11月3日
「三連休のなか日に、いい歳の若い奴が四人で古着屋かね?恥ずかしくないか?」と尋ねたら、「ぜんぜん、どうせヒマにしてるだろうと思って、わざわざ来てやったんですよ」と返ってきました。「それは、どうも、おおきに」
そんな中において、彼は寡黙で真面目、数少ない常連さんの中でも更に希少な若い友達ですね。
今回はLeeのデニムジャケット、店頭に新しくディスプレイしたら、入って来て見た途端に掴みましたが、
赤のボタスタといい、僕の好きなチョイスです。僕もこういうのが粋だとハタチの頃は思ってました。し、今も思ってます。
いいですね。
そういえば、彼はこの前、チノパンも買ってくれたなと思い出しました。
彼はビンテージと相性が良いのかもしれませんね。
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こちらは60年代のワークパンツです。
ミリタリーのパンツ同様にビンテージの定番で何にでも合わすことができる万能のパンツです。
このスタンプはビンテージの証です。
コインポケットが付きます。
ジッパーはグリッパーです。
ワークパンツには裾の両サイドを糸で簡単に留めたダブルの仕様のものが多いです。
ウエストは80センチくらいで良いコンディションです。
16800円+tax
11月1日
土井の旦那さんは、奥さんを新興宗教団「タマビカリの業(ワザ)」から脱退させてくれたら、僕に報酬を払うと言った。もちろん断ったが、その高額な金額に驚いた。このままだと、どうせなくなってしまうお金だから救ってくれるんなら喜んで払うと言う。旦那さんの苦悩の大きさを感じるが、他人の人生や家庭にとって、何が良くて何が悪いなどと僕如きが判断できないし、ましてや、しゃしゃり出るものでもない。
金儲けが目的なら別だが、僕は単なるボランティアの男です。
広告のセールスマンとして町を巡り歩いていた時のことだが、一軒の開店間際のキャバレーにとび込んだ。店長に売り込みをしようとしたが、その時、キャバレーの店長は、ショータイムに雇った一人の女歌手に、こんこんと説教をたれていた。聞くともなく耳に入ったその話によれば、雇ったその女歌手は、宿舎で、毎朝、気味の悪い念仏を唱えるらしく、その為に、寄宿する他の芸人が迷惑をしているというのであった。信じなければ歌えないのかという店長に、太ったその女歌手は、何も抗弁せずに、頭を下げていた。新興宗教嫌いの店長は、「だいたい、あんなもの」と、悪し様に気がたかぶって、コロコロした女歌手の体がまるで仏の糞でふくれあがったもののように見下ろしていた。
群れになると、道を開けたくなるが一人だと孤独だなあと、いくらか同情した面持ちで僕も見ると、女歌手は目をこすりながらちぎれた数珠玉をつなぎ合わせた。襟垢の目立つ白いステージドレスはチャボの羽毛を思わせたが、店長の説教に頷いた後、そのドレスを引き摺るようにして、彼女はステージに向かった。津軽海峡冬景色を歌う鼻声が、店長に広告の売り込みをしているさなかに、ステージの方から聞こえてきたが、三番から突然、念仏に変わった。僕の広げる資料を払って、店長は「あの女っ」とステージの袖に走ったが、倒れるマイクの音とホステス達の甲高い声の後は、妙に静かになった。資料をたたんだ僕が、店長室から店内を抜けると、ステージの上には誰もなく、ちぎれた数珠玉が散らばっていた。その玉を掻き集めて、楽屋の方に向かったが、脱ぎ捨てられたチャボのドレスがあるばかりで、僕はロッカーの前に、その数珠玉を置いて店を出た。が、靴の紐を直そうとかがんだ時に、ズボンの裾の折り返しに、茶色い数珠玉が一個入っているのに気がついた。その一個をまたロッカーの前に戻しに行こうと思ったが面倒くさく、何キロか歩いてしまった。どぶ川の手摺りにもたれて、それを投げ捨てようとしたがバチが当たるので、また握った。
僕は偶然に仏の試練にかけられているのではないかと、握ったまま何キロかまた歩いた。面倒くささとバチの板ばさみで、そのままアパートまで帰ってくると、急に腹が減ったので、後戻り、大衆食堂で鯖の照り焼き定食を頼んだ。ポニーテールの娘が、鯖の照り焼きにご飯と味噌汁を持ってきたが、鯖の照り焼きは二皿あった。僕は一皿しかたのんでいないと突き返すと、ポニーテールの娘は八重歯ののぞく笑いを見せて、別のお客さんが取り間違って、余った物だから食べてと言った。その食堂の鯖の照り焼きは小振りなので、二皿は願ってもないのだが、好意をそのまま受けては、乞食だと思い、汚い店の造りの中で、貴公子がただ一人、鯖の照り焼きを押しつけられているという具合に、ゆっくりと一皿片づけた。それから二皿めの鯖に手をつけようとした時、このサービスは、拾った玉の恩恵ではないかと、ポケットの中の玉を思い出した。その玉を掴んで、感謝しながら、二皿めを食べればいいものを僕は、その二皿を食べることによって、仏に連れ去られると感じた。そのありがたさによって、仏の罠に落ちる。そう思うと、二皿めの鯖から身を離し、掴んだ玉を、鯖の腹にねじ込んだ。
その途端、鯖の照り焼きは七色に光った。というのは嘘で、玉を捨てるのに良き場所を見つけたかのように、食堂の机から立ち上がった。あら、残しちゃったのと、金を受け取るポニーテールは眉を下げたが、僕は逃げるように店を出た。店の外に立ってからも、鯖を一皿無駄にしたのか、鯖の腹に突っ込んだ玉を無駄にしたのか分からなかった。無駄になるまいとする玉が、皿を片付けるポニーテールの手元に、鯖腹からコロコロ飛び出て、仏の何たるかを語りかけるようだった。ポニーテールは、その玉を忘れていったと後を追いかけてくるような気がして、10メートル歩いた後に振り返った。20メートル行ってまた振り返った。ポニーテールはやってこない。そこで僕自らがUターンして、また食堂の中をのぞいた。玉を押し込んだ鯖の皿は、まだ片付けられていなかった。暖簾の下からのぞいていると、ポニーテールは、茶碗と箸を片付けてから、残った皿の鯖をしみじみと見つめていた。手にとって捨てかけたが、料理人がいる奥に向かって、叔父さん、これ勿体ないねと言っていた。奥の爺いも、ちらっと見ながら、後で焼き直すから、そこに置いとけと答えた。その時、のぞく僕の横をすり抜けて店に入ったサラリーマンが、鯖の定食一つと頼んだ。「あいよ」と受けた料理人の爺いが、ガスに火をつけると、ポニーテールは、「叔父さん、これも焼き直して、二つサービスしちゃうから」と、玉の入った鯖を差し出した。焼き直されるならば、玉も焼けるだろう。それがサラリーマンのところに持ってゆかれ、箸でつままれれば、玉もコロリと出るだろう。何だよ、この店は、こんな玉が入った鯖を食わせんのかと言われかねない。そうとがめられたらば、店の恥になると、僕は店に飛び込み、ポニーテールが奥に差し出した鯖を掴んだ。食べなかったけど、これもらいますと、目をパチクリさせたポニーテールに言うと、握って脂の染み出る鯖を両手で推し包み、何度も頭を下げながら後ずさった。
その鯖はアパートに帰ってから、台所に置きざりにしたが、朝、目を覚ますと、開け放した窓から入った猫が、それを咥えて跳び出した。鯖と玉はこうして去ったが、玉に対する気の使いようを思うと、「神のしもべ」に見込まれたら、イチコロで手繰り寄せられてしまうような気がした。
『玉にさえ、こんなに気を使った僕だもの。こんな仕事出来やせん』そうぼやきながら、僕は、新興教団の看板がかかるモルタルの一軒の前に立つ。
虎穴に入って、迷える者を演じるほかない。
看板には「タマビカリの業(ワザ)」とある。横に小さく、世界玉光文明教団とあるのは、正式名であろうか。
僕は、金メッキのドアノブに手をかけた。
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人気色、黒×赤×白のピルグリム製ニットです。
ブランド、
柄も良いです。
柄部分の編みを変えた凝ったつくりです。
リブ
ビンテージのニットには珍しく、目立つダメージも無く、コンディション良好です。
10月30日
僕のやっているボランティアは庭仕事や家の中の力仕事など、基本的には作業なんですが、時々、作業の合間の世間話から相談事を持ちかけられたりする事があります。例えば3人いる子供のうちに健康に不安のある息子さんがひとりいて、その息子さんへの財産分与の為の遺言書を今のうちに残したい。そうしないと安心して死ねないというような心配事。僕は、そんな深刻な他人の家庭事情にまで入り込むべきではないと思うので、そういうことは司法書士に頼めば良いんでしょうけど、「僕もわからないので取り敢えず市役所の市民相談に行ってみたらどうですか」と言うくらいの助言にとどめておきます。
しかし、時にはもっと厄介ない事を依頼される事がある。その依頼主の旦那さん曰く、奥さんが変てこな新興宗教団にかぶれていて、家にも全く帰って来ず、お金をそこに全部注ぎ込んでいる。このままでは家庭が崩壊してしまうが、自分にはなんとも出来ない。そこで、かわりに奥さんをその新興宗教団から救い出してくれないだろうかと僕に頭を何度も下げて頼むのです。
無理である。
丁重にお断りするんですけど、困ったことに、旦那は僕に頭を下げ続けて一向に引き下がらない。
そもそも、その宗教が本当に良くないものなのかすら僕にはさっぱりわからないし、無責任に「そんなくだらない事はお辞めなさい」などと奥さんに言うわけにもいかない。
すると、旦那は、「それを確かめる為にも、先ず貴方がその新興宗教団に潜入して、そこで直接妻と会って、辞めるように説得して欲しい」などと、とんでもない事を言い出す。
無茶です。
大学生の頃に、僕の姉から、創価学会の女からしつこい勧誘を受けていて困っているので、撃退して欲しいと頼まれた事があります。その女は美人だというので会ってはみたものの、美人かどうか以前に、歳の頃は二十代後半くらいなのに、なんとも色気が無いのです。色気というのは、やはり煩悩や世俗にまみれた邪念があってこそ、身につくものなのかもしれんと思った。それはともかく、「姉には金輪際近づかないでいただきたい」と言ったら、女は姉の代わりに僕を誘い出した。
なんでもその集会には松竹の映画関係者が多く来るそうで、中に芸能プロダクションの社長もいるという事だった。僕はそれに食い付いてしまい、太秦のその集会に参加することにしました。ご存知のように、太秦というのは京都では映画の町として知られてます。集会に顔を出すと、確かに、映画の関係者が多くいました。ちょうど芸能プロダクションの社長もいたので、連れてこられた女に取り次いでもらって、僕はそのプロダクションに入ることが出来ました。僕の役者修行が始まったわけです。デビュー作は確か、テレビの2時間番組で、タイトルは「明治劇剣会」(?)とかいったかな??どうだったかな?永島敏行、柴俊夫に、中井貴一のおねいさんの貴恵さん、そして若松孝二監督作品「水のないプール」でマドンナ演じた中村れい子嬢と共演しました。れい子さんは実に美しかった。他には「必殺仕事人」シリーズなんかにもよく出たかな。
まあそんなこんなで、仕事をもらうために集会には、時々顔を出すわけですが、そうすると、あるじいさんが僕に「君は仏壇を持ってるかね?」と聞いてきた。そんなもん持ってるわけないし持つ気もないが、「いやぁ、それがまだ持ってないんですよ」と応えると、「あげようか」と言うので、そんなもんいらねえよと思ったが「えっ、本当ですか?ありがとうございます」と答えてしまった。が、しかし、とっさにこれはまずいと思い返して、「でも、申し訳なさ過ぎて、とてもじゃないですが、そんな貴重なもの僕ごときが頂けないです」と断った。するとじいさんは「君は若いのに見どころがあるからあげるよ。家を教えなさい。持って行ってあげるから」と言い出した。そんなことされると我家がパニックに陥るので、「わざわざそんなことしていただかなくとも、来週車で引き取りに来ます」と言ってしまった。
それ以来というもの数ヶ月間、僕の車の後部座席には仏壇がころがる羽目になった。
姉からすると、ミイラ取りがミイラになったかたちだ。
厄介である。この手のものは、バチが当たるのが怖くて堂々と捨てることも出来ない。ゴミ出しにも出せない。すると次の持ち主を探すしかないが、周りにそんな奴は見当たらない。そこで、『捨てるのではない、どこかへ置けば良いのだ。そうすると、きっと欲しい人が持って行ってくれる』、いわゆる古典的な「捨て猫方式」を思いついた。でも、そんな事をする事自体が面倒くさく、仏壇は扉が外れ、朽ち果てながらも車の中に横たわり続けて月日は過ぎて行く。
集会でそのじいさんと顔を合わすと、「どう?君、仏壇、拝んでる?」と聞かれ、すぐ近くの駐車場に停めてる車の中で半壊状態で横たわってるにも関わらず、僕は「はい、毎朝、線香立てて拝んでます」と苦し紛れに嘘をつく。すると、「どおりで、君、最近顔つきが変わってきたよ。しっかりしてきた」とおっしゃる。
いい加減なものだ。
しかし、車に乗せる度に友達から馬鹿にされ、自分でも目障りに我慢出来なくなってきた。それに加えて、「君、橋の上から5メートルくらい下の川に飛び込むことが出来るかね?セリフ、けっこうあるよ!」というような毎度毎度のプロダクションの社長からの仕事依頼にも、うんざり嫌気が差し始めた。そんなある夜の丑三つ時、僕は、突如、思い立って、車を岩倉(京都の北のはずれ、貴船の手前)に走らせました。そして、人気の全く無い田んぼの前に車を止める。
それから外に出て、周りを見渡し、人が居ないのを確認してから、仏壇を素早く車から引きずり出し、気合いと共に抱え上げ、一気に目の前の田んぼに放り投げた。つもりが勢い余り、仏壇もろとも、自分の身体も水の溜まった田んぼに転落した。
役者修行じゃないが、まるで死体を遺棄する殺人犯にでもなった気分を味わった。
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50s チペワウールジャケット
着丈が短めで羽織りやすいウールジャケットです。
今に無い、ビンテージらしい色合いのチェック柄です。
このブランドはつくりが大変良いです。
ジッパーではなくボタン仕様です。
樹脂のアジのある古そうなボタン
裾のツーポケ仕様。ハンドウォーマーとしてありがたいです。
こういったジャケットは気軽に羽織れて重宝します。
size S〜M 15800円+tax
10月28日
以前に明楽時運の加藤さんから教えてもらった映画「クズとブスとゲス」を観ました。
登場人物が目障りなほど不快な奴らばかりで、そいつらが最初から最後までひたすら嫌悪感と不快感を撒き散らす作品です。ストーリーもつまらないし、何度か途中で観るのやめようと思いましたが、知らず知らずのうちに引き込まれて最後まで観ました。
後に残るのは、嫌悪感だけと思いきや、この映画のテーマはもしかして商業映画に対するアンチテーゼか?と思えるほど、スポンサーや観客の顔色を一切うかがわない徹底した作りっぷりに、すがすがしさを感じました。
好き嫌いも超えて、おもしろいと言いますか、久々にパンチの効いた映画を観ました。
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60s チャンピオンスウェット
60年代のランナーズタグの付くスウェットです。
定番のカレッジプリントに、色褪せ、ダメージ、リペア。
ビンテージスウェットの雰囲気抜群です。
size M 29800円+tax
10月25日
夜の木屋町から、
先斗町に出て、たこ焼き買って、
最後は鴨の河原でのんびり夜明けを迎えます。
いいですね。
もう少しで紅葉の季節です。
その頃にまたお会いいたしましょう。
ごきげんよう。
さようなら。
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高校生の頃に白シャツにデニム姿の根津さん見て、かっこいいなあと思いました。それで、白シャツってかっこいい服なんだと今だに思ってます。
当時、わざとシワをつけて真似して着るんですけど、高校生じゃぁ、ちょっと早過ぎました。
本日は、そんな白シャツを。
50s〜60sドレスシャツ
オールコットンのマチ付き、ビンテージのドレスシャツです。
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ラフに着たいです。
size M程度 14800円+tax









































