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クラシックコンサート鑑賞日記

コンサートの余韻を楽しむブログ

2025年6月12日(木) サントリーホール

イベール/フルート協奏曲
ブルックナー/交響曲 第6番 イ長調

【アンコール】

イベール:無伴奏フルートのための小品(フルート・アンコール)


指揮 : フアンホ・メナ
フルート : カール・ハインツ・シュッツ
 

 

 

フルートが素晴らしかった。

うまいなんてもんじゃない。音色も極上。

この人自体に品があり、オーラを感じた。

思わずプロフィールを見たらウィーン・フィルの首席。

なるほど、別格だ。

 

後半のブル6はフツーーーーーー

先日のチャイコ悲愴が良すぎたので期待してしまったが全然だった。

 

解説にもあったが、なぜ6番はあまり演奏されないか、

それはブルックナーならではの神々しさ、神的な昇天して天使が迎えに来るかのようなあの独特なクライマックスがないからではないだろうか。

思わず目を閉じると自然に涙が出るような。

 

これまで6番が1番好きだったが、今日の演奏で格下げ。

なんだかんだ7番なのかな〜

 

来週もN響。今月はABC全プログラムを聴くことになる。

 

2025年6月8日 (日)NHKホール

リムスキー・コルサコフ/歌劇「5月の夜」序曲
ラフマニノフ/パガニーニの主題による狂詩曲 作品43*
チャイコフスキー/交響曲 第6番 ロ短調 作品74「悲愴」

【アンコール】

ラフマニノフ/楽興の時 第4番 ホ短調「プレスト」


指揮 : フアンホ・メナ(ウラディーミル・フェドセーエフ)
ピアノ : ユリアンナ・アヴデーエワ*

 

 

 

フェドセーエフは来ないだろうなと、チケットを買う前から思っていたが、もしかしたら?と思いつつ、、、、でもやっぱり来なかった。

なので悔いはないが、このフアンホ・メナもなかなかよかった。

 

アヴデーエワのパガ狂もなかなか。

先日のリサイタルでもショスタコの前奏曲では若干のミスがポコポコありつつ、今回も1番いいところでわずかなミスタッチがあった。しかし、よい音色だった。

 

悲愴がかなりの名演。

久々に悲愴を聞いたが、これを聞くとゲルギエフを思い出すなぁ。

あそこがもうちょいこうだったら、、、などまったくない。いい演奏だった。

 

フェドセーエフはもう二度と日本に来ることはないだろう。

2018年が最後の来日だろう。だってもう92歳だもん。

 

ブロムシュテットが驚異的な体力なんですよ。

 

 

 

 

2025年6月5日(木)サントリーホール

モーツァルト:交響曲第31番 ニ長調 K.297 (300a)《パリ》
芥川也寸志:オルガンとオーケストラのための《響》(1986)【芥川也寸志生誕100年記念】
R.シュトラウス:交響詩《ツァラトゥストラはかく語りき》op.30


指揮/小泉和裕
オルガン/大木麻理
 

 

今期は都響の会員なので、都響多めになる予定。

小泉さんの指揮は結構好き。

モーツァルトは明るくて、どんな人でも楽しめるだろうな。

理想的な演奏だった。

 

芥川也寸志は、これ4月に新交響楽団で聞いたばかりだけど、本当によくわからん曲。

ものすごい迫力だしオルガンの音が強烈だが、短い曲でそこまで心に残らない。

こういう系の曲はやはり打楽器が見せ場。

 

ツァラトゥストラも普通に楽しめた。

水谷さんのソロが美しい〜〜〜!横には矢部さんで、大編成だしオールスター感謝祭という感じ。

派手な曲だが、ソロは繊細でオケの音を自在に操る小泉さんの手腕はさすが。

客入りもよく、満足の演奏会だった。

2025年06月03日(火) ミューザ川崎 シンフォニーホール


ショスタコーヴィチ:24の前奏曲とフーガ Op. 87より
第1番 ハ長調
第2番 イ短調
第6番 ロ短調
第7番 イ長調
第12番 嬰ト短調
第14番 変ホ長調
第24番 ニ短調
ショパン:24の前奏曲 op.28 全曲

【アンコール】

ショスタコーヴィチ:24の前奏曲とフーガ Op.87より 第5番、第15番
 

 

 

来日のたびに必ず行くアヴデーエワ。

今日は前半より圧倒的に後半が良かった。

そしてアンコールに前半の続きなのが嬉しいところ。

 

前半は6番がだいぶ自己流の色付けがあった。

この曲、ずっとニコラーエワでばかり聞いていたので、新たな解釈というか斬新だった。

とはいえ、ニコラーエワで慣れてしまっているので、なんだか気持ち悪いのも否めない。

まぁ彼女のための曲なので、彼女の演奏がいわゆる「正解」な気もするので、なかなかの挑戦だったように思う。

そう考えると、ちょっと前に聞いた松田華音ちゃんはニコラーエワの演奏を忠実に再現した形だったな。

 

しかしこの曲は大好きなショスタコと言えどやはり修行で、聞いていて楽しいものではない。

これを3週間後にまた3時間聞くと思うと、なかなかの苦行である(笑)

 

 

後半のショパンは水を得た魚のような生き生きとした流れるような演奏。

まぁこちらもショパンの方がどう考えても聞きやすいので、だいぶ肩の荷がおりるw

こちらは暗譜での演奏。

1番から会場の空気が全部変わるほどの美しさ。

 

ショパンを聞いて思い出すのが、以前に聞いたアヴデーエワの雨だれ。

消えてなくなりそうな、儚い音色だった。

今回はそれよりはしっかりとした音色だったが、繊細な音色の表現は卓越している。

 

終演後、アンコール後には半分がスタオベ。

うむ、楽しいリサイタルだった。

 

そういやN響はフェドセーエフが降板。

そうなるかもな、と覚悟のうえで購入したチケット。代打の指揮で楽しもうと思う。

 

 

025年5月31日 (土) NHKホール

シューベルト/「ロザムンデ」序曲
ドホナーニ/童謡(きらきら星)の主題による変奏曲 作品25*
R. シュトラウス/歌劇「影のない女」による交響的幻想曲
R. シュトラウス/歌劇「ばらの騎士」組曲

【アンコール】

ワーグナー/アルバムの綴り ハ長調「メッテルニヒ侯爵夫人のアルバムに」

指揮 : ギエドレ・シュレキーテ
ピアノ : 藤田真央*
 

 

 

昨日の演奏会。

真央くん効果かほぼ満席。完売だろうな。

ドホナーニのマニアックな曲。真央くんの手にかかるとまぁ、生き生きと名曲全集100選CDにあるような見本のような美しい演奏。さすがである。

この曲自体もなかなか面白い。

 

後半の影のない女、ばらの騎士、ともによい演奏だった。

ばらの騎士は、「そこそんなに強弱主張する?」という場面をちらほら感じたが、楽曲のよさも手伝い、全体的に楽しめた。

 

指揮者の前評判がイマイチという声もあったが、昨日は結構よかったと思う。

 

それにしても真央くんはかわいいなぁ。

自分でも自分がかわいいというのをわかっているだろう。

 

2025年6月1日(日)新国立劇場オペラパレス
約3時間5分(第1幕 95分 休憩 30分 第2幕 60分)

【指 揮】コッラード・ロヴァーリス
【演 出】ヨーゼフ・E.ケップリンガー
【美術・衣裳】ハイドルン・シュメルツァー
【照 明】八木麻紀
【再演演出】上原真希

【舞台監督】CIBITA 斉藤美穂

【アルマヴィーヴァ伯爵】ローレンス・ブラウンリー
【ロジーナ】脇園 彩
【バルトロ】ジュリオ・マストロトータロ
【フィガロ】ロベルト・デ・カンディア
【ドン・バジリオ】妻屋秀和
【ベルタ】加納悦子
【フィオレッロ】高橋正尚
【隊長】秋本 健
【アンブロージオ】古川和彦


【合唱指揮】水戸博之
【合 唱】新国立劇場合唱団
【管弦楽】東京フィルハーモニー交響楽団

 

 

 

豪華な舞台!これぞオペラ。こういうのがオペラですよね。

以前に何度も書いているが、真っ暗闇に棒が1本みたいな、そういう演出はいただけない。

金がかかってる感がよい。

 

しかし、私は連日の激務により第1楽章はところどころ居眠りしてしまった。もったいない。

センスのよい舞台と、ものすごく素晴らしい歌手たちで居眠りはしてしまったが、文句のつけようがなかったと思う。

個人的にはバルトロがツボw たまに日本語が入っていなかったか?ww 伯爵のモノマネが入っていたり面白かった。何より声量と美しい声。。すばらしい。

 

そしてフィガロ、ロジーナともに、最高の歌声!

すんばらし〜〜!

黒人の伯爵だけイメージと違ったが、全体的に大変楽しめた。

 

演出も衣装も全部よかった。

やっぱオペラは金をかけないとな!

 

合唱の指揮が水戸さんだった。

だいぶ前に息子が一緒に写真を撮ってもらったことがある。その時もイケメンだなと思ったが、今日は背が高くてシュッとしてて郷古さんのようだなと思った。

 

2025年05月29日(木) トッパンホール


ショスタコーヴィチ:ピアノ三重奏曲第2番 ホ短調 Op.67
J.S.バッハ:トッカータ ニ長調 BWV912
ショスタコーヴィチ(デレヴィアンコ編/室内楽版):交響曲第15番 イ長調 Op.141a

トーマス・ヘル(ピアノ)
周防亮介(ヴァイオリン)
水野優也(チェロ)
竹原美歌(パーカッション)
ルードヴィッグ・ニルソン(パーカッション)
竹泉晴菜(パーカッション)

 

 

 

久々のトッパン。

道中、いつも渡る信号が工事で迂回。ギリギリだったので焦ったが、トッパンの目の前に信号があって良かった……

 

さて、とても楽しかった。

前半はピアノ三重奏が最初でバッハのトッカータが後なのは、あくまでトーマス・ヘル中心の構成なんだよ、ということか。

 

周防亮介と水野優也は、若さゆえの服部百音的なヒステリックな演奏。

演奏はうまい。周防さんの音色が極上。

音が大きく、耳を塞いでいる高齢者もいた。

この若いヒスにヘルのピアノが上手い具合に緩衝材的にマッチしていた。

 

ショスタコの15番は実演はなんと初めて。

ずっと聞きたかった。今年、各オケで15番が多く演奏されるので非常に楽しみ。

そして初めての15番が室内楽版というのも面白い。

なんといっても打楽器。打楽器が3名もいる!

スネアの音が大きすぎて、私の前列の方々はスネアのたびにビクッとしていた。

 

いやはや、室内楽版でもめちゃくちゃ素晴らしかった。

周防さんの悲痛な叫びのような音色が身震いするほど迫力があった。

第4楽章のクライマックスも鳥肌もの。

終演後、謎に拍手が起きず、演奏者が終わりを示した。

 

トーマス・ヘルのショスタコ祭、またやってほしい。

 

ショスタコの交響曲で実演がまだなのが2番3番。

以前に井上さんが大阪でやったが、さすがに遠征はしなかった。それ以来、やっている気配がない。

合唱もあるから予算通すのも大変なのかな。

 

 

 

2025年5月25日(日)すみだトリフォニーホール 小ホール

ショスタコーヴィチ弦楽四重奏曲 全曲演奏プロジェクト 第3回

ショスタコーヴィチ:
弦楽四重奏曲第7番 嬰ヘ短調 op. 108
弦楽四重奏曲第8番 ハ短調 op. 110

弦楽四重奏曲第9番 初稿第1楽章
弦楽四重奏曲第9番 変ホ長調 op. 117

DSCH弦楽四重奏団 DSCHでレミドシと読む

(ヴァイオリン:崔 文洙、ビルマン聡平 ヴィオラ:安達真理 チェロ:植木昭雄)

 

 

 

年に一度のクァルテット。

3回目は7、8、9番。

当日は疲れもあり錦糸町が遠く感じたが、ビルマンのイケメンさに疲れも飛ぶ(笑)

 

昨日は席がかなり前の方だったこともあり、かなりの迫力。

ショスタコのスリリングな演奏をダイレクトに感じることができた。

4人は息がぴったりで、文句のつけようがない演奏。

メンツもメンツだし安心して聞けた。

 

面白かったのが9番初稿の第1楽章。

完成品の3年前に作られた初稿が発見されたとかなんとかで実演してくれたが、現在のものとまったく違う別曲のようなイメージを持った。初稿とはいえ、ここまで違うもんかね。面白かった。

こちらを演奏後、通常の9番を演奏。

うむ、7、8、9どれをとってもブラボー。ザ・ショスタコの旋律シャワーを浴び、大満足。

特にチェロの音色が深く美しかった。

 

終演後はブラボーの嵐。

客は決して多くはないが、私も含めみな満足な様子だった。

 

4回目はまた来年(2026.6.14)。

2025年5月17日(土)神奈川県立音楽堂 

プロコフィエフ:
ピアノ・ソナタ第6番 イ長調 Op.82「戦争ソナタ」
ピアノ・ソナタ第7番 変ロ長調 Op.83「戦争ソナタ」
ピアノ・ソナタ第8番 変ロ長調 Op.84「戦争ソナタ」

【アンコール】

ドビュッシー:亜麻色の髪の乙女
ドビュッシー:ミンストレル

上原彩子(ピアノ)

 

 

大雨強風の中、桜木町まで。

このホール、苦手なんだよな〜

まず、到着までの道のりが苦手。信号待ちで列ができ、勾配のきつい細い道。やっと登った先にまだ階段があるという。。

着いたら着いたで座席は東文よりさらに狭い。この前行った吉祥寺のホールもこのくらいかな。175cmくらい身長のある人なら膝が前の座席の背もたれに付いてしまうだろう。

んでもって女性トイレは2階にしかないのに個数が少ないため、1階まで行列。

 

さて、そんな面倒も吹き飛ぶほどの名演だった!

プロコの作品は次の音が予想できなかったりと奇想天外な部分も多く、オーケストラ含めあまり心の底から腑に落ちる演奏は少ない。

しかし昨日の上原さんの演奏は完璧だった。非の打ち所がない演奏だった。

 

大好きな7番の第3楽章は完璧なテクニックはもちろんのこと、打鍵の強さ、指の運びなど完璧すぎた。

 

さらに大好きな8番の第3楽章も永遠に聴いていたいほどの美しさ。

考えられないくらい難しそうな曲だが、難なく弾いていた。

 

理想の演奏でないと永遠に文句を書いてしまうが、文句のつけようのない演奏で、もはや書くことすらないw

 

アンコールはドビュッシー。

まったく毛色の違うものでも完璧すぎた。

 

ところでこのお方、チャイコン優勝という輝かしい経歴を持ち、演奏もこんなにも完璧なのに、そこまで話題にならない気がするのはなぜだろう。

調べると高卒? 少なくとも音大には行っていないらしい。

ということは、コネが少ないからか?

よくわからんが、この世は才能よりコネがあるほうが何かと融通がきくのは間違いない。

 

 

 

2025年5月16日(金)サントリーホール

【ショスタコーヴィチ没後50年記念】
ペンデレツキ:広島の犠牲者に捧げる哀歌
ショスタコーヴィチ:ピアノ協奏曲第2番 ヘ長調 op.102
ショスタコーヴィチ:交響曲第5番 ニ短調 op.47

【アンコール】

ショスタコーヴィチ:24の前奏曲 Op. 34 より 第10番 嬰ハ短調(ピアノ・アンコール)

指揮/クシシュトフ・ウルバンスキ
ピアノ/アンナ・ツィブレヴァ

 

 

 

ウルバンスキの都響デビューは鮮烈だった。

洗練され、斬新なショスタコ5番。

「若い人特有の凄みのないショスタコ」と嫌味で言っているのではない。これまでの実績と信頼があるので、本日の演奏でも「すごい挑戦だ!」と素直に思った。

東響では4番を二度、6番を一度、あとはカルミナブラーナを聴いており東響でショスタコといえばウルバンスキだった。

 

いや〜〜猛烈なスピード感、煽りとうねり、木管のベルアップ、フルートはもう楽譜が変わってるし、第1だったか第2楽章だったか、ホルンはじめ金管の謎のスタッカートといい、ずいぶんいじったなとw

 

んでもって都響が恐ろしくきちんとそれについてきて、完璧にウルバンスキのやりたいことをやり遂げたと思う。

ものすごい迫力、斬新、新世代のショスタコだった。う〜ん、すごかったな。パーヴォとコンセルトヘボウの10番もすごかったが、今日のも強烈だった。

これだけの演出は批判も覚悟だろうし、オケをここまで自在に操る手腕はやはりただものではないと確信した。

 

終演後は謎に私も汗びっしょりだった笑

そしてブラボーの嵐。彼の人気が窺える。客席もあの感じなら完売だろうな。

キャッキャしてるおじさんたちがかわいいw

 

まずはじめのペンデレツキがよかったし。

それにウルバンスキのかっこよさ♪ ほんっとに眼福だわ。 鍛えてるのがスーツでもわかるしなw

この人、本当に美しいよなー所作も。

 

本日唯一残念だったのがピアノコンチェルト。

最初の1音で「あ、だめだ。これ最後までダメだろな」と直感したが、本当にダメだった。

演奏も音色もよくなかった。

第1楽章はオケとも全然あっていなかったし、オケが途中でゆっくり目にあわせても、それでもピアノは追いつかない感じ。

アンコールも全然よくなかった。

もし松田華音ちゃんだったら、今日の都響はパーフェクトだったろうな。