Nさんは、

地元の海水浴場で

海開き前に行なわれる

ゴミ拾いに参加しました。

多くのボランティアが集まり、

和やかな雰囲気の中、

ゴミ拾いを始めました。

一見すると、

それほどゴミが

落ちているようには見えませんでした。

辺りを見ながら歩いていると、

リーダーの男性から、

「砂を掘り返すと必ずゴミがあります。

掘り返しながらゴミ拾いをお願いします」

と声を掛けられました。

Nさんは

「流れ着いたり吹き飛ばされてきたゴミが、

時間が経って砂で埋まってしまうのだろう」

と思っていました。

ところが砂を掘り出すと、

ペットボトルやタバコの吸殻、

花火や家庭のゴミと思われる、

わざわざここに埋めたようなゴミが、

ドンドン出てきたのです。

Nさんは皆で使う公共の場での

マナーの悪さを感じながら、

腹立たしさと情けない思いで、

ゴミ拾いをしたのでした。

公共の場所はもちろん、

職場でも自宅でもゴミを散らかさず、

また率先してゴミを拾おうと

決意した一日でした。
会社員のM氏は自他ともに

認める短気な性格です。

そのため、

出張で地方のローカル線を利用する際には、

待ち時間が長くなるたびに、

強い苛立ちを感じていました。

ある夏の日の出張で、

乗り継ぎの電車を三十分以上待たされて、

イライラしながら電車に乗りました。

ずい分待たされたなと

不平不満を抱きつつ、

スーツの上着を網棚の上に載せました。

いつもM氏は鞄と上着を一緒に乗せますが、

この日は違いました。

下車後、

出張先の会場に向かう途中、

M氏は上着を電車内に

忘れたことに気づきました。

駅に戻って駅員に申し出ると、

折り返しの電車で届けてくれることになったのです。

M氏は駅員と車掌の素早い対応により、

スムーズに上着が手元に戻って来たことで、

待ち時間を嫌悪していた自分を

反省しました。

それ以来、

M氏は電車の待ち時間のたびに、

このローカル線での出来事を

感慨深く思い起こすそうです。

他人から好かれる人がいます。

「どことなく温かみを感じる」

「側にいるだけで元気をもらえる」

「愛嬌があって憎めない」

といった人がそうでしょう。

そうした人柄に引き寄せられて、

人は集まってきます。

どこにそんな魅力があるのだろうと

不思議に思うことさえあります。

他人から好かれるという状況は、

蝶やミツバチが花の甘い香りに

誘われて集まってくるのと似ています。

好かれる人は、

花の蜜のような人を心地よくする

「気」を発しているのでしょう。

そうした人の共通点は、

サービス精神が旺盛な点です。

「進んで人の世話をする」

「こまめによく動く」

「キツイ仕事を嫌がらない」

「頼まれる前にきちんと手を打つ」

などの行動が、

自然とできるのです。

好かれるためのポイントは、

「人を喜ばせよう。

相手に喜んでもらおう」

とする心がけにあるようです。

損得勘定や下心のない無償の行為が、

人の心に好感を与えるといえるでしょう。
「こだわり」

という言葉は、

些細なことを必要以上に気にするという、

やや否定的な意味で使われてきました。

しかし最近では、

「素材にこだわって作った料理」のように、

何かをとことん追及するという

肯定的な意味でも用いられます。

美味しいそばを作るために、

そば粉と水に徹底的にこだわる店。

お客様に心から満足していただこうと、

最高のもてなしにこだわるホテル。

その店や会社ならではの

「こだわり」が必ずあります。

繁盛店や成長企業の共通点として、

この肯定的な

「こだわり」を見ることができます。

そうした「こだわり」

を支えているのは、

仕事に対するその会社のプライドだといえます。

それは「お客様に喜んでもらおう」

「お役に立ちたい」といった強い思いです。

その思いがなければ、

仕事は空回りするだけでしょう。

自社の掲げる

「こだわり」は何かを、

私たちは知っているでしょうか。

しっかりと確認して、

仕事のレベルアップにつなげていきましょう。

A氏はある日、

先輩のB氏から

「人を尊敬し、

人に感謝することによって人間は立派になっていく。

それだけではなく、

尊敬され、

感謝される人も、

ますます立派になっていくものだ」

と教えられました。

B氏の言葉は、

A氏がこれまで一度も

考えたことのないものでした。

故郷を出て十五年あまり、

自分の実力で高校・大学へと進学し、

さらには現在の会社にも入社し、

それなりの業績も上げてきたと

自負していたからです。

冷静に振り返ると、

今の自分があるのは、

両親をはじめ、

先生、

先輩など多くの人の

お陰であることがわかりました。

もしB氏の言葉がなかったら、

周りの人のことなど考えない、

生意気な独りよがりの

人間になってしまったのではと思うと、

A氏は恥ずかしくなりました。

日々接する人を、

今までとは違った

目で見られるようになったA氏。

新たな自己成長の課題が

与えられた思いがして、

日々の仕事にも謙虚な気持ちで

取り組むことができるようになりました。