なんか今期アニメだとソラヲトが中心になってるなw
……す、好きって訳じゃないんだからねっ!
でもまぁオリジナル作品だし、色々と考慮する余地があるのは確か。
『戦う司書』なんて未読だったら考察しまくってただろうに、全部読んじゃってますからね。
以前のエントリ
でも書きましたし、これらは概ね外れていないと思うのですが、より正確な記述が可能な状態にはなったかな?
一つの戦争、二つの戦争。
第七話にて、ソラヲト世界の戦争が二段階あることが判明しました。
謎の生命体と戦う1度目の戦争、人間同士で争う2度目の戦争。
謎の生命体の由来や正体、目的は不明ですが、翼からして悪魔の可能性が高い。
セーズの伝承によると悪魔の存在は有史以前的な扱われ方をしていたのですが、現在の文明を崩壊後でそこからが「有史」と考えれば辻褄は合うでしょう。
ノーマンズランドに監視装置が仕掛けられていたのも、旧文明時代ではそこが悪魔の防衛ラインだったからと考えれば得心が行きます。
戦争の結果人類は悪魔によって淘汰され(痛み分け?)、悪魔が表立って出現しなくなった後に残った人類が細々と暮らしているといったところでしょうか。
その戦争のつ爪跡として海は死に、見えない死神が撒き散らされた……と。
悪魔と戦っているのはタケミカヅチらしき戦車ですので、こりゃいよいよ悪魔復活フラグかもなぁ。
今までは文字通りの復活だと思っていたのですが、奴等なる呼称からして複数体いる模様。
となると別個体なのか?
という気もしますが、完全体があの火力を有しているとなれば、一両程度じゃ手も足も出ない。
御都合主義に走らず「戦えそう」感を優先するならば、頭部のみになった個体の方が説得力は出そうです。
でも炎の乙女たちは一両で戦ったぽいからなぁ、出来なくは無いのかも。
あとラッパは不確定だが、悪魔に対して何らかの効果をもたらす可能性もあり得る。
普通に考えたら位置知らせるだけの自殺行為だし、戦車に音響装置が付いている理由も説明出来ます。
あと悪魔のバックグラウンドについては気にしない方が良いですw
いわゆるセカイ系作品ではよくあるパターン。
二つ目の戦争。
これは人類間での普通の戦争だと思われ、フィリシアの乗っていた戦車もタケミカヅチより野暮ったい。
作品世界の中で「休戦」とされているのはこちらで、協定が結ばれたのは半年前(7話時点からだと9~10ヶ月くらいにはなってるか)。
で、どうやらフィリシアさんの回想は二年くらい前らしいというお話。
皇女殿下はその間に死んだと思われます。
リオの台詞、リオを観た司祭の台詞からリオの姉であると考えられますが、他の人がリオの出自を知らない、また皇女殿下が最前線に居た一方でリオは辺境の地に送られてます
もちろん皇女殿下が死亡した為、その妹には安全策を採ったという可能性も否定出来ない。
休戦した今は軍属にしておく意味はないのだけれども、同時にリオの卒業フラグも立っているので判断しづらい部分。
また三話の描写からすると、皇女殿下はリオや母親より一段階垢抜けた衣装をしている事からリオは庶子、もしくは多少位の落ちる側室レベルの子供で腹違いの妹なのかなという気がします。
父親のせいかもですが髪の色も違うし。
更に言えば皇女殿下は、結構悲しい死に方をしたんじゃないでしょうか。
そりゃ若いからどんな形であっても悲しいんですが、三話の病気フラッシュバックは母親のみでしたから病気ではない。また戦闘で死亡というのもまだ当たり前。
自分で戦列に立っていたのですから、理想に殉じたとすら言えます。
リオがアメイジンググレイスを封印する心情を鑑みるに、よっぽど彼女に関して嫌な事があったのでしょう。
こうなってくると政治絡みで暗殺されたって辺りの線が濃いんじゃないかなぁ。しかも味方に……とかね。
ノエルもまた、色々抱えていそう。
ヴィネンランド戦線で何かあったのは間違いない。
それは被害者であったのか加害者であったのかは判然としない。
ここで家族を失ったと記述しているブログも見つけたが、精霊流しを行わず顔に陰を浮かべるノエルの様子を見るに単なる戦争孤児以上の由来があるのではという気持ちになる。
4話でも「人殺し」と言われてハッとしていたし、タケミカヅチが兵器であることを気に病んでいた。
恐らく、何らかの形で人の死に関わったものと考えられる。
前の考察ではシリアス展開は5話以降、と言ったのが微妙に当たって7話にしてやって来た。
今後はキャラの掘り下げをした後、最終回近辺でドーン! と何かが起きる……という風になって欲しいかな。
こういう日常に比重の置かれたアニメに関して(主としてシリアス方面に)物を言うと、
「自分の思い通りにならないからって文句言うな」
「これは日常系なんだからノンビリでいいんだ、見方が間違ってる」
みたいな事を宣う方が見受けられますが、少なくとも僕個人にしてみりゃアホらしい話です。
中には思い通りにならないだけで文句言う人間もいるかもですが、別に作品の方向性に予断を持っている訳ではなく展開が強引だったり、起伏が無さ過ぎたり、書こうとしているテーマ・方向性・話に繋がるガジェットがあるにも関わらずその部分をしっかり描写しないから、どう扱うべきか考えているだけなんですよね。
むしろ「これは日常物だ」という意識の方が固定概念だよねって思うんですが。
『けいおん!』なんか最終回はオリジナル展開含みで成長物として描かれていたし「アレが日常物だから変化が無くていい、マンネリとか言うヤツは分かってない」みたいな主張してた人は、そこである程度は自省しなければいけないはずなんですが、多分忘れているかそもそも自分の言動と作中で示される物の齟齬に気付いていないんじゃないかって気すらしますね。
僕なんかは確かに好きなジャンルでこそありませんが、別に日常系でも全然構わないのです『はなまる幼稚園』とかは別に嫌いじゃないし、ようは自分が面白がれればいい。
逆にそれほど好きではない『よつばと!』みたいなのだって、日常系だからダメなんて批判することもありません。大して合わないな~ってくらいで、悪いとはまた別。
まぁ、無意識的に世間的な評判に影響されてるのかもしれませんけどね。
ただ例えば『ソ・ラ・ノ・ヲ・ト』で
「休戦のローカル砦で女の子がキャッキャウフフするだけの話」
と
「戦争に纏わる暗さやドンパチが折り混ざった話」
の双方を比べた結果、後者の話混ぜていかないと軍属にした意味が出にくくなるから指摘してただけ。
今回の話(7話)はやや遅すぎるきらいがあるとは感じたのですが、評価は出来ます。
今回のような話によって戦争の暗さを出すことで日常物の明るさをも描くことが出来るのです。
「誰かが、世界はもう終わりだと言っていました でも私たちは楽しく暮らしています」
「世界は幸せばかりではない──楽しいことばかりでもない──どちらかといえば、暗く、貧しい世界なのかもしれない。でもその在り方は自分ひとつ。綺麗なものも、汚いものも、辛いことも、楽しいことも、受け止めるのは、キミ次第なんだから──」
これはそれぞれ公式のトップとイントロダクションに示される文章です。
簡単に二つの解釈が可能でしょう。
世界が終わるような状態、暗く貧しい世界でも、私達は楽しく暮らせる
世界が終わるような状態、暗く貧しい世界だからこそ、私達は楽しく暮らさなければならない
前者は楽観主義、後者は悲観主義的ですが、どちらにも取れる(受け止めるのはキミ次第)という文章です。
単に楽しく暮らしているだけでは、この陰影は出てこない。
悲惨さを描ききってこそ、楽しい生活の深さや、それを導き出すであろうカナタの精神性が描けるのです。
取り敢えず7話によってそういった部分は補完されてはいるのですが、比重として「まだ温い」という感じも受けます。案外細かいところも拾ってくる印象は受けますので、最終回までにどんな陰影を付けられるのかは多少期待を抱いて良いかもしれません。
ピッコロさんのところの企画
に乗っからせて頂きます。
いつも評価企画参加してないもので。
理由は、僕の場合、総合点の相対評価になってしまうので得点は時価にちかい形になる。
「アレをこの点数つけると、コレはこのぐらいにしなきゃいけないなぁ……」
みたいなことを考える訳です。だからどんどこ変動しちゃうんですよね。
そんな訳でいつも失礼しているから、今回は参加しようという。
形式は何でも言いという事なので、5つ……にしようかと思いましたが3つに変更。
長くなるから。
選抜基準は
・あんま観られてない(気がする)
・俺が好き
・他に観られない独特の作品
こんくらいです。
ではいってみましょう。
1・ミスター味っ子
まず最初は『ミスター味っ子』。今川泰宏監督の初監督作品。
料理そのものよりもなにか別の次元に力が入っており、リアクション料理アニメの元祖とも言える。
特に
弁当のおかずがプロレスを始める回
味皇が病院を車椅子で疾走する回、
味皇が巨大化して大阪城を破壊する回
などが取り分け印象深い。
また今川監督の映画好きを示すが如く『ロッキー・ホラーショー』のパロディなど誰得な、というか殆ど誰も気付かないであろうよくわからないネタも満載。
こういった要素から、キワモノと思われやすい(実際否定は出来ない)が、原作マンガよりも主人公・陽一の挫折や立ち直り、家族の愛情、料理の根幹として『心』を大切にする姿勢など、実は少年マンガらしい成長物語としても良く出来ていて、原作者の後のマンガに逆に影響を与えているようにも見えるほど。
同じ料理で違う決着がついてしまう、などという驚異の改変もあるが、むしろ作品のドラマとして納得出来てしまう不思議。原作とアニメのある種理想的な関係を築いたと言える傑作。
ちなみに高山みなみの初主演作でもある。
2・人造昆虫カブトボーグV×V
前代未聞の脚本アニメ。
明らかに世界が滅びたようにしか見えないにも関わらず次回予告で解決する。
死亡したレギュラーキャラが次の回で何事もなく生き返っている。
四十数回にして今まで見たこともないキャラクターがレギュラーとして登場する。
まだ起きていない未来の事を思い出して苦悩する
など、常人の発想を超越する話が九割を占める。
主人公も所謂「主人公らしい性格」からはほど遠く、
相手が老人や赤ん坊でも容赦なく攻撃する(むしろその弱点を突く)
金で友人を売り渡す
遭遇した人間を、見境無く街ごと破壊する
夏休みの宿題を他の生徒から奪う
など鬼畜としか言えない所行を重ねている。
一応ながら玩具の販促アニメであるはずが、作中世界ではその玩具による禁断症状が存在しているなど、書いている人もどうかしているとしか思えない。
逆に言えば他に類を見ない幅広い範囲と展開を見せる物語であり、何か変わった物が観たくなったら一度視聴をオススメしたい。
当初は奇妙な展開に困惑するだけであったにしても次第にそのノリにやみつきになり、
いつの間にか「いいチャージインだ!」と声を掛ける上級ボーガーに変貌している自分に気付くだろう。
3・大江戸ロケット
劇団新感線の舞台をアニメ化したというちょっと変わった作品。
基本はコメディであり、細かいパロネタやメタネタ、歴史を覆すような設定がしばしば見受けられるが、地味なところで歴史考証がしっかりしているなど、侮れない。
主人公の玉屋清吉の成長譚でもあり、また過去に傷を持つ義賊の銀次郎や、次第に奇妙な立場に置かれる赤井西ノ介などの複雑な人間模様をかなりキチンと書いている。
時代劇的な要素はもちろん、江戸期にロケットを飛ばすという疑似歴史物、SF物など様々な要素をぶち込んだごった煮のような味わい。
主題歌でも印象的なフレーズ「なんちゃって、全部ウソ♪」という身も蓋も無い歌詞が示すとおり、色んな意味で驚かされる。
取り敢えず紹介してみましたが、全部バカ作品ばっかりで恐縮です。
えぇ、好きなんです、こういうバカッぽさが。
でも、時としてバカのなかに真摯なドラマが入ってたりするので溜まらないのです。
普通にシリアスな作品も好きなんですけどね、今回は普通のアニメブロガーさんにあまり馴染みのなさそうな作品を選ばせて頂きました。
いつも評価企画参加してないもので。
理由は、僕の場合、総合点の相対評価になってしまうので得点は時価にちかい形になる。
「アレをこの点数つけると、コレはこのぐらいにしなきゃいけないなぁ……」
みたいなことを考える訳です。だからどんどこ変動しちゃうんですよね。
そんな訳でいつも失礼しているから、今回は参加しようという。
形式は何でも言いという事なので、5つ……にしようかと思いましたが3つに変更。
長くなるから。
選抜基準は
・あんま観られてない(気がする)
・俺が好き
・他に観られない独特の作品
こんくらいです。
ではいってみましょう。
1・ミスター味っ子
まず最初は『ミスター味っ子』。今川泰宏監督の初監督作品。
料理そのものよりもなにか別の次元に力が入っており、リアクション料理アニメの元祖とも言える。
特に
弁当のおかずがプロレスを始める回
味皇が病院を車椅子で疾走する回、
味皇が巨大化して大阪城を破壊する回
などが取り分け印象深い。
また今川監督の映画好きを示すが如く『ロッキー・ホラーショー』のパロディなど誰得な、というか殆ど誰も気付かないであろうよくわからないネタも満載。
こういった要素から、キワモノと思われやすい(実際否定は出来ない)が、原作マンガよりも主人公・陽一の挫折や立ち直り、家族の愛情、料理の根幹として『心』を大切にする姿勢など、実は少年マンガらしい成長物語としても良く出来ていて、原作者の後のマンガに逆に影響を与えているようにも見えるほど。
同じ料理で違う決着がついてしまう、などという驚異の改変もあるが、むしろ作品のドラマとして納得出来てしまう不思議。原作とアニメのある種理想的な関係を築いたと言える傑作。
ちなみに高山みなみの初主演作でもある。
2・人造昆虫カブトボーグV×V
前代未聞の脚本アニメ。
明らかに世界が滅びたようにしか見えないにも関わらず次回予告で解決する。
死亡したレギュラーキャラが次の回で何事もなく生き返っている。
四十数回にして今まで見たこともないキャラクターがレギュラーとして登場する。
まだ起きていない未来の事を思い出して苦悩する
など、常人の発想を超越する話が九割を占める。
主人公も所謂「主人公らしい性格」からはほど遠く、
相手が老人や赤ん坊でも容赦なく攻撃する(むしろその弱点を突く)
金で友人を売り渡す
遭遇した人間を、見境無く街ごと破壊する
夏休みの宿題を他の生徒から奪う
など鬼畜としか言えない所行を重ねている。
一応ながら玩具の販促アニメであるはずが、作中世界ではその玩具による禁断症状が存在しているなど、書いている人もどうかしているとしか思えない。
逆に言えば他に類を見ない幅広い範囲と展開を見せる物語であり、何か変わった物が観たくなったら一度視聴をオススメしたい。
当初は奇妙な展開に困惑するだけであったにしても次第にそのノリにやみつきになり、
いつの間にか「いいチャージインだ!」と声を掛ける上級ボーガーに変貌している自分に気付くだろう。
3・大江戸ロケット
劇団新感線の舞台をアニメ化したというちょっと変わった作品。
基本はコメディであり、細かいパロネタやメタネタ、歴史を覆すような設定がしばしば見受けられるが、地味なところで歴史考証がしっかりしているなど、侮れない。
主人公の玉屋清吉の成長譚でもあり、また過去に傷を持つ義賊の銀次郎や、次第に奇妙な立場に置かれる赤井西ノ介などの複雑な人間模様をかなりキチンと書いている。
時代劇的な要素はもちろん、江戸期にロケットを飛ばすという疑似歴史物、SF物など様々な要素をぶち込んだごった煮のような味わい。
主題歌でも印象的なフレーズ「なんちゃって、全部ウソ♪」という身も蓋も無い歌詞が示すとおり、色んな意味で驚かされる。
取り敢えず紹介してみましたが、全部バカ作品ばっかりで恐縮です。
えぇ、好きなんです、こういうバカッぽさが。
でも、時としてバカのなかに真摯なドラマが入ってたりするので溜まらないのです。
普通にシリアスな作品も好きなんですけどね、今回は普通のアニメブロガーさんにあまり馴染みのなさそうな作品を選ばせて頂きました。
別にロバート・ダウニー・Jrの『シャーロック・ホームズ』とは関係ないよ!
むしろ勧められたのと『デュラララ!』とかの兼ね合い。
あと二月になってから全然記事無かったので。
成田良悟は『スナッチ』のラノベとして『バッカーノ!』を書いて、その後に多分IWGP等を意識した『デュラララ!』を書きました。脚本家であるクドカンはIWGPの後に『ロック、ストック&トゥースモーキングバレルズ』の日本ドラマ版として『木更津キャッツアイ』を書いた。
まぁそんな感じです。
『バッカーノ!』と『木更津キャッツアイ』の曲が似ているのは必然か……とも思いましたが、今ひとつ証拠に乏しいので偶然なのかもしれない。
それでは共にいってみよう。
『ロック~』
こういう構成で魅せる作品って大好き。
それぞれの思惑が何一つ成立していないんだけど収まるところに収まってる感が素晴らしい。
やはりプロットを練り込まないといけないし、登場人物も多くなってしまうので使いどころと統御が難しいんだよね。
特にこの作品では作中の「統御されていない有様」が製作者によって統御されている、という形になっている。
だから登場人物は殆ど何も把握しておらず、その把握していない状態を作り手が理解し、尚かつ組み合わせなければならない。
こういうの自分でもやってみたいけど壁が高いのが容易に分かるので及び腰になってしまうね。
こういう巧さは『ホット・ファズ』にも似ているけど、『ホットファズ』の場合は前半の(文字通り)前振りが後半で全く違う意味合いで昇華するという区分があるのに対して、『ロック~』では最初の(危うい)秩序がリアルタイムで混線していくところが異なるかな(ただ『ホットファズ』は『スナッチ』の移動する時の編集方法を意識してるっぽい)
ほぼ全滅エンドなのにむしろ笑えてしまう。
しょうもない犯罪が混線して悪化するという意味に於いては『ファーゴ』にも近いところがあるか。
キャラをどこまで殺してどこまで殺さないかという嫌らしさが出てしまいやすい部分もあるから、主人公達は逆に善人だったり大物じゃない方が面白くなるんだろう。
『スナッチ』
方向性が似ているから分かり易いが、正直『ロック~』の方が『スナッチ』よりも完成度高かったかなぁ……と。
伏線の貼り方、回収し方も前者のが巧みだし、最後のオチも『スナッチ』では強引さというかパワーゲームに近い部分が出てしまった気がする。
ブラピに気を使ったか?
まぁ、それでも充分に面白かったです。
主人公達はまだしも、黒人組は涙目。
そしてパイキー連中はちょっと一人勝ちしすぎ。
パイキーたちも被害はありましたけどね。
多少の甲乙はありましたけれども、やっぱこういう作品は物語の構成的な意味で勉強になりますね。
キャラクタも大勢出てくるので分かり易く、かつ魅力的な奴等が多い。
そういう部分でも良い。観て楽しく感心出来る作品でした。
むしろ勧められたのと『デュラララ!』とかの兼ね合い。
あと二月になってから全然記事無かったので。
成田良悟は『スナッチ』のラノベとして『バッカーノ!』を書いて、その後に多分IWGP等を意識した『デュラララ!』を書きました。脚本家であるクドカンはIWGPの後に『ロック、ストック&トゥースモーキングバレルズ』の日本ドラマ版として『木更津キャッツアイ』を書いた。
まぁそんな感じです。
『バッカーノ!』と『木更津キャッツアイ』の曲が似ているのは必然か……とも思いましたが、今ひとつ証拠に乏しいので偶然なのかもしれない。
それでは共にいってみよう。
『ロック~』
こういう構成で魅せる作品って大好き。
それぞれの思惑が何一つ成立していないんだけど収まるところに収まってる感が素晴らしい。
やはりプロットを練り込まないといけないし、登場人物も多くなってしまうので使いどころと統御が難しいんだよね。
特にこの作品では作中の「統御されていない有様」が製作者によって統御されている、という形になっている。
だから登場人物は殆ど何も把握しておらず、その把握していない状態を作り手が理解し、尚かつ組み合わせなければならない。
こういうの自分でもやってみたいけど壁が高いのが容易に分かるので及び腰になってしまうね。
こういう巧さは『ホット・ファズ』にも似ているけど、『ホットファズ』の場合は前半の(文字通り)前振りが後半で全く違う意味合いで昇華するという区分があるのに対して、『ロック~』では最初の(危うい)秩序がリアルタイムで混線していくところが異なるかな(ただ『ホットファズ』は『スナッチ』の移動する時の編集方法を意識してるっぽい)
ほぼ全滅エンドなのにむしろ笑えてしまう。
しょうもない犯罪が混線して悪化するという意味に於いては『ファーゴ』にも近いところがあるか。
キャラをどこまで殺してどこまで殺さないかという嫌らしさが出てしまいやすい部分もあるから、主人公達は逆に善人だったり大物じゃない方が面白くなるんだろう。
『スナッチ』
方向性が似ているから分かり易いが、正直『ロック~』の方が『スナッチ』よりも完成度高かったかなぁ……と。
伏線の貼り方、回収し方も前者のが巧みだし、最後のオチも『スナッチ』では強引さというかパワーゲームに近い部分が出てしまった気がする。
ブラピに気を使ったか?
まぁ、それでも充分に面白かったです。
主人公達はまだしも、黒人組は涙目。
そしてパイキー連中はちょっと一人勝ちしすぎ。
パイキーたちも被害はありましたけどね。
多少の甲乙はありましたけれども、やっぱこういう作品は物語の構成的な意味で勉強になりますね。
キャラクタも大勢出てくるので分かり易く、かつ魅力的な奴等が多い。
そういう部分でも良い。観て楽しく感心出来る作品でした。
最低予算映画VS最高予算映画
そんな訳で『パラノーマル・アクティビティー』(めんどいので以下パラノ)と『アバター』を観て参りました。
本当は『アバター』じゃなくて『(500)日のサマー』でも観ようかと思っていたんだ、うん。
ところがね、近所じゃやってないんですよ。
近所どころか近隣各県レベル? そこまでは調べてないけど。
だから仕方なく、もとい注目作のある『アバター』にしたのです。
後で気付いたんですが、アバターの予算が3億ドルくらいだそうです。
今までがスーパーマンの2億6千だか7千万らしいので、多分最高額。
対してパラノの予算は135万円!
調べてみたら『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』の半分!!!
今のレートで言えば丁度1万5千ドルくらい?
きっとアバター予算「3億円くらい」の3億はおいといて 【くらい】 の1000分の1レベルじゃないでしょうか、予算。
凄い差ですね。
意識していなかったのに本年度どころかインディーズとか考えなければ史上最高レベルで制作費に差のある映画二本を同時に観る、これも貴重な体験かもしれません。
ではそれぞれ
『パラノーマル・アクティビティー』
ロバート・ワイズ『たたり』みたいな(観てませんが)作品。
ようするにポルターガイスト物です。一応作中の感じでは心霊と言うよりも悪魔っぽい。
クリーチャーを一切見せないで音響や小道具を用いて恐怖を表現する術は見事。
姿のない物、の姿を想起させる……というのが観客にとっても怖い事。
見せ方には確かにセンスがあります。
一方で調べて予告などを観てしまっている僕的には大体知ってるシーンなので、そこまで強烈なインパクトは無かったかも。これは後半はもっと露骨に色々あっても良かったか。
主人公は昔っから超常現象に悩まされてるケイティ(女)と、その彼氏ミカ(男だよ)。
あとは心霊学者とケイティの友達くらいしか居ない。
POVと言って手持ちカメラ、乃至それを固定した物を使ったモッキュメンタリーです。
ケイティが困っているのでミカはそれを撮影してみよう……って感じでカメラを買ってきたのですが、
このミカが
歩く死亡フラグ
もしくは
一級(死亡)フラグ建築士
事あるごとに悪魔を挑発する。
ダメって言ってるウィジャ盤(こっくりさんみたいなの)を持ち込んでくる、でも専門家には相談させないというフラグの立てっぷり。
最初は悪魔とか信用してなかったのに扉が動いてただけで信じちゃう辺りも純粋なんだかよく分からん奴で、兎に角コイツの空気読め無さがハンパ無かった。空気読め無いという言い方はあまり好きじゃないけど、そうとしか言いようがない。
で、ケイティは俺が守る! とか言うんだけど、やることは
クレンザーみたいなのを捲いて悪魔の足跡が付くかどうか確認……
って
それ問題の対処にならんだろ!
物語的には超常現象の加速ッぷりよりケイティとの間にどんどんひびが入っていく方が不安でなりませんでした。色々と謎は残るんだけど、この手の映画の謎は考えられていないか大したことはないのが通例なので気にしない方が吉。
『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』然り『クローバーフィールド』然り『REC』然り。
実はラストシーン、オリジナルと映画公開版の2バージョンあって、俺はオリジナルの方が好き。
公開版は続編前提と言ったところですが、ぶっちゃけそこまで大差はないです。
続編はしょうもなくなりそうだしなぁ。
お次は『アバター』
これはですね、なんと申しましょうか……。
「キャメローン、いつものお願い!」
キャメ「あいよ~!」
と言って出された料理が物凄い豪華に盛りつけられていて、キャメロンの顔を見たら
「今日、誕生日なんだろ?」
って言って笑いかけてくれました。
でも、味は対して変わりませんでした。
↑こんな感じです。
とても豪華な普通の料理。
この前ちょっと語った「いわゆるハリウッド映画」な感じ。
映像表現は凄い、でもお話は「あー、なるほどね。うんうん」みたいな。
ガジェットの使い方とかも上手いんですけどね~。
なにかグッと来るものがあまり無い。
不思議な感じ。迫力はあるんだよ、しかも3Dなんだよ。
ただ位置のせいか3Dも中途半端な印象を受ける。
『カールじいさん』もそうだったんだけどなぁ、正直この3Dどうよ? って気持ちはある。メガネ重いし。
そのせいか映像もなぁ……カッコイイんだけどね。難しいわ。、
そんで『トランスフォーマー』みたいな頭が悪すぎて逆に笑えてくるタイプでも無い。
ちょっと困った映画。
キャメロンらしく女の尻にひかれたがる男は健在で、今回は初っぱなからカカア天下。
パンフでようやく知ったんだけど、原住民ナヴィを研究して、アバタープロジェクトの中心人物になっている科学者のオバサンがシガニー・ウィーバーだった。
だって明るい金髪だったんだもん、気付かねーよ!
俺の中では黒髪モジャモジャ短髪がデフォなの!
でもよかったかもしれない。もし分かってたら、
いつナヴィを虐殺しはじめるのか
ドキドキしなきゃいけなかったからね(しませんでした)
この作品は『ダンスウィズウルブス』とかポカホンタス絡みの映画にも似ているとは聞いていたけど、要するに「白人酋長物」と呼ばれるジャンルの映画なんだなぁ、と途中で気が付いた。
エメ公の『紀元前1万年』辺りがそれに該当するんだけれども、異邦人がその土地の人間を纏めて侵略者を倒す……という映画。
大体に於いて、異邦人はお告げを受たり、神聖視され、試練を乗り越えて選ばれた英雄になる。
そして英雄が色んな部族を合流させて反逆戦争を行うのだ。
ここら辺は神話的でもあり、また日本の異世界ファンタジーとかにもよくある設定な気がする。
ともあれ、アバターはまさにそのプロットを踏襲しており、観ながら「あぁ、コレはここに来るんだな」という予想がとっても楽。
あと脇役の扱いが結構酷いので、色々と可哀想になってくる。もっと活躍させてあげようよ! とかもっといい形で散らせてやろうよ! みたいな。
主役と脇役の立場がちょっと明確過ぎて依怙贔屓に見えるんだよな~。
今思えば、町山さんが初日に観に行って感想を配信していた時、歯切れが悪かった理由がよく理解出来る。
ただ映像は頑張ってる。
さっき言った事と違うように聞こえるかもしれないけれども、壮大でダイナミックなのは間違いない。
色々頑張ってるし、迫力はある。
主観的な感想としては映像にしろアレな部分もあるのだが、
惑星の景色(と戦争)を見学する為に行くくらいのつもり
で観れば、結構良いんじゃないかな。
なんのかんの言ったけど、物語としても王道だから分かり易いし、沢山の人が楽しむ事を考えると手堅い造りじゃないかと思う。
そんな訳で『パラノーマル・アクティビティー』(めんどいので以下パラノ)と『アバター』を観て参りました。
本当は『アバター』じゃなくて『(500)日のサマー』でも観ようかと思っていたんだ、うん。
ところがね、近所じゃやってないんですよ。
近所どころか近隣各県レベル? そこまでは調べてないけど。
だから仕方なく、もとい注目作のある『アバター』にしたのです。
後で気付いたんですが、アバターの予算が3億ドルくらいだそうです。
今までがスーパーマンの2億6千だか7千万らしいので、多分最高額。
対してパラノの予算は135万円!
調べてみたら『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』の半分!!!
今のレートで言えば丁度1万5千ドルくらい?
きっとアバター予算「3億円くらい」の3億はおいといて 【くらい】 の1000分の1レベルじゃないでしょうか、予算。
凄い差ですね。
意識していなかったのに本年度どころかインディーズとか考えなければ史上最高レベルで制作費に差のある映画二本を同時に観る、これも貴重な体験かもしれません。
ではそれぞれ
『パラノーマル・アクティビティー』
ロバート・ワイズ『たたり』みたいな(観てませんが)作品。
ようするにポルターガイスト物です。一応作中の感じでは心霊と言うよりも悪魔っぽい。
クリーチャーを一切見せないで音響や小道具を用いて恐怖を表現する術は見事。
姿のない物、の姿を想起させる……というのが観客にとっても怖い事。
見せ方には確かにセンスがあります。
一方で調べて予告などを観てしまっている僕的には大体知ってるシーンなので、そこまで強烈なインパクトは無かったかも。これは後半はもっと露骨に色々あっても良かったか。
主人公は昔っから超常現象に悩まされてるケイティ(女)と、その彼氏ミカ(男だよ)。
あとは心霊学者とケイティの友達くらいしか居ない。
POVと言って手持ちカメラ、乃至それを固定した物を使ったモッキュメンタリーです。
ケイティが困っているのでミカはそれを撮影してみよう……って感じでカメラを買ってきたのですが、
このミカが
歩く死亡フラグ
もしくは
一級(死亡)フラグ建築士
事あるごとに悪魔を挑発する。
ダメって言ってるウィジャ盤(こっくりさんみたいなの)を持ち込んでくる、でも専門家には相談させないというフラグの立てっぷり。
最初は悪魔とか信用してなかったのに扉が動いてただけで信じちゃう辺りも純粋なんだかよく分からん奴で、兎に角コイツの空気読め無さがハンパ無かった。空気読め無いという言い方はあまり好きじゃないけど、そうとしか言いようがない。
で、ケイティは俺が守る! とか言うんだけど、やることは
クレンザーみたいなのを捲いて悪魔の足跡が付くかどうか確認……
って
それ問題の対処にならんだろ!
物語的には超常現象の加速ッぷりよりケイティとの間にどんどんひびが入っていく方が不安でなりませんでした。色々と謎は残るんだけど、この手の映画の謎は考えられていないか大したことはないのが通例なので気にしない方が吉。
『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』然り『クローバーフィールド』然り『REC』然り。
実はラストシーン、オリジナルと映画公開版の2バージョンあって、俺はオリジナルの方が好き。
公開版は続編前提と言ったところですが、ぶっちゃけそこまで大差はないです。
続編はしょうもなくなりそうだしなぁ。
お次は『アバター』
これはですね、なんと申しましょうか……。
「キャメローン、いつものお願い!」
キャメ「あいよ~!」
と言って出された料理が物凄い豪華に盛りつけられていて、キャメロンの顔を見たら
「今日、誕生日なんだろ?」
って言って笑いかけてくれました。
でも、味は対して変わりませんでした。
↑こんな感じです。
とても豪華な普通の料理。
この前ちょっと語った「いわゆるハリウッド映画」な感じ。
映像表現は凄い、でもお話は「あー、なるほどね。うんうん」みたいな。
ガジェットの使い方とかも上手いんですけどね~。
なにかグッと来るものがあまり無い。
不思議な感じ。迫力はあるんだよ、しかも3Dなんだよ。
ただ位置のせいか3Dも中途半端な印象を受ける。
『カールじいさん』もそうだったんだけどなぁ、正直この3Dどうよ? って気持ちはある。メガネ重いし。
そのせいか映像もなぁ……カッコイイんだけどね。難しいわ。、
そんで『トランスフォーマー』みたいな頭が悪すぎて逆に笑えてくるタイプでも無い。
ちょっと困った映画。
キャメロンらしく女の尻にひかれたがる男は健在で、今回は初っぱなからカカア天下。
パンフでようやく知ったんだけど、原住民ナヴィを研究して、アバタープロジェクトの中心人物になっている科学者のオバサンがシガニー・ウィーバーだった。
だって明るい金髪だったんだもん、気付かねーよ!
俺の中では黒髪モジャモジャ短髪がデフォなの!
でもよかったかもしれない。もし分かってたら、
いつナヴィを虐殺しはじめるのか
ドキドキしなきゃいけなかったからね(しませんでした)
この作品は『ダンスウィズウルブス』とかポカホンタス絡みの映画にも似ているとは聞いていたけど、要するに「白人酋長物」と呼ばれるジャンルの映画なんだなぁ、と途中で気が付いた。
エメ公の『紀元前1万年』辺りがそれに該当するんだけれども、異邦人がその土地の人間を纏めて侵略者を倒す……という映画。
大体に於いて、異邦人はお告げを受たり、神聖視され、試練を乗り越えて選ばれた英雄になる。
そして英雄が色んな部族を合流させて反逆戦争を行うのだ。
ここら辺は神話的でもあり、また日本の異世界ファンタジーとかにもよくある設定な気がする。
ともあれ、アバターはまさにそのプロットを踏襲しており、観ながら「あぁ、コレはここに来るんだな」という予想がとっても楽。
あと脇役の扱いが結構酷いので、色々と可哀想になってくる。もっと活躍させてあげようよ! とかもっといい形で散らせてやろうよ! みたいな。
主役と脇役の立場がちょっと明確過ぎて依怙贔屓に見えるんだよな~。
今思えば、町山さんが初日に観に行って感想を配信していた時、歯切れが悪かった理由がよく理解出来る。
ただ映像は頑張ってる。
さっき言った事と違うように聞こえるかもしれないけれども、壮大でダイナミックなのは間違いない。
色々頑張ってるし、迫力はある。
主観的な感想としては映像にしろアレな部分もあるのだが、
惑星の景色(と戦争)を見学する為に行くくらいのつもり
で観れば、結構良いんじゃないかな。
なんのかんの言ったけど、物語としても王道だから分かり易いし、沢山の人が楽しむ事を考えると手堅い造りじゃないかと思う。