遠近法で描く中国 -2nd Season- -37ページ目

遠近法で描く中国 -2nd Season-

片手にピストル 心に花束 唇に火の酒 背中に人生を。 

著者:大前研一
発行:講談社 / 1986年2月 / 文庫本
ジャンル:ビジネス

前作に続き、「続・企業参謀」のご紹介です。
この作品では、凡例や架空の事例をもとに、より実践的な内容になるとともに、あくまでも「どのように思考するか」という点に重点がおかれています。


[目次]
第一章 戦略的に考えるということ
第二章 “低成長”とは何か
第三章 戦略的思考に基づいた企業戦略
第四章 戦略的計画の核心
あとがき

共感した箇所のご紹介です。
「成功することしか考えない人にとっては、「選択」の余地があるということを考えるのはむずかしいことであろう。しかし、万一、目標を「成功」から「最悪の事態を避ける」ことに置換した場合には、さまざまな選択肢が自ら出てくることが多いのではなかろうか?」(25頁)

「家康の持つ今日的意味は、戦略思考であろう。変革を生み出し、その前と後で指導者たらんと欲する人に最も要求される資質は、思考の柔軟性であろう。戦うときには、戦いに勝つための考えを究極まで推し進めるが、ひとたび勝ってしまったら、もう戦いのことはキッパリ忘れて、治平のことを考える。しかも、和戦の間にあまり具体的な共通点はないと考えられるので、意識の変革を完遂する意外にない。過去の変革者で、変革と同時に安定のための制度をつくり出した人物は少ない。」(56頁)

「よく例に出されるのは、アメリカのビジネスマンは一人で日本側との交渉に出かけてくるが、日本のビジネスマンは必ずグループで交渉にくる、という現象である。一方、日本には松下幸之助、本田宗一郎、立石一真、盛田昭夫といった戦後派のサムライもいる。この二つのタイプの日本人像は明らかに合致しない。その理由は何か?環境に対して自らが置かれた”受動的”か、自らを置いた”能動的”かが、数十年を経て個人の能力に具現しているのではないかと思われる。」(122頁)
→立石一真氏についてぼく自身詳しく知りませんので、調べてみたいと思います。

最後に「あとがき」からの引用です。『企業参謀』『続・企業参謀』を著した技術者出身の大前氏らしい一節と言えます。
「戦略を立案する参謀には、一般論はいらない。戦場はどのような理論や手法で記述できても、そこから導き出された解と、それに続く行動に誤診があれば、何の役にも立たない。戦略家は頭脳の明晰さではなく、結果のみを問われる淋しい職業である。しかも将軍であればアドリブできるのであろうが、参謀は将軍のアドリブがなるべく少なくすむように考え抜いてあげなくてはならない。将軍と、その兵の力量と判断力を評価できなくてはならない。」(218頁)




続・企業参謀 (講談社文庫)/大前 研一

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著者:大前研一
発行:講談社 / 1985年10月 / 文庫本
ジャンル:ビジネス

日本のビジネス界で活躍される方にとって、大前氏を知らない人もいないと思います。
企業参謀というのはマッキンゼー社のようなコンサルタント会社だけを指すのでなく、各企業において同じ働きをする内部の頭脳集団であり、この書はそのためにどのような思考を行うかについて書かれています。


[目次]
第一章 戦略的思考入門
第二章 企業における戦略思考
第三章 戦略的思考の国政への応用
第四章 戦略的思考を阻害するもの
第五章 戦略的思考グループの形成
あとがき

共感した箇所のご紹介です。
「設問のしかたを解決策志向的に行うこと」(20頁)

「(こうした状況を考えてみると、)参謀としての頭脳グループがもっとも有効に力を発揮できるのは、短期でも長期でもない、その中間の中期経営戦略である、ということができる。」(77頁)

「問題解決者と言われる人々は、この筋道を問題に突入する前に、思考力をその力の及ぶ極限まで用いて立てられる人々のことである。参謀の真の仕事が、戦場に突入する前に、相手の動きを予測して、こちらの戦略を立案することにある、という事実と照らし合わせていただきたい。」(177頁)

「問題(プロブレム)というものは人間の指紋と同じように、環境、歴史、方針などによって唯一無二という独自性をもっている。だから、既成の解答というものはありうべくもない。しかし、問題に立ち向かうときのこちら側の姿勢については妙薬がある、ということを言いたいのである。
 そして、その妙薬とは、「なにができないか?」と考える代わりに、「なにができるか?」と最初に考えることなのである。そしてその「できる」ことを「できなく」している制約条件をひとつずつ執拗にはぎとる戦略を考えていくのである。」(200頁)

ある程度の社会経験と多少の文章読解力とデータを正確に読み取る能力が、この本を読むためには必要です。
しかし1985年初版、いわゆるバブル経済崩壊前に書かれたこの本が、今も読み継がれている理由は、この本の中にしかないともいえるでしょう。



企業参謀 (講談社文庫)/大前 研一

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副題:”人生の算盤”は孔子に学べ
原著者:渋沢栄一
編・解説:竹内均
発行:三笠書房 / 2004年10月 / 単行本
ジャンル:中国、論語

“右手に「論語」、左手にソロバン”を持って事業に当たったと話す渋沢氏の論語の読み方に関する本です。

[目次]
1 [学而篇] 人生の楽しみをどこに求めるか
2 [為政篇] 心に”北極星”を抱く人の生き方
3 [八佾篇] 自分の資質にさらに磨きをかける
4 [里仁篇] この心意気、この覚悟が人生の道を開く
5 [公冶長篇] “一時の恥”にこだわって自分を小さくするな
6 [雍也篇] 成功のカギ「先憂後楽」の生き方
7 [述而篇] これぞ沈勇、大勇の人
8 [泰伯篇] 孔子の恐ろしいまでの”現実主義”
9 [子罕・先進篇] 男子一生の”本懐”をどこに求めるか
10 [顔淵・子路篇] ともに生きるに足る友、切り捨てる友
11 [憲問篇] 自分への”厳しさ”に自信が持てるか
12 [衛霊公・季氏・陽貨・子張篇] 孔子流最高の”自己実現法”
解説 巨人・渋沢栄一の原点となった”孔子の人生訓”

共感した箇所のご紹介です。
「この仁の一字は孔子の生命で、また『論語』の血液である。」(22頁)

「孔子の人物観察法は、視・観・察の三つをもって人を鑑別しなければならないということに特徴がある。
 まず第一に、その人の外面に現れた行為の善悪正邪を視る。第二に、その人その行為の動機は何であるかをとくと観きわめ、第三に、さらに一歩を進めてその人の行為の落ち着くところはどこか、その人は何に満足して生きているかを察知すれば、必ずその人の真の性質が明らかになるもので、いかにその人が隠しても隠しきれるものではない。」(48頁)

「人間はわが身を思えば直ちにわが家を思い、わが家を思えばわが故郷を思うものである。これは人情の自然である。この故郷を思う人情が発達して愛国心となり、さらにいっそう拡張されて世界人類の上に及ぶものを博愛という。」(86頁)
→どこかの国の首長に”友愛”を説く方がいますが、故郷を思い、祖国を思う心なくして友愛は立たないと思います。はたして孔子の説くものは博愛であっても、友愛ではありません。

「孔子の各方面にわたる多年の教訓も、凝集すれば、結局曾子の言う「忠恕」の二字に帰し、『論語』の千言万語も、つまるところは忠恕の二字に代表されるのである。」(102頁)

「現代の青年は物質に流れて精神の空虚な者が多い。これは文が質に勝って、外形がよく肌触りのよいものが多くなったからである。その原因はいろいろあろうが、東洋道徳に対する関心が薄れてきて、ニーチェの道徳論を理解しても『論語』の道徳説を理解しないからである。」(168頁)

「弟子が自ら研究して行き詰ったときに、はじめてその障害を取り除いてやり、また意味が少し理解できかかって、口で表現しようとして詰まっているときに、はじめて手伝ってやる。学ぶ側が熱心でなければ、教えても無駄なことである。そして、啓発してやるときは、ただその一端だけを示し、残りの部分は自分で発見理解させることだ」(185頁)

「人の一生は重荷を負いて行くがごとし、急ぐべからず。
 不自由を常と思えば不足なし。心に望み起こらば困窮したるときを思い出すべし。
 堪忍は無事長久の基(もとい)、怒りを敵と思え。
 勝つことばかり知りて負くることを知らざれば、害その身にいたる。
 おのれを責めて人を責めるな。及ばざるは過ぎたるより勝れり。
   慶長八年正月十五日
   人はただ 身の程を知れ くさの葉の つゆも重きは おつるものかな」
(224頁、徳川家康の遺訓)

「このように渋沢が興味を持った孔子の教えは、政治や哲学とかかわるものではなく、経済に代表される人間の日々の行為の規準となるものであった。そういう意味の孔子の教えとしては、『論語』に記されたものが最適であり、さればこそ渋沢は『論語』に熱中したのである。」(329頁、解説より)

論語は読みたいけれど、実際なんだかとっつきにくい、と感じる方は多いはずです。
日本の資本主義の父、と呼ばれる渋沢栄一氏がなぜ終生「論語」を手放さなかったのか、この本の論語の読み方を知れば、その理由もわかるかもしれません。



渋沢栄一「論語」の読み方/渋沢 栄一

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