声迷線の彷彿線 どこ行き? -118ページ目

昔シリーズ1

「冷璃」


今はもう、霞んで
瞳の向こうで
日々が遺したもの
拾い集めては

気付けば、俯いたまま
過ぎた時間帯が
途切れ、途切れ
悲哀を持ち込むだけ
追憶の中で

差し延べた手を
振り解く様な…

庇い合う術
知らぬまま
冷えて沈む掌

溜め息は白く
凍り、揺れてる

ゲシュタルト

何気に手渡された
書物の頁を
開いた瞬間に
溢れ出す
光の洪水

限り無く
濡れたアスファルトの
色に似た
僕のこころの幅は
みるみる内に
打ち崩され
融け出して行った

それまでの僕はと
言えば
やる事、為す事
まるで疑心暗鬼の
塊が動いている様で
否定と比較
駄目と黙るの
繰り返しを
幾度となく
やり直しては
さらに自分を
陰の底辺に
陥り込む 行為ばかり
只、只、完全で
全能な者に焦がれ
手の届かないと云う
現実から
眼を逸し、傷口を
なぞる行為を施して
慰めているだけ
だったのだろう

この世界に
満ちている全ては
不完全かつ未完成な
存在ばかりだと
知らずに…

さぁ、今ならば
この脳内から発する
パルスを駆使して
混沌とした
胸の不純物を
分解しようとか
してみるよ

別に奇麗に濾過して
露骨に産まれ変わる
とかでは無くて

少しくらい
濁ってても
汚くとも
それが「僕」自身
なのだから

何も気にする事も
恥じる事もせず
有りのまま
背筋を立て
大手を降って歩こう

今、苦い現在を
壊し尽くして
人目も気にせずに



blue grey sky&cigger

やけに、鈍色の
混じり具合が
気になるブルーグレイ
の空を眺めながら

紫に薫る、息を
滑らかに吐き出す

煙草に宿る、蛍火の
赤い様な橙色の様な
光が、妙に映えて
奇麗に見える

風を切る何処かへと
急ぐゴムの音
しゅるしゅる鳴って
遠ざかって行く

辺りには気付けば
テールランプの群れが
列をなして
僕を擦り抜けて
涼やかに
走り去って行く

段々と黒く変わる
景色を背に
また、歩き出す
湿り、枯れた
葦の叢を
軽く浮足立ったまま
蒼空へと向かって