今回は、私がかなり好きなドラマをご紹介します
ドラマ 「汚点 ~替玉入試事件~ 」
放送日 : 1992.9.24 (日本テレビ)
キャスト : 森且行 藤田朋子 船越栄一郎 夏樹陽子
あらすじ:
週刊誌の記者である藤田朋子は、編集長の命令で有名名門大学で起きた替玉入試疑惑に関わる取材を行うことになる。
不正入学の疑いがある十数人の学生に調査を行う中で、ほとんどの学生が裕福な家庭に育ち、今回の事件後、家族共々一時的に身を隠していることがわかるが
その中で唯一普段通りの生活を送っている学生・広瀬(森くん)がいると知り、藤田は彼に密着取材を行うことに。
広瀬は保険外交員で生計を立てる母(夏樹陽子)と2人暮らし。
大学に通いながら、自身もバイクショップでアルバイトをしているつましい生活ぶりに、この親子に不正入学に必要な多額の金を支払う余裕があったのか?と疑問を持つ藤田。
広瀬に直接インタビューを行うも、彼はのらりくらりと受け答えするばかりで、曖昧なことしかわからない。
疑惑をかけられているのに、彼のあっけらかんとした明るい態度には少しも悪いことをしたという自覚を感じられず
「今どきの若い子は・・・」とため息をつく藤田。
だが、実は広瀬は人知れず心に葛藤を抱えていた。
なぜ母は、不正を働いてまで、自分を父の出身大学へ入学させることにこだわったのか?
幼い頃突然姿を消した父が、死んだと聞かされていることは事実なのか?
何を聞いても答えてくれない母にもどかしさを感じ、広瀬は自分の存在とは何なのかと心の中で悩む毎日を送っていた。
広瀬親子の生活に触れ、藤田は段々この親子のことをこれ以上記事にするのは酷ではないかと思い始める。
そんな頃、学内の派閥争いにマスコミを利用しようとする者のリークで「広瀬の母と不正入学に関与した疑いのある教授が密会している」という写真付きの記事を藤田の雑誌がスクープすることに。
ショッキングな記事を読み、母が教授とそんな関係にあったのか、とショックを受け自暴自棄になる広瀬。
気が進まないながらも売り上げのためにそんな写真を載せたことに自責の念にかられる藤田。
そんな藤田の前に現れた広瀬は彼女のことを激しく罵る。
傷ついた広瀬の「本当のことを知りたいだけなんだ」という思いに打たれた藤田は、雑誌記者としての立場を超えて広瀬の父の過去を調べ始める。
そして、広瀬の父は過激派の爆弾テロ事件で、現在刑務所で服役中であることをつきとめる。
広瀬の母は、息子の将来を思い夫と離婚して女手ひとつで息子を育て上げたのだ。
父が犯罪者であることは息子にはどうしても言えなかった、と藤田に打ち明ける母。
だが、刑務所で病気のため余命わずかと言われる夫のために、息子を彼の出身校である大学に入れたいと思い詰めたこと。
不正入学に必要な多額の費用は、夫の母が出してくれたこと。
報道されたような教授との不倫関係は決してなかったこと、を母は藤田に訴える。
「それをそのまま息子さんに教えてあげてください」と言う藤田。
2人がそんな会話をしているところへ広瀬がバイクで事故にあったという知らせが入る。
広瀬はやり場のない怒りをぶつけるように、あてもなくバイクで疾走していて、事故に遭ったのだった。
慌てて病院に駆けつける2人。
幸い広瀬の怪我は命に別条はなく、「心配かけてごめん」とベッドに横たわり母に謝る息子の姿に、母はすべてを打ち明けることを決心する。
仕事を超えて親子の人生に関わった藤田は、記者としての自分のポリシーに目覚め、現在の報道の在り方に疑問を感じ、一からやり直すことを決意し、編集部に辞表を提出する。
そして藤田に思いを寄せるかつての恋人(船越栄一郎)にも、きっぱりと別れを告げる。
怪我が治り藤田の元に姿を見せた広瀬は、藤田に礼を言い、すべてを打ち明けてくれた母と2人でこれから刑務所に父に会いに行くという。
そして「来年正々堂々と、もう一度大学入試を受け直す」と話す。
彼のふっきれた表情に藤田は安心し、自分もこれからが再スタートであることを感じ、広瀬を見送った後、元気に街の中へ歩き出すのであった・・・
私的解説
このドラマも、前回紹介した「魚のように」と同じく、作品の名前は知っていたけど内容は見たことのないドラマでした。
最近になって森友仲間のMこさん経由Kミちゃんから、映像を見せていただき(お2人には、感謝感謝です。ありがとう!)
初めて「こういうドラマだったのか」と感激しました・・・
Kミちゃんも、「森くんのドラマで一番好きかもしれない」と言ってましたが
私も実は、これは森くんのキャラクターが一番生かされた脚本かもしれない・・と思っています。
「ドラマシティー」という2時間ドラマで放送されたこのドラマ。
当時その枠で制作されたドラマは、どちらかというと恋愛モノより、今回のような社会派ドラマを扱うことが多かったように記憶しています。
当時18歳の森くんの憂いを秘めたミステリアスな雰囲気や
何に向かって吐き出せばいいのかわからないまま
行き場のない怒りを持て余し悩む姿は、
まさにピッタリとハマっています。
アイドルなのに、このドラマの中で森くんはほとんど笑っていないんですね。
でも、そんな
いつも何かに怒っているような
複雑な、屈折した内面を抱えた青年を
森くんはとても上手に表現していたように感じます。
「魚のように」で体当たりのラブシーンに挑んだ時は正直、痛々しい・・・とさえ思ってしまったけど(苦笑)
こういうシリアスな展開のドラマの中で
森くんが演じる等身大の青年はとてもリアルでナチュラルです。
今さら言っても仕方のないことなんだけど
もしも、森くんが今でも役者の仕事を続けていたら・・・
彼にはきっと、こういう路線の役が似合っていたのかもしれないなぁ・・・と
虚しい妄想を始めてしまいそうな私でした(爆)
そういえば、昨年末にオートのポスターになったこれ↓
香港映画の「男たちの挽歌」をモチーフにした?と思われるポスターですが
(上半身しか写ってないけど、これ、森くんがクールに銃を構えてるんです)
あ~今森くんがこういう香港マフィアみたいな役やったら、きっと、とてつもなく似合うんじゃあるまいか?
アクションだって、お手のものだしさ。
なあんて、激しく妄想してたことを、ついでに思い出してしまいました・・・爆
って、ものすごい話が脱線して、すいません
昔のシリアスドラマ→香港マフィア って妄想が繋がる自分がコワイ(大爆)
ストーリー的には、森くんの父親が、全共闘時代に学生だったという過去を引きずり
過激派の爆弾テロの実行犯として逮捕される、という設定に
あぁ、そういう時代背景だったんだなぁ・・と、ちょっと感慨深かったですね。
なんか、今の時代からは考えられないことなので。
いや、また違う意味で、テロはもっと身近にあってかえって怖いのかもしれないけど・・・ね。
放送順としては、前回紹介の「魚のように」の方が後なんですが
撮影したのは、こっちが後じゃないかな?と思える大人っぽい森くんのビジュアルです。
(NHKドラマって結構早くに撮ることあるよね?)
なので、ご紹介も、こちらを後にさせていただきました。独断で(笑)
私的萌え&ツボ
解説にも書きましたが、笑わない森くんがね~~ 素敵なの
主人公は一応、藤田朋子なんでしょうが
疑惑の学生ということで、中心人物の森くんが映るシーンがてんこ盛りで
それも、苦悩を表わす上で必要なのか、アップの多いこと多いこと!
こりゃもう、森ファン的には本当にたまりませんっ!!
痛さを承知で言わせてもらうなら(笑)
アップの映像だけでなくて、地下鉄のホームに佇むシーンの全身にも
何気に萌えを感じるファンです・・・ →
それから、はずせない萌えとしては
森くんがバイクショップでバイトをしてるっていう設定でしょう!
森くんがバイク好き、って知っていて当て書きされたの?
とすら思ってしまった脚本だわ(笑)
バイクをいじったり、実際に運転したりしているので
森くんにとっては、きっと嬉しい撮影だったんだろうねぇ・・・
← ここかな
バイクを整備している時に訪ねてきた藤田朋子に
「何しに来たんだよ」と
拗ねたような目で睨む森くん・・・
目力が・・・すごすぎる
それから、ほとんど笑わないだけに
たまに映る、笑った顔には、そりゃもう、キュンキュンです
シリアスな表情してると大人っぽくても
こうやって笑うと、やっぱり年相応で可愛いですね~
そのギャップがたまらない
そして
森くんのラストシーンは
死んだと聞かされていた父に10年ぶりに会うために
刑務所の面会室に入る時の、覚悟を決めたアップです。
↓
実際の対面シーンは、映されていないので
父と息子が、この後どんな言葉を交わし
どのような結末になったのかは
見る側の想像にゆだねられているので
それを想像する上でも
この最後の森くんの表情は、とても意味のある
万感の思いのこもった表情だと思えます・・・
森くんはドラマ班と呼ばれていたけれど
実のところ、大変失礼な言い方だけど・・・
私は今まで森くんの演技をそれほど上手だと思っていなかったんですよね。
ごめん!森くんっ! ファンとしてあるまじき発言を許してっ!
でもそれは、役や脚本に恵まれていなかった一面もあるんだな、と
このドラマを見たことで考えを改めました。
芸能界から去った時の森くんはたったの22歳。
もしも、その後も続けていたら・・・
彼にどんな役が回ってきて、どんな成長を見せてくれたんだろうか?なんて
SMAPの他のメンバーが、年齢と共に新境地を開くような演技を見せてくれているのと比較して
ちょっとまた、未練がましいことを考えてしまった(苦笑)
すいません。つい、後ろ向きな愚痴が出てしまったなぁ・・・
でも、そんな切ない思いにかられるほど、これは良い作品だったと思います。はい。
どんなに時間が経っても、この作品の森くんを見れて、本当によかったです