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クラシックコンサート鑑賞日記

コンサートの余韻を楽しむブログ

 2025年06月28日(土) サントリーホール

 

ストラヴィンスキー:ピアノと管弦楽のためのカプリッチョ

ショスタコーヴィチ:交響曲第11番 ト短調 op.103「1905年」
【アンコール】

ゼジニゼ:ストラヴィンスキーへのオマージュ(ピアノ・アンコール)
ゼジニゼ:日本へのオマージュ(ピアノ・アンコール)
ゼジニゼ:プレリュード(ピアノ・アンコール)


指揮:アンドレイ・ボレイコ
ピアノ:ツォトネ・ゼジニゼ

新日本フィルハーモニー交響楽団

 

 

 

ショスタコの11番はかなりの名演だった!

オーソドックスで行きすぎた味付けもなく、誰が聞いても文句のないショスタコだったのではないだろうか。

たまに見せるそれとない強弱はシリアス味を加速させ、とても立体的な音づくりで効果的だった。

 

あー、ここもうちょいなぁ、、、という場面はまったくなかった。

金管も素晴らしく、とてもよかった。

 

前半のゼニジゼくんはなんと16歳。高校生だ。

コンチェルトは自席の位置もあり、いまいちピンとこなかったのだが(ピアノとオケがどうもズレて聞こえる)、アンコールが少しジャズの要素もあるとてもかっこいい曲を、なんと3曲も!

誰も曲だろうと思ったら自作だった。すご。

 

Xの投稿が面白く有名な大使も来ていたようで、サントリーでの写真をアップしていた。

1階の左側の前の方の席にいた外国人が大使夫妻かも?

 

 

さて、16時に演奏が終わり、17時からはトッパンでメルニコフの24前奏曲フーガ付きとタコ続き。

素晴らしい11番の名演に指揮者を呼び出す拍手を続けたかったが、超急ぎてサントリーを後にした。

 

 

2025年6月21日(土)NHKホール

コルンゴルト/ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品35
マーラー/交響曲 第1番 ニ長調「巨人」

【アンコール】

イザイ/無伴奏ヴァイオリン・ソナタ 第2番 イ短調 Op. 27 ― 第4楽章「復讐の女神たち」


指揮 : タルモ・ペルトコスキ
ヴァイオリン : ダニエル・ロザコヴィッチ

 

 

 

定期会員なので普通に行くが、会員じゃなくてもこれは行く。

ロザコヴィッチのヴァイオリンがお目当てだったが、後半のマーラーもとんでもなくよかった!

 

ロザコヴィッチを初めて聞いたのは2017年。PMFでゲルギエフが急遽連れてきた子だ。

その頃はまだ10代。17歳とかじゃなかったかな。

この時もとんでもない演奏で、そこから来日時は必ず聞いている(3回。今日で4回目)。どれも死ぬほどうまく、毎回感激する。

 

今回のコルンゴルトも凄まじい美しさ。

とんでもない美音だが、ネットで調べるとなんとモダン楽器だそう。

指揮者とはプライベートでも仲がいいらしい。

本日の演奏も彼らしい繊細な音に鳥肌がたった。

アンコールはかなりの超絶技巧。

 

後半のマーラー、かなりよかった!

本日の演奏会は完売らしいがなぜだろう?そこまでの演目でもないが。

みなさん若い人に期待しているのか?

 

指揮者はフィンランド出身とのことだが、マケラといいフィンランド人は優秀な若い人が多いのだな。

 

でもってペルトコスキは遠目で見るとアジア人に見える。なんとなくヴァイオリンのプリッチンを思い出した。

 

金管で少々ぷわ〜んがあったものの、久々に大興奮の演奏だった。素晴らしい〜!

NHKホールでも十分な鳴り。そして自在な強弱緩急が見事だった。

第4楽章でマーラーらしさが出たが、第3楽章までは、あまりマーラーぽくなかったかも。

でも面白い演奏だった。

 

第4楽章はホルン全員、トランペット・トロンボーンの首席が立奏。これはマーラーの指示らしいが、知らんかった。今まで気づかなかったな。

終演後は大歓声。


若い人は、映像でいくらでも過去の勉強ができるので、知識はかなり豊富だろう。
こうして才能のある若い人が今後もどんどん出てくるだろう。

 

最近アメブロに気持ち悪い広告が出るので困っている(虫のオブジェが出てくる)。

事務局に相談したが、時間がかかるとのこと。

アメブロだけでなく、あらゆるwebサイトにも出てくる。私は虫が大の苦手なのでその広告が出るたびに全身に電気が走るほどの恐怖を味わっている。どんなに設定しても消えない。

悪質な広告、本当に困る!

 

2025年6月12日(木) サントリーホール

イベール/フルート協奏曲
ブルックナー/交響曲 第6番 イ長調

【アンコール】

イベール:無伴奏フルートのための小品(フルート・アンコール)


指揮 : フアンホ・メナ
フルート : カール・ハインツ・シュッツ
 

 

 

フルートが素晴らしかった。

うまいなんてもんじゃない。音色も極上。

この人自体に品があり、オーラを感じた。

思わずプロフィールを見たらウィーン・フィルの首席。

なるほど、別格だ。

 

後半のブル6はフツーーーーーー

先日のチャイコ悲愴が良すぎたので期待してしまったが全然だった。

 

解説にもあったが、なぜ6番はあまり演奏されないか、

それはブルックナーならではの神々しさ、神的な昇天して天使が迎えに来るかのようなあの独特なクライマックスがないからではないだろうか。

思わず目を閉じると自然に涙が出るような。

 

これまで6番が1番好きだったが、今日の演奏で格下げ。

なんだかんだ7番なのかな〜

 

来週もN響。今月はABC全プログラムを聴くことになる。

 

2025年6月8日 (日)NHKホール

リムスキー・コルサコフ/歌劇「5月の夜」序曲
ラフマニノフ/パガニーニの主題による狂詩曲 作品43*
チャイコフスキー/交響曲 第6番 ロ短調 作品74「悲愴」

【アンコール】

ラフマニノフ/楽興の時 第4番 ホ短調「プレスト」


指揮 : フアンホ・メナ(ウラディーミル・フェドセーエフ)
ピアノ : ユリアンナ・アヴデーエワ*

 

 

 

フェドセーエフは来ないだろうなと、チケットを買う前から思っていたが、もしかしたら?と思いつつ、、、、でもやっぱり来なかった。

なので悔いはないが、このフアンホ・メナもなかなかよかった。

 

アヴデーエワのパガ狂もなかなか。

先日のリサイタルでもショスタコの前奏曲では若干のミスがポコポコありつつ、今回も1番いいところでわずかなミスタッチがあった。しかし、よい音色だった。

 

悲愴がかなりの名演。

久々に悲愴を聞いたが、これを聞くとゲルギエフを思い出すなぁ。

あそこがもうちょいこうだったら、、、などまったくない。いい演奏だった。

 

フェドセーエフはもう二度と日本に来ることはないだろう。

2018年が最後の来日だろう。だってもう92歳だもん。

 

ブロムシュテットが驚異的な体力なんですよ。

 

 

 

 

2025年6月5日(木)サントリーホール

モーツァルト:交響曲第31番 ニ長調 K.297 (300a)《パリ》
芥川也寸志:オルガンとオーケストラのための《響》(1986)【芥川也寸志生誕100年記念】
R.シュトラウス:交響詩《ツァラトゥストラはかく語りき》op.30


指揮/小泉和裕
オルガン/大木麻理
 

 

今期は都響の会員なので、都響多めになる予定。

小泉さんの指揮は結構好き。

モーツァルトは明るくて、どんな人でも楽しめるだろうな。

理想的な演奏だった。

 

芥川也寸志は、これ4月に新交響楽団で聞いたばかりだけど、本当によくわからん曲。

ものすごい迫力だしオルガンの音が強烈だが、短い曲でそこまで心に残らない。

こういう系の曲はやはり打楽器が見せ場。

 

ツァラトゥストラも普通に楽しめた。

水谷さんのソロが美しい〜〜〜!横には矢部さんで、大編成だしオールスター感謝祭という感じ。

派手な曲だが、ソロは繊細でオケの音を自在に操る小泉さんの手腕はさすが。

客入りもよく、満足の演奏会だった。

2025年06月03日(火) ミューザ川崎 シンフォニーホール


ショスタコーヴィチ:24の前奏曲とフーガ Op. 87より
第1番 ハ長調
第2番 イ短調
第6番 ロ短調
第7番 イ長調
第12番 嬰ト短調
第14番 変ホ長調
第24番 ニ短調
ショパン:24の前奏曲 op.28 全曲

【アンコール】

ショスタコーヴィチ:24の前奏曲とフーガ Op.87より 第5番、第15番
 

 

 

来日のたびに必ず行くアヴデーエワ。

今日は前半より圧倒的に後半が良かった。

そしてアンコールに前半の続きなのが嬉しいところ。

 

前半は6番がだいぶ自己流の色付けがあった。

この曲、ずっとニコラーエワでばかり聞いていたので、新たな解釈というか斬新だった。

とはいえ、ニコラーエワで慣れてしまっているので、なんだか気持ち悪いのも否めない。

まぁ彼女のための曲なので、彼女の演奏がいわゆる「正解」な気もするので、なかなかの挑戦だったように思う。

そう考えると、ちょっと前に聞いた松田華音ちゃんはニコラーエワの演奏を忠実に再現した形だったな。

 

しかしこの曲は大好きなショスタコと言えどやはり修行で、聞いていて楽しいものではない。

これを3週間後にまた3時間聞くと思うと、なかなかの苦行である(笑)

 

 

後半のショパンは水を得た魚のような生き生きとした流れるような演奏。

まぁこちらもショパンの方がどう考えても聞きやすいので、だいぶ肩の荷がおりるw

こちらは暗譜での演奏。

1番から会場の空気が全部変わるほどの美しさ。

 

ショパンを聞いて思い出すのが、以前に聞いたアヴデーエワの雨だれ。

消えてなくなりそうな、儚い音色だった。

今回はそれよりはしっかりとした音色だったが、繊細な音色の表現は卓越している。

 

終演後、アンコール後には半分がスタオベ。

うむ、楽しいリサイタルだった。

 

そういやN響はフェドセーエフが降板。

そうなるかもな、と覚悟のうえで購入したチケット。代打の指揮で楽しもうと思う。

 

 

025年5月31日 (土) NHKホール

シューベルト/「ロザムンデ」序曲
ドホナーニ/童謡(きらきら星)の主題による変奏曲 作品25*
R. シュトラウス/歌劇「影のない女」による交響的幻想曲
R. シュトラウス/歌劇「ばらの騎士」組曲

【アンコール】

ワーグナー/アルバムの綴り ハ長調「メッテルニヒ侯爵夫人のアルバムに」

指揮 : ギエドレ・シュレキーテ
ピアノ : 藤田真央*
 

 

 

昨日の演奏会。

真央くん効果かほぼ満席。完売だろうな。

ドホナーニのマニアックな曲。真央くんの手にかかるとまぁ、生き生きと名曲全集100選CDにあるような見本のような美しい演奏。さすがである。

この曲自体もなかなか面白い。

 

後半の影のない女、ばらの騎士、ともによい演奏だった。

ばらの騎士は、「そこそんなに強弱主張する?」という場面をちらほら感じたが、楽曲のよさも手伝い、全体的に楽しめた。

 

指揮者の前評判がイマイチという声もあったが、昨日は結構よかったと思う。

 

それにしても真央くんはかわいいなぁ。

自分でも自分がかわいいというのをわかっているだろう。

 

2025年6月1日(日)新国立劇場オペラパレス
約3時間5分(第1幕 95分 休憩 30分 第2幕 60分)

【指 揮】コッラード・ロヴァーリス
【演 出】ヨーゼフ・E.ケップリンガー
【美術・衣裳】ハイドルン・シュメルツァー
【照 明】八木麻紀
【再演演出】上原真希

【舞台監督】CIBITA 斉藤美穂

【アルマヴィーヴァ伯爵】ローレンス・ブラウンリー
【ロジーナ】脇園 彩
【バルトロ】ジュリオ・マストロトータロ
【フィガロ】ロベルト・デ・カンディア
【ドン・バジリオ】妻屋秀和
【ベルタ】加納悦子
【フィオレッロ】高橋正尚
【隊長】秋本 健
【アンブロージオ】古川和彦


【合唱指揮】水戸博之
【合 唱】新国立劇場合唱団
【管弦楽】東京フィルハーモニー交響楽団

 

 

 

豪華な舞台!これぞオペラ。こういうのがオペラですよね。

以前に何度も書いているが、真っ暗闇に棒が1本みたいな、そういう演出はいただけない。

金がかかってる感がよい。

 

しかし、私は連日の激務により第1楽章はところどころ居眠りしてしまった。もったいない。

センスのよい舞台と、ものすごく素晴らしい歌手たちで居眠りはしてしまったが、文句のつけようがなかったと思う。

個人的にはバルトロがツボw たまに日本語が入っていなかったか?ww 伯爵のモノマネが入っていたり面白かった。何より声量と美しい声。。すばらしい。

 

そしてフィガロ、ロジーナともに、最高の歌声!

すんばらし〜〜!

黒人の伯爵だけイメージと違ったが、全体的に大変楽しめた。

 

演出も衣装も全部よかった。

やっぱオペラは金をかけないとな!

 

合唱の指揮が水戸さんだった。

だいぶ前に息子が一緒に写真を撮ってもらったことがある。その時もイケメンだなと思ったが、今日は背が高くてシュッとしてて郷古さんのようだなと思った。

 

2025年05月29日(木) トッパンホール


ショスタコーヴィチ:ピアノ三重奏曲第2番 ホ短調 Op.67
J.S.バッハ:トッカータ ニ長調 BWV912
ショスタコーヴィチ(デレヴィアンコ編/室内楽版):交響曲第15番 イ長調 Op.141a

トーマス・ヘル(ピアノ)
周防亮介(ヴァイオリン)
水野優也(チェロ)
竹原美歌(パーカッション)
ルードヴィッグ・ニルソン(パーカッション)
竹泉晴菜(パーカッション)

 

 

 

久々のトッパン。

道中、いつも渡る信号が工事で迂回。ギリギリだったので焦ったが、トッパンの目の前に信号があって良かった……

 

さて、とても楽しかった。

前半はピアノ三重奏が最初でバッハのトッカータが後なのは、あくまでトーマス・ヘル中心の構成なんだよ、ということか。

 

周防亮介と水野優也は、若さゆえの服部百音的なヒステリックな演奏。

演奏はうまい。周防さんの音色が極上。

音が大きく、耳を塞いでいる高齢者もいた。

この若いヒスにヘルのピアノが上手い具合に緩衝材的にマッチしていた。

 

ショスタコの15番は実演はなんと初めて。

ずっと聞きたかった。今年、各オケで15番が多く演奏されるので非常に楽しみ。

そして初めての15番が室内楽版というのも面白い。

なんといっても打楽器。打楽器が3名もいる!

スネアの音が大きすぎて、私の前列の方々はスネアのたびにビクッとしていた。

 

いやはや、室内楽版でもめちゃくちゃ素晴らしかった。

周防さんの悲痛な叫びのような音色が身震いするほど迫力があった。

第4楽章のクライマックスも鳥肌もの。

終演後、謎に拍手が起きず、演奏者が終わりを示した。

 

トーマス・ヘルのショスタコ祭、またやってほしい。

 

ショスタコの交響曲で実演がまだなのが2番3番。

以前に井上さんが大阪でやったが、さすがに遠征はしなかった。それ以来、やっている気配がない。

合唱もあるから予算通すのも大変なのかな。

 

 

 

2025年5月25日(日)すみだトリフォニーホール 小ホール

ショスタコーヴィチ弦楽四重奏曲 全曲演奏プロジェクト 第3回

ショスタコーヴィチ:
弦楽四重奏曲第7番 嬰ヘ短調 op. 108
弦楽四重奏曲第8番 ハ短調 op. 110

弦楽四重奏曲第9番 初稿第1楽章
弦楽四重奏曲第9番 変ホ長調 op. 117

DSCH弦楽四重奏団 DSCHでレミドシと読む

(ヴァイオリン:崔 文洙、ビルマン聡平 ヴィオラ:安達真理 チェロ:植木昭雄)

 

 

 

年に一度のクァルテット。

3回目は7、8、9番。

当日は疲れもあり錦糸町が遠く感じたが、ビルマンのイケメンさに疲れも飛ぶ(笑)

 

昨日は席がかなり前の方だったこともあり、かなりの迫力。

ショスタコのスリリングな演奏をダイレクトに感じることができた。

4人は息がぴったりで、文句のつけようがない演奏。

メンツもメンツだし安心して聞けた。

 

面白かったのが9番初稿の第1楽章。

完成品の3年前に作られた初稿が発見されたとかなんとかで実演してくれたが、現在のものとまったく違う別曲のようなイメージを持った。初稿とはいえ、ここまで違うもんかね。面白かった。

こちらを演奏後、通常の9番を演奏。

うむ、7、8、9どれをとってもブラボー。ザ・ショスタコの旋律シャワーを浴び、大満足。

特にチェロの音色が深く美しかった。

 

終演後はブラボーの嵐。

客は決して多くはないが、私も含めみな満足な様子だった。

 

4回目はまた来年(2026.6.14)。