幼少期の子供は、


両親など保護者のもとで可愛がられ、

大切に育てられるものです。

好きな遊びに没頭させてもらい、

食事は味付けに工夫して

食べやすく調理されるなど、

愛情をいっぱいに注がれます。

成長する過程で、

甘える気持ちは薄れていき、

やがて自立心が芽生え、

自分のことは自分で行なうようになります。

また大人のすることを真似するようになって、

厳しさを求めるようになっていくものです。

近年、

学校を卒業して就職してもなお、

生活面や経済面で

親に甘える心を捨てきれない

若者が増えています。

好きなものだけを食べ、

気の合う人としか話さず、

人間関係も稀薄化しています。

これでは一人前の社会人とはいえないでしょう。

幕末の武士・

橋本佐内は十五歳にして自著

『啓発録』の中で、

親への甘えや怠け心といった

「稚心」を捨てなければ、

人は成長しないと自他を戒めました。

怠け心、

ごまかす心、

甘え過ぎる心、

厳しさから逃れる心を捨て、

社会人として一人前の仕事が

できるよう心を傾けたいものです。

学生時代は野球部で体を鍛えたAさん。

余暇にはボランティアに参加し、

就職に有利な資格を取得して、

就職活動に臨みました。

その甲斐があり、

就職難の中でしたが、

念願のマスコミ関連の企業に

就職することができました。

入社式後の新入社員研修でのことです。

初日は社長自らが研修を担当しました。

Aさんは休憩時間に社長と話す機会を得て、

「私のどこを評価してくださったのですか?」

と尋ねました。

すると社長は

「挨拶が抜群に良かった。面接室に入り、

さわやかに『よろしくお願いします』

と挨拶した瞬間に、採用が決まったよ」

と言ったのです。

その言葉を聞いたAさんは、

学生時代の活動実績や資格の有無ではなく、

一瞬の挨拶で決まってしまったのかと

拍子抜けするものがありました。

しかしすぐ、

その挨拶ができたのは、

幼少期から両親や祖父母が厳しく

躾をしてくれたからだと

思い起こしたのです。

Aさんは日常生活における、

何気ない態度の重要性を実感したのでした。

感動体験は人の脳に良い刺激を与え、

心に良い影響を与えるといわれます。

そして、

日々の生活に輝きをもたらしてくれるものです。

通勤途中の道で、

Aさんの目に綺麗な花が映りました。

その花は、

コンクリートの隙間から生えており、

必死に生きる姿に思わず足を止めました。

何気なく通る道にこんな

花があったんだと感じたAさんは、

それから毎日

「何かないかな」

と感動を探し求めるようになったのです。

小さな感動を求め、

心のアンテナを張って生活をするようになると、

Aさんの心に変化が現われ始めました。

感動を見つけるたびに心が晴れやかになり、

物事を前向きに捉えることが

できるようになったのです。

その積み重ねは、

様々な事柄に興味を持ち、

感動を期待するという、

前向きな心へと変えてくれます。

ほんの小さな感動であっても、

その感情によって何気ない

日常生活が美しく彩られ、

心が明るくなるのです。

身近にある感動探しの旅に、

出かけてみてはいかがでしょう。
Kさんがある日、

散髪に行った時のことです。

行きつけの理髪店ではなく、

その日、

たまたま入った店でした。

Kさんは、

従業員の接客の良さに驚かされました。

馴染みのお客様との会話も楽しそうでした。

初めて来たお店という雰囲気も、

不思議と感じさせません。

理容師と会話をしながら、

いつの間にか自分の悩みを

話していたKさん。

これまでは格安の理髪店に

行っていましたが、

理容師の接客態度の素晴らしさに、

料金のことはすっかり忘れていました。

散髪料金は今までの三倍でしたが、

お金を払う時、

少しも惜しいと思いませんでした。

接客・サービス両面に大満足したKさんは、

月に二回この店に行くようになりました。

そして今では常連客となったのです。

従業員一人ひとりの言葉と態度が、

Kさんを<また行きたいという

気にさせたのです。

お客様に何を提供するのかを考え、

お客様が何をしてもらいたいのかを知ることが、

商売のコツといえそうです。

<人生は、

楽しく面白いことばかりではありません。

辛く苦しいことも多いものです。

しかし、

辛いから苦しいからといって、

逃げ出してばかりいたなら、

いつまでもその辛さや

苦しさから抜け出すことはできません。

仕事も同様です。

「この仕事は辛くて嫌だ。

あの仕事は難しくてわからない」

と投げ出したり、

他人に押しつけたりして、

自分は楽な仕事だけをしていては、

自己の成長は見込めないでしょう。

仕事を与えられた時、

「できない」と言って逃げてばかりでは、

その後も実力はつきません。

逃げたいような仕事に向かうからこそ、

力がつくのです。

また、

クレーム処理や売り上げに

直結しない仕事でも、

選り好みをせずに

積極的に取り組めば、

新たな発見は多くあります。

「わからない。できない」

ものにこそ、

前向きに立ち向かう心が

大切なのです。

新しい仕事を任されたならば、

よし、

やってやろうと奮起して、

古い殻を打ち破っていきましょう。
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