これは「シン・仮面ライダー ネタバレ解説・考察3」の続きです。

最後までネタバレしています。ご注意ください。

書いてあることはすべて独自解釈です。公式なものとは違っている可能性が大いにあります。

命の洗濯を

本郷とルリ子は政府の男が用意したコンテナハウスの隠れ家へ。

冒頭でSHOCKERから逃げ出してから、クモオーグとの戦闘、セーフハウスを経てコウモリオーグとの戦闘、その後夜になってハチオーグとの戦闘…とほぼ休みなく動いてきてるので、ここで初めてまともな休息をとることになります。

 

情報機関の男がルリ子の着替えを持って来ます。「下着は若い婦人警官が選んだ」

着替えの入ってた袋にはAmigoのロゴがありますね。

アミーゴはオリジナルでおやっさんこと立花藤兵衛が経営していたスナック。ルリ子とひろみがバイトしていて、本郷たちの基地のようになっていました。

オリジナルでは、主役が本郷から一文字隼人に交代するタイミングで、アミーゴは立花レーシングクラブに変わります。

 

着た切り雀の防護服が「臭い」とルリ子に言われて、本郷はここで初めてライダーのスーツを脱ぎ、洗濯することになります。

仮面ライダーがずーっとスーツを着たままであるというのはシン・仮面ライダーの大きな特徴です。「洗濯できる」というのも。

仮面ライダーのスーツについて

あらためて、ここでシン・仮面ライダーにおけるライダーのコスチュームについて、確認しておきます。

オリジナルの仮面ライダーでは、ベルトと仮面だけが装着したもので、ライダーのあのスタイルは「改造されて、肉体が変化したもの」という設定になっていました。

ウルトラマンと同じですね。マーベルならハルクとか。

 

この方向でリアルを追求したのが、「仮面ライダーBLACK」や「真・仮面ライダー」ということになるのかな。

石ノ森章太郎の構想には忠実な方向なのだけど、しかしこの方向でリアルにしようとするなら、オリジナルの見た目からは離れていかざるを得ない。

 

オリジナルはやっぱり、「どう見ても服」ですからね。

バイク用の革ジャケット、ズボンと、グローブとブーツ。あのデザインを活かす以上、そうとしか見えない。

そこからの帰結として、シン・仮面ライダーではあのスタイルは「服である」ということに、明確に規定されました。

 

シン・仮面ライダーはベルトとスーツを使ってプラーナを吸収し、マスクで闘争本能を増幅して戦うので、「服によって強化している」すなわちアイアンマンやバットマンのようなタイプのヒーローに見えるのですが。

しかし、肉体に施された改造によって、プラーナをパワーに変えている。

つまり、生身の体が取り返しのつかない形で改造されてしまってるという、初代からの仮面ライダーのアイデンティティはしっかりと守るものになっています。

 

だから、服の中身は普通の人間であるアイアンマンやバットマンではなく。

また、スーツと関係なく素のままの生身で強いスーパーマンやソーなどでもなく。

肉体が変質・強化されていて、スーツがそれを補佐している、スパイダーマンに近い存在ですね。

 

平成以降の仮面ライダーは、強化服を身につけることでスーパーパワーを得ている場合が多い…のかな。

そちらでは、仮面ライダーのコスチュームは変身・強化した「結果」なのだけど、シン・仮面ライダーにおけるスーツはむしろ、変身のきっかけとなるアイテムなんですね。

 

「ハチオーグの特殊な刀でしか切れない」と言ってたように、プロテクターとしての側面もあるのだろうけど、それは副次的なもので。

戦闘において攻撃に耐えるのは肉体の方なので、スーツは最低限の強靭さがあればいいはず。だから洗濯もできるわけです。

 

だから、普段から身につけているのが合理的…ということになります。

そして、政府の用意したセーフハウスのような、絶対に安全な場所でしか脱げない。スーツがないと変身不能だし、着るのに時間もかかりそうですからね。

というか、プラーナを使い過ぎた上でベルトが壊れたら泡になってしまうのだから、あまり長時間ベルトとスーツを外したままでいるのは、かなりの危険を伴うことになりそうです。

盗まれたら終わりだし、これは相当な弱点。緑川システムの大きな欠陥…と言えるのではないかな。

(もし続編があるとしたら、一文字隼人はオシャレを楽しむ生活を取り戻すことができるでしょうか…?)

緑川ルリ子という人物像

本郷に常に近くにいるように命じ、「でも絶対に変なことはしないで」と言うルリ子。

早くもツンデレのデレ側面に突入しています。

 

…が、こういうルリ子の性格はただウケを狙っただけのものではなくて。

SHOCKERという異常な閉鎖環境に生まれて、父に連れ出されるまで外の世界を知らずに育った、ルリ子の特殊な生育事情を反映したものになっていると思います。

 

強気なことを言いながら、「ちょっと甘えてみたく」なったら、普通よりずっと素直に感情を表に出すことができる。

「私は常に用意周到なの」と言いながら、抜けてるところが多いのも、ですね。

要はあんまり世間を知らない、少女のようなピュアさを持っている。

 

ルリ子に綾波レイを連想する人が多いのは、そこですね。

世界を知らなかった少女が、世界を知っていく驚きと喜び。

逃走から死へ至るルリ子の心の軌跡は、「シン・エヴァンゲリオン」におけるアヤナミレイ(仮称)が過ごした濃密な日々に重ねられます。

チョウオーグの羽化とハビタット世界

雨の夜にイチローが「これでお前の望みを叶えてやれる」と語りかけ、ルリ子はイチローがチョウオーグとして羽化したことを知ります。

 

流れる音楽は、アントニオ・ヴィヴァルディのモデットRV630「まことの安らぎはこの世になく(Nulla in mundo pax sincera)」です。

宗教歌だから、真の安らぎは現世ではなく、天国にあると歌っているsわけですが。

世界を拒絶しこの世ならざる場所を渇望する、イチローやゲンドウらのテーマソングでしょうか。

 

チョウオーグに急襲を仕掛け、返り討ちにあった隊員たちの体が並ぶのは、陸上自衛隊相馬原駐屯地のヘリ倉庫。

隊員たちの体には一切の損壊はなく、満ち足りた笑顔になっていました。それは「死んでるし生きてる」状態。

チョウオーグはプラーナを「その個人の配列を保ったまま」強奪し、ハビタット世界に送り込むことができます。

 

プラーナは未知の生体エネルギーですが、とも形容されています。

人間の自意識、人格、主観を司るものが、プラーナの配列であるのでしょう。

ハチオーグによるプラーナ強奪では、個人の配列は保たれず、プラーナはただエネルギーとして奪われるだけです。

奪われた側は魂を取られたわけなので、それは死と同義でしょう。

 

個人の配列を保ったまま、プラーナが肉体から離れる。

ということは意識だけが、肉体と独立して存在し続けることになります。

ただし、送り込まれるのはハビタット世界

これは「本心だけの嘘のない世界」「人間に耐えられる場所じゃない」「俗に言う地獄」と形容されています。

 

物理的実体が存在せず、意識だけがあって、本心を隠すことはできない。すべての人の心の中身がむき出しになった世界…というイメージでしょうか。

物理的な実在はなく、情報だけがある世界なので、おそらくはアイのサーバーの中の世界。電脳空間内の世界なのでしょう。

 

通り魔によって母を殺されたイチローは、人間同士のあらゆる争いがなくなることを望みました。

ルリ子もそれに同調し、考案されたのがハビタット計画です。

人間同士の相互理解の不足が争いを生んでいるのだから、本心が隠せない世界を作って、そこを人間の新たな生息地(Habitat)とする。

互いに完全に分かり合うことができるのだから、もう争いは起きようがない。そこは幸福なユートピアになり得る…はず。

 

ルリ子は一度はハビタット世界を経験している口ぶりです。その上で「地獄」と判断して戻ってきてるようですが。

プラーナを奪われた隊員たちに関しては、「戻ってくることはない。焼いていい」という言い方をしてますね。

たとえ肉体が無傷で残されていても、一旦肉体から切り離されたプラーナ=魂を、もう一度肉体に戻すことはできない。

そこから考えれば、ルリ子が前もって体験したのは実用前のシミュレーションだったのでしょう。

ハビタット計画と人類補完計画

人と人とが肉体という障壁で隔絶されていて、本当には分かり合うことができない。そこから様々な軋轢が生まれる。

だから肉体という障壁を取り払ってしまって、すべての心をひとつながりにしてしまおう。

これ、エヴァの人類補完計画ですね。

 

またか…という気も、しないでもないですが。

ただ思うのは、ハビタット計画は今回の映画の主題というわけではなくて。

SHOCKERが進める「絶望した個人の偏った望みを実現して幸福にする」計画の、そのうちの一つでしかない。

SHOCKER全体の目的というわけではなく、イチローの希望でしかない。ケイは傍観するだけ。

 

そして、本郷もルリ子も、迷いなく即決でその計画を否定する。

「人をわかろうとして自分を変えた。世界を変えようとなんてしない」と、はっきりと言い切ってる。

だから、ちゃんと「シン・エヴァンゲリオン」の先に進んでるんだと思うんですよね。

こうしてズバッと否定してみせるために、あえて人類補完計画的なものを出してきた…とも取れます。

ハビタット計画とケイ

イチローはSHOCKERも含めたすべての人間をハビタット世界へ送るつもりなので、そうなればアイの成長も、偏った幸福の追求も終わってしまう。

なので、アイ(ケイ)的にはその達成は必ずしも望ましくないはずなんですが。

でも、ケイは止めない。ケイにとっては、イチローの計画も興味深い人間の行動の一つであり、それを観察することこそが幸福であり、アイの目的に叶うわけですね。

 

イチローを止めない一方で、ケイはルリ子を殺そうとするK.Kオーグの行動も止めない。

ケイのそんな態度からすると、ケイにとっては「本郷とルリ子の行動」も同じなのかもと思えます。

ケイから見れば、彼らは自身の絶望の反映として、「他のオーグメントを止める」という願いを叶えようとしている…ということになりますからね。

 

そういう見方をすると、SHOCKER壊滅を目指す本郷とルリ子の行動でさえも、SHOCKERの「偏った個人の救済」の一環である、という捉え方もできることになります。

すべては人工知能の掌の上なのかもしれない…というところが続編への伏線になるのかも。

プラーナとマスク

ルリ子が本郷のマスクに、新たなプログラムを施します。

ここでの行動は、ラストの展開の重要な伏線になります。

 

まずは、「マスクの自動消滅を防ぐ」こと。

SHOCKERの構成員はあらゆる証拠を残さないために、死んだ時に衣服やマスクもろとも泡になって消えてしまいます。

その仕組みを解除して、他のすべてが消えてもマスクだけは残るようにする。

 

それから、「パーソナルなプラーナ配列をマスクに定着・固定化」できるようにすること。

これは、魂を肉体から切り離して仮想空間に送り込むハビタット計画とよく似たプランですが。

おそらく異なるのは、「本心だけの嘘のない世界」ではないことなんでしょう。それでは、ルリ子が「地獄」と呼んだ世界と同じになってしまいますからね。

 

どちらにせよ、この時点でルリ子は自分と本郷の死を予期して、自分たちの意識をマスクに残すことを準備していることになります。これこそがまさに用意周到ですね。

意識がマスクに残るというのは突飛な発想のようですが、漫画版から発展させた設定ではあります。

 

その上に更に、遺言までこの時点で残している。

イチローとの戦いでは生き延びることはできないと、ルリ子は悟っていたということでしょう。

チョウオーグのアジト

トンネルの先にある、イチロー/チョウオーグ(森山未來)のアジト。

巨大なチョウのオブジェ。玉座の左右には赤と青の2台のバイク

 

バイクは父・緑川弘のバイクと、イチロー自身のバイクでしょうか。

赤と青のカラーリングは、ここもキカイダーを連想させます。

父のバイクはスズキT20という説が濃厚です。これはオリジナルで初代サイクロン号のベース車になったバイクです。

イチローのバイクはホンダのドリームSL350と思われ、こちらは変形前のサイクロン号のベース車。

オリジナルの一文字隼人や滝も、赤や青のSL350を軽快に乗り回していた印象です。

 

イチローは背中の無数のコードで、玉座と繋がれています。

これは大量のプラーナを急速補充するシステムですが、そのビジュアルは昆虫の繭や、糸で枝などに固定されたアゲハチョウのサナギを思わせるものがあります。

 

イチローの回想で、母(市川実日子)の死が描かれます。

通り魔の理不尽な暴力に殺された母。

イチローは暴力の元である肉体を消すことを決意します。

イチローの子供の頃の絵は、青いチョウですね。母に贈った青いチョウの絵が、チョウオーグの源泉になっている。

パリハライズ

ハビタット計画は元はと言えば、ルリ子が言い出したことでした。

しかし緑川弘が反逆し、ルリ子を外に連れ出したことで、ルリ子は外の世界を知り、ハビタット計画に疑問を抱くようになります。

ルリ子はハビタット計画に必要なデータを持ってSHOCKERを脱走しました。

一方で、ルリ子がしようとするハビタット計画の無力化にも、イチローの持つデータが必要です。

 

ルリ子はイチローにパリハライズを仕掛けますが、これは相手の脳神経システムをハッキングして、そのメモリーにあるデータを奪い取ろうとしているのだと思われます。

あるいは更に、一文字隼人の洗脳を解いたように、記憶に干渉してイチローの思い込みを解除することも狙ったのかもしれませんが、これは難しいでしょうね。イチローは洗脳されているわけではないので。

 

パリハライズという言葉は英語の単語には存在しません。

が、プラーナと同じサンスクリット語に語源がありそうです。

サンスクリット語の「parihara」には「対策」「解決策」「対処法」といった意味が、「pariharati」には「取り除く」「払い除く」「解決する」といった意味があります。

問題を取り除いて解決へ導く、というニュアンスで使われます。

イチローの問題を解決するために固執を払う、一文字隼人の洗脳を解くために植え付けられた多幸感を取り払う、と言った使われ方から考えると。

サンスクリット語の「pariharati」に、「〜化する」という意味のライズをつけて英語化した合成語である、と想像できそうです。

 

完全変態を終えたイチローはプラーナの絶対量が違う。

緑川弘の「最後の作品」は第1バッタオーグである本郷なので、チョウオーグはイチロー自身が開発したオーグメントなのでしょう。

父を継いで、イチローもオーグメントの開発者となり、父の作品をアップグレードした第2バッタオーグを作り出しています。緑川「グループ」の人員はイチローが引き継いだのでしょうね。

ということは、ハチオーグを生み出したのもイチローかな。

 

ルリ子と寝たのかと問われ、僕たちの関係は恋愛でなく信頼だと答える本郷。

「僕のプランを信じて欲しい」「プランではなくあなたを信じる」といった経緯を経ての、確信ですね。

一文字隼人

オリジナルでは、本郷猛を演じていた藤岡弘が撮影中のバイク事故で足を骨折し、出演不能に。

そのアクシデントに対応する形で、急遽の策として佐々木剛演じる仮面ライダー2号・一文字隼人が導入されました。

本郷は外国へ行ったことにされて、ルリ子も同時に降板。序盤からのドラマの流れはここで一旦リセット。

改造人間の苦悩は消え、一文字隼人の明るいキャラを活かしたエンタメ路線に。

「変身ポーズ」もここから導入されましたが、これも佐々木剛がバイクの免許を持っていなかったために考えだされたものでした。風を受けての変身が不要になり、子供たちも真似がしやすくなって、変身ポーズも大ブームに

怪我の功名で、仮面ライダーはむしろ大人気番組に成長していきます。

 

石ノ森章太郎の漫画版にも、テレビの展開を取り入れる形で一文字隼人が登場します。

漫画版の一文字は、本郷を倒すためショッカーが生み出した「12人の仮面ライダー」の一員

洗脳されて本郷に戦いを挑みますが、その後洗脳が解け、ショッカーライダーの戦いで命を落とした本郷の代わりに、仮面ライダーとしてショッカーと戦うことになります。

 

一文字隼人はジャーナリストでしたが、イチローにより改造され、第2バッタオーグとなっています。

「ではお見せしよう」とベルトを見せてから変身ポーズへ入るのは、オリジナル第14話「魔人サボテグロンの襲来」で、一文字隼人が初めて立花と滝の前で変身するシーンをトレースしています。

これは記念すべき変身ポーズ初登場のシーンですが、一文字隼人を演じる佐々木剛は段取りを間違えて、ベルトを見せずに変身を始めてしまいました。なので、ポーズの途中で動きを止めてベルトを見せるという、不自然なことになっています。

柄本佑の一文字隼人は、本来の予定通りの動きを見せています。

(シン・仮面ライダーではスーツは変身アイテムなので、変身前から既に着てるというのが違いですが)

第2バッタオーグ戦

本郷とルリ子がバイクで逃げるシーンは、茨城県鹿島市の鹿島臨海工業地帯。

その後の戦いのシーンは、神奈川県横須賀市の浦賀ドックです。

工場のロケーションは、川崎市の川崎工業地帯、山口県宇部市の宇部セメント工場なども使われているようです。

 

「弱いままのお前を倒してもスッキリしない」と、本郷が十分バイクを走らせてプラーナを圧縮するのを待つ一文字。

本郷が力を抑えていることを察知し、それに乗じて勝つのでなく、あえてルリ子を思い出させて本気を出すよう促す。

一文字隼人は洗脳下にあってもなお、自分の流儀を貫いています。

 

本郷は左足を折られ、戦闘不能に。

オリジナルの藤岡弘の退場も、左足の骨折でした。その代わりに一文字が戦う…という同じ構図。

ルリ子が一文字にパリハライズを仕掛けます。

「あなたのプラーナ、魂の自由を取り戻して」

悲しい記憶を上書きしていた多幸感を取り払われることで、悲しみの洪水が一文字を襲います。

 

一文字隼人の背景はまったく描かれないのですが、「悲しみの洪水」の様子から、彼も辛い過去を持っていることがわかります。

SHOCKERのオーグメントは不幸な過去から絶望を抱えている者ばかり。本郷も父の殉職という傷を抱えています。

洗脳されていれば、本郷は父が持っていなかった力を自分のエゴのために使うオーグメントになっていたことでしょう。そしてそれは、一文字も同じでしょう。

 

それほどに慟哭するほどの何が一文字にあったのかは、一切語られません。

テレビでは終始明るいキャラだし、漫画版でも一文字本人の過去は語られていないのですが。

漫画版では、彼がジャーナリストとして知り合った、両親の被曝により放射線障害に苦しむ浩二と順子の姉弟の悲劇が、一文字にとって大きなものになっています。

そこは、もしあるなら続編で語られるのか…年代的に、原爆の話にはならないでしょうが。

K.Kオーグと仮面ライダー第2号の誕生

ルリ子は一文字に“ヒーローの印”赤いマフラーを巻き、ライダーとなって助けてくれるよう頼みます。

常に予備の赤いマフラーを携帯してる。さすがルリ子、用意周到です。

仮面ノリダーでも歌ってたように、赤いマフラーは正義の印ですからね!

しかし、背後から光学迷彩で近づいたK.Kオーグによって、ルリ子は刺されてしまいます。

 

K.Kオーグ(本郷奏多)はカマキリ、カメレオン、人間の3種合成型オーグメント。

「死神グループの生んだ最新最高の作品」と語ります。

死神ことイワンは緑川の先輩に当たるSHOCKERの科学者。クモオーグやサソリオーグを生み出したものと思われます。

イメージの元はもちろん、オリジナルで天本英世が演じた大幹部・死神博士でしょう。

 

ルリ子も存在を知らなかったK.Kオーグは、ルリ子がSHOCKERを脱走した後で開発されたオーグメントということになります。

現在も、死神グループによるオーグメントの開発は更に進行中ということですね。

 

K.Kオーグのマスクはオリジナルのかまきり男(第5話登場)、死神カメレオン(第6、7話登場)のデザインを踏襲しています。

かまきり男は左手に武器としてクサリガマを持っていましたが、K.Kオーグは左手内部に鎌を生成することが可能です。

一方で、死神カメレオン(カメレオン男)は体色を変化させて保護色で隠れる能力を持っていましたが、K.Kオーグは光学迷彩マントを被っているのみです。

 

2種類の生物の合成怪人は、オリジナルでは後半のゲルショッカーの怪人として登場します。

ゲルショッカーには、ワシカマギリ(ワシとカマキリ)ヒルカメレオン(ヒルとカメレオン)が存在しますね。

 

クモオーグをクモ先輩と慕うK.Kオーグ。

「裏切りは人殺しより悪」「敵討ちは人助けよりも善」がモットー。

口調からも、いかにも今どきの若者っぽいK.Kオーグですが。先輩への義理堅さは古風でもありますね。

 

「俺は今からSHOCERの敵。人類の味方」と一文字隼人。

これはオリジナルの一文字が、「お前、誰なんだ?」と聞く立花に答えたセリフです。

「ショッカーの敵、そして人類の味方。本郷猛はショッカーの別計画を追って日本を離れた。ルリ子さんも後を追って行きました。私は本郷猛に代わって日本を守る、仮面ライダー! お見せしよう」

から、変身ポーズへつながります。

 

「これからは俺の好きにさせてもらう」と一文字。

K.Kオーグのカマキリマスクをかち割り、ライダーキックで撃退。

K.Kオーグの最後の言葉は「クモ先輩、ごめんなさい」

最後まで義理堅いですね。

 

その5に続きます!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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