「経営とは何だと思いますか」

という問いかけに対して、

ある経営者は

「会社を存続させることだ」と

明快に答えました。

高邁な理念を掲げても、

会社が潰れてしまっては

元も子もありません。

時代の荒波に

揉まれながらも踏み堪え、

苦難を経験するたびに殻を破って、

会社は成長していくのです。

こうした苦労と努力こそが、

経営の本質といえるでしょう。

「商いは牛のよだれ」

という諺があります。

商売というものは、

一時的に大儲けしようとすると

失敗するので、

地道に、

気長にするのがよいという意味です。

経営とは継続して

繁栄させていくことであり、

まさしく

「継栄」なのです。

 さらに、

会社は存続し発展することによって、

企業としての社会的責務を

果たすことになるともいえるでしょう。

大企業といえども存続で

きるという保証がない時代です。

息の長い会社とは、

油断をせず、

真面目で本気で取り組む社員の集団なのです。


お客様本位に地道な努力を積み上げ、

多くの人々から必要とされ続ける

会社を目指したいものです。

 私たちは、

家庭や職場において、

お客様を迎える立場になったり、

逆に客の立場になることがあります。

では、

「良い客」とは

どのような客でしょうか。

Y氏は航空機で

海外旅行に出かけました。

着席すると間もなくして、

客室乗務員に

「いつもご搭乗ありがとうございます。

どうぞごゆっくりお寛ぎください」と、

ていねいに挨拶され、

Y氏はとても良い気分になりました。

そこでY氏も、

機内食を運んでもらったり、

毛布を届けてもらったりする度に

「ありがとう」

「助かります」と、

感謝の思いを言葉にするようにしました。

すると、

到着一時間前、

その乗務員が自筆の

絵葉書を持ってY氏の席に来たのです。

葉書には

「常に笑顔で接してくださり、

私の方が幸せな気持ちを

頂けた気が致します」と

一筆添えられていました。

彼女は新人で、

今回が二回目のフライトと

いうこともあり緊張していたところ、

Y氏の笑顔に救われたというのです。

「お金を払っているからサービスは当然」

という偉そうな態度では、

良い客とはいえません。

喜びや快適さを共有してこそ、

初めて良い客といえるでしょう。
 「立つより返事」

という言葉を祖父母や両親、

クラブ活動の先輩、

職場の上司などから、

聞かされた人は多いのでは

ないでしょうか。

この言葉は、

「人に呼ばれたら、

立ち上がるよりも

先に返事をすべきである」と

の意味です。

「相手の気持ちに配慮する」

という礼儀の基本に立ちます。

「ハイ」と応えることは、

「貴方に心を向けます」と

合図する大切な行為です。

人は、

用事や伝えたい事柄がある際に、

「○○さん」

「すみません」と

声を掛けます。

この時、

受け手は即座に気持ちよく

「ハイ」と返事をし、

呼んだ人の気持ちに応えます。

返事をせず、

顔だけ向ける人は意外に多いものです。

返事をしない行為は、

「この用事を通して育ってほしい」

「頼りに思っている」など、

好意的に接してくる人たちを

失望させてしまいます。

これでは信頼を得られるはずがなく、

自分が成長するチャンスをも

逃してしまいます。

「立つより返事」は

自己成長の基本と心し、

両者にとってマイナスになる

行為をするのではなく、

即座に気持ちのよい返事で

成長し続けたいものです。

 秋も深まって高い山に

冠雪が見られる頃、

平地では初霜が観測されます。

秋の霜が冷たく

厳しいところから、

鋭く光る刀剣を

「秋霜三尺」といい、

刑罰,

権威などが厳しいことは

「秋霜烈日」とたとえられます。

幕末の儒学者,

佐藤一斎の『言志四録』に

「春風接人、秋霜自粛」

という言葉があります。

「春風のように優しく人に接し、

秋の冷たく厳しい霜のように

自分を慎みなさい」という意味です。

どんなに嫌な相手でも、

腹を立てずに笑顔で接すること、

予想以上の成果を上げても慢心せず、

ますます冷静になって自らを律し、

高い目標に向かって努力をすること。

二者共に実行するのは、

とても難しいことです。

しかし、

感情に任せていつも人と衝突する人や、

自分の手柄を自慢げに吹聴する人は、

やがて周りの人から疎んじられていきます。

自分を中心にするのではなく、

相手の立場に立ち、

自分を客観的に見つめることの

できる慎み深い人が、

他人から信頼されるのです。
仕事に定年はありますが、

人生に定年はありません。

だからこそ健康で

長生きをしたいものです。

しかし年齢と共に、

心身の変化は生じるものです。

アメリカの老人ホームで

『自分のことは自分でする』

という生活指導を徹底したところ、

ボケる割合が減ったという報告がありますと、

装道礼法きもの

学院会長の山中典士氏はいいます。

山中氏は、

ボケないための9つの

法則を提案しています。

1人生に目標を持って生きよう、

2人から見られている意識を持とう、

3仕事や趣味に戯れよう、

4手と足と頭を面倒がらず使おう、

5人のために役に立つことを喜ぼう。

6常に進歩、向上を目指して、

人生に挑戦する覚悟を持とう、

7小さな発見にも驚きと感動を示そう、

8年齢を重ねることに誇りを持とう、

9生かされ守られ導かれているのだという

感謝の念を持とう。

以上の九点です。

人生を楽しく生きがいの

あるものにするために、

前向きな思いや行動を心がけ、

未来を明るく切り拓いていきましょう。