細かいビーズを1つずつ並べ、10に達すると交換を行い、また並べる。
こんな気の遠くなるような作業の繰り返しですが、幼児期からモンテッソーリの算数に親しんできた娘は、筆算の方が気が遠くなると言います。
嘘でしょ?というのが母の心の声(笑)。
いくらモンテッソーリ教育に惚れていても、母自身はこの教育で育っていないため、残念ながらその辺りの感覚は彼女と共有することが出来ません。小学生になり、一時は教具が煩わしいと感じる素振りもありましたが、腰を落ち着けて触れ出すと、フロー状態に陥る彼女。時が止まったような時間は、なんとも贅沢だと感じます。
ホームモンテッソーリのお手伝いでは、お子さんが金ビーズや数字カードを並べたがらない、数を数えたがらないといったようなお声もよくいただきます。そんな時はぜひお手伝いしてあげて欲しいと思います。
どうしても今の時代、「早いことが良いこと」という誤った価値観の中で生きている子ども達にとって、この「じっくり」という経験は、もしかすると最初は戸惑うものかもしれません。
「早く手を洗おうね」
「早く席に着こうね」
「早く食べようね」
家庭だけでなく園生活などでもこのような声掛けを頻繁に聞いている子ども達にとっては、「じっくり・ゆっくり」なモンテッソーリのおしごとは、心地良く感じられない部分もあるかもしれません。また「早くやりたい」という発達段階にいる児童期のお子さん、過渡期のお子さんには、なおさらそのような傾向が見られるでしょう。
ただ、経験から言えることは、その一要素ゆえにモンテッソーリの算数教育を丸ごとスキップしてしまうのは、あまりにも勿体なさ過ぎると感じます。ついつい親の苦手な部分、子どもの苦手な部分があると、何とかそこを回避して、別のルートを通れないかと考えがちですが、実はその苦手な部分に大きな成長の鍵が隠されていることは少なくありません。もう、これは数えきれないほど我が家も通った道です。
娘は今でも並べるという作業が大好き。
それに比べ、母は大の苦手^^;
どう頑張っても、母の手からは美しさが生まれないため、我が家は娘自身がチャレンジするしかなかったのかもしれません(笑)。
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