私たち人間は、

自然の中で生きている以上、

その法則に従わなければ

様々なトラブルに見舞われます。

昨年の秋は、

スズメバチに刺される人が

例年より増えました。

スズメバチに刺されると命にかかわるため、

最大限の注意が必要です。

昆虫学が専門の玉川大学・

小野正人教授は、

「九月から十月にかけては、

スズメバチの巣が最も大きくなり、

個体数も多い時期。

女王バチを産む作業に入っているため、

外部からの刺激に非常に敏感になっている」

と警鐘を鳴らします。

特に近年は暑い日が多く、

蜂の活動が弱まる寒い日が少ないことで、

スズメバチの巣が大きくなっている

可能性があるそうです。

「自然をあるがままに受け、

必要な手立てをして反抗しない。

偉大な力であると敬い畏れ、

和やかな心で親しむ」。

それが自然と向き合う必須の心構えです。

これから本格的な寒さの

時期へと向かいます。

寒さを防ぐ工夫をしながらも、

寒さを嫌わず積極的に楽しむ心で生活したいものです。

女性経営者のIさんが

初めて倫理法人会の会合に参加した時、

同会の歌「夢かぎりなく」

を皆で斉唱しました。

Iさんも歌詞カードを手に、

ぎこちなく歌っていましたが、

なぜか涙が溢れ出てきて

仕方がなかったというのです。

特に

「ああこの国の誇りかかげて 

夢をつたえる われらのつとめ」

「ああ父母に涙ささげて 

夢をかなえる われらの未来」

という一節が、

Iさんの心の奥に潜んでいた

「夢の実現」という琴線に強く触れました。

今日まで歩んできた彼女の人生が、

歌詞によってフラッシュバックし、

未来に向けた熱き思いが

涙として溶け出してきたのです。

その後、

自社の朝礼の中で

「今月の歌コーナー」

を設けたIさん。ジャンルを問わず、

担当者がセレクトした心に沁みる歌詞を、

全員で味わう毎日です。

歌には、

その人の人生を変える威力があります。

社歌や会歌などの持つ

詞の意味を改めてしっかりと味わい、

心を込めて歌いましょう。

勇気の源として、

自戒として、

そして生きる糧として、

歌を傍らに置いておきたいものです。
現代を生きる私たちが、

見失いがちなものがあります。

それは人と人とのつながりの大切さです。

人間関係が希薄化し、

心の砂漠化が進んでいるという

指摘がされてから、

久しくなります。

また近年、

「無縁社会」

という事態がマスコミで

報じられるようになり、

問題視されています。

「縁」

という言葉には、

つながりや結びつきという意味があります。

これが、

さらに強く太く結ばれた状態が、

「絆」といえるでしょう。

この縁や絆には、

大きな特徴があります。

それは、

形あるものとして目に見えないということです。

それだけに、

いつも心を向けて意識していなければ、

時の経過と共に記憶の彼方へと薄れていき、

疎遠となってしまうのです。

人と人とが支え合っていくために

手軽にできる方法は、

互いに声を掛け合うことです。

薄れた縁は切れやすくなります。

座して待つのではなく、

自ら積極的に人とのつながりを

強くしていきたいものです。
 「人はどういうところで、

いちばん良い考えが浮かぶか」

について、

中国の欧陽脩が遺した言葉が

「三上」です。

 三上とは、

「馬上」

「枕上」

「厠上」のことです。

馬上とは、

今でいえば電車やバスなど

乗り物の中です。

枕上とは、

文字通り枕の上に頭を置いている状態で、

床の中に入っている時になるでしょう。

厠上とは、

トイレの中です。

トイレに新聞や雑誌を持ち込んで

「読書」に耽る人もいるようですから、

集中するには打ってつけな

空間といえるのでしょう。

他のことをやっている時に、

発明や発見に連なる考えは閃くようです。

三上は、

最適の場所といえるのかもしれません。

日本人で初めてノーベル物理学賞を

受賞した湯川秀樹博士が、

常に枕元にメモ用紙と鉛筆を

置いていた話は有名です。

大事なことは、

その閃きをそのままにせず、

すぐにメモを取る習慣を身に付けることでしょう。

時間が経てば、

すぐに忘れてしまいます。

いざという時に妙想を捉える習慣を、

日々の中で養っていきたいものです。
Aさんは紅葉狩りを兼ねて、

夫婦で一泊の温泉旅行に出かけました。

軽井沢の観光地を巡り、

夕刻、

草津温泉の日本旅館に到着しました。

心地よい出迎えを受けた後、

さっそくAさんは露天風呂に入りました。

ふと壁に目を向けると、

木札が吊るされています。

そこには

「むしさんやはっぱさんがあそびにきたら、

そっとかえしてあげてね」と

書かれていました。

日本特有の

「おもてなしの心」が、

人間のみならず

虫にも落ち葉にも向けられていることに、

Aさんは深い感動を覚えました。

 旅館側のお客様に対する

「おもてなしの心」

で癒されたAさん。

客である自分も、

いつの間にか

「おもてなしの心」

で一杯になっていることに気づきました。

虫や落ち葉のみならず、

衣服にも履き物にも布団にも、

そして食べ物にも、

「おもてなしの心」

を向けている自分がそこにありました。

日々の忙しさに

振り回されていたAさんでしたが、

一泊の温泉旅行が新しい

旅立ちの日となったことに、

深い感謝の気持ちを禁じ得ませんでした。