしていました。けっこう根暗だったんですね、少年時代の僕は。
「銀河鉄道999」って、読んだことがある人は分かると思うんですが、すごーく切なくて孤独でモヤモヤ感の残る漫画なんですよね。
主人公の鉄郎が宇宙を旅する中で色んな星に立ち寄り、色んな悲しみを抱えた星の住人たちに出会い、人生の目的みたいな事を考えながら成長していくストーリーなんですが、子供時代の僕にとってはトラウマになるほどの切なさを感じた事を覚えています。
そんな僕も大人になり、一人で田舎から東京に出てきて、ずいぶんと時間が流れました。
片道切符で宇宙の果てへと旅を続ける鉄郎と同じように、色んなものを置き去りにしながら流れていく時間の中で、いい事も悪い事もいっぱいありましたが、ふと子供時代に見たあの景色、あの頃の友達、幼い恋なんかを思い出し、あの頃に戻れたらなぁなんて考えたりもします。
そんなことをテーマに、この曲を作りました。
なので、メロディやアレンジも、鉄道がゆっくりと宇宙空間を走っていくような、流れるようなイメージで作ってみました。そのあたりのフィーリングがうまく伝わってくれたら嬉しいです。
ちなみに余談ですが、僕があの頃いつも部屋の窓から見ていた電車「コトデン」は、電車マニアの間ではけっこう伝説的な電車だったらしく、くるりのライブDVDの特典映像で、電車マニアの岸田繁さんが香川でライブをするついでにわざわざコトデンを見に行くという映像が出てきて、びっくりしつつもちょっと誇らしい気持ちになったものです。
以上、銀河鉄道でした。
短期集中連載「流線形'14セルフライナーノーツ 完全版③ ~Ballad Ballad 編~」
こんにちは、こいしです。
「流線形'14」の発売から2ヶ月半ほど経ちました。
CittYは早くも次の音源発表に向けて、新曲をこねくり回している最中です。
ながーい製作期間を経て送り出した「流線形'14」を経て、また次の音源でやりたい事もいっぱいあるので、みなさんに聴いて頂ける日が楽しみです。
これからそんな新曲たちをライブでもどんどんお披露目していきます。
「流線形'14」の発売から2ヶ月半ほど経ちました。
CittYは早くも次の音源発表に向けて、新曲をこねくり回している最中です。
ながーい製作期間を経て送り出した「流線形'14」を経て、また次の音源でやりたい事もいっぱいあるので、みなさんに聴いて頂ける日が楽しみです。
これからそんな新曲たちをライブでもどんどんお披露目していきます。
新曲はお客さんに聴いてもらって初めて完成するものだと思いますので、ぜひ、新しい曲が世に出る瞬間の目撃者になって下さい!
さて、「セルフライナーノーツ 完全版」第三回は、M-3「Ballad Ballad」をお
送りします。
・・・・・・・・・・・・・・・・
■.Ballad Ballad
作詞/作曲:岸田小石
浮かれてた夏を
ありふれた小さな夏を
戸惑い続けてた夏を
あなたを見上げてた夏を
優しい風が吹き飛ばした
手をつなごう 大人になった二人は
八月の空が 眩しすぎて立ち止まる
人混みに紛れ込む あなたの背中を探した
これが恋だとか そんな事も分からずに
いつのまに 心の奥 あなたが埋め尽くしていた
二人がちょっと切なくて 手を伸ばしたとき
形の無いこの想いに 身を任せていたんだ
Ballad Ballad 喜びの涙 やがては離れ行く二人
水たまりに映る今を 飛び越して見える向こう側
変わらない ものなんてどこにもないけれど
それでもきっとこのまま...
雨の降る午後も 笑いながらやり過ごす
人混みに紛れても あなたをすぐ見つけられる
打ち寄せる波が 少しだけ不安誘う
傷付け合う日々の事 黄昏の空に浮かべた
遠くの空 星ひとつ 消えそうな光
目を覚ましたときにはもう あなたがいなくても
バラバラさ それでも二人 指先でつながるシンパシー
頼りなく揺れてる花が 鮮やかに彩る季節
Ballad Ballad
浮かれてた夏が
ありふれた小さな夏が
戸惑い続けてた夏が
あなたを見上げてた夏が
いつかは海に還るのなら
手をつなごう ギュっとにぎって歩こう
・・・・・・・・・・・・・・・・
さて、「セルフライナーノーツ 完全版」第三回は、M-3「Ballad Ballad」をお
送りします。
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■.Ballad Ballad
作詞/作曲:岸田小石
浮かれてた夏を
ありふれた小さな夏を
戸惑い続けてた夏を
あなたを見上げてた夏を
優しい風が吹き飛ばした
手をつなごう 大人になった二人は
八月の空が 眩しすぎて立ち止まる
人混みに紛れ込む あなたの背中を探した
これが恋だとか そんな事も分からずに
いつのまに 心の奥 あなたが埋め尽くしていた
二人がちょっと切なくて 手を伸ばしたとき
形の無いこの想いに 身を任せていたんだ
Ballad Ballad 喜びの涙 やがては離れ行く二人
水たまりに映る今を 飛び越して見える向こう側
変わらない ものなんてどこにもないけれど
それでもきっとこのまま...
雨の降る午後も 笑いながらやり過ごす
人混みに紛れても あなたをすぐ見つけられる
打ち寄せる波が 少しだけ不安誘う
傷付け合う日々の事 黄昏の空に浮かべた
遠くの空 星ひとつ 消えそうな光
目を覚ましたときにはもう あなたがいなくても
バラバラさ それでも二人 指先でつながるシンパシー
頼りなく揺れてる花が 鮮やかに彩る季節
Ballad Ballad
浮かれてた夏が
ありふれた小さな夏が
戸惑い続けてた夏が
あなたを見上げてた夏が
いつかは海に還るのなら
手をつなごう ギュっとにぎって歩こう
・・・・・・・・・・・・・・・・
突然ですが、
3年前の8月、僕が12年間一緒に過ごした猫のテオ君が病気で亡くなりました。
それ以降僕は、「ほかの誰かと一緒にいられる喜び」みたいな事について深く考えるようになりました。
この「Ballad Ballad」は、そんな事をテーマに作った曲です。
自分にとってどんなに大事な存在でも、永遠に一緒にいられるわけではありません。
特に、「死」によるお別れはある意味一番残酷で、それは突然やってくる可能性があります。
それはほんとに残酷な事だと思いますし、何の悲しみも無くそれを受け入れられる人間なんてほとんどいないと思います。
テオ君が亡くなり、それまでは家に帰れば「ニャー」と迎えてくれる事が当たり前だったのが、ある日突然その「当たり前」が無くなったとき、どこか 恐怖にも似た喪失感を感じました。
3年前の8月、僕が12年間一緒に過ごした猫のテオ君が病気で亡くなりました。
それ以降僕は、「ほかの誰かと一緒にいられる喜び」みたいな事について深く考えるようになりました。
この「Ballad Ballad」は、そんな事をテーマに作った曲です。
自分にとってどんなに大事な存在でも、永遠に一緒にいられるわけではありません。
特に、「死」によるお別れはある意味一番残酷で、それは突然やってくる可能性があります。
それはほんとに残酷な事だと思いますし、何の悲しみも無くそれを受け入れられる人間なんてほとんどいないと思います。
テオ君が亡くなり、それまでは家に帰れば「ニャー」と迎えてくれる事が当たり前だったのが、ある日突然その「当たり前」が無くなったとき、どこか 恐怖にも似た喪失感を感じました。
(三年経った今でもずっと寂しいです。)
いつかやってくる別れは誰にも避けられないので、せめて、
友達と居酒屋で酒を飲む時間だったり、
恋人とテレビを観て笑う時間だったり、
愛犬の背中をブラッシングしている時間だったり、、、
一緒にいられる時間を大事にしていくしかないと思っています。
「Ballad Ballad」の登場人物が、「今、手をつないで歩くこの時間を大事にしていこう」という答えに至るまでのストーリーは、周りから見ればとてもありふれた 恋愛の風景かも知れませんが、二人にしか分からない大波小波を乗り越えつつ成長していく美しさ、みたいなものを感じ取って頂ければと思います。
サウンド面についてもちょっと触れておきますと、最初はスライ的なドロっとしたファンクアレンジで作り始めましたが、最終的には淡々とした、シンプルで やさしいアレンジに着地しまして、メロディにも歌詞の世界感にも非常にうまくマッチしたんじゃないかと思っています。
ちなみに、イントロや間奏で登場するシンセ音は80年代後半あたりのポップスによく登場する音で、分かる人には懐かしい感じの音色かと思います。
僕が子供の頃に初めて買ってもらったシンセサイザー、YAMAHAのSY55にもこんな感じの音色が入っていて、当時ユーミンの曲のフレーズを弾きながら 「全く一緒の音じゃーん!」と感動したものです。(ほんとは全然違うんですけどねw)
この曲は、PVも公開しています。
https://www.youtube.com/watch?v=EkBd-GBJqZQ
このPVでは、実は僕、監督的な事をやっています。
実際、カメラマンさんの横であーでもないこーでもないと口出ししていただけで、監督というほどえらそうなものではありませんが、、、
ほぼワンカットで撮りたかったので、グミさんと海の絶妙な位置関係を決めるのにすごく時間をかけました。
しかしながらこの日は、海の波具合も、空の色味も、風の吹き方も、完璧なまでにイメージどおりの美しさで、大自然にほんとに感謝のPVになりまし た。
ぜひ、大自然とグミさんの織り成す一大スペクタクルをご覧下さい(笑)。
以上、「Ballad Ballad」でした。
いつかやってくる別れは誰にも避けられないので、せめて、
友達と居酒屋で酒を飲む時間だったり、
恋人とテレビを観て笑う時間だったり、
愛犬の背中をブラッシングしている時間だったり、、、
一緒にいられる時間を大事にしていくしかないと思っています。
「Ballad Ballad」の登場人物が、「今、手をつないで歩くこの時間を大事にしていこう」という答えに至るまでのストーリーは、周りから見ればとてもありふれた 恋愛の風景かも知れませんが、二人にしか分からない大波小波を乗り越えつつ成長していく美しさ、みたいなものを感じ取って頂ければと思います。
サウンド面についてもちょっと触れておきますと、最初はスライ的なドロっとしたファンクアレンジで作り始めましたが、最終的には淡々とした、シンプルで やさしいアレンジに着地しまして、メロディにも歌詞の世界感にも非常にうまくマッチしたんじゃないかと思っています。
ちなみに、イントロや間奏で登場するシンセ音は80年代後半あたりのポップスによく登場する音で、分かる人には懐かしい感じの音色かと思います。
僕が子供の頃に初めて買ってもらったシンセサイザー、YAMAHAのSY55にもこんな感じの音色が入っていて、当時ユーミンの曲のフレーズを弾きながら 「全く一緒の音じゃーん!」と感動したものです。(ほんとは全然違うんですけどねw)
この曲は、PVも公開しています。
https://www.youtube.com/watch?v=EkBd-GBJqZQ
このPVでは、実は僕、監督的な事をやっています。
実際、カメラマンさんの横であーでもないこーでもないと口出ししていただけで、監督というほどえらそうなものではありませんが、、、
ほぼワンカットで撮りたかったので、グミさんと海の絶妙な位置関係を決めるのにすごく時間をかけました。
しかしながらこの日は、海の波具合も、空の色味も、風の吹き方も、完璧なまでにイメージどおりの美しさで、大自然にほんとに感謝のPVになりまし た。
ぜひ、大自然とグミさんの織り成す一大スペクタクルをご覧下さい(笑)。
以上、「Ballad Ballad」でした。
短期集中連載「流線形'14セルフライナーノーツ 完全版② ~Twilight CittY 編~」
こんにちは。こいしです。
9月になっても夏をあきらめきれない僕は、友人たちと南伊豆方面へプチ旅行に行ってきました。
あの辺の海は水はむちゃくちゃ透き通っている上に9月でもクラゲがいなくて、パワー全開の太陽も、シャウトする蝉の声も、ビーチボールを楽しむリア充男女たちも、まだまだ「夏本番」な感じでした。
「全然9月じゃないじゃん!」を合言葉に、海パワーをたんまりと蓄えて帰ってきました。
さて、「セルフライナーノーツ 完全版」第二回は、M-2「Twilight CittY」をお送りします。
・・・・・・・・・・・・・・・・
■Twilight CittY
作詞/作曲:岸田小石
弾けたハイティーンラブ ソーダ水の君は
いつでも純情な瞳 キラリ 振りかざした
フラッシュバックを繰り返す 恋の痛みが
雨のように 肩を濡らしてたあの日
バックミラー そっと 遠ざかってく 夏に
今も 別れ告げられないまま
エンドレスに回り続けてる 惑星のスピードに
振り落とされた夜 願いを込めて待ちわびた トワイライト
溢れる光 メイナードのハイトーンで
深い夜のしじまが ふいに 色めき立つ
パラダイスには もう 程遠い世界
泡に消えた記憶を たぐり寄せる
80'sの淡い煌きに似た 夏に
今は 体委ねていたくて
エンドレスに回り続けてる 惑星のスピードに
振り落とされた夜 涙さえ輝き出した トワイライト
エンドレスに 回り続けてる 惑星の片隅に
誇らしく光ってた 夜の欠片が 流れ落ちてく
踊り続けてた 疲れ知らずの時代
魔法が解けたように 眠る二人を 包みこむ トワイライト
・・・・・・・・・・・・・・・・
僕が子供の頃、バブル景気というのが日本全体をイケイケでウキウキな空気で包んでいました。
とにかく日本中に金が余りまくっていて、その異様な雰囲気は香川の片田舎に住んでいたクソガキの僕にもバレバレで伝わってきました。
当時香川県と岡山県を結ぶ瀬戸大橋が完成し、橋の周辺地帯(それまでは香川の中でもクソ田舎だった地域)が一気に都会化して、黄金の巨大なビル、ショッピングモール、タレントショップなどがドカンドカンと建てられて、それまでずっとひっそりと田舎暮らしに浸っていた僕はパニックに陥ったものでした。
僕の父親が働いていた某企業もかなり景気が良かったらしく、年に何度もパーティーを開催し、僕も「豪華客船を貸し切って、できたばっかりの瀬戸大橋の下を周遊して花火ドーン」みたいな愉快な祭りに連れて行ってもらったりしました。いやーあれはほんとに愉快だった。
FMラジオやテレビからは都会感やリゾート感がフィーチャーされたキラキラな音楽が日々流れ、ねるとん紅鯨団やトレンディドラマを観たりしながら、マジで大人になったら楽しい事しか待っていないような気がしていた僕はいつしか、
「ぜったい大人になったら東京に行く!(ついでにハワイにも行く!)」
と決心していたのでした。
また、僕が音楽の道を志した初期衝動的なものもそこにあったような気がしています。
すごく覚えているのは、「パーラメント」というタバコのCMのシリーズがすごくオシャレで、マンハッタンの夜景をバックにBobby Caldwellの「Stay With Me」「Heart Of Mine」などのAORナンバーが流れて、子供の僕にはオシャレすぎてションベンをチビりそうになったものでした。キラッキラのエレピの音色とか、ウィンドチャイムのサワーっとした音とか、たまんなかったですね。
あと、ユーミンの「リフレインが叫んでる」「SWEET DREAMS」「霧雨で見えない」などが流れていた三菱ミラージュのCMも、見るたびにいつも心がザワザワしたのを覚えています。
このへんの曲が収録されているユーミンのアルバム、「ダイヤモンドダストが消えぬまに」「Delight Slight Light KISS」あたりは、ほんとに名盤すぎるのでおすすめです!
(ちなみに有名どころでは、山下達郎の「POCKET MUSIC」「僕の中の少年」、サザンオールスターズの「Southern All Stars」なども、ちょうどそのあたりのいい時代の空気を含んでいて、楽曲のクオリティも超高くて大好きなアルバムです。おすすめ!)
・・・その後、なんやかんやで東京には来たものの、僕が大人になったときにはバブルもとっくに崩壊していて「思ってた感じと全然違ーーーう!」
だったわけですが、あの頃に聴いていた音楽への憧れ、または、あの希望に満ちたウキウキした日本への成仏できない想い、みたいなものを一回思いっきりストレートに表現してみようと作った曲が、「Twilight CittY」です。
CittYの普段の楽曲の中ではかなり変化球のつもりだったんですが、結果的にこの曲が「流線形'14」のアルバム全体を通して漂うノスタルジックな空気感を盤石なものにしてくれたと思っています。
ちなみに歌詞も、そんなバブル時代を追憶している内容です。
ひとつ解説しておくと、この歌詞に出てくる「メイナード」とはメイナード・ファーガソンの事で、メチャクチャなハイトーンの音を出すトランペット奏者なんですが、僕はこの人の、アメリカ横断ウルトラクイズのテーマ曲(元々は映画「スター・トレック」の曲)が大好きで、これも僕の中で勝手に「マンハッタンの摩天楼の夜明け」みたいな希望に満ちたイメージの曲だったので、歌詞に入れてみました。
あと、この曲で特筆すべきは何といっても、真城めぐみさんのコーラスです。
曲のレコーディング作業がどんどん進んでいく中で、もう一歩「都会的な華やかさ」みたいなのが欲しくなり、急遽コーラスを入れようという事になりました。
イメージ的には「例えば真城めぐみさんのような、ソウルフルな声がいいよねー」という話からなんとなく始まったんですが、まさか話に出てきたご本人に歌っていただける事になろうとは、、、
真城さんの歌声は、まさにこの曲に足りなかったピースを一気に埋めて頂いたというか、描いていた以上の都会感をブーストしてくれました。もう最高です。
グミさんのボーカルとの対比感もすごく面白いと思っています。
CittYのライブでもすっかりおなじみのこの曲ですが、そんなバブル時代に思いを馳せながら聴いて頂けると嬉しいです。
以上、「Twilight CittY」でした!
以上、「Twilight CittY」でした!

