最近、大学院のクラスではアメリカの学区のケーススタディーをグループで進めています。
「いかに公平性が守られているか」
その学区の生徒・保護者のインタビューを含む様々なデータから検証するという初めての経験です。
毎週Zoomでミーティングを行い、朝晩グーグルチャットで話し合う日々。
グループのメンバーは、母を含めて5名。
公立高校教師(インクルージョン)が2名。
公立中学校教師が1名。
モンテッソーリ中学校のモンテッソーリガイドが1名。
大学のアドミニストレーター(母)が1名。
という構成。
この日は、課題図書のリーディングディスカッションの日でした。
人種差別というなかなか話しづらいトピックについて、如何にオープンになれるか。
そんなことが試される時間です。
母以外のメンバーはすべて白人のクラスメートたち。
「日常で、White Privilege(白人の特権)を感じるか」
という母からの質問に一瞬言葉を詰まらせたグループのメンバーたち。
彼らは日頃教師として思春期の生徒たちをガイドしているプロ集団。
けれども、不躾とも取れるこの質問に、ためらった様子は隠せませんでした。
しかし一人のメンバーが口を開くと、次々と溢れ出てくる皆の想い。
終了時間を過ぎても、まだ止まらないディスカッション。
こういうセッティングだからこそ提起した質問だったとは言え、この無礼を謝ると…。
『僕たちには最も必要な質問だったと思う。』
そんな言葉を残してくれた彼らたち。
その様子を夕食の席で娘に伝えると、後日、帰国子女保持教室のライティングで同様のトピックについて綴っていました。
『ホームモンテッソーリ、最高の学びは食卓の上』
今までモンテッソーリガイドである恩師から何度も言われた言葉。
どこかホームモンテッソーリというと、あらかじめ準備したおしごとこそが「モンテッソーリ教育」だと錯覚しがちですが、実は食卓での会話こそが、一番の種まきの場所であるということがよく言われます。
まさに娘を通じて実感。
母の日常の一コマの出来事を通じて、広いこの世界で起きている軽視できない現実に触れたようでした。高学年に入り、「平等」「公平」であることへの信条が今まで以上に強固になっている彼女にとって、拾わなければならない種だったのかもしれません。
◆◆
今週は、こちらを読み進めています。
著者の悲痛な叫びが胸を刺すこの1冊。
この世界に生きる者として、いつか娘にも読んでもらいたいと思う書籍です。
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