月曜日のこと、私の出身劇団西一風の「めばえ」を観てきました。
そうなんです。会社休んでいっちゃいました。

まずは3回生の皆さん、お疲れ様でした。
そして、ありがとうございました。
彼らが入団するところから観ていたので、もう3年も経ったのかと驚くばかりです。
私の頃は、4回生の春の公演で卒団だったので、半年も短縮しているんですね。
(実は私は4回生の12月の公演まで出ていたので、結局卒団してないんですけどね)

今回の公演、正直、面白かったです。
いつもは大甘の評価ですが、今回はあえて厳しく書かせて頂きます。
当日、あえて言わなかったことを書きます。

面白かったのですが、つまらなかった。
理由は、話が展開しているようで展開していない。
つまりは、同じところをグルグル廻っているような感じで、進んでいない。
というか進みがのろい。

2時間弱という芝居の長さほどの話じゃないということ。
主人公「めばえ」が自分の名前の由来を探す旅に出るのですが、展開の幅が狭い。
ですから、ドライブ感がいまひとつ出てこない。
だから、芝居がだれてしまう。
だから、役者の集中力が切れてしまうし、目が死ぬ。
というか芝居の内容よりもこの「目が死ぬ」のが何よりもダメです。
お客さんの集中力が切れてしまいます。

ならば、思い切って芝居を短くした方が良かったのではないかと思う。
別に1時間でもよいのです、大胆にシーンを切ってしまってもよい。
印象的なシーンもあったので、残念なところです。

とはいえ、良い部分もあったので、今後の反省に活かしてほしいと思う。
で、最後に1回生諸氏、できるだけ演技を小さくまとめず、思い切って演技して欲しいと思います。
「こうしておけば受けるだろう」なんて演技は学生演技には必要ないですよね。
できるだけいろいろなことに挑戦していってください。

とまあ、偉そうに書きました。
こんなこと書ける立場ではないのにね。

とはいえ、西一風でがんばっている学生がいるっていうのは本当にうれしいし、感謝したいと思います。
ほんとうにありがとう。

ですから西一風は観続けますよ。
せっかく京都に帰ってきたんですから、行ける公演は全部行きます。
現役の皆さんが生まれる前に西一風にいたヤツが偉そうにやってきて、後輩達にとっては鬱陶しいかとは思うけどね。
まあ、許して下さいな。

写真は愛おしい愛おしい後輩達です。
mokichi4516こと齋藤秀雄の再び京都へ戻ってきました。-西一風めばえ1


mokichi4516こと齋藤秀雄の再び京都へ戻ってきました。-西一風めばえ2
さてさて、先日の月曜日、京都ロマンポップ「ピュア・アゲイン」を観てきました。
ロマンポップは昨年「幼稚園演義」を観て以来一気にはまった劇団で、私の大好きな劇団のひとつです。
まあ、観劇自身再開してまだ2年ちょっとなんですけどね。

公演が終了して約1週間、各所で寸評が書かれており、今更私が書くこともないのですが、ひとまず。

お話はロマンポップお得意のそれこそピュアなお話。
結論から言いますと大好きなんです。
難しいことを考えずにすっと頭に入って来て、笑わせてくれて、泣かせてくれて、最後なんだかジワジワしたものを心に残してくれる。

すいません。単純な楽しみ方で・・・
でもいいじゃないですか。

一見、抽象的な話の内容で始まる今回のお芝居のセットはとても具体的なお部屋。
ドールハウスを模したというのは後でお聞きしました。
あ、なるほど理想のお家なんですね。
その理想のお家にいたゼノンとパルメという男女二人だけの世界に、スノウという存在が入り込むことで常識やら物質やら他人の存在がいろいろと入り込んできて、理想と現実の間に祖語が生まれ始める。
まさにパラドクス。
ああ、だから主人公はゼノンなのねと。

その展開に、純粋にパルメを愛するゼノンと、ゼノンからの求愛に心地よさを感じながら、浮気性のアナクサに愛を求めるパルメという展開が重なってゆく。
ちょっと理解が足りなかったらすいません。

あくまで純粋なゼノンを演じる沢さん、二人の違った小悪魔を演じる玉一さんと吉岡さん、飄々とした感のアナクサを演じる谷脇さん、と、おいしいとこ持っていってる向坂さん、皆よかったですね。
特にスノウというストーリーテラー的な役に、しつこい感じの小悪魔感を乗っけた玉一さんよかったですね。

最後、理想の世界の壁に穴があき、現実世界とつながるシーンはもっと奥行き感があったらさらによかったですね。
理想と現実の距離感みたいなものが広さで表現出来たらよかったのになと思います。
テント芝居だったらどうなるのかな?

ロマンポップの次にまた期待したいです。楽しみです。

mokichi4516こと齋藤秀雄の再び京都へ戻ってきました。-ピュアアゲイン

先週の日曜日のこと。遊劇体さんの「戦國茶漬」を観てきました。

遊劇体といえば、旗揚げが84年。つまりは私が大学一回生の時でした。
私がはじめて観た遊劇体の作品はたしか西部講堂で上演された「春の鬼」だったと思います。
原さんが西一風に客演してくださった年なので85年ですね。
あれから、27年。
まだ遊劇体が活動を続けてくれているの言うのは、ものすごいことなのだと思います。

さて、その遊劇体が泉鏡花の作品に取り組んでもう7本目なんだそうです。
私は前回の「多神教」とこの「戦國茶漬」の二つしか観ていないのですが、明治後期から昭和初期の作品とは思えないくらいのユーモアと悲哀に富んだ作品で、飽きずに観ることができました。

いや、というより私の認識が間違っていたのでしょうね。
古い=堅苦しい、難解というような誤った認識をどこかで持っていたのでしょう。
ありがたいことに遊劇体さんはその間違いを気付かせてくれました。

確かに、使われている言葉は原文ママなので、多少は難しいのですが、わからないレベルではなく、すっと入ってきます。
武田信玄に敗れ、零落し、落ちのびる村上吉清の奥方に懸想をする渡守、その渡守を叩きだした上杉謙信の老将柿崎景舎も懸想する。その懸想する柿崎を謙信は討ち果たす。と話はクルクルと展開していくのではあるが、そこには、生と死、自由のない時代背景がありながら、かつ人間のおかしみが描かれていて、どの登場人物も愛すべき姿として描かれていました。

泉鏡花の作品に遊劇体さんのお芝居が綺麗にシンクロしているからこそ、この登場人物の愛すべき「おかしみ」がしっかりと描かれているのだと思います。

さらに、(いつも書いていますが)遊劇体さんの役者さんはほんと巧い!
なんていうか、キャラクターをちゃーんと作っていて、かつ、セリフを展開させていない間のお芝居がとても巧い。だから絶妙な間が生まれるのでしょうね。

パンダさんの「老尼」の至っては役の作り方があんまり面白すぎて出ている間ずーっとクスクスと笑ってしまいました。
村尾さんも元黒手組の中田さんや二口さん、高杉さんこやまさんと出ている皆さんすごい役者さんたちだなあと感心しきりです。

2時間を超える作品でしたが、あっという間に終わりました。
写真は会場の国立文楽劇場です。
楽しいお芝居をみせてくれた遊劇体さんに感謝です。

mokichi4516こと齋藤秀雄の再び京都へ戻ってきました。-国立文楽劇場
 
先週土曜日のこと。
豆企画を観に京大吉田寮へ行ってきました。
隣の某建物には仕事で頻繁に行くのですが、吉田寮で芝居を観るのはかなり久しぶりです。
たしか、西一風にいた井上裕之くんがハンサムロケット団(確かこんな名前だった)を結成し、吉田寮で公演を打ったのを観に行って以来だとおもいますから、大方、20年ぶりとなります。

mokichi4516こと齋藤秀雄の再び京都へ戻ってきました。-吉田寮1

さて、お芝居。
実は豆企画ははじめてだったのですが、ものすごくテンポが良く、かつ展開が早いのでこぎみ良くて面白かったです。
特に、お芝居である前提をひっくり返す、つまりは「ソデに控えている役者を引っ張り出してきたり」「時限的に一緒にいるはずのない人が出てきてしまったり」「役が入れ替わったり」と、「そうくるかぁ」という展開はさすが面白かったですね。

そんなめくるめく展開の中でもシリアスな展開を垣間見させていて、ただのドライブ感だけじゃないよと思わせてくれるものさすがでした。

欲を言えば、後半だだーっと展開する中で、もう少し演技とシーンが整理されているともっと主題が伝わりやすいのではないかと思います。まあ、つまりは私などは面白かったのだけどちょっと主題が見えなかったという体たらくでした。
いや、主題は見えていたんですが、その先の訴えるものが伝わりにくかったのかもしれませんね。
まあ、あえてそこを自由にしているのかもしれません。
「おっさん芝居についてゆけず」という図なのかもしれませんね。

古野君と井上君は、相変わらず面白かったですね。二人ともリズム感が良く、演技が切れていてよかったです。

また公演があれば行きたいですね。
しかし、客層も役者も若かったですねー・・・・娘や息子と言っても過言でない世代の人たちのお芝居を観ているなんて・・・・・これもまたおもしろいですね。

さて、明日は遊劇体さんです。
楽しみです。

mokichi4516こと齋藤秀雄の再び京都へ戻ってきました。-吉田寮2
月曜日の夜、ひょっこり時間ができることが分かったので、ひとまず予約をして行ってきました。
松本さんが美術で参加していることも決め手です。

さて、初ロロ。
やはり、東京で話題の若い劇団だけあって、テンポもセリフ回しもこぎみ良いですね。

テーマは愛の話。
10人の男女がいろいろな愛の話を紡いでくれます。
相思相愛でも彼女が光る。とか。
200歳のお爺さんが若い女性を真剣に愛する、しかも彼女のひいおばあさんから好きだったとか。
彼氏が何者かから「後5ターンで死ぬ」と言われているとか、
その彼氏の元カノは、自分が愛されていないのにつくすとか、
で、その彼女を真剣に愛している幽霊とか。

実にかるーく始まる愛の話は、少しずつ深さを増し、それは様々な形の愛の姿を描いてゆく。
そのくるくると展開しつつもじわーっと拡がる感じが実に絶妙。

役者の皆さんもしっかりキャラクターが立っていて面白かったですね。

「もう少しひねりがあったらなぁ」なんて観ているときは思ったのですが、今思うとそれはそれでよかったのかなと思っております。

最後の方のシーンで、かなうはずのない幽霊の愛は、最後の最後に少しだけ彼女の手に触れることが出来ると言うことで、ほんのわずか成就します。
私としては、その後に展開するラストシーンより感動的でしたし、救われました。

でもね。
この10月6日で、結婚して16年。
交際をはじめて22年の先輩から言わせていただくと、もうちょっと違う形の愛もあるんだぞーって言いたいかな。

えー、写真は撮るのを忘れました。
会場は元・立誠小学校、創立100年をゆうに超えるこの学校もいろんな愛を見てきたんでしょうね~。
なんてね。