源氏物語の女5 玉蔓ーたまかずらー
玉鬘は左大臣の男、頭ーとうのー中将と、夕顔との間に生まれた娘。二人の身分の差に怒こった母公は、夕顔に絶縁を迫る。夕顔は京の西京極辺りに身を避ける。そこで女子、玉鬘を産むが、夕顔はこの地の方位を気にして京五条に移り住む。そこで光源氏と知り合い恋に落ちた末、六条御息所の生霊にとり憑かれて急死する―夕顔の章。その時、玉鬘は3歳。
その後玉鬘の乳母の夫が大宰府少弐となって赴任するので九州に移る。玉鬘は美しく成長し、20歳の時多くの男から求愛を受け、その中でも肥後の大夫監という男、玉鬘に強く言い寄るが玉鬘は受け付けず、その男から逃れるために、乳母とともに船に乗り京に向かう。京への途中大和の長谷観音に参篭して、良き夫に巡り合うように祈願する。その時偶然に、乳母が元夕顔の侍女で、今は光源氏に仕えている右近に巡り合う。その時玉鬘は21歳、
これは気高く もてなしなどはづかしげに よしめきたまへり。
人柄は気高くて、立ち居振る舞いも気品があって、優雅な風情でいらっしゃる
右近は帰京して早速光源氏に報告する。紫の上にも相談してすぐ引き取ることを決め、六条院に住まわせる。玉鬘は六条院に伺候する殿上人から求愛され結婚の申し込みを受けるようになる。頭中将の長男柏木も、異母姉とは知らずに懸想し恋歌を贈る。光源氏も玉鬘に愛を仕掛けるが、玉鬘は頑として受け付けない。22歳の時、初めて生みの親、内大臣になっていた頭中将に引き合わせ、裳着の腰結の役をさせる。後、宮中に伺候して尚侍になるが、なお婚約申し込みは後を絶たず、競って文を送るが、その中から玉鬘は右大臣の子鬚黒大将を選ぶ。
一方、鬚黒の北の方は式部郷宮の娘、玉鬘のことに嫉妬して、盛装して出掛けようとする夫に火取りの灰を投げかけ、娘の真木柱と男子2人を連れて実家に帰ってしまう。男子だけは返される。そして正式に鬚黒大将は自邸に玉鬘を迎える。
鬚黒大将は左大将、後に右大臣・左大臣。最後は太政大臣に昇進、妻の玉鬘も二人の子を儲け、光源氏の四十賀には六条院にお祝いに参上する。その時の玉鬘は、
もののみやび深く、かどめきたまへる人にて、なまめかしく、人の親げなくおはします
何事でも風雅の趣味深く、才気あり、優雅で、子を持つ親の様にはお見えでないようである。
しかし鬚黒大将の没後未亡人となった玉鬘は、娘の大君を宮中に尚侍として伺候させるが、その後玉鬘は世間との交遊疎遠となり
華々しく登場した娘時代の華やかさと打って変わって、世の変転を思い静かに世を送る。







