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クラシックコンサート鑑賞日記

コンサートの余韻を楽しむブログ

2025年2月27日(木)サントリーホール

 

芥川也寸志:交響管弦楽のための音楽
ショスタコーヴィチ:ピアノ協奏曲第1番 ハ短調 作品35
ショスタコーヴィチ:交響曲第5番 ニ短調 作品47

【アンコール】

カプースチン:プレリュード 第1番

指揮=尾高忠明
ピアノ=辻井伸行

 

 

 

芥川也寸志は第2楽章が文句なしに楽しかった。

大編成で奏でるリズミカルな演奏に思わずノリノリになってしまった。

楽しい曲なので学校の吹奏楽なんかでやっても盛り上がりそう。

 

辻井さんのショスタコ、後半の交響曲は面白みにかける演奏。

コンチェルトのトランペットも少し音が出ない箇所があったりで残念。

辻井さんのアンコールは、またも壊れた機械のようなカプースチン。もう誰か注意してあげなよと思う。早く弾くのが美徳という解釈なのか?めちゃくちゃ。前もそうだった。

 

交響曲もなんだフツー。

これといって感動もなく。

この日は金管の調子はイマイチな気も。いつもの読響の音と違った気がする。長原さんがいなくなったから?

 

3日連チャンでコンサートで疲れてしまったのもあるかもしれないが、今後は、ショスタコの名前に誤魔化されてなんでもかんでも行くのはやめようと思う。

 

2024年2月24日(月・休)東京文化会館

ビゼー『カルメン』《新制作》
オペラ全4幕 日本語字幕付き原語(フランス語)上演

カルメン: 和田朝妃
ドン・ホセ: 古橋郷平
ミカエラ: 七澤 結
エスカミーリョ: 与那城 敬

指揮:沖澤のどか/演出:イリーナ・ブルック/管弦楽:読売日本交響楽団
会場:東京文化会館 大ホール
 

 

 

東文の席の悪さ。前方に人がいると全然見えない。

それと演者の服。なんだあれ。田舎の児童館じゃあるまいし悪趣味すぎる。

演出の悪さですべて台無し。

 

以前に聴いた東フィル&ミョンフンの演奏会スタイルがベスト。

歌手の演技は秀逸。カルメンそのものだった。マーメイドドレスもとてもかっこよく似合っていた。

 

新国のカルメンも歌手はよき。

ロック歌手のような演出で、ちょっとエロい感じもありで斬新。

カルメンらしい気だるさが色っぽくよし。

 

今回、ひどいーーー。

ないわ〜

ミカエラの歌声が秀逸だった。あとホセがモデルのようにスラっとしていてかっこよかった。

 

カルメン、なんで田舎のヤンキーみたいな変なかっこさせられてんだか。

田舎くさくて楽しめなかった。

もっと色っぽい艶っぽいカルメンが見たいものだ。

カルメンはもう当分いいかな。

 

オーケストラ・ダスビダーニャ
第31回定期演奏会

2025年2月23日(日)すみだトリフォニーホール 大ホール

D.ショスタコーヴィチ作曲
   歌劇「ムツェンスク郡のマクベス夫人」組曲(J.コンロン編 1991年)
   交響曲第8番 ハ短調 作品65

演 奏:オーケストラ・ダスビダーニャ
指 揮:長田 雅人

 

 

 

ショスタコ専門のアマオケで年1で活動しているらしい。

これだけショスタコが好きと言っておきながら、このオケは知らなかったので行ってみた。

 

まずマクベス夫人を生で聴いたのは初めて。

オペラが苦手な自分としてはショスタコとはいえきちんと聴いてこなかったので、よい経験になった。

オケは爆音。久々にここまでの音量を聴いた。

ショスタコしかやらないオケなので、団員満場一致・納得の音量なのだろう。

しかし打楽器とくにスネアがデカすぎる。弦はもちろん金管すら聞こえづらくなっていた。

 

8番も大迫力。

理想と合致する大音量。


まあしかし、なんというか「ショスタコが大好きな人が集まったアマオケ」というそのまんま。

演奏のクオリティを求めてはいけない。

いいタコを聴きたければ普段通りプロのオケを、ショスタコを好きな人の情熱を感じたければ今回のアマオケもあり?

いやいや、どうだろう。

演奏を聴いてイライラするなら、やはりプロオケで感動を得た方がいい。

 

アマオケといえば、新交響楽団はかなりうまかった。

 

2025年2月22日 (土)NHKホール

スッペ/喜歌劇「軽騎兵」序曲
サン・サーンス/ヴァイオリン協奏曲 第3番 ロ短調 作品61
スッペ/喜歌劇「詩人と農夫」序曲
オッフェンバック(ロザンタール編)/バレエ音楽「パリの喜び」(抜粋)

【アンコール】

アンリ・ヴュータン
アメリカの思い出「ヤンキー・ドゥードゥル」Op.17


指揮 : 下野竜也
ヴァイオリン : 三浦文彰

 

 

 

すごく楽しかった!

前半、後半ともにとてもよかった。

自分じゃ絶対買わない演目なので、定期ならでは。定期の楽しみ方を改めて教えてくれた演奏会だと思う。

 

前半の軽騎兵からNHKホールを感じさせない見事な演奏。

ゴージャスな音色の金管が一瞬にして会場の空気を変えてくれました。

いいわ〜〜〜めっちゃいいわ〜〜

 

三浦さんのサン=サーンスもとてもよかった。うまい!

若くてチャラチャラしてるイメージがあるが、演奏はよい。音色も情緒も美しい。

もう少し情熱的だとさらによき。

アンコールは超絶技巧でユニークな演目。

会場からはクスクスと笑い声と難解な技巧にため息と両方入り混じった反応。いやはや凄かった。

 

後半のパリの喜びも楽しかったな〜。 オッフェンバックの名曲を繋ぎ合わせたものらしい。

トランペットがかっこいいのなんの。

運動会の曲はトロンボーンが大活躍。

息子も連れてきたかった。

 

終演後にはトロンボーンの吉川さんにも花束贈呈が。

還暦にはとても見えない。

 

 

そういや昨日ビアズリー展を見に行った。平日の昼なのに結構混んでいた。

本の挿絵だからまぁそうだろうが、絵が小さくて驚いた。髪の毛で描いてるの?と思うほど線が細い。

本人の書いた本物か、、、と思うとめちゃくちゃ興奮した。

 

点数が多く少し疲れた。

サロメの挿絵を初めて見た時にすごいエネルギーを感じていたので感無量。

お土産コーナーで1万を超えて買い物してしまった。

 

「楽しい」が続くのはいいことだ。

 

 

 

 

2025年2月17日(月)すみだトリフォニーホール 小ホール

室内楽シリーズXXI~楽団員プロデューサー編~(後半)#171「Viola with…~真冬に聴くアツイ室内楽!~」Produced by 桂田光理 (NJPヴィオラ奏者)

マイケル・コルグラス: Variations for Four Drums and Viola(4つのドラムとヴィオラのための変奏曲)
ジャン・クラ:ハープ、フルート、ヴァイオリン、ヴィオラとチェロのための五重奏曲
ブラームス:クラリネット三重奏曲 イ短調 op.114(ヴィオラ版)

【アンコール】

ショスタコーヴィチの小品集よりワルツ

ヴァイオリン:玉井 元 ヴィオラ:桂田光理 チェロ:飯島哲蔵 フルート:野口みお パーカッション:山内創一朗 ピアノ:高橋ドレミ ハープ:小嶋玲奈

 

 

 

新日の室内楽シリーズはいつも楽しい。

団員のトークも毎回笑いが起きて距離が近くいいなと思う。

今回はヴィオラの桂田さんの企画。

キレイかつかわいらしい女性。3曲すべてに違うドレスを着た。

 

1曲目は超現代曲。4つのドラムとヴィオラのための変奏曲。

ドラムはとても新しい楽器とのことでロートタムという見たことのない楽器が登場。

チューニングすれば音の高さを自在に操れる面白い楽器。

桂田さんが探し出してきた演目らしい。

この室内楽シリーズは、オケメンバーの一人が主役になることが面白い。

オケの一員ではなく、完全に主役でプロデューサー。

誰も知らないような曲を見つけてくるのも本人。

団員の個性が光り、とてもよい音楽会だと思う。

 

ジャン・クラの五重奏はハープがなかなかの速弾き。

それぞれの楽器の心地よい音が重なり、とてもよい。

ジャン・クラという人はまったく知らないが、美しい曲。フランス人で海軍士官だったそう。

 

ラストはブラームス。

前半2曲の作曲家は全然知らなかったので(もちろん予習はしていった)、さすがにブラームスは安心して聴ける。

クラリネット部分をヴィオラが演奏。品があってよかった。

 

クラシックは奥が深いな。

知った気になっていてもピアノ曲もあれば室内楽もある、永遠にすべてを知り尽くすことなどできない。

会員になれば知らない曲もこうして知るきっかけになる。

家で聴いているだけでは知り得ぬ音楽・知識を得ることができるのが演奏会の醍醐味だと思う。

 

 

 

 

 

2025年2月15日(土) 横浜みなとみらいホール 大ホール

ブラームス/ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲イ短調Op.102
ショスタコーヴィチ/交響曲第10番ホ短調Op.93 

【アンコール】

ヘンデル=ハルヴォルセン/パッサカリア


指揮:沼尻竜典(音楽監督)
ヴァイオリン:服部百音 
チェロ:佐藤晴真

 

 

 

前半は若い二人が好演。

息もぴったり。

服部百音は、この曲でもヒステリックな演奏スタイル。壮絶な感じでいつも演奏するが、若さゆえか。

でも彼女のこの自信たっぷりのヒスな雰囲気は嫌いじゃない。

佐藤晴真の音色は本日もすばらしい。余裕のある音色。

 

アンコールも息がぴったり。

年も近いだろうし、仲もいいんだろうな。

オケはのっぺりした音。

まぁこんなもんか。

 

後半のタコ10はサイコーーーーーーー!!!

前半と打って変わってキレッキレ。かっこよ!

神奈フィルと沼尻さん、ショスタコの相性はめちゃくちゃよい!

 

第2楽章も最高!

すごいスピード感、たまらん。大興奮。

 

すべてにおいてどのソロもよかったし、文句のつけようのない演奏だった。

ホルンの女性がよかった。

ショスタコ聴くなら神奈フィル、日フィルかな。もちろん大フィルも。

 

すごくいい演奏だったが、ソロカテなし。

ほんとかよ。。ブラボーもめちゃ飛び交ってたのになぁ。

 

 

 

 

2025年2月14日(金)浜離宮朝日ホール

ショパン:ノクターン第8番 Op.27-2
ショパン:バラード第2番 Op.38
ショパン:ピアノ・ソナタ第2番「葬送」 Op.35
ラフマニノフ:楽興の時 Op.16

【アンコール】

ショパン:ノクターン第20番嬰ハ短調(遺作)

 

 

 

 

う〜む、久々になかなかのイマイチさ。

ここのホールはハズレの時はひどいんだよな。

 

ショパンのバラードに葬送という王道で、なによりラフマニノフの楽興が聴きたくチケットを買ったが。。。

 

強すぎる打鍵は嫌いじゃないが、テクニックがまったく追いつかない。

聴いてるこっちがハラハラだった。

 

また、演者もアレなら客もアレで。

右は永遠にリズムをとりながら独り言をぶつぶつ。

左はコートが私の腕まではみ出ていても知らん顔。

 

ストレスのたまるリサイタルだった。

 

ま、今日のコンサートで「いかに上手い人が異常か」を改めて知れた。

藤田真央とか、尋常じゃないくらいの秀でた才能だと改めて気付かされた。

 

2025年2月10日(月)東京文化会館

 

【ショスタコーヴィチ没後50年記念】
ラフマニノフ:交響詩《死の島》op.29
ショスタコーヴィチ:交響曲第13番 変ロ短調 op.113《バービイ・ヤール》*

指揮/エリアフ・インバル
バス/グリゴリー・シュカルパ*
男声合唱/エストニア国立男声合唱団*
 

 

 

すんごくよかった!

 

当初2022年に予定していた演目だったがコロナかな?なんだか忘れたが中止になった。その振替だろうが、歌手や合唱は変更になっている。当時予定していた歌手と合唱は以下の通り。

 バリトン/アレクセイ・ゼレンコフ
 男声合唱/ヘルシンキ大学男声合唱団(YL)

 

死の島は2023年に東フィル&プレトニョフで聴いた時もめちゃくちゃよかった。

こんな曲もあるのだなと。

 

本日の演奏、冒頭は若干バラつきを感じたものの、東文の5Fの音響も相まって物凄い完成度と感じた。

毎回言うが東文5階の音はバケモノ級だと思う。すぐ目の前で演奏しているような大音量。残響にごまかされないダイレクトな音が刺さってくるのが強烈だ。本日も久々に大音量を聴いたと思った。

 

死の島、映画音楽のような迫力。「この絵を見てラフマニノフが作曲した」とのことなので、思わず絵もネットで探してみたが、その時代そこまで人気になるような絵かなぁ?と。暗い絵だが、当時そんなに夢中になる人がいたのだな。あのヒトラーも。。

ミステリアスな絵だとは思うが、絵葉書を買い求めたいとは思わないけどなぁ。。

ま、絵の評価はいいとして、演奏がとてもよい。この曲、不安を掻きたてるようなドス暗い雰囲気があり、なんとも言えない感情が残る。とても芸術性を感じる。たまに交響楽第2番に近い要素が顔を出すのも面白い。とにかく存在感のある曲なので、もっと頻繁に演奏してほしいと思う。

 

 

バビヤールは今まで聴いてきた中で1番だと思う!

弦もキレッキレで水谷さんのリードが素晴らしく、まるで一人で演奏しているかのような一体感。超縦の線が合ってる!

そして、ロシアオケが演奏しているかのような圧倒的な迫力。弦がうますぎるよ〜

 

バスのシュカルパの声も最高。超理想の声だった。

そして5Fにも当たり前のように届く。2メートル先で歌っているのかと思うほどの声量。

合唱もわざわざエストニアから連れてきただけあり、強烈に素晴らしかった。

 

指揮者の演出がいい、オケもいい、歌手もいい、合唱もいい、客ももちろんよかった、全部よかった。

やばい。まだ2月なのに、今年ベストと思わしき演奏が続いているw

これ以上の演奏があと10ヶ月の間で出てくるだろうか??

 

 

 

 

2025年2月7日(金)サントリーホール

 

ブルックナー:交響曲第5番 変ロ長調 WAB 105

指揮=ローター・ツァグロゼク

 

 

 

こちらも前日のランラン同様、終わりが強烈に素晴らしかった。

途中まではそこまでではなかったかな。読響も普段よりバラつきが多かったように思う。まぁ素人耳が何を偉そうに、ということであくまで個人的な意見。

 

全体的にテンポが遅め。

第2楽章はやはり美しい。あの部分は美しくて毎度涙が出そうになる。

 

昨日はやはり第4楽章ラストの迫力勝ち。

世界を支配したような圧巻の演奏。めちゃくちゃかっこいい。

大スペクタル映画を見終えたような満足感。

 

終演後は客もしばらく沈黙。昨日は質のいい客しかいなかったようだ。

指揮者が手を下ろして一呼吸ついてから怒涛のブラボー。

おじさんたちの歓喜の声でホールが溢れた。

 

あの第4楽章は忘れられない演奏になった。

 

 

2025年2月6日(木)サントリーホール

 

フォーレ:パヴァーヌ 嬰へ短調 Op. 50
シューマン:クライスレリアーナ Op. 16
ショパン:
  マズルカ ヘ短調 Op. 7-3
  マズルカ 変ロ長調 Op. 17-1
  マズルカ ホ短調 Op. 17-2
  マズルカ イ短調 Op. 17-4
  マズルカ ハ長調 Op. 24-2
  マズルカ 変ロ短調 Op. 24-4
  マズルカ 変ニ長調 Op. 30-3
  マズルカ 嬰ハ短調 Op. 30-4
  マズルカ ハ長調 Op. 33-3
  マズルカ ロ短調 Op. 33-4
  マズルカ ニ長調 Op. 33-2
  マズルカ 嬰ヘ短調 Op. 59-3
  ポロネーズ第5番 嬰ヘ短調 Op. 44

【アンコール】

Sohy: 4つのロマンティックな小品 Op. 30 第4番 「無言歌」
ショパンの未発表曲 ワルツ イ短調 「ファウンド・イン・ニューヨーク」
ファリャ:火祭の踊り

 

ピアノ:ラン・ラン

 

 

 

ラン・ランのコンチェルトは2回ほど聞いた(コンセルトヘボウ、ウィーン・フィル)が、リサイタルははじめて。

各回のコンチェルトが素晴らしく期待して行った。

薄ら想像はしていたが、やっぱりこの人はそっちか〜と思ったのが、楽譜をかなり変えちゃう系の癖強ピアニストだった。前半は特に自分色に染め過ぎだった。

クライスレリアーナはもう原曲がわからないくらいいじっていたw

ただでさえ苦手な曲なので結構げんなり。

 

う〜む、、と思っていたが後半のショパンはなかなか良く、マズルカ変ロ短調は相当よかった。

ポロネーズもランランカラーが強いものの大迫力で聞き応えがあった。

 

いいも悪いもどっちもあったリサイタルだった。

コンチェルトの時はきちんとオケと合わせているが、リサイタルはかなり自由で好き放題の演奏。ファンはそれがたまらないのだろう。

 

アンコールのファリャは強烈。

これを聞けただけでも十分だった。客席は総立ち。

 

ランランのスター性は凄まじく、出てきた瞬間にホール全体の空気が変わった気がする。

毎回、前後左右に丁寧にお辞儀。

キラキラしていて真のスターだと思った。

サイン会にはこの寒空にものすごい人がホール外で並んでいた。

 

かなりクセの強い演奏だったので、コンチェルトの時のように楽譜に忠実な演奏もやるのであれば、聴いてみたい。