『児童心理学に沿った算数教育』ってどういうこと!? | モンテッソーリな時間~バイリンガルに魅せられて~

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中2の娘とワーキングママによる2歳からのホームモンテッソーリとバイリンガル育児の足跡を綴っています。

 

前回、今年に入り急速的にはまっていることとして「モンテッソーリ書籍を原書で読む」ということを書きました。

 

 

その時にご紹介した以下の書籍。

 

モンテッソーリ教師養成講座でも現在の大学院でも課題図書だったこちらの書籍。

モンテッソーリのプライマリー(3歳~6歳)、エレメンタリー(6歳~12歳)の算数教育についてモンテッソーリ博士自身が教具の説明、提示の仕方について述べています。

 

タイトルは、「サイコアリスメティック(Psychoarithmetic)」という耳慣れない言葉。

 

これは、『心理』を意味する「サイク(Psych-)」『算術』という意味の「アリスメティック(arithmetic)」を掛け合わせたモンテッソーリ博士による造語。

 

 

 

 

実は、このタイトルこそが、モンテッソーリの算数教育の全容を物語っています。

 

モンテッソーリ博士の言葉を借りれば、『児童心理学の指針に沿って開発された算数教育』

一体どういうことなのでしょうか。

 

 

モンテッソーリの算数教育が目指したもの

 

モンテッソーリは上記の原書の中で、小学校の算数について

 

克服しがたい「躓き」であり、苦心を要する「困難」であり、「乾燥した学問」である

 

と表現しています。

 

正しい答えに速く辿り着くために純粋なテクニックを教えることよりも、算数を「心の成長のための手段」として利用する方法を編み出しました。

 

言い換えるならば、モンテッソーリの算数教育とは知的向上の手段よりも人格形成の手段としてモンテッソーリの算数教育は生まれたのです。

 

モンテッソーリ博士は、この原書の序章で、25年の経験の中で「算数」ほど子ども達を惹きつけ驚くべき結果をもたらしたカリキュラムはなかったと述べています。

 

 

モンテッソーリのエレメンタリーの算数教育の入り口!?

 

日本だと小学校に入学するとまず手渡されるのは算数セット。

「1+1=2」からスタートする小学校の算数。

果たしてこの時期の子ども達には、刺激的な内容でしょうか。

 

モンテッソーリ教育は適時教育です。

子どもには成長過程において、必ず『適した時期』というものが存在します。

その時期の子ども達の発達段階に合ったものを常に提供していきます。

 

幼児期は、「昨日」も「去年」も「明日」も「10年後」もはっきりと理解出来なかった子ども達が、学童期になると「46億年前」に生まれた地球の話を聞いて想像することが出来るようになってきます。

 

この想像力が抜群に育ってきた時期、この時期に見合ったものは「ストーリーテリング」と呼ばれる『おはなし』です。

 

モンテッソーリの算数教育の入り口は、グレートレッスンと呼ばれるモンテッソーリのエレメンタリーカリキュラムの核となる「おはなし」からスタートします。第5のグレートレッスン「数のはじまり」というお話を通じて、私たちが日頃当たり前のように使っている「数」はどのように生まれ、どのように変化し、どのような努力を当時の人々はしてきたのか…。

 

そんな当たり前を感謝に変えるレッスンからスタートします。

「1+1=2」というこの時期の子どもにはシンプルすぎるレッスンよりも、当然このような「ストーリーテリング」と呼ばれるおはなしは刺激的で、子ども達は「もっと知りたい」と目を輝かせます。

 

そんな大きな枠組みをしっかりと体験した後、子ども達は精巧に作られたモンテッソーリの算数教具を使用して、「数」の世界にどんどんと入っていきます。この時点では、もう今まで当たり前のように見聞きしていた数字が、「数という革命的な発明」に感謝しかない子ども達。

 

それはもう数を扱うこと自体が楽しくて仕方がありません。

 

どうでしょう(笑)。

モンテッソーリ博士の表現した『児童心理学の指針に沿って開発された算数教育』の意味が、少しクリアーになっているといいのですが^^;

 

子ども達の心の動きを機敏にキャッチし、常に彼らのニーズに応えることを行ってきたモンテッソーリ博士。医師というバックグラウンドがあったからこそ、これほどまでに子ども達をじっくりと観察し、的確に必要なものを提供することが出来たのでしょう。

 

 

克服しがたい「躓き」であり、苦心を要する「困難」であり、「乾燥した学問」である

 

こんな表現とは対極にあるモンテッソーリの算数教育。

多くの私たち親世代が学んできた公教育の手法とは異なるだけに、最初はなかなか受け入れがたい部分もあるかもしれません。

 

10年という月日を通じて母が感じたこと。

モンテッソーリの学びは確実に子どもに幸福をもたらすということ。

主体的な学びがここにあります。

 

◆◆

 

「ホームモンテッソーリのお手伝い」の受講生の皆さま専用のHP、ホームモンテッソーリスクールでは、約1年半に渡りアップデートをしてきた「第1~第5のグレートレッスン」の紹介をついに完了しました。本来は5つのストーリーなのですが、チャートや小道具等、プレゼン毎にストーリーを分けてご紹介したため、その数はなんと45レッスン(笑)。

 

皆さま、長いことお付き合いいただき、ありがとうございました。

 

今後、エレメンタリーの算数教育についてご紹介していく前に、どうしても「第5のグレートレッスン:数のはじまり」をお伝えする必要があったため、無事に大学院の新学期が開始する前に完了することが出来てホッとしています(笑)。

 

これから大学院の合間に、第5のグレートレッスンのフォローアップワークを少しずつご紹介できればと思っています。不定期更新となってしまいますが、楽しみにお待ちいただければ嬉しいです。

 

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