声迷線の彷彿線 どこ行き? -120ページ目

青より蒼し

零れて行く吐息が
髪を伝って
空へと舞い上がる
その様子を眺めては
暗礁に乗り上げた
安堵に独りごちる

雲は蝸牛の様に
ゆったりと暗がりを
流れて
僕の知らない彼方へと
遠ざかる

呟きを一つ
煙草と共に
揉み消しながら

深まる蒼い闇よりも
深く凭れて
疲れ果てた頬を弛め
温めの夜のベッドに
潜る

紫と橙の重ね着に
間に合う様に

count down to the sheep

そうさ 何時だって
僕も君も元来
独りきりで
産まれ落ちて
やがて
人知れず
独りきりで
朽ちて行く

けれど それだけだと
余りにも 誰しもが
さもしいから
濃紺を縁取る
starry night
見上げては
適う筈の無いかも
知れない
明日に願い架けるのだ
決して
報われる訳では無い
決して
救われる物でもない
その行為に
優しく 抱かれるのを
待望んでは
心臓の奥の片隅を
ざわめかせ
眠りにつく

だから そう
羊を数える
1000の単位から
逆行して0になるまで
瞼を塞ぎ
この夜に サヨナラを
する様に

柔らかく 優しい
囁きで…

時間を逆登ろう
溶ける空間に
この身を飲まれながら

やがて訪れる
全て空を舞う日が
来るまでは
まだまだ遠いから

安心して
今夜は おやすみ

やがては 消える
炎だとしても
今 あなたには
靡く影が密やかに
その横顔盗み見して
絶えず 身護もり
この孤独を爪先まで
ビロードの様に
上手く 誤魔化して
くれるから

だから
さぁ…
おやすみよ

何一つ 恐れる事など
在りはしないさ

今夜が終わるまで
この世が終わるまで
孤独が終わるまで
記憶の断片から
数え終えた羊が皆
消え去ってしまうまで
僕自身も眠りの世界
へと還るから

カラフル メトロ

何時でも どこかしら
不機嫌に眉間に
皺寄せて街を歩いて
いるけれど

そんなんじゃ
景色はモノクロで
遠いまま 哀しみや
虚しさに苛まれる
単調な日々でしょう?

だったらば
たまには歩くのを
止めにして
無駄な事に時間を
費やしてみて

くだらない希望も
失望も全部
トランクに
詰め込んで
地下へと潜って
みるのも
悪くは無いのでは?

ほら
吸い寄せられる程
強い風が噴き出して
近付いてくる メトロ

交差する咽びに
目を閉じて
どちら側に
乗り込むか
うろたえてみよう

電光掲示板が
告げる行き先は
どうとでも
捉えられ不思議な
雰囲気に包まれている

選択肢は自由

シートに腰掛け
流れる蛍光灯の帯
抜け切ったらば

その光の向こう
指示すのは
目にも鮮やかな
原色の光景
見た事の まだ無い
新しいページ

きっと抱き辛かった
感情も感傷も
波が打ち寄せる様に

血の巡りの底から
静かに湧き上がって
くるはず
僕にも あなたにも

そうしたら
何もかも もっと
お気楽に全てが
進行方向と共に
進んで行く事
でしょう

口元に笑みの端など
浮かばせながら

華やかな 休日みたく