先日モンテッソーリ教育のエレメンタリー に関する記事を書きましたが、ここ最近強く感じていることは、モンテッソーリ教育における鍵となる年齢は6歳ではないかということ。これは、まったくの個人的な印象ですが、今まで一生懸命向き合ってきた日常生活の練習、感覚教育、言語教育、算数教育などは、まさにこの「6歳」という年齢への助走であったかのような気がするのです。もっと言ってしまえば、ここからが本番。だから、モンテッソーリ教育を幼児教育と位置付けてしまうのは、勿体なさすぎる。
シスター・クリスティーナ・マリー・トルードウ著『コスミック教育の形成―インドにおけるモンテッソーリ』 の中に、こんな言葉が記されています。
子供達が6歳の誕生日を迎える頃までには、その知覚技能や、運動技能が洗練されて来ます。記憶力や想像力は強くなる。この知的発展段階では、子供達は自分達の発見したものを確認し、生命の全体像を組み立てようとする。この発展段階に於て、子供達は極めて直感的で、至高の存在に大きな信を置いているのです。
この時期の子どもたちにモンテッソーリが用意したのが「宇宙意志に基づく教育計画」。生命と自然の相互作用を子どもたちに明らかにし、生命の循環をあらゆる角度から学習することによって、子どもたちは「広大な時間と歴史に対する感覚」を吸収するといいます。自然と生命の疑問から、これらの調和の大切さを知り、この世すべてのものが相互依存をしているという全過程を6歳という年齢を境に、学んでいく。そんな本当の意味でのスタートが6歳なのではないかという気がしてなりません。
モンテッソーリ教育に於ける個々の「おしごと」は馴染みがあっても、彼女が目指していた世界観とは一体どのようなものだったのか。ここに辿り着くまでは相当時間を要した気がします。けれども、あと半年で6歳という年齢を迎える娘を前に、やっと母も少しずつ理解できる部分も増えてきました。
69歳という高齢でインドに渡る機会を得たモンテッソーリ。7年間の滞在の中で、彼女の残した遺産は多いといいます。けれども、インドでもモンテッソーリ教育というと、義務教育ではない就学前学校や幼稚園と同義になっているようです。初等教育レベルとなると、どうしても現実主義的方法が採られ、実学が重んじられてしまう。まさに、現在の日本と同じ現実と言えるでしょう。
現行学習指導要領にある"「生きる力」=知・徳・体のバランスのとれた力"という言葉。「確かな学力、豊かな心、健やかな体」という3つのキーワードの重要性を感じながらも、どこかこの世界をもっと大きな視野で捉えて欲しい。そんな欲張りな想いもついつい出てしまいます。
コスミック教育を知れば知るほど、自分の生きている空間が広がっていく想いがする今日この頃です。
✳︎ モンテッソーリ教育(エレメンタリー)の下に、「コスミック教育」を追加しました。
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