新入社員のT君は、

購買部門に配属されました。

先輩の指導を受けながら、

順調に仕事を覚えていきました。

しかしある日、

少し気を緩めた隙にミスをし、

得意先よりクレームを受けてしまいました。

すっかり元気を失ったT君に、

M部長が

「喜んで今回の失敗を受け入れたらどうだ」と

アドバイスしたのです。

意味がわからずにキョトンとしているT君へ、

部長はさらに付け加えました。

「失敗した時は、

そこから目をそらさずに受け止め、

素直に反省して原因を考えていけば、

次につながるヒントが必ず見つかる。

いつも失敗ばかりするのは、

その反省を怠って、

ぼんやりとしたままで過ごしているからだ」

たとえ失敗しても、

素直に事実を受け入れたなら、

必ず良い教訓が得られます。

周囲に生じることは皆、

自己成長のチャンスに変わるのです。

M部長の言葉に目が覚めたT君。

「ありがとうございます!」と

大きな声で礼を言い、

以前のように颯爽と商談に向かったのでした。
アフターサービスという言葉は、

アフターとサービスを

組み合わせた和製英語です。

辞書には「製造業者や販売業者が、

商品を売った後もその品質を保証し、

点検や修理の相談に応じて

客に奉仕すること」と説明されています。

戸別訪問の営業は、

お客様の元へ頻繁に通い熱意を示します。

製品の良さを理解してもらい、

ようやく契約にこぎ着けるものです。

しかし、

その後はパッタリと訪問が途絶え、

売りっぱなしになっている場合が多いようです。

営業マンに勧められた商品が、

素晴らしいものであればあるほど、

購入者は<親しい人へ紹介したいという

心理が働きます。

それは「顧客が次なる顧客を呼ぶ」という、

良き循環作用といえるでしょう。

事業の継続と拡大は、

リピーター客を増やすと共に、

新規客をいかに獲得するかにかかっています。

その上で欠かせないのが、

事後の熱心さです。

会社を存続させるには、

販売後のフォローこそが大事です。

お客様が他のお客様を呼んでくれるような、

熱い仕事ぶりを心がけていきましょう。

営業事務の

仕事をしているM子さんは、

業務上で親しくなった

お客様を自宅に招き、

ホームパーティーを開くことになりました。

ところが喜んで決めたものの、

その日が近づくにつれ、

M子さんは悶々としていました。

夜遅くまで仕事をしているため、

家の中が散らかっているからです。

実際、

とてもお客様を迎えられるような

状態ではありませんでした。

しかし、

日頃から大変お世話になっている方々でもあり、

皆さんに気持ちよく過ごしてもらいいと思い、

毎日一ヵ所ずつ掃除をしよう>と決意しました。

掃除を始めると、

いろいろな場所が気になり、

日常生活では目が届かない

所まで綺麗にしました。

その結果、

お客様を無事に迎えることができたのです。

このパーティー開催が

良いきっかけとなりました。

部屋に無駄な物がなくなり、

さっぱりとした気持ちで、

日々を過ごせるようになったのでした。

いつもとは違う出来事が、

自己の生活スタイルを

見直すチャンスとなります。

きっかけを活かすも逃すも、

自分の意識次第と心得たいものです。
万物万象のすべてが、

自然界の法則に従って

存在しています。

私たち人間の生活も、

自然界の法則からは

一歩もはみ出すことはできないでしょう。

見事な人生を築くには、

変えなければならないものは

どんどん変えていき、

変化と共に生きることです。

その反面、

変えてはならないものは、

何があっても守り続けていくのです。

守り続けるべきものには、

会社の方向性を打ち出した

「創業精神」

「経営理念」

「社是・社訓」があります。

これらは経営の道として厳守していくものです。

加えて、

会社独自の技術・

サービスを生み育て、

地域社会に貢献すると共に、

関係者が豊かで安定した人生を

送れるようにすることも欠かせません。

個人として留意すべきは、

すべての基本を守り抜くことです。

気持ちの良い朝起き、

明るい挨拶、

思いやりの精神を育てる清掃、

気づいたらすぐする即行、

感謝を込めて行なう後始末などに、

さらに磨きをかけていきましょう。

毎日の基本となるものは、

変わりようがないと知りましょう。
聖徳太子の

「憲法十七条」には、

「和を以て貴しと為す」など、

当時の官吏に対する心得が示されていますが、

その十四番目には嫉妬を戒める言葉があります。

智慧が自分より

優れているといっては喜べず、

才能が勝っているといっては

妬むという具合に、

人の嫉妬心には際限がないことを

指摘しています。

「嫉妬の患、

其の極を知らず」

という言葉で太子が表現したように、

このような状況では

優秀な人材は得られず、

それでは国は治められないというのです。

他人を羨む気持ちは誰もが

持っています。

しかし、

それが高じると妬みになり、

自分を卑下する思いへと変化します。

そのような時は

「自分の仕事は何のためにあるのか。

この仕事は誰の役に立っているのか」

を振り返ってみましょう。

その意味を自覚した

上での他者との比較は、

「卑下や嫉妬」を超えて、

自己向上のための

「反省と努力」へと向かうはずです。

仕事に上下の差はありません。

自分がこの職場に存在する意味を自覚しつつ、

仲間と持てる能力を磨き合う、

そんな職場にしていきたいものです。