真のモンテッソーリアンに近づくための1冊 | モンテッソーリな時間~バイリンガルに魅せられて~

モンテッソーリな時間~バイリンガルに魅せられて~

中2の娘とワーキングママによる2歳からのホームモンテッソーリとバイリンガル育児の足跡を綴っています。

 
15年以上も前に初版が発行されたにも関わらず、未だに読み切れていない1冊があります。
 

発達心理学の専門家、アンジェリン・リラード教授による名著。

お名前を聞いてピンときた方もいらっしゃるかもしれません。

母の最も尊敬するモンテッソーリアン、ポーラ・リラード先生の娘さんです。

 

 

 

 

この本の序章はこのようにスタートします。

 

20年前、私はモンテッソーリに懐疑的でした。モンテッソーリの教師養成コースを受講しましたが、科学的に裏付けられた考えと単なる意見とを区別することができず、苛立ちを感じていました。また、モンテッソーリの先生に会ったこともありますが、その先生は、子どもについて学ぶことよりも、自分のヒロインを支持することに熱心だと感じました。(Lillard, 2017)

 
モンテッソーリ教育に懐疑的というのは、案外多くの方々が経験しているかもしれません。
 
この書籍のタイトル“Montessori: The science behind the genius(天才の背後にある科学)”にもある通り、『科学的裏付け』がモンテッソーリ教育のキーワードです。彼女はこの書籍の中で、証拠が裏付けられていない部分と裏付けられている部分を指摘を明確に行っています。
 
モンテッソーリのワークショップではこの本がメイン書籍として使用されるほど、モンテッソーリアンの中では読み込み、自分の中に落とし込むことが真のモンテッソーリアンとなるための第一関門とされているような印象を受けます。
 
序章だけを見ても、多くのモンテッソーリ書籍と一線を画すると気付きます。
なのに、なぜ未だに読了できていない1冊なのか。
 
500ページ近いというボリュームや訳書が出ていないという理由ももちろんありますが、母にとってはアメリカ社会における背景知識があまりにも不足していたと感じます。
 
第1章では「教育の危機に対する答え」としてモンテッソーリ教育が述べられているものの、アメリカの高等教育に至るまでの学校教育に対して基礎知識が乏しく、なかなか実態を掴めずにいたという部分があります。今回、大学院に入学してアメリカの教育の歴史にしっかりと向き合い、現場の教師である受講生たちから話をたくさん聞く中で、アメリカ社会におけるモンテッソーリ教育の立ち位置が少しずつ見え始めています。
 
もしかすると、今なら読了出来る日も来るのかもしれないと、初めて感じています。
 
モンテッソーリ教育に魅せられているからただすべてを受け入れるのではなく、現代科学では未解決で、さらなる研究が必要なものを指摘するリラード博士の実直な姿には、モンテッソーリ教育をさらに深く理解しようという想いが感じられます。
 
大人の都合や誤解ではなく、子どもを観察し洞察することに基づいた従来の教育方法とは全く違うものを構想したモンテッソーリ教育。どれだけ時が経っても色褪せない普遍的なこの教育が、現代社会の希望であると改めて感じます。
 
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今朝の朝読はこちら。
教育そのものについて多くを考えさせられる時間です。
 
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