時の魔術自分には味方がいないけれども大きな味方がある悲しみを喜びに変え怒りを和らぎに変え恨みを許しに変えすべてのくもりの中から太陽を連れてくる時がある重さがうちかかる波のように自分をうってもやがて波は引きアロデプィテ(ビーナス)様に優雅に生まれかわるひとつの意味待っていよう素晴らしい未来の時をどこに出るか解らない通路のない街で賭けるもののない賭博師の様に手をこまねいて傷だらけの総身をなぜ出す時優しく手を伸ばして癒しにくる時の手ざわりをふっくりとつかむ時は魔術時は医薬自分は最もすぐれたものよりすぐれた技術に身をまかす
片 想 い愛は自分でよくせいしても太陽にむかってのびる日陰の草のように自制のすきまから手を伸ばしすりむいた傷のように痛々しい愛するとき愛されたいと望ませるものそれは淋しさか悲しみか愛されなかったしても愛したという喜びはあるのにあの人も愛してくれていると知り得る喜びにくらべたらなんと ささやかな よろこびだろう
好ましいモノこんな言葉を書くと嫌われる貴女の事を言ってしまったはしたない自分をいきどおってしまう貴女を知らなかったとき貴女に自由だった世界いまはあっちにもこっちにもしてはならないこと言ってはならないことがあってそれにしばられてこんなに不自由だなのに そこは 以前よりいっそう快い光に満ちていて好ましいものにつられてゆく虫のように自分をひきつけるのだ
道向こうに貴女が居ると思えばこの道を行く事がなんと楽しいのでしょう一日に何度もゆき何度もどることか自分は一輪の花のように明るいこころを包んで妖精のように身軽く歩く甘いものにつられてゆく蟻のように一途だ あの建物ああ あそこだ そこだけに陽が照っているようにまぶしいあの戸をあければ貴女が居ると思いながらだんだん距離をちぢめてゆくこの面映ゆさ