【韓ドラ】愛と、利と③ ネタバレ感想と、余談 | ROUTE8787 サンサクキロク

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続きです。

 

そして、数年の月日が経って、2人が再会した時。

サンスとスヨンの温度差の描き方が、なかなか面白かったですね。

 

スヨンは、脆い砂のお城を忘れてしまっていて、

彼女が昔よりも強くなっている事を示していて。

けれど、お店にサンスに貰った花を飾ったり、

お店の名前を「明日の幸せ」にしたり、

最後の夜にみた、サンスのタバコを吸う姿を思い出しているかのような

自分で喫煙しているシーンもあり、

サンスへの未練を感じます。

 時折、過去を思い出すかという点でも、

サンスは「思い出す事もあった」

という過去形なのに対し、

スヨンは「思い出すわ」という進行形だったワケです。
 

 

あの時、自分自身を捉えて離さなかった自己肯定感・劣等感と、歪んだプライドのせいで、サンスとの愛から逃げてしまった結果、彼女は、今もまだ、その愛に決着を付けれずにいた。

 

それに反して、

サンスは全力で彼女に想いをぶつけたから、

「もし、あの時別の選択をしていたら・・・?」という問いに、

「深く愛した方は、未練なんかない 逃げた方がそう思うんだ」と応えます。

 彼の中で、スヨンとの愛は、決着がついてしまっているワケなんですよね。

けれど、サンス自身も、 

自分の慎重過ぎる性格が故に、

あの時ああしておけば・・・という後悔もあったんだろうけど。

 

最後のシーン、丘の上で、

2人の愛の終着点に立っているサンスと、

今やっと、その愛の出発点に立っているスヨンが、相対していて。

 

さて、この最後はどうなんでしょう?と思う所なんですけど

どちらに転んでも、

納得がいく感じになっているのが、

秀逸ですよね。

 

私的には、

 「今日は何を忘れたの?」という問いに、

サンスは「何も忘れていない」と答えて。

 これは、スヨンへの愛を忘れていない・・・って事かな?・・・と思ったりしてます。

 

色んなしがらみや、思い込みの、不器用な愛で、

自分を幸せに出来なかったスヨンが、

今やっと、スタートに立てている事が重要で、

その姿を観て、サンスが再び、恋に落ちちゃうんじゃないでしょうか。

 

 昔は、目の前にある「愛」がひどく、

特別なようなものに見えた。

その「愛」が、サンスの不幸を招くと思い込んでしまった。

 けれど、思い返すと、

その「愛」は特別でも何でもなかった。

 日常を共にすること。それが、愛なんだと。

 

タイトルの「愛」と「利」の意味。

私、「愛」と「利益」かな・・・と思っていたら、

「愛」と「利害」のようでした。

 ま、正直、よく分からんのですけどね。

 

「愛」と、その利害。

つまり、愛と利益と損失。

 利益と損失に振り回された結果、愛は、そんなものに左右されない・・・

という所に行きついたって事ではないでしょうか。

 相手の利益と損失を考えて、

行動をしたとしても、

幸せな愛になるワケもない・・という事なのかな。

 

そして、私がこのドラマのポイントとしてあげていたのは・・・・

 

どこまでも、自己肯定感の低い女と、

すべてにおいて慎重すぎる男のすれ違い恋愛劇場

 これは、まさに、そういう恋愛劇場だったと思いますね。

ある意味、2人ともコレを貫いていたように感じます。

 

精神的・考え方が似た相手を選ぶべきか、

境遇が似た相手を選ぶべきか。

 

 早々に、この対比と内容はズレてきてましたね。

スヨンとジョンヒョンの関係性が

境遇が似ている事にプラスして、

スヨンはジョンヒョンに亡くなった弟を重ねてしまっていて、

この恋がうまくいかなかった原因じゃないかな?と思うんですよね。

 スヨンにとって、初めからこれは恋ではなく、

同じ境遇、亡くなった弟への憐憫ではなかったのかな。

 

総括として、結局、愛のために自分を変える事は

とても難しい!!という事でしたね(笑)

 恋愛なんて、それでなくとも、

自己犠牲発動中だし、

俯瞰して自分の感情を見て、コントロールなんて出来ないんだから。

 

 スヨンは、結局、仕事を離れ、

父親の不倫疑惑の真相を知り、

自分を縛り付けていた考えから、

解放されたんだと思う。

 不器用だけど、遠回りしたけれど、

そのタイミングでこの2人が再会したという事は、

やはり、運命じゃないでしょうか。

 

 利益と損害に振り回されたといえば、

親友のギョンピルさんも、かなり振り回されていたクチだよね(笑)

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さて、このドラマで私がもう一つ、 

良かったと思う点が、

韓国ドラマにしては出てくるオモニが、

なかなか良い人やったですね!

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いつも、息子の味方でいる姿や、

どんな相手でも負けない姿は、見ていて、

とても気持ち良かったですね。

 韓国ドラマでは、珍しいような気がする。

そんなオモニでした。

 

という事で、

自己肯定感の低さや、

劣等感からの不器用な恋愛を、

とても緻密に描いた秀作だと評価しております。

 恋愛によって、

自分がどう変わっていくか・・・という

私が期待していた展開にならなかったのも、

この複雑な恋愛のリアルな所なのかも知れないな・・・と思ったりします。

 

まぁ、難をいえば、毎回かなり釣るようなラストが結構多かったですよね。

あの、想像のベッドシーンいる???

いや、良かったけどさ・・・・(←何が?)

 お陰で私は、まんまと色々と騙されて、

サクサクと観れはしましたけどね。

 

さて、これは余談なんですけどね。

昔から私の周りにも、

こういう恋愛をしている人がけっこういて、

話を聞く度に、

「なんやのん、それ。好きなら飛び込めじゃいいやん」みたいなノリやったワケですよ。

「なんで、こう悲劇のヒロインみたいになるんかな~」ってイライラしてたりしたワケです。

 

なんか、そういうのを、こう思い出しましたよね。

あの時、私ももう少し、そんな風な恋愛をしてしまう原因を、聞いてあげたら良かったなぁ・・・なんて。

 

とはいえ、私もけっこう自己肯定感低めの、

貧乏からの劣等感あり人間ではあって。

だからこそ、こういうドラマにのめり込むし、

共感しちゃうんだと思うんですよね。

 

ただ、スヨンのように「不幸を好む」レベルにはならなかったのは・・・

ぶっちゃけ、「看護師」になった事が大きいのかなって思ってます。

 何か、自分の存在を裏付ける仕事が出来る事が、

自己肯定感向上につながる・・・という点でも、

このドラマは的を得ているな・・・と思ったりしてます。

 

 世の中には、スヨンのような女性がワリと多くいるんじゃないかな~。

それに気付いていない人もいるかも知れない。

 こういうドラマを通して、自分の性格などを

俯瞰して見つめるというのも良い事なのかも・・・

 

とはいえ、

まぁ、好みの分かれるドラマですよね。

 

以上、長々と失礼しました。

このドラマの解釈は、本当に色々だと思います。

あくまで、私個人の見解です~!!

 最後まで読んで下さった方いたら、感謝です~