持久《じきゅう》微善を積んで撓《たゆ》まず | 格言とその意味

格言とその意味

廣池千九郎先生の格言とその意味をUPしていきます。


 いかなる悪人でも、ときどき善事をなすことはあります。
たとえば、強盗もしくは殺人をなす悪人でも、その道徳的本能によりて、赤子の水に溺《おぼ》れん とするを見れば、これを救い、老人の重荷を負うものを見れば、これを助くるごときことはあります。
しかしながら、かかる悪人はその精神の中において常に正 義に反することを考えておりますから、たとい毎日殺人もしくは強盗をせずとも、やはり悪人であります。
それ故に、右と反対に、常に真の正義及び犠牲の精神 を持続して、日夜軽微の善事を累積するものあらば、それはすなわち最高道徳になるのであります。
神と聖人とはかくのごとき人々の社会に増加せんことを希望 してやまないのであります。

               広池千九郎WEBSITE格言の間より