小4娘の『2歳からのホームモンテッソーリ♡ときどき英語』。
よろしければ自己紹介もご覧ください。
モンテッソーリ教育の根底に流れると言われている思想「コスミック教育」。
この言葉を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
しかし、モンテッソーリの著作においてはそれほど多く出てくるわけではないこの言葉。
暗示的に用いられていることから、なかなかこの「コスミック教育」を理解できないという声をよく聞きます。
教師養成講座を受講していても、母自身、そんな霧に包まれた時期が何年も続きました。
前之園幸一郎先生によると、
モンテッソーリのコスミック教育とは、子どもたちが彼らのレベルで宇宙全体には統一的計画が存在しており、生命の多様な形態の存在のみならず、地球そのものの発展真価もそれに依存していることを学習し認識することだと要約できる。(「モンテッソーリ教育用語辞典」、クラウス・ルーメル、学苑社、2011、93頁)
うーん…。
分かるような分からないような…^^;
けれども数多くのモンテッソーリアンと議論を続けるにつれ、自分の中でストンと落ちた瞬間がありました。それは、自身もモンテッソーリ教育を受けて育ち、AMIのトレーナーである恩師の言葉。
「コスミック教育とは、学習対象の間の自然なつながりを尊重し、子どもの興味をベースに、あらゆる知識分野へ広げていくアプローチ」
残念ながら母が受けてきた学校教育とは真逆ともいえるアプローチ…。
ここに教育の本質的な原則を見出したモンテッソーリ。
詳細を教えることは混乱をもたらすけれど、学習対象の間につながりを作ることは知識をもたらすと発見したのです。
我が家の小4の娘の学び方を見ていると、コスミック教育が根付きつつあることに気付かされます。例えば、前回記事にした都道府県の地図作り。一番最初に出会った「北海道」で彼女が大きな関心を抱いたのは『釧路湿原』でした。
学校教育に当てはめれば、一見スタートは「社会(地理)」の勉強。しかし学べば学ぶほど、湿原の保護の仕方、生息する野生動物、湿地の生態系、ラムサール条約などなど。植物学、動物学、生態学、歴史…など、自然界における生物相互の関係やつながりを、彼女自身が見出し始めています。学校では科目に分類されている学習も、ホームモンテッソーリでは境界線がありません。もはや、学びのメニューには制限がないのです。
出発点は子どもから。
終着点も子どもから。
大人があらかじめ用意した「始めと終わり」の決められたテーマ学習とは異なるモンテッソーリのコスミック教育。子どもの興味から出発し、満足したら自分で終えるこの一連の流れは幼児期のおしごとと全く同じです。
知識を身につけるよりも豊かな経験を日々していく我が家の9歳がちょっぴり羨ましいと感じている母です。
★★
コスミック教育について深く知りたい方におススメの1冊。現在入手困難なようですが、図書館などで機会があったら、ぜひ手に取ってみてくださいね。
ご訪問、誠にありがとうございます