原著者:渋沢栄一
編・解説:竹内均
発行:三笠書房 / 2004年10月 / 単行本
ジャンル:中国、論語
“右手に「論語」、左手にソロバン”を持って事業に当たったと話す渋沢氏の論語の読み方に関する本です。
[目次]
1 [学而篇] 人生の楽しみをどこに求めるか
2 [為政篇] 心に”北極星”を抱く人の生き方
3 [八佾篇] 自分の資質にさらに磨きをかける
4 [里仁篇] この心意気、この覚悟が人生の道を開く
5 [公冶長篇] “一時の恥”にこだわって自分を小さくするな
6 [雍也篇] 成功のカギ「先憂後楽」の生き方
7 [述而篇] これぞ沈勇、大勇の人
8 [泰伯篇] 孔子の恐ろしいまでの”現実主義”
9 [子罕・先進篇] 男子一生の”本懐”をどこに求めるか
10 [顔淵・子路篇] ともに生きるに足る友、切り捨てる友
11 [憲問篇] 自分への”厳しさ”に自信が持てるか
12 [衛霊公・季氏・陽貨・子張篇] 孔子流最高の”自己実現法”
解説 巨人・渋沢栄一の原点となった”孔子の人生訓”
共感した箇所のご紹介です。
「この仁の一字は孔子の生命で、また『論語』の血液である。」(22頁)
「孔子の人物観察法は、視・観・察の三つをもって人を鑑別しなければならないということに特徴がある。
まず第一に、その人の外面に現れた行為の善悪正邪を視る。第二に、その人その行為の動機は何であるかをとくと観きわめ、第三に、さらに一歩を進めてその人の行為の落ち着くところはどこか、その人は何に満足して生きているかを察知すれば、必ずその人の真の性質が明らかになるもので、いかにその人が隠しても隠しきれるものではない。」(48頁)
「人間はわが身を思えば直ちにわが家を思い、わが家を思えばわが故郷を思うものである。これは人情の自然である。この故郷を思う人情が発達して愛国心となり、さらにいっそう拡張されて世界人類の上に及ぶものを博愛という。」(86頁)
→どこかの国の首長に”友愛”を説く方がいますが、故郷を思い、祖国を思う心なくして友愛は立たないと思います。はたして孔子の説くものは博愛であっても、友愛ではありません。
「孔子の各方面にわたる多年の教訓も、凝集すれば、結局曾子の言う「忠恕」の二字に帰し、『論語』の千言万語も、つまるところは忠恕の二字に代表されるのである。」(102頁)
「現代の青年は物質に流れて精神の空虚な者が多い。これは文が質に勝って、外形がよく肌触りのよいものが多くなったからである。その原因はいろいろあろうが、東洋道徳に対する関心が薄れてきて、ニーチェの道徳論を理解しても『論語』の道徳説を理解しないからである。」(168頁)
「弟子が自ら研究して行き詰ったときに、はじめてその障害を取り除いてやり、また意味が少し理解できかかって、口で表現しようとして詰まっているときに、はじめて手伝ってやる。学ぶ側が熱心でなければ、教えても無駄なことである。そして、啓発してやるときは、ただその一端だけを示し、残りの部分は自分で発見理解させることだ」(185頁)
「人の一生は重荷を負いて行くがごとし、急ぐべからず。
不自由を常と思えば不足なし。心に望み起こらば困窮したるときを思い出すべし。
堪忍は無事長久の基(もとい)、怒りを敵と思え。
勝つことばかり知りて負くることを知らざれば、害その身にいたる。
おのれを責めて人を責めるな。及ばざるは過ぎたるより勝れり。
慶長八年正月十五日
人はただ 身の程を知れ くさの葉の つゆも重きは おつるものかな」
(224頁、徳川家康の遺訓)
「このように渋沢が興味を持った孔子の教えは、政治や哲学とかかわるものではなく、経済に代表される人間の日々の行為の規準となるものであった。そういう意味の孔子の教えとしては、『論語』に記されたものが最適であり、さればこそ渋沢は『論語』に熱中したのである。」(329頁、解説より)
論語は読みたいけれど、実際なんだかとっつきにくい、と感じる方は多いはずです。
日本の資本主義の父、と呼ばれる渋沢栄一氏がなぜ終生「論語」を手放さなかったのか、この本の論語の読み方を知れば、その理由もわかるかもしれません。
渋沢栄一「論語」の読み方/渋沢 栄一

¥1,575
Amazon.co.jp
生かして頂いて、ありがとう御座位ます。
最後に、あなたの貴重な"数分"を募金のために使わせてください。
☆クリック募金★
http://www.dff.jp/
http://clickbokin.ekokoro.jp/
ありがとうございます