箱根駅伝と言えば「山の神」が話題になるが、何故、フルマラソンを期待されるのだろうか?

 実は、走り方を見れば、上り坂に向いているか、向いていないか、分かるのだが、では何故、監督は向き&不向きかわからないのか?と思ってしまった。


 あ!と理由に気付いたのだが、これは後半にして、まずは上り坂を上手く走る方法から書いてみたい。


◆階段ってどう上がりますか?

 普段、階段を昇らないという方はいない筈。

 皆さん、どうやって昇ってるだろうか?

 そこで、我が家の階段を上る僕の姿から観てほしい。



 普通に階段を昇っている。
 ここで、よく見てほしいのは、下の足を上に上げる時の下の足の動き。身体の動きとしては、上の足に体重を乗せて、曲がった膝を伸ばしていく。ここで、下の足は蹴るだろうか?実は蹴っていないことが1つ目のポイント。
 そして、もう1つのポイント。
 曲がった膝を伸ばして行く時に、膝上の四頭筋とお尻の大臀筋を使うこと。実は膝の筋肉を使うイメージを持つ方は多いと思うが、同時に大臀筋を使うことで、大きな2つの筋肉を使って上がる。
 なお、ここで、四頭筋で昇るイメージを持つ方も多いが、大臀筋をしっかり使うことが、大切。

◆2つの動作を組合せるとどうなるか?
 今、ここで書いたポイントは「膝下で蹴らない」「四頭筋と大臀筋で蹴る」ということで、これはピッチ走法の筋肉の使い方になる。

 まず、階段を上がってみてほしいのだ。
 ここで階段を昇る時の動きと足の動かし方を確認すると同時に、普段の走り方と比較してほしい。

 これを上り坂に当て嵌めてみよう!
 そこで次に、急な上り坂に行ってほしい。
 そして「踵を着かずに」「階段を上がる」ように走ってみよう。
 ここで、もう一つ!踵は着かない形にしてみよう。というのは、階段を昇る時に踵って着かないと思うのだ。
 初めは馴れないと思うが、身体は斜面に関係なく、地面に垂直にして走ってほしい。馴れてきたら、もっと積極的に前に身体を倒してみると、グイグイ上がれるように変わっていくはずだ。
 もし、踵を着いてしまうと、身体を垂直にできなくて、後ろに倒れてしまうのだ。だから、踵は浮かせて試してほしい。

◆試しに坂を昇ってみた
 記事を書いた後で上り坂に行って、撮ったので、夜の時間で申し訳ない。
 まずは膝下を使った走り方。
 膝下が地面をするように動いているのが分かるかな?

 続いて、膝上の筋肉で走ってみた。
 比較的斜度のある坂道だが、差がわかりにくいかも。まず、膝下の動きは少ないが、上下動はしっかりある。この上下動は階段を昇る感覚だ。


◆ストライド走法の方は苦手な方が多い
 前日に書いた通り、ピッチ走法とストライド走法は筋肉の使い方が違う。
 主に膝上の筋肉を使うのがピッチ走法、逆に膝下の筋肉を使うのがストライド走法。
 だから、トラックが得意で、蹴った後に足裏がお尻に着くような走り方のストライド走法の方は苦手ということになる。

 本当は走り方だから、上り坂の走り方を覚えたら、もっと速く走れるランナーもいるとは思う。
 が、実はピッチ走法に向いたランナーなんだと目覚めるのはウルトラマラソンかもしれない。多くのコースが上り坂、下り坂を含むからだ。

◆箱根駅伝で5区を走るランナーはどうなの?
 僕は初めに走り方を見れば、監督なら走り方を見れば分かると書いたが、何故分からないのか?となる。
 実は普段の練習では、トラックでストップウォッチを使った集団走が多いからだと思う。
 つまり、普段はどの選手もストライド走法で走っているから、監督は本来、ピッチ走法で走るのに向いた選手を見つけられないのだ。
 というのは、中学生や高校生から、ストライド走法で走る隠れピッチ走法だからだ。

 当然ながら、ピッチ走法よりもストライド走法の方が速く走れるので、フルマラソンでタイムが出ないのはある意味、当然なことのように感じる。
 ところが、メディアは走り方など関係なく、大きな順位入れ替えが起こりやすい5区を盛り上げ、注目させる。
 ここにドラマ性があるのだが、スポーツというより、エンターテインメントだよね。プロスポーツは観客を魅了する、つまりより多くの観客に足を運んで頂くことが大切だが、大学陸上競技はアマチュアだよね。
 と思うと、本来ある「競技に向き合う」という面がテレビによって、変えられてしまっているように見える。

◆まとめ

 僕のように陸上部出身ではなく、普段の練習は一人で走るという方はピッチ走法になる傾向があるかもしれない。

 同時に、陸上部で走っていた、あるいはランニングスクールに通ってます、ランニングクラブで集まって走ってますという方はストライド走法の方が多いかもしれない。

 ただ、いずれでも、上り坂を上手く昇るには、ピッチ走法の方が向いている。

 と同時に、下り坂はストライド走法の方が向いている。


 向かい風での走り方もマッタク同じ話である。