短期集中連載「流線形'14セルフライナーノーツ 完全版③ ~Ballad Ballad 編~」 | CittY的 水中生活日記

短期集中連載「流線形'14セルフライナーノーツ 完全版③ ~Ballad Ballad 編~」

こんにちは、こいしです。

「流線形'14」の発売から2ヶ月半ほど経ちました。

CittYは早くも次の音源発表に向けて、新曲をこねくり回している最中です。
ながーい製作期間を経て送り出した「流線形'14」を経て、また次の音源でやりたい事もいっぱいあるので、みなさんに聴いて頂ける日が楽しみです。

これからそんな新曲たちをライブでもどんどんお披露目していきます。

新曲はお客さんに聴いてもらって初めて完成するものだと思いますので、ぜひ、新しい曲が世に出る瞬間の目撃者になって下さい!



さて、「セルフライナーノーツ 完全版」第三回は、M-3「Ballad Ballad」をお
送りします。



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■.Ballad Ballad
作詞/作曲:岸田小石


浮かれてた夏を
ありふれた小さな夏を
戸惑い続けてた夏を
あなたを見上げてた夏を
優しい風が吹き飛ばした
手をつなごう 大人になった二人は


八月の空が 眩しすぎて立ち止まる
人混みに紛れ込む あなたの背中を探した

これが恋だとか そんな事も分からずに
いつのまに 心の奥 あなたが埋め尽くしていた

二人がちょっと切なくて 手を伸ばしたとき
形の無いこの想いに 身を任せていたんだ

Ballad Ballad 喜びの涙 やがては離れ行く二人
水たまりに映る今を 飛び越して見える向こう側
変わらない ものなんてどこにもないけれど
それでもきっとこのまま...


雨の降る午後も 笑いながらやり過ごす
人混みに紛れても あなたをすぐ見つけられる

打ち寄せる波が 少しだけ不安誘う
傷付け合う日々の事 黄昏の空に浮かべた

遠くの空 星ひとつ 消えそうな光
目を覚ましたときにはもう あなたがいなくても

バラバラさ それでも二人 指先でつながるシンパシー
頼りなく揺れてる花が 鮮やかに彩る季節

Ballad Ballad

浮かれてた夏が
ありふれた小さな夏が
戸惑い続けてた夏が
あなたを見上げてた夏が
いつかは海に還るのなら 
手をつなごう ギュっとにぎって歩こう

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突然ですが、

3年前の8月、僕が12年間一緒に過ごした猫のテオ君が病気で亡くなりました。

それ以降僕は、「ほかの誰かと一緒にいられる喜び」みたいな事について深く考えるようになりました。

この「Ballad Ballad」は、そんな事をテーマに作った曲です。



自分にとってどんなに大事な存在でも、永遠に一緒にいられるわけではありません。

特に、「死」によるお別れはある意味一番残酷で、それは突然やってくる可能性があります。

それはほんとに残酷な事だと思いますし、何の悲しみも無くそれを受け入れられる人間なんてほとんどいないと思います。

テオ君が亡くなり、それまでは家に帰れば「ニャー」と迎えてくれる事が当たり前だったのが、ある日突然その「当たり前」が無くなったとき、どこか 恐怖にも似た喪失感を感じました。
(三年経った今でもずっと寂しいです。)


いつかやってくる別れは誰にも避けられないので、せめて、



友達と居酒屋で酒を飲む時間だったり、

恋人とテレビを観て笑う時間だったり、

愛犬の背中をブラッシングしている時間だったり、、、



一緒にいられる時間を大事にしていくしかないと思っています。



「Ballad Ballad」の登場人物が、「今、手をつないで歩くこの時間を大事にしていこう」という答えに至るまでのストーリーは、周りから見ればとてもありふれた 恋愛の風景かも知れませんが、二人にしか分からない大波小波を乗り越えつつ成長していく美しさ、みたいなものを感じ取って頂ければと思います。



サウンド面についてもちょっと触れておきますと、最初はスライ的なドロっとしたファンクアレンジで作り始めましたが、最終的には淡々とした、シンプルで やさしいアレンジに着地しまして、メロディにも歌詞の世界感にも非常にうまくマッチしたんじゃないかと思っています。

ちなみに、イントロや間奏で登場するシンセ音は80年代後半あたりのポップスによく登場する音で、分かる人には懐かしい感じの音色かと思います。
僕が子供の頃に初めて買ってもらったシンセサイザー、YAMAHAのSY55にもこんな感じの音色が入っていて、当時ユーミンの曲のフレーズを弾きながら 「全く一緒の音じゃーん!」と感動したものです。(ほんとは全然違うんですけどねw)



この曲は、PVも公開しています。

https://www.youtube.com/watch?v=EkBd-GBJqZQ

このPVでは、実は僕、監督的な事をやっています。
実際、カメラマンさんの横であーでもないこーでもないと口出ししていただけで、監督というほどえらそうなものではありませんが、、、
ほぼワンカットで撮りたかったので、グミさんと海の絶妙な位置関係を決めるのにすごく時間をかけました。

しかしながらこの日は、海の波具合も、空の色味も、風の吹き方も、完璧なまでにイメージどおりの美しさで、大自然にほんとに感謝のPVになりまし た。
ぜひ、大自然とグミさんの織り成す一大スペクタクルをご覧下さい(笑)。


以上、「Ballad Ballad」でした。