この記事は、

「TENET テネット ネタバレ解説1」

「TENET テネット ネタバレ解説2」

「TENET テネット ネタバレ解説3」

「TENET テネット ネタバレ解説4」

「TENET テネット ネタバレ解説5」

「TENET テネット ネタバレ解説6」

「TENET テネット ネタバレ解説7」

の続きです。

ネタバレしています。ご注意ください。

独自解釈です! 公式なものとは違っている場合があります。ご了承ください。

 

マグネ・バイキング号

トロンヘイム沖で、逆回転する風力発電のプロペラ。テネットの母艦であるマグネ・バイキング号の甲板で、マスクをつけた名もなき男は懸垂中。時間がある時には、いつでもどこでも懸垂しますね。

 

 

ニールは、セイターの「デッドマン・スイッチ」について話します。

セイターが腕時計につけている心拍計は発信装置になっていて、セイターが死ぬと「秘密のポストの位置」が発信され、アルゴリズムが起動するとされています。

それに対して、キャットはセイターが末期ガンであることを知らせます。急な新事実!

セイターは自分の人生を終わらせ、同時に世界を道連れにするつもりであると名もなき男たちは判断します。

 

マグネ・バイキング号にはアイブスらプリヤの舞台の戦闘員たちが大勢乗り込んでいるわけですが、彼らは逆行しています。

彼らの「逆行」は14日まであと10日、の時点。順行では、名もなき男がムンバイでニールと出会い、プリヤと初めて顔を合わせた頃、でしょうか。

この時点でアイブスはアルゴリズムを奪取するためにどこへ向かえばいいかを知りません。

名もなき男は「14日にスタルスク12で爆発が観測された」ことを伝えて、船の行く先は「14日のスタルスク12」に決まります。

 

ここから、マグネ・バイキング号はシベリア沖を目指すことになるわけですが、時を逆行しながら目的地に移動するためにどうすればいいのか……というのも結構複雑です。

タリン〜オスロの移動のように、普通に順行する船に、逆行している人たちがコンテナに乗って便乗しているだけなら、逆行で向かう目的地は選べないことになります。逆行の目的地は順行の出発地だから、出発地はどこか規定の場所に既に決まっているはずだから。

その場合、逆行船に乗り換えるか、あるいは14日まで時を逆行してしまった上で、順行に転じて(飛行機とかで)目的地まで移動することになるでしょうか。

 

マグネ・バイキング号は多数の戦闘員を逆行させて過去へ送り込まなければならないので、逆行のまま目的地に着けるのが望ましい。

ということは、この船は逆行の乗組員によって「後ろ向き」に操縦されているのかもしれません。名もなき男が運転したSAABのように。

それであれば、逆行しながらの行き先変更で、最終目的地を選べることになりますね。それは順行視点では出発点で、船がどこから来たかを知れば目的地がわかってしまう…というパラドックスをまた、含むのだけど。

「記録」とは何か

名もなき男はキャットに、14日のベトナムへ行ってセイターの自殺を引き止める任務を託します。

アルゴリズムの奪取より先に、セイターの自殺を止めなければ、すべては失敗に終わり人類は一瞬で消え去る。

そんな大変な役目を担うのがキャット一人って、ずいぶん心もとない気がしますが。

これ、大部隊で行ってセイターを拉致して、眠らせるとかしてどっかに監禁してしまう…ではダメなんですかね。その方が安全な気が…。

 

名もなき男はキャットに携帯電話のようなアイテムを渡し、「危険を感じたら居場所を言って切れ」と伝えます。「誰につながるの?」とキャットが尋ねると、「記録だ」と…。

 

「記録」と訳されている言葉は、原語では"POSTERITY"です。これは、「後世」「子孫」「来世」などを意味する単語。

「テネットは未来で作られる」ので、これはつまり今はまだない、未来で作られるテネットという組織そのものということになりますね。

 

名もなき男はおそらくセイターから学んで、あらゆる情報が蓄積されて未来へ送られていくシステムを構想したのではないでしょうか。

これはかなりシンプルに作ることができます。セイターがタイムカプセルを埋めて未来へ送ったように、どこか長期間に渡って人目に触れない場所さえ確保できれば、未来への通信装置は作ることができるのです。

キャットに渡したのは通話装置ですが、その通話がつながる録音装置を、タイムカプセルに入れてどこかに隠す。それはそこで長く保管され、やがて数ヶ月後〜数年後の未来において、時間を経て力を蓄えた名もなき男自身の組織が掘り出し、入手する。

未来の組織は、装置を再生する。キャットをはじめ、様々な人々が情報をそこへ吹き込んで行けば、未来の名もなき男は数年分のあらゆる情報を手にすることになります。

組織は「回転ドア」を持っているので、情報を逆行させることもできます。キャットがピンチになる日時を示す情報を逆行させ、また別のタイムカプセルに入れて過去に送れば、過去の名もなき男はそれを事前に手にいれることができるというわけです。

 

このシステムは、今はまだない組織の存在を前提にしているというのが画期的な点です。つまり、今現在の時点では、まだ何もない。名もなき男がキャットに渡した通話装置と、たぶん名もなき男がどこかに保管しただろう録音装置の二つしかない。

でも、未来において力ある組織を必ず作るのだという決意をして、そしてその通りに実行することで、この構想は現実となり、まだ何もない今にも効力を発揮するんですね。

 

そういう、「約束先取りシステム」です。

またまた連想したのは「ドラえもん/のび太の大魔境」のオチなんだけど、毎回ドラえもんに例えてるんでちょっと控えておきます…。

"TENET"の由来

いよいよ14日。キエフでは、名もなき男がオペラハウスに突入している頃ですが。

北シベリアのスタルスク12に、テネット部隊のヘリが到着していきます。

 

現地近くのベースキャンプで、作戦の説明が行われます。

作戦は10分間。順行チームと、逆行チームで行う「挟撃作戦」であること。

アイブスが指揮するレッドチームは順行。10分後の「爆発」を目指して侵攻する。名もなき男はレッドチーム。

ホイーラーが指揮するブルーチームは逆行。10分後の「爆発」からスタートし、レッドチームの到着と同時に離脱する。

敵も、順行と逆行が入り乱れている。居住区には回転ドアがあるので注意。

爆心地の底に、アルゴリズムがある。別ユニットがトンネルからそこを目指す。

爆心地の上部に爆弾が仕掛けられていて、10分後に爆発する。爆発は止めてはならない。爆発は止めず、アルゴリズムを奪取する。

実は、アイブスと名もなき男の二人が別ユニットである。それは、帰れない任務だ。

 

前からも後ろからも10分間(TEN)。ここが、直接的にタイトル"TENET"の由来ですね。

「爆発」の意味

ここで行われようとしていることも、なかなか複雑なので…分かりにくさの一因になっていると思います。

 

爆発を止めてはならないのは、そもそも名もなき男がアルゴリズムがスタルスク12にあることに気づいたきっかけが「14日に爆発が観測された事実」なので、その事実が消えてしまってはスタルスク12に気づけなくなる(辻褄も合わなくなる)からでしょう。

爆発はセイターの指示であるようです。爆心地の地下で、ボルコフは組み立てたアルゴリズムをロープに吊るして穴に下ろし、封印しようとしていました。そこに爆発を起こして爆心地ごと埋めてしまい、アルゴリズムを取り出させなくする…というのが狙いでしょう。

これは、発動したアルゴリズムを誰も止められないように…ということかもしれませんが、タイムカプセルと同じ扱いであることが気になります。セイターは完成したアルゴリズムを未来へ送ろうとしている…のではないでしょうか。

 

なんとなく、現代の人類が消え去るということから、現代にあってアルゴリズムが作動するようなイメージを持っていたんですが、それは「手順」であるから、作動させるためには未来人が手に入れて操作することが必要なのかもしれません。

アルゴリズムは時間を逆行させ、順行状態にある生命すべてを消滅させる兵器らしいので、それが未来にあろうが現代にあろうが、影響は時間全体に及びます。未来において時間が逆行するということは、現代においても逆行するわけです。時間はひとつながりなのだから、当然ですね。

そして、未来人はすべて逆行状態にあるらしいので、アルゴリズムが発動すれば逆行状態にある未来人だけが生き残り、その他の、当然順行状態にあるあらゆる時間のあらゆる生命は…それこそ、宇宙の誕生から未来にいたるまですべて…アメーバも恐竜もマンモスも原始人もすべて、消滅するわけです。

その代わりに、未来人が逆行宇宙の「最初の生命」になり、やがて原始人になり猿になり恐竜になりアメーバになって、宇宙の始まりのビッグクランチに至る…ということになるのかもしれません。

 

アルゴリズムが9つ揃っていて、セイターが死んだのに、なぜか世界が滅びない…というのも「テネット」の謎の一つでしたが、そういう過程が必要なのだとしたら発動しなかったことは頷けます。

爆心地の底にアルゴリズムが埋められて、それが実際に未来人のいる未来まで届くのに何十年、何百年かかるのかはわかりませんが、未来において発動が起こってしまえば、影響は一瞬で現代に届くわけです。

セイターの腕時計は、秘密のポストの位置を送信するということになっていました。だから、未来人はそれによって「アルゴリズムがどこに埋められたか」を知り、発掘できるようになる、ということでしょう。

アイブスとホイーラーって何者?

アイブスとホイーラーって何者なんでしょう。というか、あの逆行の訓練とかしてる大部隊はそもそも何者? どこから来たの?

…というのも、映画の中でははっきりしない問題です。

 

ニールは「プリヤの部隊」と言っていて、それを信じるならインドの武器商人プリヤの私設軍隊である…ということになりますが、それにしては欧米人ぽい人が多いし、逆行装置を備えた大規模な母艦を持ってて、来たる戦いのための訓練も十分に積んでいる…というのは「いつのまに?」という疑問が湧きます。

そもそも名もなき男がCIAから「初めてテストに合格した」くらいの人材なのだとしたら、こんなに大勢の逆行に慣れた戦闘員がいるのは不自然ですね。

 

ということは、アイブスとホイーラー、そして他の戦闘員たちもすべて、ニールと同じく未来から送り込まれてきたテネット隊員である、ということになりますね。

そんなに大勢の逆行者が…って最初思ったんですが、でもマグネ・バイキング号がずっと逆行して運行し続けているなら、あの集団がまとめて未来からやってきていてもおかしくはない、と言えそうです。

その場合は、ニールは決して特別な存在ではない。未来の名もなき男の指令を受けて過去に送り込まれた「テネット部隊」の大勢の中の一員である、ということになると思います。

 

その場合、プリヤはどうなるのかな…。プリヤはあんまり、未来から来たという感じはしないんですよね。

プリヤは現代人で、未来の組織であるテネットが現代に足がかりを作るために利用している人物、という感じではないのかな。

そうであれば、プリヤが指導者的な地位にありつつ、組織や作戦の全貌については知らされていないのも頷ける気がします。

 

というか、未来のテネットを担うであろう人物は、現代にいる人々の中の誰かということになるわけで…。

その「主役」の座をめぐって争うのが、プリヤであり、名もなき男であるということになるんじゃないかな。

 

ところで、テネットが戦ってる相手の「軍隊」はいったい誰…だっけ?というのも、これまたよくわからなかったりしますね。

みんながみんなセイターの部下…ってわけではないはず。セイターはあくまでも一介の武器商人だし、これまで出てきた部下たちもギャングたちの印象であって、軍隊のイメージではなかった。

スタルスク12はロシアの街であり、街として地図から消された後は秘密の核実験場として使われていたはずなので、そこの警備に当たっているのはロシア軍ということになります。

そういえば、金塊の入ったタイムカプセルを運んできたのもロシア軍のヘリではなかったかな。セイターはロシア軍の一部を買収していて、部下のように使っているのではないでしょうか。

10分間の挟撃作戦

10分間の作戦が発動し、レッド部隊が戦場へなだれ込んでいく。

その同じタイミングで、10分間の戦闘を終えて疲弊したブルー部隊が、ヘリのコンテナに収容されていくことになります。挟撃作戦においては、順行のスタートが逆行のゴール。逆行のスタートは順行のゴールですね。

 

この作戦シーンで戸惑うのは、視点が順行・逆行のどちらかに固定されず、頻繁に切り替えられること。

順行視点で見ている時に画面に映り込んでいる逆行は、戦いの終わりに近いタイミングの逆行で、逆行視点でスタートの情景を見ている時にはそれは順行的にはもう10分が終わりに近づくタイミングである…というのが、ややこしいのです。

手がかりは、音楽でしょうか。かかっている音楽が、順行の時はまともに、逆行の時は逆回転で聞こえています。迷った時は音楽に注意してみればいいんじゃないかな。

 

ヘリで爆心地の上に到着するブルーチームのシーンは、順行時間の上では10分が終わるところですね。

眼下に爆心地の爆発が見え、そこにはニールが運転してロープを引っ張っているジープがしっかり見えています。

ホイーラーが率いてニールが含まれるブルーチームはここから、順行チームがスタートする10分後を目指して戦っていくことになります。

 

また、混乱するのは、順行視点であっても、逆行が撃ったミサイルが着弾したりすると、逆回転の破壊が発生する…ということですね。

順行で普通に走ってるレッドチームが、落ちている状態から浮き上がって壁へ戻っていく瓦礫に足をすくわれたりする。

逆行視点で、順行の攻撃が起きた時も同様です。通常の時間の流れの中に、逆行時間が出現する。

 

ニールがホイーラーに注意するシーンで、壊れた壁の中にホイーラーがいて、瓦礫がその壁に戻ろうとしている。

ホイーラーが壁から出て行くと、その後ろに続こうとしていた兵士が、集まってくる瓦礫に巻き込まれ壁の中に閉じ込められてしまう。

これを順行視点で見ると、壁を撃って破壊すると、その向こうにいる兵士が死から回復し、その後からホイーラーが後ろ向きに壁の穴に入ってくる…という流れになります。

 

激しい攻撃でトンネルに近づけず、陽動のために派手な攻撃を仕掛ける。順行逆行ともにそれを行うのが、ちょうど中間地点にあたる5分経過の時点ですね。

このシーンでは、一つのビルが文字通り「挟み撃ち」にあいます。

5分直前、順行チームは上部だけが残り、下部は瓦礫と化したビルを見ます。やがて瓦礫が集まっていき、ビルは復元。同時に順行チームはロケットランチャーを発射して、ビル上部に命中、ビル上部は瓦礫と化します。

5分直後、逆行チームは下部だけが残り、上部が失われたビルを見ます。やがて瓦礫が集まっていき、ビルは復元。同時に逆行チームはロケットランチャーを発射して、ビル下部に命中、ビル下部は瓦礫と化します。

これ、順行チームが見る上部だけが残ったビルは逆行チームの攻撃の結果であり、復元して行くのは逆行チームの攻撃を見ているんですね。同様に、逆行チームが見る下部だけが残ったビルは順行チームの攻撃の結果で、復元して行くのは順行チームの攻撃によるものです。

このビルはまさしく、前からと後ろからの挟み撃ちにあっていて、時間軸上では前にも後ろにも存在できず、上も下も存在していたのは一瞬だけという、悲惨なことになってますね。

 

時間軸の上で過去にも未来にも瓦礫の状態で、その中間の一瞬だけ存在しているビル、ってもう矛盾した存在なんですが、時間の逆行を認めるとこういうことも起こり得るってことを、あえて映像化して見せている。こことか、ノーランはいかにややこしい映像を作れるかってことを楽しんでますね。

ニールの動き

名もなき男、アイブス、ボルコフは順行しているだけなので、ややこしいのはニールの動きだけになります。

ニールは最初、ホイーラー率いるブルーチームの一員として、逆行してヘリから降ります。降下地点は爆発直後の爆心地近辺です。

(この同じ場所には、ジープに乗って名もなき男とアイブスを爆心地から救出しているニールも存在しています。)

(後で分かるけど、実はニールはもう一人、この時点に存在しているはずです。)

 

ニールはホイーラーと共に進撃していきます。

5分のビル爆破時点を超えて進んだところで、トンネル入り口に爆弾を仕掛けて後ろ向きに去っていくボルコフを見ます。

順行視点では、ボルコフはヘリから降りてトンネルの入り口に爆弾を仕掛け、中に入っていったことになります。

 

それを名もなき男たちに知らせるため、ニールはブルーチームを離脱して、居住区の回転ドアを利用して順行に移ります。

順行になったニールはジープに乗って、トンネル入り口に入る名もなき男とアイブスを追いかけ、クラクションで知らせようとしますが聞こえず、二人はトンネルに入り、入り口は爆弾でふさがってしまいます。

 

これではアルゴリズムを外へ持ち出すことができない(封印されているのと同じ状態)になってしまうので、ニールはジープで爆心地上部を目指します。

ブルーチームが出撃するシーンで、走ってくるジープが映っていますね。

ニールは爆心地上部の穴からロープを下ろし、名もなき男とアイブスとアルゴリズムを救出することになります。

 

一方で順行の名もなき男とアイブスは、アルゴリズムのある爆心地地下中央部に到達しますが、鍵のかかったフェンスに阻まれてしまいます。

いや、それくらい予想して手榴弾くらい持っておくべきでは…という気がしますが。

 

フェンスの向こうにはボルコフがいて、鞄から出した最後のアルゴリズム(プルトニウム241)を残り8つにセットし、それをタイムカプセルに入れて、穴の中に沈めようとしています。

これは、未来人にアルゴリズムを届けようとしているのではないか…というのは、先に書きました。

 

フェンスの向こうには、リュックに穴の開いたコインをつけた男の死体も転がっています。

穴の開いたコインは、キエフのオペラハウスで名もなき男の命を救った「逆行弾の男」の印です。これがつまり、ニールであるわけですが。

 

名もなき男はベトナムにいるセイターと話し、セイターはボルコフに名もなき男の射殺を命じます。

ボルコフが銃を向けたところで、横たわっていた死体が起き上がり、ボルコフの銃弾を受けることになります。

死体(ニール)はフェンスの鍵を開け、後ろ向きに去っていきます。

名もなき男とアイブスはボルコフを穴に落とし、アルゴリズムを奪取します。

 

逆行のニール視点だと、トンネルを通ってやって来て、得意の技術で鍵を開け、ボルコフの前に立ちはだかったところで背後から銃弾が飛んできて命中し、銃弾は体を貫通してボルコフの銃に戻り、ニールは倒れて死んでしまう…という流れになります。

 

ニールはどこから入った?

しかし、ここで疑問が。ニール、どこから入った?

この時点で、トンネルの入り口はボルコフが仕掛けた爆弾によってふさがれているはずです。

唯一の入り口は爆心地上部の穴ですが、ニールはフェンスのトンネル側からやって来たように見えます。

 

ニールがトンネルを使って入ってくるためには、ボルコフが爆弾を仕掛けに来るより前まで逆行し、ボルコフよりも前に中に入って、どこかに隠れている…ということになります。

でも、なんで隠れてなくちゃならないのか謎ですね。隠れて、ボルコフがフェンスに鍵をかけ、アルゴリズムを穴に下ろす準備をするのを、ただ黙って見ている理由は何もない。さっさと撃ち殺してアルゴリズムを奪えばいい。

まあこれも、名もなき男が目撃した状況に合わせるためにあえてそうした…と受け取れば解決しちゃうわけですが。

しかし、あまりきれいじゃないなあ…。

 

あと、ボルコフが来るより前となると、警備が厳しすぎてニール一人がトンネルに近づくなんて不可能のはずです。

そこで近づけるのなら、わざわざ戦闘して別ユニットを送り込んでるのは何なんだという話になっちゃいますね。

 

となると、やはり自然なのは上部の穴からの侵入ということになります。

最後、ニールはトンネルの方から来たように見えたけど、あの先で実は上からロープで降りていた、と受け取るのがまだしも、ですかね。

 

それにしても、これもタイミングがシビアですね。

爆弾が爆発しちゃうと、上部の穴もふさがれてしまうから、その前に入らなくちゃならない。

順行ニールがジープで来てロープを垂らすのとかち合っても困る。

でもあんまり逆行し過ぎると、ボルコフの発砲に間に合わない。

タイミングとしては、順行ニールのジープが行ってしまったその直後(順行視点だとジープが来る直前)ということになるでしょうか。

 

ラストシーンで名もなき男と別れたニールは、また回転ドアに向かい、逆行して、爆心地上部に移動してタイミングを待つ。

やがて、逆回転の爆発が起こって、ジープがバックで走ってきて、名もなき男とアイブスを穴の中に下ろす。

順行ニールがロープを穴から引き上げ、運転席に戻って、ジープはバックで去っていく。

そこを見計らって、逆行ニールが穴へ飛び込み、走っていってフェンスを開けて、ボルコフの前に立ち塞がって倒れる…。

ニールの最後の動きは、そんな感じでしょうか。

 

その9に続きます。次で最後かな…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

テネットの「記録」は、「先取り約束機」みたいなものではないかと。しずかちゃんが「明日必ずお風呂に入るから」と吹き込むと、前もってサッパリできるという、アレです。