どうもツバメです。

一ヶ月を超えて開いてしまいました。

小説を書き終えて、ようやく現実逃避を辞めたのですが。

ずっと迷っていました。

二つしか無い選択肢を迫られて自分でも馬鹿になるほど右往左往しました。

そして今日、ふと電車の窓に写る猫背の自分を見て思ったんです。

カッコ悪、

だから今日から背筋を伸ばして生きることにします。そしてブログも更新していきます。

そう決意した一日でした。またいつか、会う日まで

どうもツバメです。


寒くなっていい感じ。冬好きからしてみればいい傾向です。


「azure」 とりあえず書き終えました。


誤字脱字があれば報告をお願いします。


この話は本来、脚本大賞を狙って書いたものなのですが、見事玉砕粉砕圧砕。


後に小説として書き直したものです。


本来なら最後にソラが死んで、ミコトがその意思を受け継ぐっていう結末の方がいい気がしたんですけど。


自分の生み出したキャラが勝手に死んでいくのはあまりにも酷で、ついハッピーエンドにしてしましました。


まぁ、いいですよね?


今また新しい小説を書いている最中です。


いつ発表になるか、分かりませんが出たときはよろしくお願いします。


時が過ぎて、彼らが生まれた時代に名前がつけられ歴史の一つになったある現代。

一息吸うだけで食欲の本髄を刺激されるような香ばしい臭いが漂う一つの中華料理屋
に老夫婦と二人の客がいた。
食事時でないためかそこを営む老夫婦は残った客に食事を出すとそれぞれに自由時間
を満喫し始める。
オジサンは新聞紙を広げ、オバサンはカウンターに座ると店の天井付近に設置されて
いるのは見るのにすこしと惑うテレビを観賞し始めた。

それに映っているのは険しい表情を崩さない一人の女性だった。
『現場の千草です。あの川を見てください!』
マイクを片手に叫ぶ彼女が指差す方向にカメラが動くと、そこには山が地肌をさらし
て緑地から荒地へと変貌している。災害が起きた事を証明するに事欠かない。
千草という女は一気に説明を付け足した。
『連日連夜の雨で地盤が緩み、昨晩の大雨で一気に崩れたもようです』
荒れ果てた山から視点は川へと移る、その川にも土石流の痕跡が残されていた。
『避難警報を発してから30分足らずで、そのときまだ避難者がいたという情報があり
ます。』
山を形成していた大量の質量は土石流として川を流れ、その下にある町を襲う、
その筈だった。
『しかしあちらを見てください!』
千草が指さした先には一般的な住宅地であろう町に向かって一線の濁流痕が走ってい
る。しかし濁流痕はあからさまに方向転換しすぐさま元の河川へと戻っていく。
どこか興奮したかのように千草はヘリのモーター音に負けないように叫んでいた。
『とてもではありませんが自然現象には見えません、まるで意図的に町を避けている
ように見えます!』
『被害者はゼロだと聞きましたが?』
千草に問いかけたのは逆に冷静さを見失わないもう一人のアナウンサーだった。現場
に行っていない彼女は今見ている映像を目視しその映像に内心驚きながらも、なおも
冷静さを崩さずにいた。
『はい、そのとおりです!過去にあった水害では数百人が亡くなる大規模な災害だっ
たのですが、今回の水害では被害者が奇跡的に0、地元では水神の所業ではないかと
噂されています』
『千草さん、有り難うございました。被害者がいない事は喜ばしいことですが、あん
なことが起こるのでしょうか?どうおもいますか?』
冷静な女性は隣にいる中年男性に問いかける、しかし自分の知識の対象外の話を振ら
れた中年男性は噴き出る汗をハンカチで拭きながらも答える。
『現実的には起こりえないことではありませんでしょう、少し調査が必要ですがね』
どうしてお前が調査するんだというテレビの視聴者の突っ込みを一身に受けているこ
とに気付かない中年男性はあいまいに微笑む。

新聞紙を広げながら親父は耳の中に入ってきた単語に反応を示した。
「水神の所業ねぇ、」
ホントかねぇと疑わしいと言わんばかりに眉を顰めるオジサンに対して、カウンター
に座るオバサンは興味深々にテレビに釘付けとなる。
「あらやだ、此処から近いじゃない。やだわぁ」
「おまえ、喜んでどうするんだ?」
そういってどこかうれしそうに喋るオバサンとそれを注意しながらも本気で入ってい
ないオジサンの会話に聞き耳を立てている二人がいた。
店の一番奥の座敷で食事をしている今現在唯一の客。
共に若者らしい風貌に包まれているが、彼らの持ち物はその見解を払拭する。
青年が壁に立てかけたのは剣道などで竹刀を運ぶ袋、
女が横に置いたのは僧侶が持つような豪勢で立派な錫杖、
どう見積もっても二十歳過ぎにしか見えないが彼らの持ち物にはふさわしくなかい。
そんな彼らは互いにご飯を食べながらも会話を続けていた。
「あぁ、つかれた、」
嘆息する彼女に青年は優しげに声をかける。
「お疲れさま、あれほどの力を発現するのは俺でも難しい。」
「大体、この錫杖自体が使いにくいのよ」
横に置いてある錫杖を忌々しげに見つめる彼女に青年はあきれながらも答える。
「暴れ馬みたいなやつだからな、」
パクパクと食べ続ける青年を見ていた彼女は唐突に思い出す。
「ところでさ、」
「なんだ?」
「あの時、どうしてソラの怪我が治ったのよ?」
「・・・、憶測だが。」
たっぷりと間を空けて箸を置いたソラに、ミコトもまた動きを止める。
「あの瞬間、死にそうだった俺の体が受けた傷を浄化された魂が引き受けたからだろ
う、」
「そんなことあるの?」
魂が代わりに傷を引き受けて、そして天国へ行ったって言うの?
それは非現実的だ、しかしソラは笑いながらに私に告げる。
「あるのだから仕方ないだろう?」
どこかで聞いたことのあるセリフが全く違うように聞こえたのは気のせいではない。
ソラがテレビで流れ続ける災害のニュースに目をやると意地悪な笑みを浮かべる。
「それにしても水神か、これはまた大げさだな、」
いつでも他人の評価は過剰だ、そう付け加えるソラとは対照的に私は少しだけ不安に
なっていた。
「・・・派手にやりすぎたかしら?」
横目で自身の横にある錫杖を捉えるミコトにソラは少しの笑みを含んで答える。
「気にするな、あれ位の無茶なら問題はない」
「そうなの?」
「あぁ、昔はよく悪戯したものだ。色々とな、」
何か含むようなセリフにやんちゃをしていた頃のソラを思い出させる。昔と違って自
然と笑えるようになったソラは過去を懐かしみ、微笑んだ。
そんなソラを見てミコトも笑みを浮かべる。
「・・・悪い人」
「行こうか、」
自分とミコトの目の前に食料が無くなるとほぼ同時に二人は互いに荷物を持って出口
へと足を運ぶ。
「お会計を、」
「あいよぉ」
ソラが言うとオジサンが待っていましたとばかりにレジスターを操る。
「千二百円ですね、」
「えぇっと、はい、ちょうど」
若人が持つにしては古風すぎる巾着からお金を取り出すとオジサンに手渡す。
暇を持て余したオバサンが興味本位に同じく暇そうなミコトに声をかける。
「あんたら観光客かい?これからどこに?」
「えぇ、すこし天壌院のほうに、」
「天壌院?そんなお寺あったかしら?」
「そこらの寺だ、行こう」
適当にやり過ごしたソラはそのまま出口へと向かう。
扉を開けていざ一歩出ようとしたところでオバサンは一番聞きたい事を聞いた。

「んで?あんたら一体何者なんだい?」
「俺ら?」
「私達は、」

振り向いた彼らの顔は外との明るさの対比で表情の機微までは分からなかったが、

「ただの浮浪者だ」
「ただの不老者よ」

二人は幸せそうに自慢げに笑った。

これだけは理解できた。

肩を貸して歩いていると、不意にソラが語りだした。
「八十年も昔、俺はとある城で武士見習いをやっていた。」
止める気にもならない私は素直に聞いていた。
「俺の使える主君は偉大な人で未熟者の俺を厳しくも適切に育ててくれた。ある意味では親以上の存在で、俺は主君の為なら死ねた。」
今考えれば青かったんだな、と笑うソラに私は泣きそうなぐらいに悲しくなった。
「しかし主君は死んだ、病気・・・だった。だから俺は主君が残した国を護ると誓った。」
その決意が彼を此処まで導いたもの、それはとても大切で重い想い。
「だが次の主君、つまりは主君の子供はどうしようもないほどだった。酒や女に溺れ、博打にはまった。打ち出す政策はどれも見当はずれで、その失策を補うために民を犠牲にせねばならなかった。
長い間、平和を謳歌した国は数年で見るも無残に荒れてしまった。」
美しい国が滅びの道をたどる、それがどうにも我慢できなかった。
「俺は国の為に
周辺の国の支援を得て、
仲間と共に主君の子供を討ち、他の誰でもない俺達が国を統べることになった。
それが裏切りと捉えられても。
それが正解であると、そう信じていた。
しかし現実は、
「だが俺達は誤算していたんだ、
それが周囲の国の思うが侭だということに、
周囲の国が我先にと俺達の国を占領し始めた。
頭が変わったことにより国は混乱していて、対応すら出来なかった。」
それが政治や統治以前の問題、それが国のあり方と運営。
そのことに気付くのが俺達は遅すぎた。
そして結果的に、
「俺は主君を裏切っただけでなく、国と仲間を失った。」
自分の決意を自分で霧散させてしまった。
「その負け戦、俺はなんとか逃げ延びた。逃げ延びてしまったんだ。
そんな自分の生の貪欲さに自己嫌悪に陥った。
そして気付かされる。
俺の今持つこの刀に呪われていることに、」
この黒焦げで何の役にもたたなそうな鈍ら刀に呪われていると、その刀に宿る炎に気付かされた。
「眠れば火に焼かれて、起きても炎が俺について離れない。」
それはまさしく、
「罪だと思った、仲間を犠牲にしても生き延びている俺の罪だと思った、
精神の弱かった俺はたったの三年で悪夢に負けて自害しようとした。」
それは当然の選択、生きる終わりのある地獄なら死んだ終わりの無い地獄の方がいい。そう選択し、刀を喉元に突きつける。
「死のうと目を瞑る瞬間に、俺は刀の中で俺の炎で苦しむ仲間を見た。」
火に焼かれる昔の友、同じ国で育ち、同じ物を食べ、同じ夢を追った友。
「国を救えず、仲間をも救えなかった。
そんな俺でも仲間の魂だけは自分を犠牲にしてでも助けようと。
その思いで俺は今まで生きてきた。」
独白は唐突に終わりを告げる、その目には先ほどにはなかった火の点いた目がある。
「だからこそ!」
だからこそ、此処まで来た。

ソラは目の前の巨大で豪華な門に問いかける。
「天壌院にいる巫女よ!禊を受けに来た!門を開けてくれ。」
声に反応して重厚な門がゆっくりと開き始める。
その緩慢な動きに私は苛立ちを隠せない、寺を出てもう半日はとうに過ぎた。
普通なら半日程度で到達できる天壌院もソラの負傷と私の体力切れに足を引っ張られ、その倍の時間をかけてようやくついた。
寺を出るときは低かった日も既に天頂を越えていまや山に沈もうとしている。
日が沈んだら時間切れ。ソラが禊を受けるには百年待たなければならない。
いや、もう一日も、一時間も、一分も待ってられない。
ソラはもう限界なのだから、
焦る私とは対照的に天壌院の奥から現れたのは目を隠した巫女だった。
「名前は?」
その巫女が透き通る結晶のような全てを見通すような声で聞いてきた。
ソラが苦しそうに答える。
「ソラ、」
「貴方は?」
目を隠す巫女は連れ添いの私にも聞いてきた。
「ミコト。」
「貴方が禊を執り行いたい武器を見せなさい。」
ソラが杖代わりに使っていた焦げた刀を差し出すと目隠しの巫女はそれを受け取るとマジマジと観察する。
「良いでしょう、」
目隠しの巫女はソラに刀を返した。
「貴方の武器に宿る魂を浄化しましょう。」
その一言に私は自分の事のように喜ぶ。
「ソラ!やったわね!?」
そしてソラもまた安堵して顔を緩める。
「あぁ、これで、」
しかし目を隠した巫女がソラに対して人差し指を立てる。
「ただし、私の質問に答えられたならばの話です。」
「問?」
ソラが呟く、その返事は彼にとって唐突だったらしい。その彼をおいて巫女は語りかける。
「貴方がこの武器を作った事は分かりました、貴方が禊を受けたいという事も理解できました。それを理解して私は質問します。」

ソラの前に立つと目を隠した巫女はその透き通る声で聞いた。

「過去を償う事が出来ましたか?」
その問にソラはと惑いつつも誠実に答える。
「俺は・・・、俺は過去を償うために此処に来た。愚かな選択を改める為に此処に着た。だからこそ、禊を受けてやっと俺は過去を償いきる事が出来る。」
「では、貴方の罪はまだ償えていないという事ですか?」
「俺の罪が消える事はない、そこに存在し続ける、うぅ。」
ソラが答え切ると流血に耐え切れずに膝をついてしまう。
しかし巫女はソラの答えを聞き終えて数秒もすると背中を向けてしまう。そして今のソラに残酷な結末を告げる。
「どうやら貴方にはまだ時間が必要なようです、禊を受けさせるわけにはいきません。」
「そんな!」
「待ってくれ!俺には!」
そんな時間が残されていない、そう叫びたかったのだろうかソラは思い切り叫ぼうとするが怪我に顔をゆがめそれを許さない。
「それに、」
巫女は急に私を見つめたとおもうと流れてソラを見た。
そしてなぜか私から見える横顔には口元だけの笑顔が見え、そして一言だけ呟く。
「これもまた運命なのでしょうね。」
「俺の事はいい!この中で苦しんでいる仲間を助けてくれ!」
刀を差し出すソラの声は涙交じりだった、しかし懇願するソラを見て巫女は悲しげに述べる。
「・・・それだけでは足りないのです、」
そういい切ると門がソラにとっては絶望の音と表現される重厚な音をたてて閉まった。
拒絶、
その事実を段々と飲み込めてきた私は門を全力で叩き声を張り上げ抗議する。
「ちょっと待ちなさいよ!禊をやってあげなさいよ!あんた!ソラがどれだけ苦しんだか知っているっていうの!?」
「やめろ、ミコト。」
しかし怒りを顕にするミコトと異なりソラはどこか達観した表情で項垂れていた。
その諦めの表情に私は憤怒する。
「それでいいの?ソラは!あんなに頑張って、大怪我を押して此処まで辿り着いたのに、諦めるの?」
「そうは言っても、打つ手無しってのが、・・・現状だ。」
不意に声が淀むソラは力を失い地面に倒れこんだ。
「ソラ!?」
「少し手当てを頼む。」
私が傷当ての布を取り去ると、今までで一番酷い夥しい量の血が流れ始める。
その圧倒的な量に一瞬戸惑いつつも手当てを始める私だったが、

(もしかして気が抜けた!?これ以上はダメ!)

その血は止まらない。あたり傷口に布を押し当て止血しようにも何故か血は自分から出ようとしているかのようにあふれ出ていた。
それは命を続ける事を諦めた国から逃げ出す難民のように。
そして体は熱を失っていく。
「ミコト、すまなかった。」
ソラは小さく、それこそ耳を傍立てなければ聞えないような小さな声で礼を言った。その礼に彼は言葉を付け足す。
「お前の頑張り、無駄にしてしまった」
「ううん、いいのよ。あの巫女が訳分からないだけだったんだから。」
何とかしてソラの意識を保たせなければ、私はソラを抱きしめながら必死に話しかける。
「アタシは、ソラが無理して、ソラが守って、ソラが貫いた意志はすごいと思う。」
「だが過去を償うのは難しい。いくら反省しようと足らず、いくら詫びようと許されない。」
ソラは段々と私を見つめなくなる、焦点が一箇所に合うことが無くそれは淀んだ沼のようになっていく。
死ぬ間際か、死んだ後か、ソラはそんな目をしていた。
その変化を見て耐えられなくなった私は咄嗟に叫ぶ。
「わ、私がソラを許すから!」
その言葉にも反応しなくなるソラにかまわずに私は叫び続ける。
「私がソラを許すから!」
それが彼の免罪符になるのだろうか?よりいっそう苦しめることになるのではないか?そんな理屈や理由は頭の中には無かった。
私はただソラに伝えたいことを伝えていた。
「仲間の苦しみを拭おうと必死にがんばった事、」
そのために此処に来た。
「逃げたくなる位に辛くても逃げずに立ち向かった事も、」
生きる地獄を選び、死に逃げなかった。
「アタシを守ってくれた事も。」
暴風の壁の中で私を身を挺して護った。
「私が知っているから!」
私以外は知らないかもしれないけど、
「私がソラを許すから!」
貴方を許すから、貴方の罪を許すから、貴方の罰を消してしまうから、
「お願いだから生きようとして!」
それはソラの考えには無かったこと、
「すぐに死ぬだなんて言わないで!」
ソラは生きる事を既に放棄していた。
彼は自分の存在理由を棄て、仲間の魂の救済だけを求める。
「仲間だけ助けてなんて悲しい事を言わないで!」
それこそがソラの考えた生きる意味だった。
しかしそれが、今、崩される。
「自分も救われようとして!」
(あぁ、ミコト、俺は・・・)
声にならない感想を口にするソラは既に泣き顔でぐしゃぐしゃのミコトをソラを背景に眺めていた。

ミコトの流した一滴の涙が刀に伝わる。

その一滴の涙が自然と刀の中へと吸い込まれていった、

「・・・!?」

刹那、ソラは体の異常に気付く。
(体が軽い?)
先ほどまで自分の体が地面と一体化したかのように重く動くのもうっとうしく感じているのにも拘らず、今、死ぬ直前になってまるで体が羽のように軽い。
これが死ぬということか?
それなら納得できる、しかし目の前の風景は変らないのはなんだ?
未だにミコトが俺を抱きしながらワンワンと泣いている。しかも抱きしめられている全身の感覚も刀を握り締めている手の感覚も。体五感、すべてが正常に活動している。
俺は一体どうなっている?
「ソラ?」
ミコトもまたソラの異変に気付いた。
(体が暖かい?)
先ほどまで氷水にでも入っているかのように冷たかったソラの体が今はちゃんと生きている事を証明できるほどの熱を帯びている。
しかも先ほどまで流れ出た血はもう一滴も流れる事がない、ただ外に出てしまった分が冷たく硬くなっていくだけ。
それはすなわち、
体から傷が消えていた。
「どういうことだ?」
そう疑問を口にしたのは当人だった。当人が分からないのだから私がわかるわけがない。先ほどまで死にかけていた人間が一命を取り留めた、
それが彼らにつきたてられた新しい事実だった。
「何で?傷がふさがったの?」
「・・・まさか!」
するとソラは唐突に刀を抜いて刀身を見つめる。
必死に見つめるソラに私は何も言えずにただ見守る、そしてソラは信じられないといわんばかりに呟いた。
「禊がれて、普通の刀に戻っている。」
「・・・はい?」
「魂が浄化されている!」
「なんで?」
私の質問にソラは首を傾げる。
「理由が分からない、だがもうこの刀には仲間の魂がない。もう俺の仲間は苦しまない、」
ソラは大事そうに刀を抱きしめる、そして私にではなく成仏した仲間に小さく声をかける。ありがとう、遅れてすまないと口だけで私は読み取った。
「・・・なんだったのよ、もう。」
私は緊張の連続で疲れた体を横に休め、夜へと変りゆく夕を眺めた。

ソラは祈り続けていた。仲間の安息を、
私はというと、私もまた祈っていた。ソラに一つの幸せを、