クラシックコンサート鑑賞日記 -4ページ目

クラシックコンサート鑑賞日記

コンサートの余韻を楽しむブログ

2025年4月17日(木)サントリーホール

ストラヴィンスキー/バレエ音楽「ペトルーシカ」(全曲/1947年版)
ブリテン/ピアノ協奏曲 作品13
プロコフィエフ/交響組曲「3つのオレンジへの恋」作品33bis

指揮 : パーヴォ・ヤルヴィ
ピアノ : ベンジャミン・グローヴナー



N響×パーヴォ、2回目も大変素晴らしい演奏だった。
あの迫力満点のペトルーシュカは、本当にN響?と思うような前回も感じた「殻を破った」別人のような演奏だった。
「謝肉祭の市場」の終わりの方の煽りは鳥肌が立った。え〜これN響? もうそのまま世界中で演奏旅行しに行って欲しいほどいい演奏だった。

 

ソロはみんなうまいが、やはりトランペットの長谷川さんに目が行ってしまう。息子が元々トランペットだったからな。

 

そしていつも思うが、オケの中のピアノの音って全然聞こえない。意味あるのか?と思ってしまう。

前回もプロコ4で中央に置いていたが、全然聞こえない。周りの音にかき消されてしまう。

前に新日本の室内楽シリーズで、「木管は金管の音量には勝てない」というような話があり、確かになぁと思った。音量が全然違うのだから。

 

さて、後半。

このプログラムになぜブリテンが?と思ったが、結構ユニークな曲でなんとなくプロコっぽかったりショスタコぽかったりする。

そしてピアニストのグローヴナーがめちゃくちゃうまい。さらに演奏中の仕草がマツーエフにそっくりw

とても難解そうな曲、グリッサンドが多く派手、と思ったら第3楽章で急にシリアスになる。面白い曲だな。第4楽章が急に明るくなるのも面白い。

アンコールを期待したがなかった。非常にうまかったので別の演目も聞いてみたい。

 

最後にわざわざピアノをしまって15分ほどの3つのオレンジへ。

この曲順もなんなんだろう?終演後にも3つのオレンジは最初でもよかったのでは?と思ったが、盛り上がるは盛り上がった。

 

と色々書いているが、とても楽しく、海外オケのような鮮やかで分厚く迫力があり、ボリューミーな音色で大満足。

パーヴォとN響の相性のよさを再確認した。今回のパーヴォとの演奏会は1年で最もよかったコンサートでノミネートされるのでは。

 

 

2025年4月18日(金)浜離宮朝日ホール

シューベルト:
即興曲集
D935 第1番 ヘ短調
D899 第2番 変ホ長調
D899 第3番 変ト長調
D935 第4番 ヘ短調
メヌエット 嬰ハ短調 D600
ラフマニノフ:ピアノ・ソナタ第1番 ニ短調 op.28 《オリジナル版/日本初演》

【アンコール】

ゴトコフスキー:トリアコンタメロン第11曲「懐かしいウィーン」

シューベルト:ワルツOp.18-6

デシャトニコフ:ブコヴィナの歌より第22番

 

ルーカス・ゲニューシャス

 

 

 

昨日のN響の感想を書きたいところだが、さきほど聞いたばかりで記憶の新しいこちらを先に。

 

久々のルーカス・ゲニューシャス。

なんと以前聞いたのは2018年のリサイタルだったので7年も経ってしまった。しかしまだ34歳らしい。

 

シューベルトはかなり個性的な演奏だったと思う。また、結構流して弾いてたような気もした。

シューベルトに関しては割愛。

 

ラフマニノフですよね、やはり。

これを聴きにきているわけで。

オリジナル版とのことだったが、改訂版と何が違うかよくわからなかった。解説には第3楽章が長大とあるが、自分的にはあっという間に終わり圧巻だった。

 

この曲、本当に音が多い。これを弾くのは精神的にもクルだろうな。

ゲニューシャスのインタビューを見ると、オリジナル版は改訂版よりさらに難しいとのこと。この異常な難しさの1番しかもオリジナルをゲニューシャスで聴けるのは至極の喜び。

わずかながらのミスタッチがあったものの「超」ラフマニノフ!さすがである。

 

ただし、、、、やっぱりカントロフがよぎる。

彼のラフ1は奇跡に近い異常な美しさで、ラフマニノフそのものだった。なぜだ、フランス人なのに。

まぁとにかくカントロフが良すぎて、彼の右に出る者がいない状態だということがわかった。

ロシア人よりもラフマニノフらしいラフマを弾いてしまうフランス人。恐ろしい(笑)

 

まあいいとして、

アンコールにはデシャトニコフの前奏曲から以前も聴いた強烈な曲を本日もお披露目してくれた。この曲はものすごいインパクト。場内も一気に盛り上がった。

 

ラフ1に関してはYouTubeでルガンスキーを見つけた。こちらも大変素晴らしい演奏。また、ルガンスキーが今どき珍しく燕尾服で演奏しているのもなんかいい。

さらにマロフェーエフはあの若さでこちらも大変に素晴らしい。若いからこそ弾けるのんか?めちゃくちゃいい!生で聞いたらカントロフと張るのでは。

ソナタは2番もいいけど1番もたまらない。というかラフマニノフはたまらんな〜。

 

ここのところいい演奏会が続いて楽しい。

明日は芥川、シチェドリン、ショスタコというワクワクの演奏会を新交響楽団で。

シチェドリンのピアノコンチェルトは生演奏が初なので非常〜〜〜に楽しみ。華音ちゃんだし。

華音ちゃんもペトルーシュカの二日後にシチェドリンとは、、、恐れ入る。

 

 

 

2025年4月13日 (日)NHKホール

ベルリオーズ/交響曲「イタリアのハロルド」*
プロコフィエフ/交響曲 第4番 ハ長調 作品112(改訂版/1947年)

【アンコール】

J.S.バッハ/無伴奏チェロ組曲 第1番 ト長調 BWV1007 (ヴィオラ版) ― 「サラバンド」


指揮 : パーヴォ・ヤルヴィ
ヴィオラ : アントワーヌ・タメスティ*

 

 

イタリアのハロルドは6年前にもN響とソヒエフ、佐々木さんで聴いたようだ。その時もとてもよかったと自分のブログにある。

 

今回はソリストはかなり一流の人のようだ。確かに音色が大変に美しかった。

楽器はストラディヴァリが1672年に製作した最初のビオラ「グスタフ・マーラー」とのこと、これだけで十分すごいのがわかる。

 

N響団員が全員入り、パーヴォが指揮をはじめてもご本人は不在。

あれ?第九の合唱のようにどこかの楽章から入ってくるんだっけ?と思ったら、途中からひょっこり顔を出し、ステージをうろうろしてハープ横で突然弾き始める。

はじめちょっとおかしい人なのかと思ってびっくりしてしまったが、そういう演出なのだろう。

なんだか顔立ちやパッと見た感じがなんとも知的なオーラを醸し出している。

 

とにかく美音。

N響もめちゃくちゃ演奏がうまい。あのホールでも唸るうまさと感じた。また、パーヴォとの相性もやはりよかったのだなと思った。

 

タメスティは終始うろうろしながら演奏し、定位置でずっと演奏することはほぼなかった。

自分としては特に好きな曲でもない割にはそうした演出のおかげもあり楽しめた。

 

 

後半のプロコ。こちらも素晴らしかった。

N響はプロコ苦手なんじゃないの?と思っていたし、前にパーヴォと6番かな、何番かやったときもつまらなく良いと思ったことがなかった気がするが、昨日はよかった。

 

それぞれのソロもよいし、オケ全体ものびが良く、またキレもあってこれまでの殻を破った感じを受けた。長原さん効果なのだろうか?

 

前半後半ともに、N響がなんてうまいんだろうと思った演奏だった。

大満足。

異常なほど忙しかった仕事もやっと落ち着き、音楽を楽しむ余裕があったのもよかったのかもしれない。

 

 

 

2025年4月5日 [土] 14:00開演(13:30開場)
東京藝術大学奏楽堂(大学構内)

指揮・お話:加藤昌則
ヴァイオリン:石田泰尚
管弦楽:神奈川フィルハーモニー管弦楽団

プロコフィエフ(加藤昌則編):《束の間の幻影》op.22 より 第1曲
プロコフィエフ:
 バレエ音楽《シンデレラ組曲第1番》より 第6曲 舞踏会に出かけるシンデレラ
 バレエ音楽《シンデレラ組曲第1番》より 第8曲 真夜中
 ヴァイオリン協奏曲 第2番 ト短調 op.63
 交響曲 第7番 嬰ハ短調 op.131

[ アンコール曲 ]
プロコフィエフ:

 バレエ音楽「ロメオとジュリエット」 組曲第2番より モンターギュ家とキャビュレット家
 2つのヴァイオリンのためのソナタ ハ長調 op.56 より II. Allegro

 

 

 

今年の東京春祭はこちらだけ。

全曲プロコ、嬉しいじゃないの。

 

でもって春祭というと勝手に室内楽のイメージがあり、プロコならほぼ知ってる曲だろうからいいや〜と予習もせず、何の曲をやるのかもしっかり把握しないまま出かけてしまい、会場についてびっくり。20年ぶりの藝大奏楽堂w

そしてフルオーケストラだったw

さらにまさかの神奈フィルだったwww神奈フィルも東京春祭やるんですね。

完全に室内楽の気分で行ったので、面食らってしまった。

 

石田さんのコンチェルトは、石田さんが頑張ってるのはわかるがどうにも反映されない。

オケがイマイチ乗り切れていない間抜けな演奏で残念だった。

リーダーがソロをやってしまうとグイグイ引っ張る人がいない状態になる見本のような演奏だった。

 

後半にも石田さんが登場。

後半はいないと思ったので会場も大きな拍手が。

7番はプロコの交響曲で最も好きな曲。

大変素晴らしい演奏。特に第2楽章のワルツが大好き。素晴らしく涙が出た。

後半は大満足の演奏だった。

 

アンコールはプロコといえばの曲。

こちらも迫力満点。重低音が文句なしでよかった。

 

前半のシンデレラはよかったがコンチェルトがな。

ま、7番がよかったので大満足。

 

しかし藝大奏楽堂は20代の時以来。

指揮者の加藤さんもこちらの卒業生とのこと。

加藤さんの解説はわかりやすく面白かった。

 

日本一の音大に足を踏み入れられて感動。

東京春祭って夜の博物館に入れたり、企画がなかなか面白いよな。

 

 


 

2025年03月29日(土) 18時00分 開演 サントリーホール

ニールセン:序曲「ヘリオス」op.17
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲 第3番 ハ短調 op.37
プロコフィエフ:交響曲 第5番 変ロ長調 op.100

【アンコール】

ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第6番 第3楽章 プレスト(ピアノ・アンコール)

指揮:オスモ・ヴァンスカ
ピアノ:イノン・バルナタン

 

 

 

めちゃくちゃ名演だった!!!

もしかしたらこの5番は人生でベストかもしれない。

 

昼の音大8校&沼尻のタコ4も大変素晴らしかったが、もう圧倒的にプロの演奏の格の違いを見せつけられた気がする。

 

ニールセンからもう音が素晴らしく、指揮者ヴァンスカには都響ではじめてマケラを聴いた時の「お!」を感じた。

 

ピアノコンチェルトは以前に大ミス連発で苦手なバルナタンだったが、今日は結構よかった。

 

そしてプロコ!もうこの指揮者が間違いないというのがわかった。

本日は「爆音」というカテゴリーではまったくなく、「自然かつ精緻」な演奏だったように思う。

派手な演出はないのが、ここまでプロコらしく胸に刺さる演奏は初めてかも。

あとオケがうますぎる!!!!

やはり昼の音大生との差が歴然だった。

演奏のうまさだけではなく、プロならではの統一感・まとまり、あとやはり楽器もいいものなのだろうな、音色も全然違った。

 

終演後は、サッサと帰る客も少なく、客席の大半が残って拍手にて指揮者を呼び出した形となった。

いやはや、大変満足度の高い大名演だった。

 

昼のミューザの音大生もよかったが、夜の東響は圧倒的にプロの演奏を見せつけた。

 

以前に誰か忘れたが、とある有名人が「美味しいラーメン屋が、いかにおいしいか再認識するために、あえてたまに不味いラーメン屋へ行く」と言っていた。

いつもプロの演奏で慣れきって、あーでもない、こーでもないと生意気に感想を述べているが、こうして臨時の学生オケを聞いた後のプロオケの圧倒的なうまさを改めて感じられたのはいい機会だったかも。

 

やっぱりプロはすごいし東響がうますぎた!

そして指揮者ヴァンスカがめちゃくちゃよかった!

 

2025年03月29日 (土)ミューザ川崎シンフォニーホール


武満 徹/系図 -若い人たちのための音楽詩-
ショスタコーヴィチ/交響曲第4番 ハ短調 作品43

指揮:沼尻竜典
語り:井上悠里 (東京音楽大学付属高等学校)
アコーディオン:大田智美 (特別出演)
管弦楽:音楽大学フェスティバル・オーケストラ (首都圏8音楽大学選抜オーケストラ)
国立音楽大学、昭和音楽大学、洗足学園音楽大学、東京音楽大学、
東京藝術大学、東邦音楽大学、桐朋学園大学、武蔵野音楽大学


プロ顔負け、いや、もはやプロでしょう。
素晴らしい演奏。この人ら、卒業後はどうするのどろう?この才能を持ちつつもオケに所属は一握りだろうし。このままこのオケで活躍できるくらいのうまさ。

第1楽章の超速弾きカオス部分は、いささか速すぎた。
それと、第1楽章終わりの終わり、ポコポコいう打楽器がオケのテンポと合っておらず残念。
ここくらいかな。
あとはパーフェクトじゃないかな。

いや〜いいタコだった。
PMFも凄いが日本の音大も凄すぎだ。
ブラボー!

さて、これから溜池へ。

2025年3月28日(金)トッパンホール

 

メンデルスゾーン:弦楽八重奏曲 変ホ長調 Op.20
エネスク:弦楽八重奏曲 ハ長調 Op.7

【アンコール】

フォーレ(ラファエル・メルラン編):《レクイエム》より〈In paradisum〉

ベルチャ弦楽四重奏団
 コリーナ・ベルチャ(ヴァイオリン)
 カン・スヨン(ヴァイオリン)
 クシシュトフ・ホジェルスキー(ヴィオラ)
 アントワーヌ・レデルラン(チェロ)

エベーヌ弦楽四重奏団
 ピエール・コロンベ(ヴァイオリン)
 ガブリエル・ル・マガデュール(ヴァイオリン)
 マリー・シレム(ヴィオラ)
 岡本侑也(チェロ)

 

 

 

王道の八重奏曲。

名器が揃い、音色もよい。演奏もうまいし客も大喝采だったが、私はちょっと強すぎるなぁと感じてしまった。

 

ふと思ったが、日本人は譲り合い文化。

どうぞ、あなたの見せ場ですよ、という雰囲気がある。

しかし、今日は全員がグイグイ。

我が我がと全員が服部百音のようなヒステリックな演奏を負けじと奏でる。

テンポも非常に早く、少し乱暴に聞こえてしまい、疲れてしまった。

 

技術は言うまでもなく、特に後半のエネスクは8人の一体感が素晴らしく、完全に揃った強弱緩急の美しさは特筆すべきだと思うが、それ以上のグイグイ感でぐったり。

期末で仕事が人生最大の忙しさであるのも影響しているのかもしれないが、ちょっとウルサイと思ってしまった。

とはいえ、コンサートは楽しいですね。

あと、トッパンホールはなんだか品のいい客が多い気がする。

 

明日は久々にはしご。

 

 

 

2025年3月21日(金)すみだトリフォニーホール 小ホール

室内楽シリーズXXI~楽員プロデューサー編~(後半)#172
「from “Empire”」Produced by 山川永太郎 (NJP首席トランペット奏者)

モーツァルト:歌劇『劇場支配人』K.486より序曲(金管五重奏版)
モーツァルト:ホルン五重奏曲 変ホ長調 K.407より 第3楽章「ロンド-アレグロ」(金管五重奏版)
モーツァルト:ピアノソナタ第16番 ハ長調 K.545(金管五重奏版)
ヴィクトル・エヴァルド:金管五重奏曲第2番 変ホ長調 op.6 ほか

【アンコール】

モーツァルト:アイネクライネナハトムジーク

トランペット:市川和彦、杉木淳一朗、山川永太郎 ホルン:日髙剛 トロンボーン:山口尚人 テューバ:佐藤和彦

 

 

 

楽しかった!

本日で今期の新日本室内楽シリーズラストかな。

このかなり距離の近い、好きなことをやってる感じが本当に楽しい。

トークも面白いし勉強にもなるし。こんなアットホームな演奏会は他にあるのだろうか?

 

今日は金管のみの演奏会。

しかも前半はオールモツ。

私は知らなかったが、モーツァルトの時代にはチューバはまだ生まれていなかったとのこと。

なので定期でモツの交響曲をやる時などはチューバは出番なし。確かに見たことない。

本日ははじめてのモツの演奏だったという話など面白かった。

ピアノソナタは私が小学生の時に弾いていた演目w、本当に楽しかった。

 

後半のエヴァルドがメインだけあって1番よかった。

吹部のうちの息子にも聞かせたかったな。

アンコールのアイネクライネも楽しい!

 

これだけ距離が近く、団員の人となりもわかるような演奏会があるとますます応援したくなるな。とはいえ、室内楽シリーズは一旦今期で終えますが。。。

しかし、こういう全然興味がなかったり知らない演目に飛び込むのはいいことだと改めて思う。意外に楽しいし新しい発見がある。

 

新日本、最近は完売も多いようで頑張ってるなと思う。

上岡さん時代の気の毒なほどガラガラだった頃を知ってるだけに、佐渡さんの知名度はオケにとって何よりの支えなのだろう。

 

 

2025年3月20日(木・祝)サントリーホール


スタンフォード:アイルランド狂詩曲第1番 ニ短調 op.78
コルンゴルト:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 op.35
ラフマニノフ:交響的舞曲 op.45

【アンコール】

クライスラー:レチタティーヴォとスケルツォ・カプリース Op. 6 (ヴァイオリン・アンコール)
 

指揮/キリアン・ファレル
ヴァイオリン/ベンジャミン・バイルマン

 

 

 

仕事が激務でどうにかなりそうだ。4月初旬までは続くだろう。

そんななか今日と明日はコンサート。居眠りするかもと思ったが大丈夫だった。

 

スタンフォードは、ふむ、普通。

いいも悪いも特になかった。疲れすぎ?

 

コルンゴルトのベンジャミン・バイルマンの演奏が素晴らしすぎてこれだけでも行った甲斐があった。

はじめの1音でもう「わぁ〜!」となった。

楽器はグァルネリ。もうなんとも美しい音色だった。演奏も大変素晴らしい。技術、情緒ともにパーフェクト。

アンコールも当然よかった。バイルマン、覚えておこう。別格クラスの腕前と感じた。

また、いかにも育ちのよさそうな雰囲気だった。

 

交響的舞曲は、弦のうねりが美しかったが低音の響きを感じられず物足りない。

もっとコンバスのガシガシとした重低音が欲しかった。

美しく演奏したかったのか?なんとも迫力に欠ける面白味のない演奏だった。

 

終演後に気づいたが、指揮者のジャケットの右脇が破れてた。

指揮姿は大ぶりで美しかったが、ジャケットは確かにピチピチだった。

 

2025年3月16日(日)新国立劇場 オペラパレス


バレエ・コフレ
火の鳥/精確さによる目眩くスリル<新制作>/エチュード<新制作>

約2時間20分(『火の鳥』50分 休憩25分 『精確さによる目眩くスリル』『エチュード』65分)

【指揮】マーティン・イェーツ
【管弦楽】東京交響楽団
新国立劇場バレエ団

 

『火の鳥』
【振付】ミハイル・フォーキン
【音楽】イーゴリ・ストラヴィンスキー
【美術】ディック・バード
【衣裳】ナターリヤ・ゴンチャローワ
【照明】沢田祐二

【火の鳥】池田理沙子(16日)
【イワン王子】渡邊拓朗(16日)

 

『精確さによる目眩くスリル』
【振付】ウィリアム・フォーサイス
【音楽】フランツ・シューベルト
【美術】ウィリアム・フォーサイス
【衣裳】スティーヴン・ギャロウェイ
【照明】タニア・ルール
【ステージング】ホセ・カルロス・ブランコ

米沢 唯、山本涼杏、東 真帆、森本亮介、上中佑樹(16日)

 

『エチュード』
【振付】ハラルド・ランダー
【音楽】カール・チェルニー/クヌドーゲ・リーサゲル編曲
【ステージング】ジョニー・エリアセン
【アーティスティック・アドヴァイザー】リズ・ランダー
【照明】ハラルド・ランダー

柴山紗帆、水井駿介、山田悠貴(15日14:00, 16日)

 

 

 

「火の鳥」目当てで久々のバレエ。

マリインスキーのDVDで当時の復刻版を見ていたので楽しみにしていたが、昨日の新国バレエもとてもよかった。

1番よかったのは衣装。素晴らしいデザイン。民族的でもあり斬新でもあり、派手な色彩が演目にあっていた。

ダンサーもよかったし、魔王の一辺倒に見える演技もいかにも魔王らしくてよかったw

美術も素晴らしく、まさに視覚かも聴覚からも楽しめた。

しつこいが、衣装が本当に素晴らしかった。

 

次の「精確さによる目眩くスリル」も衣装が大変に素晴らしい!

これは斬新。センスがいいとはこのこと。この衣装は抜きん出て素晴らしかった。男性の衣装の美しき濃紺ピンクたるや!

しかも音楽がシューベルトのグレート。この曲をもってくるところもセンスがよすぎる。短い演目だったのも初心者には嬉しいところw

 

ラストの「エチュード」。ここで私の踊りに対するゼロの知識が全面に押し出された形となり、なかなか辛い時間となった。

バレエの知識がある人なら「おお〜!」とか「ブラボー!」とかなるのかしらんが、私はただただ退屈であった。

しかし演出は斬新。脚のみがライトアップされ顔も出てこなかったりと現代っぽさを感じた。

しかしストーリーもなく、代わる代わる繰り広げられる技のお披露目は思ったより長く、ビギナーには少々堪えた。

 

とはいえ、火の鳥と〜スリルは素晴らしかった。

ぜひニジンスキーの春の祭典やペトルーシュカなども見てみたい。