先日月曜日はとちぎ野菜サポーターとしての現地視察。
ナス、ネギ、キュウリ、ニラにつづいて、いよいよ最終回は「トマト」。

実際に見たことはないのですが、
ギネス世界記録の北海道の「
トマトの木」は、水耕栽培で大きくしているそうです。
「多年草」として、何年も越冬させるのではなく一年で大きくするそうなのです。
今回訪問させていただいたとちぎのトマト圃場では、
空を見上げるくらい背の高い(長い?)トマトの草姿にびっくりでした。
こちらは土耕栽培ですが、普通のトマトよりも長期間育てることで大きくなります。
そのお話は記事の後半で触れるとしまして。。
なんとなく梅雨入りした感じの関東地方でしたが、
この日はなんとか雨は持ちこたえてくれる予報でした。
まずは、JAしもつけ栃木選果場へ。
施設内を見学させていただきました。

栃木市を中心とした地域の約30名のトマト生産者さん、
その畑で収穫されたトマトがこちらに集まってきます。
農家さんが持ち込んだトマトの入ったコンテナを、
この「ロボットパレタイザー」がコンベアの上に置いていきます。

力仕事はロボットにまかせてと。
これが人手でやるとすると腰痛持ちが出そうですね。
それ以前によっぽどの力持ちでないと持ち上げらないか。。

それから、色や傷など、ランク別にに10名以上の人の目で選別され、振り分けられます。


人手で確認して規格外のものはここで、取り出されます。
お弁当用の材料になったり、直売所に並ぶそうです。

さらに画像処理装置(カメラ)や糖度を計るセンサーを通し、振り分けられます。




その後、箱詰めされ、

印字後、蓋をかぶせ、梱包されます。

トマトは温度によって追熟の速さが違ってくるので、
出荷タイミングでのトマトの色も変わってきます。
出荷も流通にかかる時間を考慮して、その時期に合わせた熟度で出荷しないと、
お店に並ぶ頃には「熟れすぎ」になってしまいますものね。

(後述の「ゆめファーム全農」施設内に貼ってあった熟度表)
ご担当者のおひとりにじっくりお話を伺ったのですが、
同じ一本の木になる実でも、長期にわたって収穫するので、
時期によって、糖度や食味は違いが出てくるようです。
生産者さんによってその差をなくす努力をする一方で、
我々野菜ソムリエには、
その時期によって甘さや食味の違うトマトを、
それぞれ美味しく食べられるような食べ方の提案をして欲しい、と。
う~ん、深い。。
この品種ならこんな調理や料理でとアプローチはするけれど、
本当はそこまで向き合うべきなんですね。
お昼ごはんをいただいた後、訪問したのは「ゆめファーム全農」。
奥行と高さが写真ではわかりにくいでしょうか。
ちょっとやそっと雨風ではビクともしそうもない、
3ヘクタールもある全農さんの大きなハウス施設です。
(1ha(ヘクタール) 100m×100m=10000平方メートル)
こちらではトマトの栽培施設、品種の選定、栽培管理、収穫、出荷までのすべての工程の実証を行っています。
こちらで実証したことを提案したり、
次世代の生産者の育成やネットワークづくりをされたりと、
営農支援の基地となっています。

広さも高さも半端ない。。
天井までの高さは5メートル以上あります。

こちらでは「促成栽培」の作型を長期で行える栽培方法として、
「高軒高(こうのきだか)」という方式で栽培されています。
5メートル以上ある天井の下からワイヤーでトマトの幹が、つりさげられています。

トマトの芽が上に伸びていくにつれ、
ワイヤーの位置を横にづらしていくことで、
茎の下の部分を倒していきます。
なるほど~
下の方はすでに収穫済の部分ですから、
それで良いのですね。

こうした方法で8月に苗を定植し、
10月から7月初旬までの長期に渡って収穫できます。
単位あたり収量が全国平均に比べると
なんと「2倍から3倍近く」までの数字を実現しているそうです。
収量増によって収益性があがるわけですから、農業をやろうという人は増えてきます。
こちらでの取り組みによって、
トマト部会青年部の平均年齢は30代と若く、
後を継ぐ次世代の人たちが多くいるようです。
栃木だけではありませんが、私が伺うところでは、
後継者の問題を耳にするところも多かったので、
このようなお話を聞くと嬉しくなります。
いかにリスクを少なく収益の高い農業ができるか。
ここがクリアできれば就農者は増えていくということなんですよね。
こちらでは促成長期栽培における品種の選定も行っています。
今、JAしもつけ管轄で作られ市場に出ているトマトは、
「マイロック」という一品種だけだそうです。
現在、12品種ほどを栽培し、新たな品種を選定しているそうです。
ヘタの下の緑の部分を「グリーンベース」といい、
これが濃いものは見た目の問題で売り物としては嫌われるそうですが、
濃いトマトのほうが食味は良い、と伺いました。
日本の品種のものが濃いものが多いそうです。


上と下の違い、わかりますか?
その12品種のうち、
8品種の試食させていただき、感想をお伝えしました。

とは言っても
「ああでもない、こうでもない」と
野菜ソムリエ四人で、ワイワイガヤガヤとやっていただけではありますが。
面白いことにそれぞれが一番気に入ったものは、すべて日本産の品種であり、
外国産との掛け合わせ品種のものは誰も選ばなかったということ。
昔から食べなれたものをDNAが覚えているのでしょうか。
さて、とちぎ野菜サポーターとしての視察はこれで終了です。
「地産地消」がもてはやされる今ですが、
こうした関東近郊の経済栽培がなければ、
京阪地区の需要を満たすことはできない事実があります。
私自身も農薬や肥料などの栽培方法の部分に目が行きがちでしたが、
しっかりとした体制で管理下のもと作られた野菜は安心できるところは大きいと思ったし、
生産者さんが収益をあげて幸せになることが
日本の将来を作っていくことになります。
大規模な経済栽培も、小規模で生産者さんの顔が見えるつながりも、
バランス感覚よくどちらも大切にしたい。
そんなことを感じています。
グリーンベースがこんなにはっきりしたとちぎ産のバラ売りトマトを発見。最後までよんでいただき、ありがとうございます。
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