少年わいせつ被告(35)の上告を棄却し有罪確定(最高裁) | mojorのブログ@事件等を教訓に己を律しよう!

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元歯科医(33)に判決

の続報と思われる報道が出ました。

 

本日付にて上告棄却等を伝える裁判報道です。 ※被告人実名は伏せました。

 

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法改正前の強制わいせつ、告訴なしで起訴可能…最高裁判断 : 国内 : ニュース : 読売新聞オンライン 2020/03/11 08:07引用

 

2017年の刑法改正で、被害者の告訴が起訴の条件となる「親告罪」の規定が撤廃された強制わいせつ罪について、改正前の犯行も告訴なしで起訴できるかどうかが争われた刑事裁判の判決で、最高裁第3小法廷(宮崎裕子裁判長)は10日、「起訴できる」との判断を示した。

 

その上で、少年にわいせつな行為をしたとして、同罪などに問われた奈良市の被告(35)の上告を棄却。被告を懲役3年、保護観察付き執行猶予5年とした1、2審判決が確定する。

https://www.yomiuri.co.jp/national/20200311-OYT1T50010/ 

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むろん、この報道の主眼は被告人への量刑決定ではなく、被害者側からの親告が前提となる法改正前の犯行であっても検察は起訴できるとの新たな最高裁判断にありましょう。

これが、概してセンセーショナルな風評をもたらすと思われる強制わいせつ罪抵触等の類ではなく、言うなればもっと地味な犯行事案であった場合、最高裁はこのような判断を行うかどうかは疑問が残るところです。

 

同報道によると、改正法の付則は「改正前の事件も告訴なしで起訴できる」と定めているが、弁護側は「実行時に適法だった行為の責任は問えない」とする憲法39条に基づき、「付則は違憲だ」と主張しましたが、最高裁小法廷は、「親告罪は被害者の意思を尊重する観点から告訴を起訴の要件としたもので、規定を撤廃しても、行為時の違法性の評価が遡って変更されるわけではない」と判断し、付則は憲法に違反しないと結論付けたともいいます。(報じられている、弁護側の「実行時に適法だった行為」はむろん少年へのわいせつ行為の適法を指しているのではなく、法改正前の当時は親告罪だから申告なき起訴は犯罪として成立しないとの起訴の手続き上の問題での「適法」との表現と思われます。)

 

私見ではこの件に関しては被告人側にかなりの同情の余地はあろうかと思います。

何事も法改正前の事を改正後にあてはめて処置していおけば不整合は生じてしまいましょう。

ただし如何せん、未成年者への強制わいせつ行為であったことが、法の番人たる最高裁にしても予断や恣意に基づいた決定をおこなってしまったとも言えそうな気がしないでもありません。世論も犯行内容が内容だけに懐疑の声もあまりあがらない程度が日本の民度の現状なのかもしれません。

今回の最高裁判断からの教訓は、性的犯罪は、刑事訴訟の手続きなどにおける公正な法解釈もゆがめてしまうこともすらありえることからも、平素から性的犯罪には絶対に手を染めない意識をいっそう強く持つことが大切であるといったところでしょうか。

 

追記

今回の最高裁判断は「怖い御達し」かも