皆さんこんにちは!!
もう年末ですね。
振り返ると今年は、激動の時代にふさわしい年であったと思っております。
今年の5月には改元がなされ、「令和」という新しい時代に突入しました。
10月には消費税が10%に増税されました。
また、さかのぼること4月には、新紙幣への刷新が発表され、新1万円札の肖像画には渋沢栄一が選ばれました。5千円札は津田梅子、千円札は北里柴三郎がそれぞれ選ばれました。
秋には日本は未曽有の台風に襲われ、当院も休診を余儀なくされた日もありました。
9月にはラグビーワールドカップが開催され、初の8強進出の快挙を成し遂げました。
「ONE TEAM」という言葉は、皆様の胸にも深く刻まれたことでしょう。
そのほかにも、ジャニーさんや中曽根元総理などがお亡くなりになったりイチロー選手が引退するなど、良いことも悪いことも含め、新しい時代への新陳代謝を感じずにはいられない年となりました。
さてそんな中、私は何をしていたかというと、昨年掲げた「海外進出」という目標の一環として、タイでの解剖実習を開催しようとしていたのです。
本日は、そのこぼれ話などを少々・・・
思い返せば、今年の年初早々に、2019年の日本美容外科学会(JSAS)の学会会頭である、共立美容外科の久次米先生から、直々にお電話をいただいた。
新年早々のご挨拶というわけでもないだろう・・・と身構えずにはいられなかった(苦笑)。
そんな私に対する用事は、4月の学会の演題を出して欲しいというものだった。
ちょうど、タイでの解剖実習を目論んでいた私は、解剖実習に関するネタでも良いか尋ねたところ、そのセッションの座長を含め、内容に関しては一切私の判断に任せるとのことだった。
急な仕事に、少しあせりの汗をかいた私は、謹んでこのオファーを受けることとした。
そんな中で行われた学会発表は滞りなく行われた(っと思いたい・・・苦笑)。
やや閑散とした会場だったが、何かの役に立った(と思いたい・・・苦笑)。
ともあれ、これを皮切りに、タイ解剖実習の準備は本格化してきた。
各参加学会では、今年のタイでの解剖実習の開催の周知を徹底した。
また事前に何度も打ち合わせをし、よりよい実習ができるよう本番に備えた。
解剖実習直前の日本美容外科学会(JSAPS)では、MDTの協力を得て、タイのドクターとの交流を図った。
タイのバンコクで開業している美人女医のDr.PraeとはLINEを交換し、タイに訪れる際に、クリニックを見学させてほしい旨を申し出た。
厚かましいお願いであることは百も承知であったが、海外進出を目論んでいた私は、ここは強引にでも前に出なければいけないと、盲目的に信じこんでいた。
最近は、グーグル翻訳という便利なツールがあることも相まって、割といい加減な英語でもコミュニケーションが取れてしまうものだ。
どれくらいいい加減かというと、高田教授から「俺より英語下手なやつ初めて見た!!」と言わしめるレベルのことだ。(爆笑)
そんな中、私は、Dr.Praeから「Thank you for your visit.」の発言を勝ち取った。
たぶんノリで言っているだけだろう・・・というツッコミは、あえて入れないこととした。(爆笑)
そして、ほどなくして、タイへの渡航の日となった。
今回の実習では講義の前日にタイ入りする日程であった。
そのため、先のDr.Praeのクリニックを訪れるためには、着いた日に電撃訪問するしかなかった。
その旨を彼女に伝えたところ、快く受け入れてくれたので、晴れて電撃訪問決行っとなった!!
彼女のPrae Clinicは、小さいながらもとても繁盛しているクリニックに見えた。
玄関前で靴を脱ぎ、そのままはだしで待合室のソファーに座って待つというスタイルは、タイならではのものなのだろうか??
中は小綺麗で、女医さんらしいクリニックだ。
間取りは決して広くはないが、ボトックスを専門でやっているという彼女の診療スタイルからすると、十分というよりは、効率のよい間取りなのかもしれない。
また、自宅をクリニックの2階に構え、ナースのお姉さんと、事務のお母さまと3人でクリニックを切り盛りする姿は、とても健気に見えた。
そこを訪れた私以下数名のドクターは皆、彼女の今後の益々の御活躍とPrae Clinicの発展を祈らずにはいられなかった。
名残惜しい気持ちを後に、基本的に私たちの海外渡航計画はタイトなため、次の日の講義の準備のために戻ることにした。
さあ、次の日からは、いよいよ本番である。
1年間の準備の集大成だ。
少しだけ、気持ちを引き締めた。
今年は、実習の前日の講義から、しめやか始まった。
その日は、宮脇教授、高田教授の講義を頂いた。
その様子は、さながら学会であった。
先だって、私が座長をさせていただいた本物の学会のセッションよりも、よっぽど盛況に見えた。(笑)
講義の終了後の交流会では、実習者同士がお互いに自己紹介をし合い、また今回の実習の目的などを共有することにより、より効率の良い実習となるように、心掛けた。
「医者は10人集まると必ず知り合いにあたる」とは、我々の業界の狭さを揶揄した言葉だが、その通りとなった。
中には初対面ながら意気投合し、タイの飲み屋街に消えていったグループもあった。
このような出会いがあるのは、旅の醍醐味でもあるので、喜ばしいことだ。
しかし次の日は実習だったので、あまり飲み過ぎないように気を付けてもらった(笑)。
次の日はいよいよ実習だ。
わたしにとっては、もう何度もやっている実習のはずなのだが、開始前のこの時ばかりは緊張が走るのはなぜだろう・・・
献体に対する忖度なのかどうかは分かるはずもなかった・・・
実習はしめやかに行われた。
実習は講師の先生のライブサージャリーに始まり、また各自にとって熱のこもったものとなった。
今回の実習がいかに充実したものであったかを、医学的な内容で、ここでつらつら書き連ねると、読んでいる皆さんはおそらく就寝してしまうので、この辺でやめておこうと思う。
今回の実習はおかげさまで総勢40数名のご参加をいただき大盛況であった。
タイのチュラロンコン大学の関係者や医療関係の業者からは、最大級の規模とのお褒めの言葉をいただいた。
(写真は昨年のもの)
また、昨年の視察の際に出会った、韓国のDr.Jeonも、今年我々が実習を行っていたその日に実習を開催していたらしく、偶然にも再会した。
実習開催日が決定したのが、お互いどのタイミングだったかはわからなかったが、折角なら国際交流企画などもやってみたかった。
Dr.Jeonとは、去年すでにLINEを交換している仲だったので、来年の合同開催を誓った
今年はそれぞれの場所での打ち上げとなったが、我々はタイの有名レストランのバーンカニタサトーン店で打ち上げを行った。
タイ名物の、トムヤンクンスープやグリーンカレーは絶品だった。
前日の講義、交流会、実習とすっかり打ち解けた皆さんは、思い思いに飲みつつ、実習の反省をした。
以上のような形で、盛会のうちに今年の実習は幕を閉じた。
タイトスケジュールの中、少々疲れた私たちは、スタッフの打ち上げに向かった。
場所は近所のスカイバーだ
景色は相変わらず圧巻であった。
タイのスカイバーに行くと、世界を征服した気持ちが味わえるとはよく言ったものだ・・・
もし私が、あなたが、世界を征服したとして、中心街のど真ん中にビルをブッ立て屋上に社長室を作ったとして・・・
その時に見る景色も、きっとここで見たものと同じなのでしょう・・・
タイトスケジュールの中、もうそろそろタイをお別れしないといけない時間が近づいてきてしまった。
今回はさすがに何かを考える余裕はなかった。
帰国はそれぞれバラバラで、皆それぞれ思い思いの帰路についた。
私は次の日、何のいやがらせかわからないような朝早い便だったので、飛行機の中で寝ながら帰路に就くことにした。
一瞬目が覚めたとき、東京の夜景が目に飛び込んできた。
遠くの方に富士山らしき山が見えた。
我々の住む日本は、何とも趣のある国であることを再確認した。
帰国後、韓国のJeonやタイのPraeに、LINEにて、最大級とお褒めの言葉をいただいた今年の当方の実習状況を写真で伝えた。
Jeonから「Wow awesome~~ I am glad to meet you too 」のお言葉をいただいた。
基本的に英語力が不足している私は、「awesome」の意味が分からなかったので、グーグル翻訳で調べたら、「すごい!!」とか「びっくり!!」の口語だと知った。
英語力という意味において、私は見事にマウンティングされた(爆笑)。
Praeには写真と共に、訪問の際のお礼を告げたら、以下のようなスタンプが返ってきた。
当院のスタッフが「これ無料のやつですよ」と教えてくれた。
私はそのスタッフに、余計なことは言わなくてよいことを教え諭した(爆笑)。
帰国後、しばらくしてから、私たちが実習をやったちょうど1週間後に、別の日本の団体がタイのチュラロンコン大学で解剖実習をやっていたと聞いた。
人伝いに聞いた話なので、真偽のほどは分かりかねるが、そちらの実習参加者は数名だったそうだ・・・
いくら何でも、数名と数十名とを見間違えることなないだろう・・・
そう思った私が、知らず知らずのうちに大成功を収めていたかもしれない・・・と思えた瞬間であった。
一方で、いろいろと課題も残った。
実習者への効率のいい連絡の取り方や、物品の準備に始まり、集合場所や送迎など、もっと改善できたであろうと思う点は枚挙に暇がない。
写真や動画などが、実習を効率化するための大事なツールであることは言うまでもないが、今回は一部の写真について、使用が許可されたことは画期的なことだった。
今後、もっと実習を充実させるために、精進しよう。
さて、何よりの課題であった、海外進出の足掛かりとなったかどうか?についてはどうだろう・・・??
海外進出と一言で言っても抽象的なので、ここで話を簡略化するために、海外でビジネスをすること・・・っと読み替えてみよう。
私は医療が専門なので、海外でいきなり飲食店などをやるわけにはいかない。
必然的に医療にまつわる何か・・・ということになるのだが、例えば、実際に海外で医療をやるとなるとそれはそれで障壁がいくつもあるものだ・・・
もちろんゆくゆくはそういったことにもチャレンジをしたいという気持ちもあるが、日本での仕事が開業医であるわたしにとって、現実問題としては、医療の教育にまつわる何かか、医療周辺の物販あたりだろうか・・・??
海外でのビジネスは基本的にコネがないと手も足も出ない。
そう考えてくると、今回のアクションが、海外のコネを作るのに効果的だったのか?と、読み解くことができる。
今回のアクションで、何人かの海外のドクターと仲良くなったとは言える。LINEも交換し、ちょこちょこ連絡を取り合う仲にはなった。
しかし海外でビジネスをするくらいのコネというのは、LINEを交換したくらいではダメで、もっと圧倒的な信頼関係を築かなくてならない。
そう考えたときに、こちらから一方的に恩を売れるようなことができれば望ましい。
例えば、今回の解剖実習で、日本式の美容医療や形成外科を学びたいという外国人ドクターがいたなら、教育的観点から徹底的に世話をすることにより、目的であった、「一方的に恩を売る」ということができたかもしれない。
しかし、今回の我々が主催した解剖実習で、私たちが広げた網に飛び込んできてくれるような外国人ドクターはいなかった。
よくよく考えれば、そちら向けにあまり準備をしていない状況で、そこに飛び込んでくるドクターがいるはずもない事に気づいた・・・
スポーツの試合でいうなら、完全にこちらの守りの甘さによる失点と言えるだろう。
この状況は、サッカーでいうところの、1-1の引き分けといったところだろうか・・・??
何の競技をやっているのかわからなくなってきたが、かの名監督であった野村克也氏の名言「勝ちに不思議の勝ちあり。負けに不思議の負けなし。」が不思議と思いだされた。
来年は、着実に勝ち点3を積み上げられるように、精進したいと思う。
そんな、反省会をしている間にも、時は過ぎて行ってしまう。
とかなんとか言っている間に、当院も毎年恒例の忘年会を迎えた。
今年は、ヨット部のパイセンである、麻酔科教授の近藤先生をお招きし、当院の忘年会名物の教授回診を執り行ってもらった。
また、今回は、当院忘年会のレギュラーメンバーに加え、先ほどの解剖実習の参加者も、たくさん来てくれた。
また、いつものことながら、多方面からお越しくださいましてありがとうございます。
西谷先生ご結婚おめでとうございます!!
今年も、患者様の紹介や解剖実習その他諸々でお世話になった方々、誠にありがとうございました!!
毎年、この場を借りて同じことを申し上げていることを恐縮に感じつつ、年末の御挨拶とさせていただければと思います。
今年1年ありがとうございました!!
さて来年は、私にとっても、皆様にとっても、そして日本国民全員にとっても、節目の年となるでしょう。
まさに、激動の時代にふさわしい変化が起きるかもしれない。
仮に、天変地異が起こったとしても、我々は力強く生きていかなければならない。
人は、思いがけないことに直面した時に、思わず「これはしょうがない・・・」と思ってしまうものだ。
来年は、自戒の意味も込めて「勝ちに不思議の勝ちあり。負けに不思議の負けなし。」を肝に銘じよう。
また、皆様と、行く先々で、元気にお会いできることを切に願います。
そんなわけで、皆様、メリークリスマス!!
良いお年を!!