モンテッソーリ・算数教育「除数が2桁以上のわり算はどう行う?(金ビーズ編)」 | モンテッソーリな時間~バイリンガルに魅せられて~

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中2の娘とワーキングママによる2歳からのホームモンテッソーリとバイリンガル育児の足跡を綴っています。

 

 

少し前に綴った通り、「ホームモンテッソーリのお手伝い」では、小学生をお持ちのご家庭からモンテッソーリ教育の算数教育について多くのご質問が寄せられます。

 

 

今回いただいたご質問はこちら。

 

除数が2桁以上のわり算はどう行う?

 

モンテッソーリ教育のわり算と言うと、「試験管ビーズ」と呼ばれる下記のような教具が存在するため、除数が2桁以上になるとこの教具がないと家庭ではできないと思われる方も多くいらっしゃるようです。

 

 

 

でも、実際はモンテッソーリの算数教育で最も出番の多い「金ビーズ」でも、もちろん2桁以上でもわり算は出来ます。

 

今日は、金ビーズを使った2桁のわり算をご紹介したいと思います。

 

用意したのは、こちらの計算式。

モンテッソーリの算数教育では、位ごとにカラーコーディング(1の位=緑、10の位=青、100の位=赤、1000の位=緑)がされているため、このようなものを用意してみました。

 

 

まずは金ビーズで「3,584」に相当するビーズを持ってきます。

 

 

そして次は、割る方の数(=除数)を小人を使って表します。一見、5人の小人に見えますが、実はここにはトリックが!先ほどご紹介したカラーコーディングのルールに従うと、1の位は緑、10の位は青で表されます。ということで、この小人が表しているのは「14」。青1人の小人は緑10人分に相当します。

 

 

「3584」のビーズを均等に分けています。まずは1000の位から。キューブ型の1000のビーズを青の小人に分けると、お次の緑の小人はその1/10となるため、100のビーズを1枚。それぞれ分けていきます。

 

 

そして次にまた青の小人に1000のキューブ型ビーズを1つ、そして最初の緑の小人に100のビーズを1枚…。と、ここまでくると、2番目の緑の小人に分ける100のビーズがないことに気付きます!

 

 

ということで、100のビーズを配ることができるように、残りの1000のキューブ型ビーズ1つを100のビーズ10枚に交換!!

 

 

ということで、無事に残りの小人に100のビーズを1枚ずつ分け与えることができました。お次はもう1000のキューブ型ビーズはないため、青の小人に100のビーズを1枚分けます。青の小人には100を渡したので、今回緑のビーズがそれぞれもらえるのはその1/10の10のビーズを1本ずつ。同じ要領で均等に分けられるよう残りのビーズを分けていきます。

 

 

上記写真のところまで分け終わると、今度はもう「10」のビーズがないことに気付きます。ということで、またまた銀行へとGO~!

 

 

100のビーズ1枚を、10のビーズ10本に交換します。

 

 

10のビーズが出来たので、さらに分け続けていくと…。また10の棒ビーズが足りません!ということで、再度銀行へGO!!さっきと同じ要領で、100のビーズ1枚を、10のビーズ10本に交換します。

 

 

さらに分け続けていくと、今度は1のビーズが足りなくなりました。ということで、銀行で10の棒ビーズ1本と、1のビーズ10個に交換!

 

 

さぁ、ついにすべてのビーズが均等に分け与えることができました。

 

 

このわり算の答えは、緑の小人一人が分け与えられたビーズの数なので、数えると「100のビーズ2枚、10のビーズが5本、1のビーズが6個」で「256」。答えは以下のようになりました。

 

3584÷14256

 

筆算で行うと、機械的な手順であっという間に答えが出ますが、金ビーズを使うと1問の問題を解くのにかなりの時間を要します。

 

「だったら尚更さっと解ける方がいいのでは?」と、この教育法と出会った頃は、そう考えていた母。しかし、実際自分が手を動かして体験をしてみると、まず「3584」という数字がどれだけの数字なのかを五感で体感し、さらには位に気を付けるようになるため、非常に数に対して敏感になります。また、14という除数も、使用する小人は実際5つの小人ですが、「10の位」とは「1の10倍」であるということを何度も体験することになります。

 

また「交換ゲーム」と言われる金ビーズの交換も、十進法の概念をさらに強化し、また間違えないように交換するためには集中力も必要なため、大人でも少し油断すると途中で金ビーズの数が合わなくなってきたりします(笑)。

 

モンテッソーリの算数教育を行う際に必要なのは「マインドと動作を統一させること」。空間把握を意識しながら、丁寧にビーズを置いていくためには、心が満たされていないとなかなか落ち着いた気持ちで向き合うことが出来ません。

 

モンテッソーリ博士が、モンテッソーリの算数教育とは「心の成長のための手段」と主張したのも、そんな理由からなのだと感じます。

 

 

◆◆

 

残念ながら和書でモンテッソーリの小学校の算数教育に特化した書籍はまだないのが現状だと思いますが、0歳~12歳の国際モンテッソーリ教師でいらっしゃる野村緑先生の下記著書には「6歳~12歳「自分で考える」子どもに」という章にて、算数を学ぶ活動の数々がご紹介されています。教具がなくても手作りで代用できるよう作り方の手順も書かれていますので、ご興味ある方はぜひチェックしてみてくださいね。

 

    

具体から抽象への移行を助ける

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切手で数づくり

切手でたし算

答えを確かめる

切手で引き算

切手でかけ算

切手で割り算

切手で2桁の割り算

九九の学習

1より小さい数(分数)

折り紙で分数づくり

1/2集め

分数の計算

小数に親しむ

 

 

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