本願寺燈火能 〜伝統の夕べ in 大須〜 | 翡翠のブログ

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今日は土曜日ですが、仕事のイベントが入り出勤。近年、土日の出勤や夕方以降の会議が、ほんと、増えた気がします。

本当は京都の「面白能楽館 能楽アナトミア ~天狗の山編~」を観に行く気まんまんでした。「鞍馬天狗」がぜひぜひ観たかったので。しかし仕事と重なったので見送り。代わりに仕事の退社後、本願寺名古屋別院(西別院)で開催されるお能へ行きました。

 

第三回 本願寺燈火能 〜伝統の夕べ in 大須〜

◇番組
声明・雅楽    法盛寺御堂衆
仕舞「花筐」狂  久田三津子
狂言「清水」    野村又三郎
能「鵜飼」     久田勘吉郎 他

 

昨年、初めて観に行って、声明や雅楽に、サックス演奏まであって面白かったのです。お寺の内装も、とっても美しかったし。

 

本願寺名古屋別院(西別院)。門から並んでいる灯籠には既に蝋燭に火が灯っていますが、まだ周りの方が明るい感じ。

 

入口から本堂の様子。

 

こちらのお寺、内装が極彩色でとても華やか綺麗。襖絵も美しい。

 

最初に「声明・雅楽」。雅楽は好きなので、音色がとても楽しい。それにしても神道、神社の雅楽と仏教、寺の雅楽、似ています。

その後、仕舞があって狂言「清水」 。こちらも鬼の出る(ただし本物でなく太郎冠者が化けた鬼)演目でした。

 

休憩後は能「鵜飼」。先日、岡崎の薪能で初めて観る機会があったのですが、それが初めてだったのに、早速2回目です。

 

今回は、久田勘鷗さんのご長男さん、普段は東京で弟子修行をしていらっしゃる久田勘吉郎さんが戻ってシテを舞われるので、それもとても楽しみでした。開始前には演目「鵜飼」の解説をしてくださいました。またもやルッキズムですが、かっこいい方です。修行が終わったら、名古屋に戻ってきてくださるかなあ、やっぱり名古屋は公演数的にも、能楽師の数的にも難しいのかなあ。

 

先日、一度観た経験があるからか、流れが分かっていて、一層観たいところが楽しめた感じ。前半の鵜飼をやって見せる場面は、鵜をあやつっている感が、それらしくてとても良かったです。鵜飼の地、長良川そばに住む身なので(演目の舞台は岐阜県長良川ではなく、山梨県笛吹市ですが)、鵜飼は素晴らしい文化だなと思っていますし、地獄に落ちて罰としてやらされている業力の鵜飼いとしても、鵜飼を思わず楽しんでしまう老人に気持ちは応援気味です。

 

昔、鵜飼船に乗って鵜飼を観た思い出。

 

そもそも鵜飼で魚を採る漁師と同じくらい、その魚を食べる人の方が罪深いはず。この間の鮎を食べる会では6匹は食べた気がします。

 

後半、かって僧を一晩泊めたことと、僧の供養により、罪を許された老人を点に送るところだと言って現れる地獄の鬼は閻魔大王なのか、おどろおどろしい醜い鬼ではなく、きらびやかな衣装を身に着けて、荒々しいが神々しい鬼です。

舞もまた、シュパッと回転するところなど、さすが若々しく勇ましくきびきびして良かったです。

 

終わると外は夜、灯籠の明かりが浮かび上がっていました。

 

夕飯代わりに、大須で夜遅くまで営業している喫茶アミーゴへ、

 

アミーゴのおつまみプレート。黄身やレバーの煮物、スパイスの味のしみた鶏足、など手が込んでいて美味しいのです。