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申し訳ございません。無駄なことばかり書いて無駄に容量を使わせてもらってます。ネットの害です。

相国寺の宝物の展示は道内では初である。今年、承天閣美術館開館40周年記念ということで、春には東京藝術大学大学美術館でも相国寺の展覧会を開催していた。東京藝大の方は展示スペースも大きいこともあってか、かなり俯瞰して相国寺を宝物を見せてくれたが、近代美術館では絵画を中心に展示していた。今回展示の1番の見所は、伊藤若冲の鹿苑寺大書院障壁画でしょう。承天閣美術館でも、入ってすぐに展示されているだけあって承天閣美術館では秘宝中の秘宝かと思う。それと、やはり国宝の玳玻散花文天目茶碗。茶碗として国宝に指定されているのは、たしか8椀しかない。その中の3つは曜変で、玳玻天目茶碗の国宝は承天閣美術館にあるこの1椀のみ。個人的には玳玻天目茶碗より砧青磁の砧青磁茶碗 銘雨龍の方が見応えがあった。この椀の発色も素晴らしいが、横から見るとわかるがこの形状の素晴らしさ。父がよく言っていたのは、昔の陶磁器は形を見ることと言っていたが、ただ三角錐で作れれているのではなく、微妙に形状が美しく形状に変化がある。

絵画は若冲、蘆雪、応挙などを展示してくれているのだが、どうも物足りない。若冲あたり、何点も展示しているが若冲らしい、突拍子もない絵もないし、極彩色の絵画もなく残念。応挙も。承天閣美術館で展示されている応挙の孔雀は貸し出ししてくれなかったのかなと思ったりした。あと、等伯も展示してほしかった。それでも、蘆雪にしては大したことないが大きな作品を展示してくれていた。そそ、応挙の朝顔を見て思ったけど、酒井抱一だったか鈴木其一なんかも朝顔を描いているが、朝顔って青は本当にいい色出しているなと思う。

 

なんだろう、玳玻天目茶碗や鹿苑寺大書院障壁画など、すごい作品が展示されているのだけど、何を目玉としているのかよくわからない展示だった。せっかく鹿苑寺大書院障壁画を貸し出してくれたのであれば、これをもう少し立体的に見せてくれても良かったと思う。他の部屋がどのような配置で描かれていたのか映像で良いから体感できるようにするとかしてほしかった。

北海道の作家、小檜山博が泉鏡花賞を受賞した小説。

滝上の山奥から物語がはじまる。小檜山博の出身が滝上なので、自分に置き換えて書かれているのではないかと思う。そして憧れの女の子が栗子。

今の時代も、女の子は地方から都会に出ていき、都会の眩しさに心も身体も染まっていくのはよくある話。

この物語の中でヨーク松坂屋とススキノにあった百貨店がでてくる。と言う事は、この物語は1980年から1990年くらいの話になる。この時代で、熊の毛皮のチョッキを着ている時点て、違和感を感じるが、それがこの物語をちょっと読む側を引き込むようにしているのかと思う。ただ、栗子に会いに行った時に栗子は、スーパーの店員をやめていて夜の仕事をしている。そんな生活をしてる子が、熊のチョッキを着て裸足で歩く友人と、いくら幼馴染でも一緒に銀座を歩くのは少し抵抗を感じてほしかった。

この仙作、父親との関係が出てくるが、50才くらいの子になる。残念なのは、何故か母親については殆ど書かれていない。なので、何故、仙作がこのような子になったのかよくわからないのが残念。

この数年前に村上龍の限りなく透明に近いブルーなんか読むと、やはり都会の文体かなと感じるが、この泥臭い小説感は北海道と言う感じがする。

個人的は、栗子のエピソードは良かったんだけど、最後の火砂子とのエピソードは、バッドで終わって欲しかった。

 

この映画も何回見たかわからない。ブロークバックマウンテンは生涯見た最高の映画の1本。

今回見て気になったのはジャックはバイセクシャルだが、イニスはジャックとの友情から関係になったんだと、ここにすごく心をもっていかられた。この感情って、異性間の恋愛より複雑で世間の目を気にし無いとならない時代だったと、イニスの父親のエピソードで説明している。なんだろう、こうゆう映画を見ると、脚本がしっかりとしているから2時間でちゃんと説明してくれる。

 

何度見ても、ヒースレジャーの演技は素晴らしい。自分の感情をあまり出さず、見ている側を不安にさせてくれる。そのせいでジャックと関係をもってしまったことでの、どうしょうもない気持ちと世間に対しての不安な感情を本当にうまく演じている。それと、アルマのミッシェルウィリアムズの演技。イニスとジャックが再会して抱き合っている前後シーンの演技は、私、個人的には映画史に残るシーンだと思う。とくに顔を見せずに、背中だけであれだけ不安な気持ちを表現できるのは、本当に素晴らしい女優だと思う。

そしてこの映画は、どの役にも感情移入ができる素晴らしい映画。もちろん、アルマもそうだけど、ジャックの奥さんの親の気持ちのなんとなくわかる。そして、イニスの長女の気持ち。お父さんが好きだけど、お父さんは子供の気持ちをうまく受け止めることができない。ただ、最後にどんな時も仕事を優先していたイニスが、娘のために娘の結婚式を優先したのもジャックとこれから一緒に入れるという深い意味があると思う。

 

この年のアカデミー作品賞がこの映画ではなく「クラッシュ」というのもよくわからい。そして、この年のアカデミー男優賞と助演女優賞もノミネートで終わっている。ほんと、アカデミー賞はわからん。

アンリー監督の最高傑作。